5.1. 印刷

このセクションでは、SGD で印刷サービスを構成する方法について説明します。ここで説明する内容は次のとおりです。

5.1.1. SGD 印刷の概要

SGD は、PDF 印刷とプリンタ直接印刷という 2 種類の印刷をサポートしています。

PDF 印刷では、ユーザーは、SGD PDF プリンタを使用してアプリケーションから印刷します。印刷ジョブは PostScript 形式である必要があります。PostScript 印刷ジョブは、アプリケーションサーバーから SGD サーバーに送信され、そこで PDF (Portable Document Format) ファイルに変換されます。次に、その PDF ファイルは SGD サーバーからユーザーのクライアントデバイス上の PDF ビューアに送信され、そこで表示、保存、および印刷できるようになります。

プリンタ直接印刷では、ユーザーはアプリケーションから、クライアントデバイスに接続されたプリンタに印刷します。SGD はこれを、SGD ホスト上の lp または lpr 印刷システムおよびアプリケーションサーバー上のネイティブ印刷システムと連携して実行します。印刷ジョブは、アプリケーションサーバーから SGD サーバーに送信されます。次に、その印刷ジョブは SGD サーバーから SGD Client に送信され、さらにそこからユーザーのクライアントプリンタに送信されます。アプリケーションサーバーによって使用される印刷ジョブの形式がクライアントプリンタに必要な形式とは異なる場合、SGD は、印刷ジョブを変換してから SGD Client に送信します。

PDF 印刷は通常、プリンタ直接印刷に比べて信頼性が高く、出力結果もより優れています。

SGD には、Universal PDF プリンタUniversal PDF ビューアという 2 つの PDF プリンタがあります。

Microsoft Windows クライアントデバイス上では、Universal PDF プリンタが印刷ジョブを Adobe Reader に PDF ファイルとして表示し、そこでその PDF ファイルがユーザーのデフォルトプリンタに印刷されます。Universal PDF Viewer も、印刷ジョブを Adobe Reader 内の PDF ファイルとして表示しますが、ユーザーはこの PDF ファイルを印刷するか保存するかを決定できます。

UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスでは、「Universal PDF Printer」と「Universal PDF Viewer」に違いはありません。印刷ジョブは常に PDF ビューア内の PDF ファイルとして表示されます。ユーザーは、この PDF ファイルを印刷するかまたは保存するかを決定できます。

SGD では、分散印刷を使用します。印刷ジョブは、ユーザーのアプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーに送信されます。つまり、ユーザーの印刷ジョブはアレイ全体にわたって分散されるため、ボトルネックやシングルポイント障害は発生しません。

SGD は、ユーザーのクライアントデバイスに接続された PostScript、PCL (Printer Command Language)、およびテキスト専用プリンタへのプリンタ直接印刷をサポートしています。SGD の tta_print_converter スクリプトは、印刷ジョブをクライアントプリンタ用に正しくフォーマットするために必要なすべての変換を実行します。Postscript から PCL に変換するには、SGD サーバーに Ghostscript がインストールされている必要があります。

5.1.2. 印刷の設定

印刷の設定には、次の設定手順が必要です。

  1. 印刷用のアプリケーションサーバーを設定します。

    アプリケーションサーバーに必要な設定は、アプリケーションサーバーのプラットフォームによって異なります。

    「Microsoft Windows アプリケーションサーバーの印刷の設定」を参照してください。

    「UNIX および Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーの印刷の設定」を参照してください。

  2. SGD サーバーの印刷を構成します。

    「SGD サーバーの印刷の構成」を参照してください。

  3. クライアントデバイスへの印刷を設定します。

    必要な設定は、クライアントデバイスのプラットフォームによって異なります。

    「Microsoft Windows クライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。

    「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。

5.1.3. Microsoft Windows アプリケーションサーバーの印刷の設定

Microsoft Windows アプリケーションサーバー上で実行されているアプリケーションから印刷するために必要な設定は、そのアプリケーションサーバーへの接続に使用されている Microsoft リモートデスクトッププロトコル (RDP) プロトコルのバージョンによって異なります。次を参照してください。

5.1.3.1. Microsoft RDP 5.0 以降の印刷の設定

アプリケーションサーバーで Microsoft RDP バージョン 5.0 以降がサポートされている場合、SGD は、Windows アプリケーションセッション内にプリンタキューを自動的に作成します。これは、Microsoft Windows 2003 Server 以降のアプリケーションサーバーに適用されます。

ユーザーが Windows アプリケーションを起動または再開すると、SGD Client は、そのクライアントのプリンタに関する情報を SGD に送信します。SGD がこの情報をアプリケーションサーバーに提供すると、そのアプリケーションサーバーは、Windows リモートデスクトップサービスセッション内にプリンタを作成 (またはマップ) します。ユーザーには、クライアントデバイスに接続されているプリンタだけでなく、アプリケーションサーバーに直接接続されているプリンタも表示されます。

Microsoft Windows アプリケーションセッションでクライアントプリンタを作成するには、次の条件を満たしている必要があります。

  • アプリケーションサーバー上でプリンタマッピングが有効になっている。詳細については、「SGD で使用するための Microsoft Windows リモートデスクトップサービス の構成」を参照してください。

  • SGD Client は、クライアントプリンタ用のプリンタドライバの名前を特定し、それをアプリケーションサーバーに送信する必要があります。

  • クライアントプリンタ用のプリンタドライバが、アプリケーションサーバーにインストールされている。

アプリケーションサーバーにインストールされている必要のあるプリンタドライバは次のとおりです。

SGD 管理者は、Windows リモートデスクトップサービスセッションで使用可能な SGD プリンタを制御できます。「Windows リモートデスクトップサービスセッションで使用可能なプリンタの構成」を参照してください。

5.1.3.1.1. Windows リモートデスクトップサービスセッションで使用可能なプリンタの構成

SGD では、管理者は Windows リモートデスクトップサービスセッションで使用可能なプリンタを制御できます。プリンタを次のように設定できます。

  • グローバルに。Administration Console で、「グローバル設定」 → 「印刷」タブに移動します。

  • 個別に。Administration Console で、組織オブジェクト、組織単位オブジェクト、ユーザープロファイルオブジェクト、または Windows アプリケーションオブジェクトの「印刷」タブに移動します。

    組織または組織単位オブジェクトを設定している場合は、これにより、その組織または組織単位内のすべてのユーザーが影響を受けます。

    Windows アプリケーションオブジェクトを設定すると、組織オブジェクト、組織単位オブジェクト、またはユーザープロファイルオブジェクトの印刷設定よりも優先されます。印刷構成の優先順位は、Windows アプリケーション → ユーザープロファイル → 組織単位 → 組織です。

