5.3. オーディオ

このセクションでは、Windows アプリケーションおよび X アプリケーション用に SGD オーディオサービスを構成する方法について説明します。また、SGD オーディオに関するトラブルシューティング情報も含まれています。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

5.3.1. オーディオの設定

オーディオの設定には、次の設定手順が必要です。

  1. アプリケーションサーバーをオーディオ用に設定します。

  2. 正しいオーディオデバイスとオーディオ形式を使用するように X アプリケーションオブジェクトを設定します。

    「X アプリケーションをオーディオ用に設定する」を参照してください。

  3. SGD オーディオサービスを有効にします。

    「SGD オーディオサービスの有効化」を参照してください。

  4. クライアントデバイスのオーディオを構成します。

    「クライアントデバイスをオーディオ用に設定する」を参照してください。

5.3.2. Microsoft Windows アプリケーションサーバーをオーディオ用に設定する

オーディオを再生できるのは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上でオーディオのリダイレクトが有効になっている場合だけです。

オーディオを録音できるのは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっている場合だけです。

オーディオのリダイレクトとオーディオ録音リダイレクトをサポートする Windows プラットフォームについての詳細は、「SGD で使用するための Microsoft Windows リモートデスクトップサービス の構成」を参照してください。

5.3.3. UNIX および Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーをオーディオ用に設定する

X アプリケーションでオーディオを聞くことができるようにするには、SGD 拡張モジュールのオーディオモジュールを UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーにインストールして実行する必要があります。

5.3.3.1. オーディオモジュールのインストール

オーディオモジュールのインストールの手順については、『オラクル Secure Global Desktop インストールガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。SGD 拡張モジュールをインストールしたときにオーディオモジュールをインストールしなかった場合は、SGD 拡張モジュールをアンインストールしてから再インストールする必要があります。

注記

Oracle Solaris プラットフォーム上でゾーンを使用している場合は、オーディオモジュールが大域ゾーンにインストールされている必要があります。

オーディオモジュールは、SGD オーディオデーモンおよびオーディオドライバエミュレータをインストールします。Linux プラットフォーム上では、オーディオドライバエミュレータが動作するにはカーネル内に soundcore モジュールが必要です。このオーディオドライバエミュレータは、Open Sound System (OSS) エミュレータです。

注記

オーディオモジュールにはオーディオドライバエミュレータが含まれるため、アプリケーションサーバー自体にサウンドカードは不要です。

5.3.3.2. オーディオモジュールの起動

オーディオモジュールがインストールされている場合は、/opt/tta_tem/bin/tem startaudio コマンドを使用してオーディオサービスを開始します。このコマンドを使用するには、スーパーユーザー (root) になる必要があります。

5.3.3.3. SGD オーディオデーモンについて

オーディオが有効になっているときに、ユーザーが X アプリケーションを起動すると、SGD ログインスクリプトは、アプリケーションサーバー上で SGD オーディオデーモン sgdaudio を起動します。

オーディオデーモンは、SGD オーディオドライバエミュレータ sgdadem に接続し、/tmp/SGD/dev/sgdaudio ディレクトリ内のオーディオデバイスノードを起動します。オーディオデーモンは、SGDAUDIODEVAUDIODEV、および オーディオ 環境変数をオーディオデバイスノードの場所に設定します。その後、アプリケーションセッション中にオーディオデバイスノードがオーディオの再生に使用されます。

オーディオデーモンはオーディオデータを SGD サーバーに転送し、そこからクライアントにデータが送信されます。

オーディオデーモンがサポートするオーディオデータ形式を次に示します。

  • 8 ビット精度の u-law および A-law

  • 16 ビットリニア PCM (Pulse-code modulation)

オーディオを再生するには、クライアントデバイスでもこれらの形式がサポートされている必要があります。

オーディオデーモンは、1 または 2 チャネル用の 8000 Hz - 48 kHz の任意のサンプリングレートをサポートします。オーディオデーモンは、Administration Console の「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブにある「UNIX オーディオの音質」属性で指定されたサンプリングレートを使用します。デフォルトのサンプリングレートは 22.05 kHz です。

