このセクションには、SGD Client のクライアントプロファイルを管理および構成する方法に関する詳細が含まれています。
このセクションの内容は、次のとおりです。
クライアントプロファイルとは、SGD Client を制御する構成設定のグループのことです。クライアントプロファイルの設定には、次の内容が含まれます。
SGD Client が起動時に接続する先の URL。これは通常、SGD にログインするために使用される URL です。
プロキシサーバー構成。プロキシ設定をプロファイル内で手動で設定するか、またはブラウザから引き継ぐか。
SGD Client が SGD サーバーに接続できるのは、この両方のメジャーバージョンおよびパッチバージョン番号が同じ場合だけです。たとえば、バージョン 4.40.917 などです。
ユーザーが接続する SGD サーバーごとに、設定の 1 つのグループであるクライアントプロファイルが 1 つ存在します。このプロファイルは、ユーザーがその SGD サーバーに接続したときにダウンロードされます。SGD Client が手動でインストールされた場合は、SGD Client がはじめて起動されると、ユーザーは初期接続情報を入力するよう求められます。
クライアントプロファイルは、ユーザープロファイルとは異なります。ユーザープロファイルは、Webtop コンテンツや、印刷などのその他の SGD 固有の設定を制御します。
このセクションの内容は、次のとおりです。
SGD 管理者は、SGD 管理ツールである Profile Editor を使用してクライアントプロファイルを管理します。Profile Editor ツールは、SGD 管理者のみが使用できます。
SGD 管理者は、次のオブジェクトのクライアントプロファイルを作成、編集、および削除することができます。
組織オブジェクト
組織単位 (OU) オブジェクト
System Objects
組織内のプロファイルオブジェクト。例: System Objects/LDAP Profile
これらの各オブジェクトに作成できるクライアントプロファイルは 1 つだけです。クライアントプロファイルは、SGD サーバー上に格納されます。
デフォルトのシステムクライアントプロファイルは、System Objects
組織のプロファイルです。このクライアントプロファイルは、編集可能ですが、削除はできません。
ユーザーは、Webtop からユーザー独自のクライアントプロファイルを編集できます。Webtop のアプリケーション領域にある「編集」ボタンをクリックし、「クライアントの設定」タブに移動します。
ユーザーは、現在接続されている SGD サーバーのクライアントプロファイルのみを編集できます。ユーザーのクライアントプロファイルは、SGD サーバーではなく、クライアントデバイス上に格納されます。
匿名ユーザーは、クライアントプロファイルを編集できません。これらのユーザーは一時的なユーザーであるためです。詳細については、「匿名ユーザーの認証」を参照してください。
SGD のプロファイル編集を有効にします。
SGD のプロファイル編集は、デフォルトで有効になっています。
Administration Console で、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブに移動します。
「プロファイルの編集」セクションで、「編集」チェックボックスが選択されていることを確認します。
デフォルトでは、チェックボックスは選択されています。
プロファイル編集が無効になっている場合は、SGD 管理者を含むすべてのユーザーに対して無効になります。ただし、SGD 管理者は Profile Editor アプリケーションを使用して、引き続きクライアントプロファイルを作成および編集できます。
組織階層内のプロファイル編集を設定します。
プロファイル編集は、組織、組織単位、またはユーザープロファイルに対して設定できます。
プロファイル編集は組織階層内の親オブジェクトから継承できるため、SGD 管理者は、各ユーザープロファイルを編集しなくても多数のユーザーのプロファイル編集を有効または無効にすることができます。デフォルトでは、すべてのユーザーのプロファイル編集が有効になっています。
Administration Console で、「ユーザープロファイル」タブに移動し、組織階層内のオブジェクトを選択します。
「クライアントデバイス」タブに移動します。
クライアントプロファイルの編集を、次のように有効にします。
「親の設定をオーバーライド」または「グローバル設定のオーバーライド」チェックボックスを選択します。
このチェックボックスを選択すると、任意の親オブジェクトのプロファイル編集設定を上書きできます。たとえば、OU のプロファイル編集を無効にする一方で、その OU 内のあるユーザープロファイルのプロファイル編集を有効にすることができます。
「有効」チェックボックスを選択します。
このチェックボックスを選択すると、ユーザープロファイル、あるいは組織単位または組織内のすべてのユーザーのプロファイル編集が有効になります。
このチェックボックスの初期状態は、その親オブジェクトの設定です。
「保存」をクリックします。
次の表に、クライアントプロファイルで使用可能な設定とその機能について説明します。
設定 | 説明 |
---|---|
ログイン URL |
プロファイルに使用する SGD URL。これは通常 ユーザーが Webtop をブラウザに表示することによって SGD を実行する場合は、Webtop にログインしてアクセスできるように、この URL がユーザーのデフォルトブラウザに自動的に読み込まれます。 常に完全修飾ドメイン名を使用してください。 クライアントプロファイル内の URL は、コマンド行引数を使用して上書きできます。「コマンド行からの SGD Client の実行」を参照してください。
デフォルトの「ログイン URL」は |