「印刷」タブでは、次の属性を設定できます。

表5.1 リモートデスクトップサービスセッションから印刷を構成するために使用される属性

属性

説明

クライアント印刷

ユーザーが印刷できるクライアントプリンタを制御します。ユーザーはすべてのクライアントプリンタまたはデフォルトのクライアントプリンタのみに印刷できるか、あるいはクライアントプリンタに印刷できません。

デフォルトでは、すべてのクライアントプリンタに出力できます。

Universal PDF プリンタ

「Universal PDF Printer」プリンタを有効にします。

Universal PDF プリンタをデフォルトにする

Windows アプリケーション用のクライアントデバイスのデフォルトプリンタとして「Universal PDF プリンタ」プリンタを設定します。

Universal PDF ビューア

「Universal PDF Viewer」プリンタを有効にします。

Universal PDF ビューアをデフォルトにする

Windows アプリケーション用のクライアントデバイスのデフォルトプリンタとして「Universal PDF ビューア」プリンタを設定します。

Postscript プリンタドライバ

PDF 印刷に使用する PostScript プリンタドライバの名前。


注記

「印刷」タブで行なった設定の変更はすべて、新しいユーザーセッションでのみ有効になります。

PDF プリンタを Windows アプリケーション用のデフォルトプリンタにしたときに、ユーザーがデフォルトプリンタにしか印刷できないように SGD が構成されている場合、ユーザーの Windows アプリケーションセッションには 2 つのプリンタが表示されます。ユーザーのデフォルトのクライアントプリンタと PDF プリンタが表示されます。

PDF 印刷を使用するには、アプリケーションサーバーに、PDF 印刷に使用する PostScript プリンタドライバをインストールする必要があります。それらのプリンタドライバに、ユーザーに必要な機能があることを確認してください。デフォルトでは、SGD は HP Color LaserJet 2800 Series PS プリンタドライバを使用するように構成されます。「印刷」タブの「Postscript プリンタドライバ」フィールドに入力されたプリンタドライバ名は、アプリケーションサーバーにインストールされているプリンタドライバの名前に正確に一致している必要があります。特に、大文字と空白文字に注意してください。/opt/tarantella/etc/data/default.printerinfo.txt ファイルには、製造元順に並べられた一般的なすべてのプリンタドライバ名が含まれています。エラーを防ぐために、このファイルからドライバ名をコピー&ペーストしてください。

注記

PDF ビューアがクライアントデバイス上で設定されていない場合、PDF プリンタが使用可能に設定されていたとしても、Windows アプリケーションセッションで PDF プリンタを使用することはできません。

5.1.3.2. ほかの Microsoft Windows アプリケーションサーバーの印刷を設定する

バージョン 5.0 より前のバージョンの Microsoft RDP プロトコルを使用している Microsoft Windows アプリケーションサーバーから印刷するには、アプリケーションサーバー上で LPR (Line Printer Remote) 互換の TCP/IP プリンタを構成する必要があります。印刷ジョブをアレイ内のプライマリ SGD サーバーに送信するようにプリンタを構成します。プリンタを設定する方法の詳細については、使用しているシステムのマニュアルを参照してください。

次の制限事項に注意してください。

  • PDF 印刷はサポートされていません。

  • 複数のプリンタはサポートされていません。クライアントデバイスのデフォルトプリンタにのみ印刷できます。ユーザーはプリンタを選択できません。別のプリンタに印刷する必要がある場合、ユーザーは SGD からログアウトし、デフォルトプリンタを変更してからログインし直す必要があります。

  • 印刷ジョブが削除されることがあります。印刷ジョブがアプリケーションサーバーから SGD サーバーに転送されるときは、その印刷ジョブの送信先のクライアントデバイスを識別するために、ユーザーの SGD 名が必要になります。Microsoft Windows の一部のバージョンでは、印刷ジョブを SGD ユーザーに直接関連付ける方法がありません。SGD が特定のジョブを印刷したユーザーを識別できない場合、その印刷ジョブは削除されます。こうした状況は、2 人のユーザーが同じ名前でアプリケーションサーバーにログインしている場合などに発生することがあります。

  • 分散印刷が使用できません。すべての印刷ジョブが SGD アレイ内のプライマリサーバーを経由して転送されます。

5.1.4. UNIX および Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーの印刷の設定

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから PDF 印刷を使用するには、アプリケーションサーバーに少なくとも 1 つの SGD プリンタキューをインストールする必要があります。Universal PDF プリンタと Universal PDF ビューアのプリンタキューをインストールする必要はありません。ただし、使用している UNIX または Linux プラットフォームアプリケーションでプリンタ引数の構成が許可されていないか、または名前に空白が含まれているために Universal PDF プリンタや Universal PDF ビューアを指定できない場合は、tta_pdfprinter という名前の追加のプリンタキューをインストールし、そのキューに印刷する必要があります。

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーからプリンタ直接印刷を使用するには、次のように SGD プリンタキューをインストールする必要があります。

  • 1 つのプリンタキュー。アレイ内のプライマリ SGD サーバー用に SGD プリンタキューをインストールします。すべての印刷ジョブがプライマリ SGD サーバーに転送され、そのプライマリサーバーが印刷ジョブをクライアントデバイスに送信します。

  • 複数のプリンタキュー。アレイ内の SGD サーバーごとに SGD プリンタキューをインストールします。各プリンタキューが印刷ジョブを SGD サーバーにリダイレクトし、その SGD サーバーが印刷ジョブをクライアントデバイスに送信します。

    注記

    複数のプリンタキューを使用することにより、印刷ジョブがアレイ全体に分散され、ボトルネックやシングルポイント障害がなくなるようにすることをお勧めします。

プリンタキューは、SGD プリンタキューインストールスクリプトを使用して構成します。「UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーに SGD プリンタキューをインストールする方法」を参照してください。

SGD プリンタキューインストールスクリプトは、lp または lpr 置換スクリプトをインストールします。これらのスクリプトは、印刷したユーザーを SGD が識別できるだけの十分な情報が印刷ジョブに確実に含まれるようにするために、標準スクリプトの代わりに使用されます。詳細は、「SGD の lp および lpr スクリプトによる印刷」を参照してください。

5.1.4.1. UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーに SGD プリンタキューをインストールする方法

アプリケーションサーバーが SGD サーバーでもある場合は、SGD をインストールしたときに、プリンタキューが自動的にインストールされます。

  1. /opt/tarantella/bin/scripts/prtinstall.en.sh スクリプトを SGD サーバーからアプリケーションサーバー上の一時ディレクトリにコピーします。