SGD オーディオデーモンは、ランダムなポート上で SGD サーバーに接続します。アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にファイアウォールが存在する場合、そのファイアウォールは、アプリケーションサーバーから SGD サーバーへのすべてのポート上の接続を許可する必要があります。

5.3.4. X アプリケーションをオーディオ用に設定する

X アプリケーションでオーディオを聞くには、適切なオーディオデバイスとオーディオ形式を使用してオーディオを出力するように X アプリケーションを設定することが必要な場合があります。

一部の X アプリケーションは、オーディオ出力のために /dev/audio または /dev/dsp デバイスを使用するようにハードコードされています。SGD オーディオリダイレクトライブラリを有効にすることにより、X アプリケーションに SGDAUDIODEV 環境変数で指定されたデバイスを強制的に使用させることができます。

Administration Console で、X アプリケーションの「クライアントデバイス」タブに移動し、「オーディオリダイレクトライブラリ」チェックボックスを選択します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella object edit --name obj --unixaudiopreload true

SGD オーディオドライバエミュレータは OSS ドライバであるため、OSS を使用するように X アプリケーションを構成することが必要になる可能性があります。システムが Advanced Linux Sound Architecture (ALSA) を使用している場合、カーネル内で ALSA OSS エミュレーションモジュールを有効にすることが必要な場合があります。

X アプリケーションに使用される接続方法 (--method) が SSH であり、アプリケーションの「ウィンドウタイプ」(--displayusing) が「キオスク」である場合は、「セッション終了」(--endswhen) 属性が「ログインスクリプトの終了」または「表示中のウィンドウがない」(--loginscriptnowindows) に設定されている必要があります。

5.3.5. SGD オーディオサービスの有効化

Windows アプリケーションおよび X アプリケーションでオーディオを聞くことができるようにするには、SGD アレイでオーディオサービスを有効にする必要があります。

Windows アプリケーションでオーディオを録音できるようにするには、SGD アレイで Windows オーディオ入力サービスを有効にする必要があります。

SGD サーバー間のファイアウォールによって、Windows オーディオに必要な接続が妨げられる場合があります。「SGD サーバー間のファイアウォール」を参照してください。

5.3.5.1. SGD Windows オーディオサービスを有効にする方法

Windows アプリケーションでオーディオを聞くことができるようにするには、アレイで SGD Windows オーディオサービスを有効にする必要があります。Windows オーディオサービスは、デフォルトでは無効に設定されています。

  1. Administration Console で、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブに移動し、「Windows オーディオ」チェックボックスを選択します。

    ヒント

    tarantella config edit --array-audio コマンドを使用して SGD Windows オーディオサービスを有効にすることもできます。

    オーディオサービスは、新しいユーザーセッションを開いたときに有効になります。ユーザーが現在の Windows リモートデスクトップサービスセッションでオーディオを有効にするには、SGD からログアウトしてログインし直す必要があります。

  2. (オプション) オーディオの品質を設定します。

    「Windows オーディオの音質」のオプションを選択します。

    デフォルトは「中音質オーディオ」(22.05kHz のサンプリングレートを使用) です。オーディオの品質に問題がある場合にのみ、この設定を変更してください。

5.3.5.2. SGD UNIX オーディオサービスを有効にする方法

X アプリケーションでオーディオを聞くことができるようにするには、アレイで SGD UNIX オーディオサービスを有効にする必要があります。UNIX オーディオサービスは、デフォルトでは無効に設定されています。

  1. Administration Console で、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブに移動し、「Unix オーディオ」チェックボックスを選択します。

    ヒント

    tarantella config edit --array-unixaudio コマンドを使用して SGD UNIX オーディオサービスを有効にすることもできます。

    注記

    オーディオサービスは、新しいユーザーセッションを開いたときに有効になります。ユーザーが X アプリケーションセッションでオーディオを有効にするには、SGD からログアウトしてログインし直す必要があります。

  2. (オプション) オーディオの品質を設定します。

    「UNIX オーディオの音質」のオプションを選択します。

    デフォルトは「中音質オーディオ」(22.05kHz のサンプリングレートを使用) です。オーディオの品質に問題がある場合にのみ、この設定を変更してください。

5.3.5.3. SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にする方法

Windows アプリケーションでオーディオを録音できるようにするには、アレイで SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にする必要があります。Windows オーディオ入力サービスは、デフォルトでは無効になっています。