代替の PDF ビューア | PDF 印刷で使用する代替 PDF ビューア用のアプリケーションコマンド。
アプリケーションがユーザーの この設定が適用されるのは、UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスだけです。 |
ロギング | SGD Client ログファイルに出力される情報の量を制御します。 Windows プラットフォーム上では、出力はユーザーのアプリケーションデータフォルダに記録されます。UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォーム上では、出力はシステムログの場所に記録されます。 デフォルトのログファイルの場所については、「SGD Client のロギング」を参照してください。 デフォルトは、「エラーのみ」です。 |
言語の選択 | SGD Client がコマンド行から起動されたときに使用するデフォルト言語。 選択された言語は、SGD Client、ログインダイアログ、および Webtop によって表示されるメッセージに使用されます。 詳細は、「Webtop の言語を設定する」を参照してください。 デフォルト値は en です。 |
複数のモニターに広げる (キオスクモード) | X アプリケーションをマルチヘッドモニターまたはデュアルヘッドモニターにキオスクモードで表示できるようにします。 有効になっている場合は、キオスクモードの表示がすべてのモニターに広がります。 無効になっている場合は、キオスクモードの表示がプライマリモニターのみを使用して表示されます。これは、デフォルト設定です。 |
クライアントポインタをワープすることをアプリケーションに許可 | アプリケーションがマウスポインタを制御できるようにします。 |
クライアントキーボード配列の一致を試行 | 有効になっている場合、SGD は、クライアントキーボードのロケールとキー配列を自動的に検出しようとします。 一部のクライアントキーボードでは、ユーザーが引き続き、これらの設定を手動で構成しなければならない場合があります。ユーザーは「クライアントキーボード配列の一致を試行」の設定を無効にして、自分のキーボードに適した配列とロケールを構成できます。 デフォルトでは、この設定が有効になっており、ほとんどのキーボードで適切に動作します。デフォルト設定を使用しているときに問題が発生する場合は、Oracle サポートまでお問い合わせください。 |
プロキシ設定 | SGD Client によって使用するプロキシサーバーが決定される方法を制御する設定。 「デフォルトの Web ブラウザ設定を使用する」を指定すると、ユーザーのデフォルトブラウザで構成されているプロキシサーバーの設定が使用されます。 手動プロキシ設定を使用すると、プロファイルにプロキシサーバー設定を定義できます。HTTP プロキシサーバーを指定できます。 プロキシ設定がブラウザから決定されると、その設定は格納され、次回 SGD Client が起動したときに使用されます。 「セッション開始時のプロキシ設定を確立」が有効になっている場合、SGD Client は、起動するたびにブラウザからプロキシ設定を取得します。保存済みのプロキシ設定は使用されません。 デフォルトでは、「デフォルトの Web ブラウザ設定を使用する」チェックボックスが選択され、「セッション開始時にプロキシ設定を確立する」チェックボックスは選択されていません。 |
接続の失敗 | SGD サーバーへの接続が失われた場合の SGD Client の動作を制御する設定であり、常に再接続するか、再接続しないか、またはユーザーに尋ねるかを指定します。 SGD Client が再接続する場合、これらの設定は、再接続するための試行の回数と各試行の間隔 (秒単位) を制御します。 SGD Client が再接続できない場合は、ユーザーセッションが終了し、アプリケーションの再開機能の設定に応じて、実行中のアプリケーションがすべて終了または中断されます。 デフォルトの設定は「常に再接続を試行する」であり、試行回数は 6、間隔は 10 秒です。 |
クリップボード同期 | SGD のクリップボード上のデータがクライアントデバイス上のクリップボードと同期される方法を制御する設定。 一部のクライアントプラットフォーム (Mac OS X など) では、SGD アプリケーションとの間のコピー&ペーストを構成するために、ユーザーがこれらの設定を変更することが必要になる可能性があります。 CLIPBOARD 選択は、メニューオプションを使用してコピー&ペーストされるデータを指します。PRIMARY 選択は、強調表示およびマウスの中ボタンの使用によってコピー&ペーストされるデータを指します。 これらの設定は、UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのコンピュータにのみ適用されます。 |
キーボードショートカット | ユーザーが SGD アプリケーションで使用する次のキーボードショートカットを構成できるようにします。
これらの設定は、UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのコンピュータにのみ適用されます。 |
SGD 管理者によって作成されたクライアントプロファイルは、それが作成された SGD サーバー上に格納されます。これらのプロファイルは次に、すべての SGD サーバー上で編集できるように、アレイ内のすべての SGD サーバーにコピーされます。
ユーザーがはじめて SGD にログインすると、SGD Client は、クライアントプロファイルをクライアントデバイス上のプロファイルキャッシュにダウンロードします。次に示すクライアントプロファイルの中で最初に一致したものがダウンロードされます。