  2. アプリケーションサーバーにスーパーユーザー (root) としてログインします。

  3. 一時ディレクトリに移動します。

  4. プリンタキューをインストールするためのスクリプトを実行します。

    SGD プリンタキューインストールスクリプトのすべてのコマンドオプションについての詳細は、「SGD プリンタキューインストールスクリプト」を参照してください。

    • アレイが 1 台の SGD サーバーで構成されている場合は、次のコマンドを使用します。

      # sh prtinstall.en.sh

      入力を要求されたら、SGD サーバーの完全ドメインネームシステム (DNS) 名を入力します。

    • アレイに複数の SGD サーバーが含まれている場合は、アレイ内の SGD サーバーごとにプリンタキューを作成します。次のコマンドを使用します。

      # sh prtinstall.en.sh --ttahost DNS-name --appprinter name
      

      DNS-name は、SGD サーバーの完全 DNS 名です。--appprinter 引数で指定される各プリンタキューの名前は、どのような名前でもかまいませんが、一意である必要があります。

    CUPS (Common UNIX Printing System) を使用する場合は、CUPS を使用していることを示すために、prtinstall.en.sh--cups オプションを使用することが必要になる可能性があります。また、CUPS の再設定が必要になることもあります。「CUPS 用の印刷設定」を参照してください。

5.1.4.2. SGD プリンタキューインストールスクリプト

SGD プリンタキューインストールスクリプト prtinstall.en.sh は、UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーに SGD プリンタキューをインストールします。また、SGD の lp または lpr 置換スクリプトもインストールします。

prtinstall.en.sh スクリプトは、SGD サーバー上の /opt/tarantella/bin/scripts ディレクトリ内にあります。

このスクリプトを実行するには、スーパーユーザー (root) になる必要があります。

このスクリプトの構文は次のとおりです。

sh prtinstall.en.sh [--ttahost SGD_hostname]
                    [--ttaprinter printer_name]
                    [--appprinter printer_name]
                    [--uninstall [printer_name]]
                    [--cups y | n | auto]
                    [--cupsconf filename]
                    [--cupscontrol filename]
                    [--gsbindir gs_bin_dir]
                    [--append]
                    [--help]

次の表は、このスクリプトで使用可能なオプションを示しています。

オプション

説明

--ttahost SGD_hostname

SGD サーバーの完全修飾 DNS 名

--ttaprinter printer_name

このオプションを使用して、プリンタキューの名前を指定します。これは、SGD サーバーがアプリケーションサーバーとしても使用されている場合に使用します。このオプションを使用しない場合、プリンタは tta_printer のデフォルト名で作成されます。

--appprinter printer_name

このオプションを使用して、UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上のプリンタキューの名前を指定します。このオプションを使用しない場合、プリンタキューは tta_printer のデフォルト名で作成されます。

--uninstall [printer_name]

SGD プリンタキューをアンインストールします。プリンタキューを指定しない場合は、プリンタキューを入力するよう要求されます。

--cups y | n | auto

CUPS を使用することを示します。

このオプションを使用しない場合は、デフォルトの auto が使用されます。つまり、SGD は、CUPS が使用されているかどうかを自動的に検出します。CUPS が誤って検出される場合は、このオプションを使用して、CUPS が使用されている (y) かいない (n) かを SGD に指示します。

--cupsconf filename

CUPS 設定ファイルのパスを指定します。

このオプションを使用しない場合、CUPS 構成ファイルは /etc/cups/cupsd.conf であると見なされます。

--cupscontrol filename

CUPS 起動スクリプトのパスを指定します。

このオプションを使用しない場合、CUPS 起動スクリプトは /etc/init.d/cups であると見なされます。

--gsbindir gs_bin_dir

このオプションを使用して、Ghostscript がインストールされているディレクトリを指定します。

このオプションは、Ghostscript がデフォルトの場所のいずれかにインストールされていない場合、または使用する Ghostscript のバージョンを指定するために (複数のバージョンがインストールされている場合) 使用します。

このオプションは、プリンタキューインストールスクリプトを SGD ホスト上で実行している場合にのみ使用します。詳細は、「SGD ホスト上の Ghostscript インストールの確認」を参照してください。

--append

既存のプリンタキューを置き換えるのではなく、追加のプリンタキューをインストールします。

--help

prtinstall.en.sh スクリプトのオプションの一覧を表示します。

次の例では、アプリケーションサーバーに tta_london という名前の SGD プリンタをインストールします。

# sh prtinstall.en.sh --appprinter tta_london

5.1.4.3. CUPS 用の印刷設定

SGD 印刷は、CUPS バージョン 1.1.19 以降でのみ機能します。CUPS での印刷を有効にするために、次の設定変更が必要になることがあります。

  • すべての LPD クライアントで CUPS LPD 互換モードが有効に設定されている必要がある。

    アプリケーションサーバー上に LPD (Line Printer Daemon) クライアントが存在している場合、CUPS が LPD クライアントからのリモート印刷ジョブを受け取れるように、CUPS LPD 互換モードを有効にする必要があります。LPD 互換モードを有効にする方法については、CUPS ソフトウェア管理者マニュアルを参照してください。

  • CUPS の raw 印刷機能が有効に設定されている必要がある。

    SGD がインストールされているホスト上で、/etc/cups/mime.convs および /etc/cups/mime.types ファイルを編集することによって、CUPS の raw 印刷機能を有効にします。詳しい手順については、これらのファイル内のコメントを参照してください。「raw」という単語を含むコメントを検索します。

注記

CUPS の設定変更が完了したら、通常は CUPS デーモンを再起動する必要があります。

CUPS を印刷に使用するには、/opt/tarantella/bin/lp スクリプトを使用する必要があります。

5.1.4.4. SGD の lp および lpr スクリプトによる印刷

SGD プリンタキューインストールスクリプト prtinstall.en.sh は、SGD lp または lpr 置換スクリプトをインストールします。UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから印刷する場合、ユーザーはこれらの置換スクリプトを使用する必要があります。これらの置換スクリプトは、印刷したユーザーを SGD が識別できるだけの十分な情報が印刷ジョブに確実に含まれるようにします。

SGD ログインスクリプトは、ユーザーの PATH を設定することにより、これらの置換スクリプトがシステムスクリプトよりも確実に優先されるようにします。ただし、アプリケーションがフルパス名 (たとえば、/usr/bin/lp) を使用しているか、または PATH 自体を変更した場合は、/opt/tarantella/bin/lp または /opt/tarantella/bin/lpr を使用するようにアプリケーションを再構成する必要があります。

次のように置換スクリプトを使用して印刷を行います。

$ lp -d printer file
$ lpr -P printer file

-d または -P 引数が省略されている場合、出力はクライアントのデフォルトプリンタに送信されます。printer の指定方法は、クライアントデバイスによって異なります。詳細については、「Microsoft Windows クライアントデバイスへの印刷の設定」および 「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。