  • Administration Console で、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブに移動し、「オーディオ入力」チェックボックスを選択します。

    ヒント

    tarantella config edit --array-audioin コマンドを使用して SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にすることもできます。

    Windows オーディオ入力サービスは、新しいユーザーセッションでのみ有効になります。ユーザーが現在の Windows リモートデスクトップサービスセッションでオーディオの録音を有効にするには、SGD からログアウトしてログインし直す必要があります。

5.3.6. クライアントデバイスをオーディオ用に設定する

Windows アプリケーションまたは X アプリケーションでオーディオを聞くには、クライアントデバイスでオーディオが再生可能になっている必要があります。

Oracle Solaris または Linux プラットフォームのクライアントデバイスのユーザーは、次のオーディオデバイスに対する読み取りおよび書き込みアクセス権を持っている必要があります。

  • Oracle Solaris プラットフォーム上の /dev/audio デバイス

  • Linux プラットフォーム上の /dev/dsp デバイス

Linux プラットフォームのクライアントデバイスの場合は、クライアントデバイス上で Enlightened Sound Daemon (ESD または EsounD) が実行されている必要があります。

ESD は通常、クライアントデバイスのデスクトップセッションが開始される際に起動されます。それ以外の場合は、要求時に ESD ライブラリによってデーモンが自動生成される必要があります。ESD 構成ファイル /etc/esd.conf で自動生成が有効になっていることを確認します。正しい設定は auto_spawn=1 です。

クライアントデバイス上のオーディオミキシングがサポートされています。Oracle Solaris ワークステーション、Microsoft Windows、および Mac OS X クライアントデバイス上では、クライアントハードウェアがミキシングを実行します。Linux および Sun Ray クライアントデバイス上では、ミキシングを実行するために ESD が必要です。

Windows アプリケーションでオーディオを録音できるようにするには、クライアントデバイスがオーディオを録音できる必要があります。

5.3.7. アプリケーションでのオーディオのトラブルシューティング

Windows アプリケーションおよび X アプリケーションでオーディオを使用している場合に発生する一般的な問題を次に示します。

5.3.7.1. オーディオがまったく再生されない

アプリケーションセッションでオーディオがまったく再生されない場合は、次のチェックリストを使って問題を解決してください。

Windows アプリケーションおよび X アプリケーションの場合は、次のチェックリストを使用できます。

Questions

  • 5.3.7.1.1: クライアントデバイスにオーディオデバイスが装備されていますか。

  • 5.3.7.1.2: Linux プラットフォームのクライアントデバイスの場合、ESD は実行されていますか。

  • 5.3.7.1.3: クライアントデバイスが消音になっていませんか。

  • 5.3.7.1.4: アプリケーションサーバーが消音に設定されていませんか。

  • 5.3.7.1.5: SGD サーバー上でオーディオサービスが有効になっていますか。

  • 5.3.7.1.6: オーディオの品質が変更されていますか。

  • 5.3.7.1.7: Windows アプリケーションの場合は、アプリケーションサーバーでオーディオのリダイレクトが有効になっていますか。

  • 5.3.7.1.8: Windows アプリケーションの場合、「リモートオーディオ」属性が有効になっていますか。

  • 5.3.7.1.9: Windows アプリケーションの場合、ユーザーセッションをホストしている SGD サーバーと、アプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

  • 5.3.7.1.10: X アプリケーションの場合、アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

  • 5.3.7.1.11: X アプリケーションの場合、SGD と SGD 拡張モジュールの互換性のあるバージョンを実行していますか。

  • 5.3.7.1.12: X アプリケーションの場合、SGD 拡張モジュールのオーディオモジュールをインストールしましたか。

  • 5.3.7.1.13: X アプリケーションが /dev/audio または /dev/dsp デバイスのどちらかを使用するようにハードコードされていますか。

  • 5.3.7.1.14: X アプリケーションはサウンドを適正な形式で出力していますか。

  • 5.3.7.1.15: UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーの場合、カーネルに SGD オーディオドライバが読み込まれていますか。

