このセクションでは、SGD 4.70 リリースの新機能について説明します。
SGD の以前のリリースでは、SGD サーバーへの接続のセキュリティー保護は、インストール後処理タスクとして行われていました。このリリースでは、SGD サーバーへの接続のセキュリティー保護は、インストール中に行うことができます。このことをセキュアモードでのインストールと呼びます。
セキュアモードインストールでは、tarantella security enable コマンドを使用して、SGD セキュリティーサービスを自動的に構成および有効化します。インストール中、ユーザーは接続をセキュリティー保護するための独自の SSL (Secure Sockets Layer) 証明書を使用することを選択できます。
また、セキュアモードインストールは、SGD サーバーのアレイ内でのセキュア通信を有効にします。つまり、アレイ内での SGD サーバー間の接続が暗号化されることを意味します。
セキュア接続を使用しない SGD のインストールも、引き続き可能です。
セキュアモードでのインストールの詳細については、SGD のインストールを参照してください。
このリリースでは、X.Org Foundation X サーバーリリース X11R7.6 に基づく新しい X プロトコルエンジン実装を取り込んでいます。
この新しい実装は、複数モニターとセッションの動的なサイズ変更のための拡張されたサポートを提供します。これらの機能は、RANDR 拡張と XINERAMA X 拡張の使用を通じて使用可能になります。
RANDR 拡張サポートを構成するための新しい属性が導入されました。RandR 拡張 (--array-xrandr-enabled
) 属性は、アレイの RANDR サポートを使用可能にします。ウィンドウサイズ: RandR 拡張 (--xrandr
) は、アプリケーションオブジェクトの RANDR サポートを使用可能にします。
SGD は X キーボード (XKB) X 拡張をサポートするようになりました。XKB の使用によって、より多くのロケールへの組み込みサポートが提供されることにより、グローバル化サポートが強化されます。X アプリケーションのキーボード入力を処理するためのレガシーのキーボードマップおよびサーバー側の構成は、不要になりました。
これらの新機能を使用するためのアプリケーションの構成の詳細については、RANDR X の拡張機能の使用を参照してください。
このリリースでは、SGD 経由で表示される Windows アプリケーションでのオーディオ録音のサポートを提供しています。
SGD アレイのオーディオ入力を使用可能にするためのオーディオ入力 (--array-audioin
) 属性が導入されました。
Windows アプリケーションのオーディオ録音を設定する方法の詳細については、SGD オーディオサービスの有効化を参照してください。
このリリースでは、Windows アプリケーションユーザーを認証するための、CredSSP を使用したネットワークレベル認証 (NLA) の使用をサポートしています。NLA を使用することによって、ユーザーは Windows アプリケーションサーバーでのセッションを確立する前に、自分自身を認証できます。
Windows アプリケーション用の NLA を構成するための拡張ネットワークセキュリティー (--enhancednetworksecurity
) 属性が導入されました。デフォルトでは、この属性は有効になっています。
Oracle Virtual Desktop Infrastructure (Oracle VDI) 配備との統合をさらに緊密にするために、新しい仮想サーバーブローカが導入されました。新しいブローカは Oracle VDI リリース 3.3 以降と一緒に使用できます。
新しいブローカは Oracle VDI Web サービス API を使用して、ユーザーの認証、デスクトップの一覧の取得、デスクトップの開始および停止を行います。このブローカがあれば、SGD と Oracle VDI は別々のホストにインストールできます。
この新しいブローカは VDI ブローカと呼ばれます。レガシーの Oracle VDI インストール向けの既存のブローカは、以前 VDI ブローカと呼ばれていましたが、このリリースではレガシー VDI ブローカに名前が変更されました。
次の表に、Oracle VDI バージョンに対するブローカの互換性を示します。
VDI ブローカは、専用の証明書トラストストア、ホスト負荷分散、タイムアウトなどの追加の機能を提供します。
VDI ブローカを構成および使用する方法の詳細については、VDI ブローカを参照してください。
レガシー VDI ブローカに関するドキュメントの問題についての重要な情報は、「レガシー VDI ブローカのドキュメントの問題」を参照してください。