5.1.5. SGD サーバーの印刷の構成

SGD サーバーの印刷の構成には、次の構成手順が含まれます。

5.1.5.1. SGD ホスト上の Ghostscript インストールの確認

SGD は、Ghostscript を使用して印刷ジョブを PDF ファイルに変換します。PDF 印刷を使用するには、SGD ホストに Ghostscript がインストールされている必要があります。最良の結果を得るためには、最新バージョンの Ghostscript をインストールします。Ghostscript ディストリビューションに ps2pdf プログラムが含まれている必要があります。

プリンタ直接印刷では、tta_print_converter スクリプトは Ghostscript を使用して、印刷ジョブを PostScript 形式から PCL 形式に変換します。最良の結果を得るために、追加フォントをダウンロードしてインストールしてください。

SGD ソフトウェアには、Ghostscript は含まれていません。

SGD をインストールした場合、Ghostscript が次のいずれかの場所にインストールされていれば、それが自動的に検出されます。

  • /usr/local/bin

  • /usr/bin

  • /usr/sfw/bin

  • /opt/sfw/bin

  • /bin

  • /usr/sbin

  • /sbin

  • /usr/lbin

Ghostscript が別の場所にインストールされている場合は、SGD ホスト上で SGD プリンタキューインストールスクリプトを実行します。Ghostscript の場所を構成するには、このスクリプトの --gsbindir オプションを使用します。詳細については、「SGD プリンタキューインストールスクリプト」を参照してください。

複数のバージョンの Ghostscript がインストールされている場合は、SGD プリンタキューインストールスクリプトを --gsbindir オプションを指定して実行することにより、SGD にどのバージョンを使用するかを指示します。

SGD ホストに Ghostscript がインストールされていないか、または Ghostscript ディストリビューションに ps2pdf プログラムが含まれていない場合は、Ghostscript をインストールしてから SGD プリンタキューインストールスクリプトを実行します。

5.1.5.1.1. gstest スクリプトを使用した Ghostscript インストールのテスト

gstest スクリプトを使用すると、SGD ホスト上の Ghostscript インストールをテストできます。このスクリプトは、SGD をインストールするとデフォルトで実行されます。

gstest スクリプトは、Ghostscript インストールにエラーがないかどうかを確認し、ps2pdf を使用してテスト PDF ファイルを生成します。スクリプトの出力は画面上に報告されるほか、/opt/tarantella/var/log/print.log ファイルにも書き込まれます。

gstest は次のように実行します。

# /opt/tarantella/bin/scripts/gstest

この方法で gstest を使用すると、SGD ホスト上のフォントインストールの基本的なテストが実行され、フォントテストファイル /opt/tarantella/var/info/sample.pdf が生成されます。Ghostscript フォントが正しくインストールされている場合は、sample.pdf ファイルに、それぞれ別のフォントで出力された 3 行が書き込まれます。使用されているフォントは、/opt/tarantella/var/log/print.log ファイルに一覧表示されます。

あるいは、gstest で使用する入力ファイルと出力ファイルを指定することもできます。次に例を示します。

# cd /opt/tarantella/bin/scripts
# gstest /tmp/myPostScriptFile.ps /home/indigojones/myPDFFile.pdf

出力ファイルを指定しない場合、gstest/tmp/sgd_sample.pdf に出力 PDF ファイルを作成します。

注記

独自の入力ファイルを指定した場合、gstest はフォントテスト PDF ファイル /opt/tarantella/var/info/sample.pdf を生成しません。

5.1.5.2. リモート印刷リクエストを受け入れるための SGD ホストの構成

印刷ジョブは、アプリケーションサーバーから SGD サーバーに送信されたあと、SGD サーバーからクライアントデバイスに送信されます。印刷ジョブをアプリケーションサーバーからクライアントデバイスに転送できるようにするには、リモート印刷リクエストを受け入れるように SGD ホストを構成する必要があります。これを行う方法は、プラットフォームにより異なります。詳細については、ご利用のシステムの管理マニュアルを確認してください。

たとえば、Linux システム上で lpd を使用している場合は、/etc/hosts.equiv または /etc/hosts.lpd ファイル (使用可能な場合) 内に、印刷リクエストを送信する可能性のある各アプリケーションサーバーに対するエントリを追加する必要があります。これらの変更を行なったあと、lpd デーモンを再起動することを忘れないでください。

5.1.5.3. SGD の印刷ジョブ変換の構成

プリンタ直接印刷では、印刷ジョブはアプリケーションサーバーから SGD サーバーに送信されます。次に、その印刷ジョブは SGD サーバーからクライアントデバイスに送信され、そこからユーザーのプリンタに送信されます。SGD サーバーに到達したとき、印刷ジョブをクライアントプリンタに適した形式に変換することが必要になる可能性があります。

注記

Windows RDP セッションからの印刷ジョブは、正しい形式であると見なされるため、変換されません。

印刷ジョブを変換する必要があるかどうかを判定するために、SGD サーバーはプリンタタイプ構成ファイルをチェックして、クライアントプリンタで使用されている形式がアプリケーションサーバーで使用されている形式に一致するかどうかを確認します。形式が一致した場合、その印刷ジョブは変換されないままクライアントデバイスのプリンタに転送されます。形式が一致しない場合、SGD サーバーは tta_print_converter スクリプトを使用して、その印刷ジョブを適切な形式に変換します。

印刷ジョブが正しくフォーマットされるようにするために、プリンタタイプ構成ファイルと tta_print_converter スクリプトの編集が必要になることがあります。これについて以降のセクションで説明します。

注意

これらのファイルは、プリンタ直接印刷を使用する必要があり、かつ印刷ジョブ形式に関する問題を解決する必要がある場合にのみ編集してください。ほとんどの場合は、PDF 印刷によって、印刷ジョブ形式に関する問題へのより優れた解決策が提供されます。

5.1.5.3.1. プリンタタイプ構成ファイル

SGD は、次の構成ファイルを使用してプリンタタイプを特定します。

特定のプリンタをサポートしたり、新しいタイプのプリンタを追加する場合は、これらのファイルを編集できます。

注記

新しいプリンタタイプを追加する場合は、tta_print_converter スクリプトの編集も必要になることがあります。

これらのファイル内に十分な詳細情報がない場合や、マッピングが不正確な場合は、SGD が印刷ジョブを必要以上に変換したり、まったく変換しなかったりすることがあります。