  • 5.3.7.1.16: X アプリケーションの場合、アプリケーションサーバー上で SGD オーディオデーモンが実行されていますか。

  • 5.3.7.1.17: X アプリケーションの場合、SGD オーディオデバイスノードが存在しますか。

  • 5.3.7.1.18: X アプリケーションの場合、オーディオデバッグログにアプリケーションのエラーが記録されていますか。

Questions and Answers

5.3.7.1.1: クライアントデバイスにオーディオデバイスが装備されていますか。

オーディオを再生するには、クライアントデバイスにオーディオデバイスが装備されている必要があります。オーディオデバイスが装備されている場合は、動作することを確認してください。

Oracle Solaris または Linux プラットフォームのクライアントデバイスのユーザーは、次のオーディオデバイスに対する読み取りおよび書き込みアクセス権も持っている必要があります。

  • Oracle Solaris プラットフォーム上の /dev/audio デバイス

  • Linux プラットフォーム上の /dev/dsp デバイス

注記

Oracle Solaris プラットフォーム上では、AUDIODEV 環境変数が別のデバイスに設定されている場合、SGD Client は /dev/audio デバイスを使用する前にこのデバイスを使用しようとします。

5.3.7.1.2: Linux プラットフォームのクライアントデバイスの場合、ESD は実行されていますか。

Linux プラットフォームのクライアントデバイスの場合は、ESD が実行されている必要があります。

次のコマンドを使用して、ESD が実行されていることを確認します。

$ ps -ef | grep esd

ESD は通常、クライアントデバイスのデスクトップセッションが開始される際に起動されます。ESD が実行されていない場合は、ESD 構成ファイル /etc/esd.conf で自動生成が有効になっていることを確認します。正しい設定は auto_spawn=1 です。

5.3.7.1.3: クライアントデバイスが消音になっていませんか。

クライアントデバイスの音量コントロールを調べ、ユーザーが消音に設定していたり、音量レベルが聞き取れないほど低くなっていたりしないかを確認します。

5.3.7.1.4: アプリケーションサーバーが消音に設定されていませんか。

アプリケーションサーバーまたはアプリケーションの音量コントロールを調べ、ユーザーが消音に設定していたり、音量レベルが聞き取れないほど低くなっていたりしないかを確認します。

5.3.7.1.5: SGD サーバー上でオーディオサービスが有効になっていますか。

デフォルトでは、SGD アレイで SGD オーディオサービスは無効になっています。

SGD Windows オーディオサービスを有効にする方法についての詳細は、「SGD Windows オーディオサービスを有効にする方法」を参照してください。

SGD UNIX オーディオサービスを有効にする方法についての詳細は、「SGD UNIX オーディオサービスを有効にする方法」を参照してください。

5.3.7.1.6: オーディオの品質が変更されていますか。

デフォルトでは、SGD オーディオサービスは「中音質オーディオ」を使用します。オーディオの品質を「低音質オーディオ」または「高音質オーディオ」に変更すると、アプリケーションセッションで使用されるオーディオ形式が制限され、クライアントデバイスでオーディオを再生できなくなることがあります。

Administration Console の「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブで、オーディオの品質を「中音質オーディオ」にリセットしてください。

5.3.7.1.7: Windows アプリケーションの場合は、アプリケーションサーバーでオーディオのリダイレクトが有効になっていますか。

オーディオを再生できるのは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上でオーディオのリダイレクトが有効になっている場合だけです。オーディオのリダイレクトをサポートする Windows プラットフォームの詳細については、「SGD で使用するための Microsoft Windows リモートデスクトップサービス の構成」を参照してください。

オーディオのリダイレクトは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上ではデフォルトで無効になっています。

5.3.7.1.8: Windows アプリケーションの場合、「リモートオーディオ」属性が有効になっていますか。

Windows アプリケーションオブジェクトの「リモートオーディオ」(--remoteaudio) 属性によって、オーディオがクライアントデバイスではなく、Windows アプリケーションサーバー上で再生されます。デフォルトでは、Windows アプリケーションオブジェクトでこの属性は無効になっています。