そのユーザーに割り当てられている、システムオブジェクト組織内のユーザープロファイルオブジェクトに対して定義されたクライアントプロファイル。たとえば、ユーザーが LDAP 認証を使用して認証され、System Objects/LDAP Profile
オブジェクトのクライアントプロファイルが存在する場合は、これがダウンロードされるプロファイルになります。
ユーザーが属する組織単位または組織のために SGD 管理者によって定義されたクライアントプロファイル。ユーザーの組織単位のクライアントプロファイルが存在しない場合、SGD はそれより上の組織階層のすべての親オブジェクトをチェックして、クライアントプロファイルが存在するかどうかを確認します。
System Objects
オブジェクトに定義されたシステムのデフォルトクライアントプロファイル。
ユーザーがクライアントプロファイルを編集して保存すると、SGD 管理者によって定義されたクライアントプロファイル (または、システムのデフォルトクライアントプロファイル) がオーバーライドされ、クライアントデバイス上のプロファイルキャッシュにのみ保存されるユーザー固有のクライアントプロファイルが作成されます。
クライアントプロファイルへの変更を有効にするには、ユーザーは SGD からログアウトしてログインし直す必要があります。
プロファイルキャッシュは、クライアントデバイスから SGD にログインする各ユーザーに固有のものであり、次の場所に格納されます。
UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイス – $HOME/.tarantella/tcc/profile.xml
Microsoft Windows XP クライアントデバイス – C:\Documents and Settings\
username
\Local Settings\Application Data\Sun\SSGD\profile.xml
Microsoft Windows 7 クライアントデバイス – C:\Users\
username
\AppData\Local\Sun\SSGD\profile.xml
Windows ユーザーがローミングユーザープロファイルを持っている場合は、「ローミングユーザープロファイルでの自動インストールを有効にする方法」を参照してください。
手動または自動のどちらでインストールされたかにかかわらず、SGD Client では同じプロファイルキャッシュが使用されます。
管理者によって定義されたクライアントプロファイルを使用している場合でも、ユーザーがクライアントプロファイルを編集するときまたはユーザーがログインするときには、そのたびにプロファイルキャッシュが更新されます。
ユーザーがクライアントプロファイルを編集していないと、profile.xml
ファイルに加えられた手動の変更は、ユーザーが次回ログインしたときにすべて失われます。
プロファイルキャッシュには、ユーザーが接続する SGD サーバーごとに 1 つのクライアントプロファイルが含まれています。
クライアントプロファイルを編集したあとに「リセット」ボタンをクリックすれば、デフォルト設定を復元できます。これにより、クライアントプロファイルはリセットされ、System Objects
オブジェクトのシステムのデフォルトクライアントプロファイルに定義されている設定に戻ります。
Microsoft Windows クライアントデバイスのユーザーは、ローミングユーザープロファイルを持つことができます。ローミングユーザープロファイルにより、ユーザーがどの Microsoft Windows コンピュータを使用する場合でも、同じ環境が提供されます。Microsoft Windows ユーザーがローミングユーザープロファイルを持っている場合は、これを実現するために、次のように SGD Client プロファイルが自動的に調整されます。
ユーザーのクライアントデバイスに固有の設定 (プロキシサーバー構成など) は、クライアントデバイスの次のデフォルトの場所に格納されます。
Microsoft Windows XP クライアントデバイス – C:\Documents and Settings\
username
\Local Settings\Application Data\Sun\SSGD\profile.xml
Microsoft Windows 7 クライアントデバイス – C:\Users\
username
\AppData\Local\Sun\SSGD\profile.xml
言語設定などのユーザー固有の設定がローミングユーザープロファイルの場所に格納されます。
Microsoft Windows XP クライアントデバイス – C:\Documents and Settings\
username
\Application Data\Sun\SSGD\profile.xml
Microsoft Windows 7 クライアントデバイス – C:\Users\
username
\AppData\Roaming\Sun\SSGD\profile.xml
この場所には、ユーザーの hostsvisited
および certstore.pem
ファイルも含まれています。
SGD Client プロファイルの次の設定は、ユーザーのローミングプロファイルの場所に格納されます。
設定 | プロファイルのエントリ |
---|---|
ログイン URL |
|
接続の失敗 |
|
ユーザーのローミングプロファイルとともに格納される設定は、プロパティーファイル /opt/tarantella/var/serverconfig/local/roamingattributes.properties
によって制御されます。
ローミングユーザープロファイルは、デフォルトでは有効に設定されていません。ローミングプロファイルを使用するように SGD を構成する方法についての詳細は、「ローミングユーザープロファイルでの自動インストールを有効にする方法」を参照してください。