5.1.5.3.2. tta_print_converter スクリプト

tta_print_converter スクリプトは、印刷ジョブをアプリケーションサーバーで使用されている形式から (プリンタタイプによって決定される) クライアントデバイスに必要な形式に変換します。このスクリプトは、PostScript 形式と PostScript 以外の形式をデフォルトで認識します。印刷ジョブを PostScript から PCL に変換するには、SGD ホストに Ghostscript がインストールされている必要があります。SGD 印刷のための Ghostscript のインストールと構成についての詳細は、「SGD ホスト上の Ghostscript インストールの確認」を参照してください。

tta_print_converter スクリプトを編集することにより、異なる印刷ジョブ形式を認識して各形式間で変換したり、新しいプリンタタイプのサポートを追加したりすることができます。

注記

このスクリプトを編集するには、スーパーユーザー (root) としてログオンしている必要があります。

tta_print_converter スクリプトは、/opt/tarantella/bin/scripts ディレクトリ内にあります。このスクリプト内には、容易にカスタマイズを行えるようにコメントが記されています。

シェル機能の GetDataType は、印刷ジョブの最初の128バイト目から印刷ジョブ形式を決定します。データは URL エンコードです。たとえば、% 文字は、%25 としてコード化されます。

クライアントのプリンタタイプは、POSTSCRIPTMYNEWTYPE のように、大文字でこのスクリプトに渡されます。

PCL プリンタへの印刷で問題が発生した場合は、tta_print_converter スクリプトに、コメントアウトされた一部のコードが含まれています。そのコードで問題が解決するか確認してみてください。

5.1.6. Microsoft Windows クライアントデバイスへの印刷の設定

Microsoft Windows クライアントデバイスへの印刷に必要な設定は、以降のセクションで説明されているように、PDF 印刷とプリンタ直接印刷のどちらを使用するかによって異なります。

5.1.6.1. PDF 印刷

PDF 印刷を使用できるようにするには、クライアントデバイスに Adobe Reader バージョン 4.0 以降をインストールする必要があります。

Microsoft Windows アプリケーションからは、通常の方法で印刷し、アプリケーションの「印刷」ダイアログで「Universal PDF プリンタ」または「Universal PDF ビューア」のどちらかを選択します。

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上で実行されているアプリケーションからは、SGD の lp または lpr 置換スクリプトを使用して、通常の方法で印刷します。PDF プリンタを印刷コマンドの一部として選択します。次に例を示します。

$ /opt/tarantella/bin/lp -d "Universal PDF Printer" filename
$ /opt/tarantella/bin/lpr -P "Universal PDF Viewer" filename
注記

filename は PostScript ファイルである必要があるため、アプリケーションが PostScript を出力できる必要があります。

ユーザーが印刷すると、Adobe Reader には PDF ファイルが表示されます。「Universal PDF プリンタ」が選択されている場合、PDF ファイルは、自動的にユーザーのデフォルトプリンタに印刷されます。Adobe Reader は最小化された状態で実行され、印刷ジョブが完了しても終了しません。「Universal PDF」ビューアが選択されている場合、PDF ファイルは Adobe Reader のウィンドウに表示されます。ユーザーは、このファイルを印刷するかまたは保存するかを決定できます。

UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスでは、PDF ファイルはデフォルトの PDF ビューアまたはクライアントプロファイルに設定されている PDF ビューアに表示されます。ユーザーは、この PDF ファイルを印刷するかまたは保存するかを決定できます。印刷ジョブは常に PDF ビューアに表示されるため、「Universal PDF Printer」と「Universal PDF Viewer」に違いはありません。

5.1.6.2. プリンタ直接印刷

ここでは、プリンタ直接印刷を使用して Microsoft Windows クライアントデバイスに印刷する場合に必要になる可能性のある設定について説明します。ここで説明する内容は次のとおりです。

5.1.6.2.1. プリンタドライバマッピング

Microsoft Windows アプリケーションから印刷する際、使用可能なクライアントプリンタの数と種類が多い場合に、問題が発生することがあります。問題の多くは、正しいプリンタドライバがアプリケーションサーバーにインストールされていないことが原因で発生します。1 つの解決策として、PDF 印刷を使用する方法があります。Windows クライアントデバイスのみに適用可能な別の解決策は、プリンタドライバマッピングを使用することです。

プリンタドライバマッピングを使用すると、あるプリンタドライバ名を別のプリンタドライバ名にマッピングできます。これは、/opt/tarantella/etc/data/default.printerinfo.txt ファイルの [Previous Names] セクションを編集することによって行います。

default.printerinfo.txt ファイル内のエントリの例を次に示します。

[Previous Names]
"HP LaserJet 5"="my HP driver", "my other HP driver"

つまり、ユーザーが「my HP driver」または「my other HP driver」プリンタドライバのどちらかを使用するクライアントプリンタを保持している場合、SGD はプリンタの作成時に「HP LaserJet 5」プリンタドライバを使用します。

= 記号の右辺には、* や ? などのワイルドカード文字を使用することもできます。任意の文字列 (空の文字列を含む) を示すには * を使用し、任意の 1 文字を示すには ? を使用します。ワイルドカードは、さまざまなクライアントデバイスがある環境で、汎用的なプリンタマッピングを作成するときなどに役立ちます。

たとえば、このファイルに次のエントリが含まれているとします。

[Previous Names]
"HP LaserJet 5"="hp*laserjet 5*"

この場合、「HP LaserJet 5」、「HP LaserJet 5M」、「HP Color LaserJet 5」などの名前を持つプリンタドライバはすべて、「HP LaserJet 5」というプリンタドライバに関連付けられます。

default.printerinfo.txt ファイルには、マッピングの作成方法に関するより詳細な手順が含まれています。

5.1.6.2.2. プリンタタイプ構成ファイル

Microsoft Windows クライアントデバイスの場合、SGD は /opt/tarantella/etc/data/printertypes.txt ファイルを使用して、印刷ジョブをクライアントデバイスに送信する前にある形式から別の形式に変換するかどうかを判定します。printertypes.txt ファイルによって、pscript.dll などのプリンタドライバが PostScript などのプリンタタイプにマッピングされます。

注記

Windows RDP セッションからの印刷ジョブは、正しい形式であると見なされるため、変換されません。

printertypes.txt ファイル内には、容易にカスタマイズを行えるようにコメントが記されています。このファイルにはデフォルトで、PostScript プリンタ、PCL プリンタ、およびテキスト専用プリンタに対するマッピング情報が含まれています。このファイルを編集するには、スーパーユーザー (root) としてログオンする必要があります。

注記

Windows クライアントに対して使用される printertypes.txt ファイルにも、UNIX プラットフォームおよび Apple Macintosh クライアント用のエントリが含まれています。これは、フォールバックとしてのみ使用されます。UNIX または Linux プラットフォームの場合、UNIX タイプがプリンタタイプにマッピングされます。Apple Macintosh の場合、プリンタ名がプリンタタイプにマッピングされます。