Administration Console で、Windows アプリケーションオブジェクトの「クライアントデバイス」タブで「リモートオーディオ」属性を無効にします。

5.3.7.1.9: Windows アプリケーションの場合、ユーザーセッションをホストしている SGD サーバーと、アプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

Windows アプリケーションの場合は、SGD サーバー間のファイアウォールによって、オーディオの接続が妨げられる場合があります。「SGD サーバー間のファイアウォール」を参照してください。

5.3.7.1.10: X アプリケーションの場合、アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

X アプリケーションの場合、SGD オーディオデーモンは、ランダムなポート上で SGD サーバーに接続します。アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にファイアウォールが存在する場合、そのファイアウォールは、アプリケーションサーバーから SGD サーバーへのすべてのポート上の接続を許可する必要があります。

5.3.7.1.11: X アプリケーションの場合、SGD と SGD 拡張モジュールの互換性のあるバージョンを実行していますか。

SGD と SGD 拡張モジュールのバージョンが異なる場合は、UNIX オーディオサービスが正しく機能しない可能性があります。たとえば、SGD バージョン 4.7 を経由して表示される X アプリケーションでオーディオを再生するには、Linux および UNIX プラットフォームのアプリケーションサーバーがバージョン 4.7 の拡張モジュールを実行している必要があります。

次のコマンドを使用して、SGD 拡張モジュールの現在のバージョンを確認してください。

$ /opt/tta_tem/bin/tem version

次のコマンドを使用して、SGD の現在のバージョンを確認してください。

$ tarantella version

SGD 拡張モジュールをアップグレードする方法についての詳細は、『オラクル Secure Global Desktop インストールガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。

5.3.7.1.12: X アプリケーションの場合、SGD 拡張モジュールのオーディオモジュールをインストールしましたか。

X アプリケーションでサウンドを再生できるようにするには、SGD 拡張モジュールのオーディオモジュールをアプリケーションサーバーにインストールして実行する必要があります。

SGD 拡張モジュールをインストールする方法についての詳細は、『オラクル Secure Global Desktop インストールガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。

注記

Oracle Solaris プラットフォーム上でゾーンを使用している場合、オーディオモジュールは、大域ゾーンにインストールされている場合にのみ機能します。

次のコマンドを使用して、UNIX オーディオプロセスが実行されていることを確認してください。

$ /opt/tta_tem/bin/tem status

次のコマンドを使用して、UNIX オーディオモジュールを開始します。

# /opt/tta_tem/bin/tem startaudio

このコマンドを使用するには、スーパーユーザー (root) になる必要があります。

5.3.7.1.13: X アプリケーションが /dev/audio または /dev/dsp デバイスのどちらかを使用するようにハードコードされていますか。

アプリケーションが /dev/audio または /dev/dsp デバイスのどちらかを使用するようにハードコードされている場合は、そのアプリケーションで SGD オーディオドライバエミュレータが確実に使用されるようにするために SGD オーディオリダイレクトライブラリを有効にすることが必要になる可能性があります。「X アプリケーションをオーディオ用に設定する」を参照してください。

5.3.7.1.14: X アプリケーションはサウンドを適正な形式で出力していますか。

SGD オーディオドライバエミュレータは OSS ドライバです。OSS を使用するように X アプリケーションを設定することが必要な場合があります。システムが ALSA を使用している場合、カーネル内で ALSA OSS エミュレーションモジュールを有効にすることが必要な場合があります。

5.3.7.1.15: UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーの場合、カーネルに SGD オーディオドライバが読み込まれていますか。

SGD 拡張モジュールをアプリケーションサーバーにインストールすると、SGD オーディオドライバ sgdadem がインストールされます。オーディオドライバがカーネルにロードされていることを確認してください。

  • Oracle Solaris プラットフォーム上では、modinfo -c コマンドを使用して、sgdadem モジュールが読み込まれているかどうかを確認します。

  • Linux プラットフォーム上では、lsmod コマンドを使用して、sgdadem および soundcore モジュールが読み込まれているかどうかを確認します。

オーディオドライバがインストールされているが、ロードされていない場合は、次の方法でモジュールを手動でロードしてください。

  • Oracle Solaris プラットフォーム上では、modload -i moduleID コマンドを使用します。moduleID を検索するには、modinfo -c コマンドを使用します。

