1.1. リリース 4.70 の新機能

このセクションでは、SGD 4.70 リリースの新機能について説明します。

1.1.1. デフォルトでのセキュアインストール

SGD の以前のリリースでは、SGD サーバーへの接続のセキュリティー保護は、インストール後処理タスクとして行われていました。このリリースでは、SGD サーバーへの接続のセキュリティー保護は、インストール中に行うことができます。このことをセキュアモードでのインストールと呼びます。

セキュアモードインストールでは、tarantella security enable コマンドを使用して、SGD セキュリティーサービスを自動的に構成および有効化します。インストール中、ユーザーは接続をセキュリティー保護するための独自の SSL (Secure Sockets Layer) 証明書を使用することを選択できます。

また、セキュアモードインストールは、SGD サーバーのアレイ内でのセキュア通信を有効にします。つまり、アレイ内での SGD サーバー間の接続が暗号化されることを意味します。

セキュア接続を使用しない SGD のインストールも、引き続き可能です。

セキュアモードでのインストールの詳細については、SGD のインストールを参照してください。

1.1.2. 新しい X サーバー実装

このリリースでは、X.Org Foundation X サーバーリリース X11R7.6 に基づく新しい X プロトコルエンジン実装を取り込んでいます。

この新しい実装は、複数モニターとセッションの動的なサイズ変更のための拡張されたサポートを提供します。これらの機能は、RANDR 拡張と XINERAMA X 拡張の使用を通じて使用可能になります。

RANDR 拡張サポートを構成するための新しい属性が導入されました。RandR 拡張 (--array-xrandr-enabled) 属性は、アレイの RANDR サポートを使用可能にします。ウィンドウサイズ: RandR 拡張 (--xrandr) は、アプリケーションオブジェクトの RANDR サポートを使用可能にします。

SGD は X キーボード (XKB) X 拡張をサポートするようになりました。XKB の使用によって、より多くのロケールへの組み込みサポートが提供されることにより、グローバル化サポートが強化されます。X アプリケーションのキーボード入力を処理するためのレガシーのキーボードマップおよびサーバー側の構成は、不要になりました。

これらの新機能を使用するためのアプリケーションの構成の詳細については、RANDR X の拡張機能の使用を参照してください。

1.1.3. Windows アプリケーション用のオーディオ録音

このリリースでは、SGD 経由で表示される Windows アプリケーションでのオーディオ録音のサポートを提供しています。

SGD アレイのオーディオ入力を使用可能にするためのオーディオ入力 (--array-audioin) 属性が導入されました。

Windows アプリケーションのオーディオ録音を設定する方法の詳細については、SGD オーディオサービスの有効化を参照してください。

1.1.4. Windows アプリケーション用のネットワークレベル認証サポート

このリリースでは、Windows アプリケーションユーザーを認証するための、CredSSP を使用したネットワークレベル認証 (NLA) の使用をサポートしています。NLA を使用することによって、ユーザーは Windows アプリケーションサーバーでのセッションを確立する前に、自分自身を認証できます。

Windows アプリケーション用の NLA を構成するための拡張ネットワークセキュリティー (--enhancednetworksecurity) 属性が導入されました。デフォルトでは、この属性は有効になっています。

1.1.5. Oracle VDI 用の新規仮想サーバーブローカ

Oracle Virtual Desktop Infrastructure (Oracle VDI) 配備との統合をさらに緊密にするために、新しい仮想サーバーブローカが導入されました。新しいブローカは Oracle VDI リリース 3.3 以降と一緒に使用できます。

新しいブローカは Oracle VDI Web サービス API を使用して、ユーザーの認証、デスクトップの一覧の取得、デスクトップの開始および停止を行います。このブローカがあれば、SGD と Oracle VDI は別々のホストにインストールできます。

この新しいブローカは VDI ブローカと呼ばれます。レガシーの Oracle VDI インストール向けの既存のブローカは、以前 VDI ブローカと呼ばれていましたが、このリリースではレガシー VDI ブローカに名前が変更されました。

次の表に、Oracle VDI バージョンに対するブローカの互換性を示します。

表1.1 Oracle VDI と一緒に使用されるブローカ

ブローカ名

Oracle VDI バージョン

VDI ブローカ

3.3.2 および 3.4.1

レガシー VDI ブローカ

3.2


VDI ブローカは、専用の証明書トラストストア、ホスト負荷分散、タイムアウトなどの追加の機能を提供します。

VDI ブローカを構成および使用する方法の詳細については、VDI ブローカを参照してください。

レガシー VDI ブローカに関するドキュメントの問題についての重要な情報は、「レガシー VDI ブローカのドキュメントの問題」を参照してください。