クライアントデバイスが使用しているプリンタドライバの名前を調べるには、テストページを印刷して「ドライバ名」フィールドを確認します。

新規のプリンタタイプをサポートするためには、同じ形式の行を追加してください。次に例を示します。

MyNewType=mydriver.drv

たとえば、Windows クライアントデバイス cairo が Windows を実行し、そのデフォルトプリンタが PCL であるとします。使用されているプリンタドライバは unidrv.dll です。printertypes.txt 内の [Windows*] セクションの形式は次のとおりです。

[Windows*]
PostScript=pscript5.dll;pscript.dll
PCL=rasdd.dll
PostScript=*

unidrv.dll に一致する固有の記述はないので、最後のエントリである PostScript が適用されます。これは、ユーザーが印刷すると、印刷ジョブは cairo に送られる前に間違って PostScript 形式に変換されることを意味します。

この問題を解決するには、root ユーザーで printertypes.txt ファイルを編集し、unidrv.dll と一致する固有の記述を次のように追加します。

PCL=rasdd.dll;unidrv.dll

この変更のあと、SGD は cairo 上に構成されているプリンタを正しく識別し、印刷ジョブはそのクライアントデバイス用の PCL に変換されます。

5.1.6.2.3. UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーからの印刷

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから Microsoft Windows クライアントデバイスに印刷する場合、ユーザーは、次のいずれかを使用して印刷先のプリンタを指定できます。

  • クライアントからアクセス可能なネットワークプリンタの UNC (Universal Naming Convention) 名。次に例を示します。

    $ lp -d '\\\\PRTSERVER\\HPLJ5' filename
    
  • 「フレンドリな」名前。例:

    $ lpr -P label-printer filename
    
  • クライアント上のポート。例:

    $ lpr -P LPT1: filename
    

UNC 名を使用するには、前の例に示すように、プリンタ名を引用符で囲み、かつ各バックスラッシュを追加のバックスラッシュでエスケープする必要があります。バックスラッシュの処理方法はシェルごとに異なるため、必要なバックスラッシュの個数は、実際に試してみないとわからない場合があります。バックスラッシュの代わりに下線を使用することもできます。次に例を示します。

$ lp -d __PRTSERVER_HPLJ5 filename
注記

下線を使用できるのは、プリンタ名の先頭の 2 文字が下線になっている場合だけです。

「フレンドリな」名前を使用することによって、UNC 名に関する問題を回避できます。「フレンドリな」名前は、/opt/tarantella/etc/data/printernamemap.txt ファイルで構成します。このファイル内のエントリによって、「フレンドリな」名前が UNC 名にマップされます。例:

"label-printer"="\\PRTSERVER\HPLJ5"
注記

バックスラッシュをエスケープする必要はありません。

5.1.7. UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定

UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷に必要な設定は、以降のセクションで説明されているように、PDF 印刷とプリンタ直接印刷のどちらを使用するかによって異なります。

5.1.7.1. PDF 印刷

PDF 印刷を使用できるようにするには、クライアントデバイスに PDF ビューアをインストールする必要があります。SGD は、デフォルトでは次の PDF ビューアをサポートしています。

クライアントプラットフォーム

デフォルトの PDF ビューア

SPARC プラットフォーム上の Oracle Solaris

GNOME PDF Viewer (gpdf)

Acrobat Reader (acroread)

x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris

GNOME PDF Viewer (gpdf)

Linux

GNOME PDF Viewer (gpdf)

Evince Document Viewer (evince)

X PDF Reader (xpdf)

Mac OS X

Preview App (/Applications/Preview.app)

注記

Adobe Reader PDF ビューアが、-openInNewWindow コマンドオプションをサポートしている必要があります。Preview App PDF ビューアが open -a コマンドオプションをサポートしている必要があります。

デフォルトの PDF ビューアを使用できるようにするには、アプリケーションがユーザーの PATH 上に存在する必要があります。

代替の PDF ビューアを使用する場合は、ユーザーのクライアントプロファイルで代替ビューアアプリケーション用のコマンドを構成できます。アプリケーションがユーザーの PATH 上に存在するかどうかに応じて、プロファイルにコマンドまたはコマンドへのフルパスのどちらかを入力します。詳細は、「クライアントプロファイルの設定」を参照してください。

Microsoft Windows アプリケーションからは、通常の方法で印刷し、アプリケーションの「印刷」ダイアログで「Universal PDF プリンタ」または「Universal PDF ビューア」のどちらかを選択します。

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上で実行されているアプリケーションからは、SGD の lp または lpr 置換スクリプトを使用して、通常の方法で印刷します。PDF プリンタを印刷コマンドの一部として選択します。次に例を示します。

$ /opt/tarantella/bin/lp -d "Universal PDF Printer" filename
$ /opt/tarantella/bin/lpr -P "Universal PDF Viewer" filename
注記

filename は PostScript ファイルである必要があるため、アプリケーションが PostScript を出力できる必要があります。

PDF ファイルは、デフォルトの PDF ビューアまたはクライアントプロファイルに設定されている PDF ビューアに表示されます。ユーザーは、この PDF ファイルを印刷するかまたは保存するかを決定できます。印刷ジョブは常に PDF ビューアに表示されるため、「Universal PDF Printer」と「Universal PDF Viewer」に違いはありません。

5.1.7.2. プリンタ直接印刷

プリンタ直接印刷を使用して、UNIX、Linux、または Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスに接続されたプリンタに印刷するには、クライアントプリンタを次のプリンタ構成ファイルのいずれかで定義する必要があります。

  • グローバルなプリンタ構成ファイル /opt/tarantella/etc/data/default.printerinfo.txt

    このファイルは、その SGD サーバーを経由して印刷しているすべてのユーザーのデフォルトを設定します。このファイルはアレイ全体にわたって複製されないため、ほかの SGD サーバーに手動でコピーする必要があります。

  • ユーザー固有のプリンタ構成ファイル$HOME/.tarantella/printerinfo.txt

    ユーザー固有のプリンタ構成ファイルの使用は任意であり、クライアントデバイス上に手動で作成する必要があります。ユーザーは独自のファイルを作成することも、管理者がグローバル構成ファイルをテンプレートとして使用してユーザーに配布することもできます。このファイルには、どの SGD サーバーを経由して印刷するかには関係なく、個々のユーザーの設定が含まれています。このファイル内の設定は、グローバル構成ファイルの設定よりも優先されます。

グローバルおよびユーザー固有のプリンタ構成ファイルの書式は同じです。

[UNIX]
"printer-name"="windows-driver" printer-type
"printer-name"="windows-driver" printer-type
...