  • Linux プラットフォーム上では、modprobe sgdadem コマンドを使用します。

オーディオドライバを手動でロードするときにエラーが発生した場合は、エラーを修正してからドライバのロードを再度試みます。

SGD オーディオドライバが一覧表示されない場合は、オーディオモジュールのインストールログにエラーがないかどうかを確認します。インストールログは /opt/tta_tem/var/log/tem_unixaudio_inst.log です。ログにエラーが記録されている場合は、エラーを修正してからドライバのロードを再度試みます。

それでもオーディオドライバがカーネルにロードされない場合は、Oracle のサポートにお問い合わせください。

5.3.7.1.16: X アプリケーションの場合、アプリケーションサーバー上で SGD オーディオデーモンが実行されていますか。

SGD 経由でアクセスされる X アプリケーションごとに、sgdaudio という名前の SGD オーディオデーモンが実行されています。次のコマンドを使って、オーディオデーモンのインスタンスを表示します。

$ ps -ef | grep -i sgdaudio

オーディオデーモンが表示されない場合は、オーディオデーモンのログファイルでエラーを確認します。SGD オーディオデーモンは、すべての致命的エラーを /opt/tta_tem/var/log/sgdaudioPID.log ファイルに記録します。

5.3.7.1.17: X アプリケーションの場合、SGD オーディオデバイスノードが存在しますか。

SGD オーディオデーモンは実行されている場合、/tmp/SGD/dev/sgdaudio ディレクトリ内のオーディオデバイスノードを起動します。

X アプリケーションセッションで、ユーザーの SGDAUDIODEVAUDIODEV、および AUDIO 環境変数の値を確認してください。これらの値が SGD オーディオデバイスノードの場所に設定されている必要があります。

これらの環境変数が正しく設定されている場合は、/tmp/SGD/dev/sgdaudio ディレクトリ内にデバイスファイルが存在することを確認します。

5.3.7.1.18: X アプリケーションの場合、オーディオデバッグログにアプリケーションのエラーが記録されていますか。

アプリケーションサーバーで UNIX オーディオデバッグロギングを有効にし、ログファイルでエラーを確認します。

詳細については、「UNIX オーディオデバッグロギングの有効化」を参照してください。

5.3.7.2. オーディオが録音されない

Windows アプリケーションセッションでオーディオの録音が機能しない場合は、次のチェックリストを使用して問題を解決してください。

Questions

  • 5.3.7.2.1: クライアントデバイスにオーディオ録音デバイスが存在しますか。

  • 5.3.7.2.2: クライアントデバイス上で録音ボリュームがミュートされていませんか。

  • 5.3.7.2.3: アプリケーションサーバー上で録音ボリュームがミュートされていませんか。

  • 5.3.7.2.4: SGD サーバー上で Windows オーディオ入力サービスが有効になっていますか。

  • 5.3.7.2.5: Windows アプリケーションの場合、アプリケーションサーバー上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっていますか。

  • 5.3.7.2.6: Windows アプリケーションの場合、ユーザーセッションをホストしている SGD サーバーと、アプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

Questions and Answers

5.3.7.2.1: クライアントデバイスにオーディオ録音デバイスが存在しますか。

オーディオを録音できるようにするには、クライアントデバイスにオーディオ録音デバイスが必要です。オーディオ録音デバイスが存在する場合は、オーディオ録音デバイスが機能することを確認します。

5.3.7.2.2: クライアントデバイス上で録音ボリュームがミュートされていませんか。

クライアントデバイス上で録音ボリュームコントロールをチェックして、ユーザーが録音ボリュームをミュートしたり、音量レベルを録音されない程低い値に設定したりしていないかどうかを確認してください。

5.3.7.2.3: アプリケーションサーバー上で録音ボリュームがミュートされていませんか。

アプリケーションサーバー上またはアプリケーションで録音ボリュームコントロールをチェックして、ユーザーが録音ボリュームをミュートしたり、音量レベルを録音されない程低い値に設定したりしていないかどうかを確認してください。