printer-name は、クライアント上の lp または lpr システムに認識されているプリンタの名前です。プリンタ名は二重引用符 (") で囲み、直後に等号 (=) を 1 つ付ける必要があります。ユーザーは、UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから印刷する場合にこの名前を指定できます。ユーザーが Microsoft Windows アプリケーションサーバーから印刷する場合は、「印刷」ダイアログにもこの名前が表示されます。

windows-driver は、Microsoft Windows アプリケーションサーバーから印刷するときに使用するプリンタドライバの名前です。プリンタドライバ名は二重引用符で囲む必要があります。このプリンタドライバの名前は、Windows アプリケーションサーバーにインストールされているプリンタドライバの名前に正確に一致している必要があります。特に、大文字と空白文字に注意してください。default.printerinfo.txt ファイルには、製造元順に並べられた一般的なすべてのプリンタドライバ名が含まれています。エラーを防ぐために、このファイルからドライバ名をコピー&ペーストしてください。

printer-type は、印刷ジョブに使用される形式です。この値は、PostScriptPCLText のいずれかです。この情報はオプションですが、省略した場合には PostScript がデフォルトで使用されます。この情報は、SGD が印刷ジョブをアプリケーションサーバーで使用されている形式からクライアントプリンタに必要な形式に変換するかどうかを判定するために使用されます。「SGD の印刷ジョブ変換の構成」も参照してください。

[UNIX] セクションの先頭に記載されているプリンタは、クライアントのデフォルトプリンタです。

SGD がはじめてインストールされたとき、default.printerinfo.txt ファイルには次のエントリが含まれています。

[UNIX]
"_Default"="HP Color LaserJet 2800 Series PS" PostScript

この構成では、ユーザーが Windows アプリケーションサーバーから印刷するとき、ユーザーには _Default という名前のプリンタが表示されます。このプリンタは、基本的な PostScript プリンタドライバである「HP Color LaserJet 2800 Series PS」を使用して、クライアント上のデフォルトプリンタに印刷します。

注記

つまり、クライアントデバイスにプリンタが接続されていなくても、Windows アプリケーション内でプリンタを使用できます。

たとえば、SGD ユーザーの $HOME/.tarantella/printerinfo.txt ファイルに次のエントリが含まれているとします。

[UNIX]
"drafts"="HP Diskette 970Cxi" PCL
"salespersons"="HP Lacerate 5/5M" PostScript

ユーザーが Microsoft Windows アプリケーションサーバーから UNIX プラットフォームのクライアントデバイスに印刷する場合は、次のプリンタを使用できます。

  • drafts

  • salespersons

ユーザーのデフォルトプリンタは drafts です。これは、この例では PCL プリンタとして定義されています。

5.1.8. 印刷の管理

このセクションでは、SGD の印刷ジョブ管理機能について説明します。ここで説明する内容は次のとおりです。

5.1.8.1. tarantella 印刷コマンド

SGD 管理者は、tarantella print コマンドを使用して印刷サービスを制御します。このコマンドを使用すると、次の操作を実行できます。

  • スプールに格納されている印刷ジョブを一覧表示し、それらが属している SGD ユーザーを識別します。これを使用すると、アプリケーションサーバーの印刷システムからの印刷ジョブが SGD 印刷待ち行列に達したことを確認できます。

  • SGD 印刷待ち行列から印刷ジョブを削除します。

  • SGD 印刷サービスを一時停止および再開します。

  • 印刷ジョブを SGD サーバー間で移動します。

tarantella print コマンドの構文は次のとおりです。

tarantella print start | stop | status | pause | resume | list | cancel | move

次の表は、tarantella print で使用可能なサブコマンドを示しています。

サブコマンド

説明

cancel

印刷ジョブを取り消します。

list

印刷ジョブを一覧表示します。

move

キューに入れられた印刷ジョブを SGD サーバー間で移動します。

pause

印刷を一時停止します。

resume

印刷を再開します。

start

アレイの印刷サービスを開始します。

status

印刷サービスに関する情報を表示します。

stop

印刷サービスを停止します。

5.1.8.2. 印刷ジョブの制限時間の設定

SGD 管理者は、印刷ジョブが、削除される前に SGD サーバー上にとどまることができる期間に関する制限時間を設定できます。この機能は、大量の印刷を管理する必要がある場合に役立ちます。

印刷ジョブがサーバー上に存在できる時間を指定するには、次のコマンドを使用します。

$ tarantella config edit \
--tarantella-config-array-printjoblifetime hours

SGD をデフォルトの動作に戻して、印刷ジョブが無期限にサーバー上にとどまるようにするには、次のコマンドを使用します。

$ tarantella config edit \
--tarantella-config-array-printjoblifetime 0

5.1.8.3. 印刷ジョブのユーザー管理

図5.1「SGD Webtop 上の印刷領域」 に示すように、ユーザーは Webtop 上の印刷領域からユーザー独自の印刷ジョブを管理できます。

図5.1 SGD Webtop 上の印刷領域

SGD Webtop 上の印刷領域を示すスクリーンショット

印刷領域には、印刷キュー内の現在のジョブ数、および印刷ジョブの管理用コントロールが表示されます。

ドキュメントが印刷中である場合、印刷キュー内の印刷ジョブの個数が Webtop 上に表示されます。保留中の印刷ジョブをすべて削除するには、「すべて取消し」をクリックします。

印刷を一時的に停止するには、「一時停止」をクリックします。印刷を一時停止した場合、保留中の印刷ジョブはすべて、ユーザーが印刷を取り消すか再開するまで印刷キュー内に保持されます。印刷を再開するには、「再開」をクリックします。印刷が一時停止されると、プリンタアイコンの表示が変わります。

印刷ジョブを個別に管理するには、「すべてのジョブのリスト」をクリックします。Webtop 上に、待ち行列内のすべての印刷ジョブが一覧表示され、印刷部数や選択されているプリンタなど、各ジョブの関連情報も表示されます。

印刷を一時停止した場合は、「再開」ボタンをクリックすると、その印刷ジョブだけが印刷されます。

特定の印刷ジョブを取り消すには、「取消し」ボタンをクリックします。

Microsoft Windows アプリケーションサーバー、あるいは UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから印刷する場合、ユーザーは印刷先のプリンタを選択できます。ユーザーがプリンタを選択しなかった場合、デフォルトプリンタに出力されます。その他のすべてのアプリケーションサーバーの場合、出力は常に、クライアントデバイスのデフォルトプリンタに送信されます。

ユーザーは、Webtop 上のプリンタアイコンをポイントすることで、どのプリンタがデフォルトプリンタになっているかを確認できます。ポップアップが表示され、そこにデフォルトプリンタの名前が表示されます。