5.3.7.2.4: SGD サーバー上で Windows オーディオ入力サービスが有効になっていますか。

デフォルトでは、SGD アレイで SGD Windows オーディオ入力サービスは無効になっています。

SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にする方法についての詳細は、「SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にする方法」を参照してください。

5.3.7.2.5: Windows アプリケーションの場合、アプリケーションサーバー上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっていますか。

オーディオを録音できるのは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっている場合だけです。オーディオ録音リダイレクトをサポートする Windows プラットフォームについての詳細は、「SGD で使用するための Microsoft Windows リモートデスクトップサービス の構成」を参照してください。

オーディオ録音リダイレクトは、Windows リモートデスクトップセッションホスト上ではデフォルトで無効になっています。

Microsoft Windows 7 Enterprise プラットフォーム上では、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\WinStations\RDP-Tcp キーに次のレジストリエントリを追加します。

"fDisableAudioCapture"=dword:00000000

5.3.7.2.6: Windows アプリケーションの場合、ユーザーセッションをホストしている SGD サーバーと、アプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーの間にファイアウォールが存在しますか。

Windows アプリケーションの場合は、SGD サーバー間のファイアウォールによって、オーディオの接続が妨げられる場合があります。「SGD サーバー間のファイアウォール」を参照してください。

5.3.7.3. オーディオがこもっているまたは歪んでいる

オーディオがこもっていたり歪んでいたりする場合は、オーディオ品質およびオーディオ圧縮設定を調整して、オーディオが改善されるかどうかを確認してください。次の方法で調整できます。

  • Administration Console の「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブにある「サウンド品質」属性。

  • Administration Console の SGD サーバーの「プロトコルエンジン」 → 「オーディオ」タブにある「オーディオ出力パケット圧縮」または「オーディオ入力パケット圧縮」属性。

    デフォルトでは、データ圧縮は低速な接続でのみ有効になっています。すべての接続でデータ圧縮を有効にするには、「常に」の設定を使用します。

5.3.7.4. すべてのユーザーにオーディオが必要であるとは限らない場合

Windows アプリケーションサーバー上でオーディオ再生を有効にして、SGD オーディオサービスを有効にすると、すべてのユーザーが Windows アプリケーションセッションでオーディオを再生できるようになります。

Windows アプリケーションサーバー上でオーディオの録音を有効にして、SGD Windows オーディオ入力サービスを有効にすると、すべてのユーザーが Windows アプリケーションセッションでオーディオを録音できるようになります。

ただし、オーディオの再生や録音によって、使用されるネットワーク帯域幅の量が増えるため、これらの機能の使用を制限することもできます。現在、これを行うための唯一の方法は、Windows アプリケーションサーバー上のユーザーのグループのオーディオ再生とオーディオの録音を無効にすることです。これを行うには、コンピュータの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ\デバイスとリソースのリダイレクトにあるグループ ポリシー オブジェクトの「オーディオおよびビデオ再生リダイレクトを許可する」と「オーディオ録音リダイレクトを許可する」設定を無効にします。

Windows Server 2008 R2 より前の Windows アプリケーションサーバーの場合は、オーディオ再生の設定は「オーディオのリダイレクトを許可する」と呼ばれ、グループ ポリシー オブジェクトはコンピュータの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\ターミナル サービス\クライアント/サーバー データ リダイレクトにあります。

これらの設定への変更は、新しい Windows リモートデスクトップサービスセッションにのみ適用されます。

5.3.7.5. UNIX オーディオデバッグロギングの有効化

UNIX オーディオのデバッグロギングを有効にするには、アプリケーションサーバー上でスーパーユーザー (root) としてログインし、/etc/sgdtem.conf ファイルを編集します。このファイル内の SGDUNIXAUDIODEBUG 環境変数の値を次のように変更します。

SGDUNIXAUDIODEBUG=1; export SGDUNIXAUDIODEBUG

デバッグロギング出力を取得するには、ユーザーがアプリケーションの新しいインスタンスを起動する必要があります。アプリケーションを中断して再開しても、SGD オーディオデーモンの新しいインスタンスが起動されないため、出力は何も生成されません。

デバッグロギングの出力は、/opt/tta_tem/var/log/sgdaudioPID.log ファイルに送信されます。