ユーザーはデフォルトプリンタを変更する場合、SGD からログアウトし、デフォルトプリンタを変更してからログインし直す必要があります。

5.1.9. SGD 経由で表示されるアプリケーションからユーザーが印刷できない

次のチェックリストを使用して、この問題を診断および解決してください。

それでも問題を解決できない場合は、「印刷ジョブの追跡」の手順に従ってください。

5.1.9.1. クライアントデバイスのチェックリスト

次のクライアントデバイスのトラブルシューティング手順を使用して、SGD での印刷の問題を診断します。

Questions

  • 5.1.9.1.1: SGD は、このクライアントデバイスまたはプリンタタイプの印刷をサポートしていますか。

  • 5.1.9.1.2: クライアントデバイスで印刷が一時停止されていませんか。

  • 5.1.9.1.3: プリンタが正しく設定されていますか。

  • 5.1.9.1.4: PDF 印刷を行う場合、クライアントに PDF ビューアがインストールされていますか。

  • 5.1.9.1.5: UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから PDF 印刷を行う場合、印刷ジョブは適切な形式になっていますか。

  • 5.1.9.1.6: そのユーザーは必要なレジストリ権限を持っていますか。

Questions and Answers

5.1.9.1.1: SGD は、このクライアントデバイスまたはプリンタタイプの印刷をサポートしていますか。

Webtop 上の印刷領域を確認します。プリンタアイコンに赤い×印が含まれており、「利用可能なクライアントプリンタなし」というメッセージが表示されていますか。その場合は、SGD がこのクライアントデバイスまたはプリンタタイプの印刷をサポートしていないか、またはクライアントプリンタの作成中にエラーが発生したことを示しています。

5.1.9.1.2: クライアントデバイスで印刷が一時停止されていませんか。

印刷が一時停止されていないことを確認します。プリンタの一時停止中アイコンが表示されていないことを確認してください。

tarantella webtopsession list コマンドを使用して、ユーザーが印刷を一時停止したかどうかを確認します。

5.1.9.1.3: プリンタが正しく設定されていますか。

プリンタが正しく設定されていることを確認するために、クライアントデバイスの Web ブラウザから Web ページをプリンタに印刷するなどの操作をしてみてください。アプリケーションサーバーによっては、印刷ジョブをクライアントデバイスのデフォルトプリンタにしか送信できない場合があります。

UNIX、Linux、または Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスに印刷する場合は、これらのクライアントタイプ用の印刷を設定したことを確認してください。「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。

5.1.9.1.4: PDF 印刷を行う場合、クライアントに PDF ビューアがインストールされていますか。

SGD で PDF 印刷を使用できるようにするには、クライアントデバイスに PDF ビューアをインストールする必要があります。

サポートされるビューアまたはユーザーが使用しているビューアがクライアントにインストールされていること、およびそのアプリケーションが実行可能ファイルであることを確認します。

UNIX、Linux、または Mac OS X システムのクライアントデバイス上で、ユーザーが /tmp ディレクトリに対する読み取りおよび書き込みアクセス権を持っていることを確認します。

PDF ビューアが Adobe Reader (acroread) である場合は、ビューアが -openInNewWindow コマンドオプションをサポートしていることを確認します。PDF ビューアが Preview App (/Applications/preview.app) である場合は、ビューアが open -a コマンドオプションをサポートしていることを確認します。

PDF ビューアがインストールされていないか、またはビューアにアクセスできない場合、ユーザーは SGD PDF プリンタを使用できます。

5.1.9.1.5: UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから PDF 印刷を行う場合、印刷ジョブは適切な形式になっていますか。

ユーザーの PDF ビューアは起動するが、ファイル形式エラーが表示される場合は、UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上で印刷されているファイルの形式が PostScript であることを確認します。

5.1.9.1.6: そのユーザーは必要なレジストリ権限を持っていますか。

Microsoft Windows クライアントデバイス上では、ユーザーは HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Cryptography\RNG\Seed レジストリキーに対する書き込みアクセス権と、レジストリの残りの部分に対する読み取りアクセス権を持っている必要があります。

このアクセス権は、印刷用の Windows アプリケーションプログラミングインタフェース (API) のいくつかで必要になります。

5.1.9.2. アプリケーションサーバーのチェックリスト

次のアプリケーションサーバーのトラブルシューティング手順を使用して、SGD での印刷の問題を診断します。

Questions

  • 5.1.9.2.1: アプリケーションサーバー上で印刷が有効になっていますか。

Questions and Answers

5.1.9.2.1: アプリケーションサーバー上で印刷が有効になっていますか。

ユーザーが印刷できるようにするには、アプリケーションサーバー上で印刷サービスを有効にすることが必要になる可能性があります。

Microsoft Windows アプリケーションサーバー上では、プリンタマッピングが有効になっている必要があります。プリンタマッピングはグローバルに、またはグループポリシーとして構成できます。デフォルトでは、プリンタマッピングは有効になっています。

UNIX および Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上では、印刷サービスが有効になっている必要があります。

Questions

  • 5.1.9.2.1: アプリケーションサーバー上にプリンタが設定されていますか。

  • 5.1.9.2.2: プリンタが Windows アプリケーションセッションで作成されていますか。

  • 5.1.9.2.3: アプリケーションが正しいプリンタに印刷していますか。

  • 5.1.9.2.4: アプリケーションサーバー上でアカウントが共有されていますか。

  • 5.1.9.2.5: サーバーの Windows 名は DNS 名と同じですか。

  • 5.1.9.2.6: PDF 印刷を使用する場合は、すべての Microsoft Windows アプリケーションサーバーに同じ PostScript プリンタドライバがインストールされていますか。

Questions and Answers

5.1.9.2.1: アプリケーションサーバー上にプリンタが設定されていますか。

ユーザーが印刷できるようにするには、アプリケーションサーバー上で SGD プリンタを構成することが必要になる可能性があります。次を参照してください。

5.1.9.2.2: プリンタが Windows アプリケーションセッションで作成されていますか。

ユーザーが、Windows リモートデスクトップサービスを使用してアクセスされる Microsoft Windows アプリケーションサーバーから印刷しようとしている場合は、そのユーザーのプリンタが自動的に構成されます。「Microsoft RDP 5.0 以降の印刷の設定」を参照してください。そのようにならない場合は、アプリケーションサーバーの System イベントログで次のエラーを確認してください。

  • Event ID: 1111 Description: Driver drivername required for printer printertype is unknown. Contact the administrator to install the driver before you log in again.

  • Event ID: 1105 Description: Printer security information for the printername / clientcomputername /Session number could not be set

  • Event ID: 1106 Description: The printer could not be installed.

これらのエラーは、クライアントプリンタのプリンタドライバがアプリケーションサーバーでサポートされていない可能性があることを示しています。このプリンタドライバをアプリケーションサーバーにインストールするか、またはほかのプリンタドライバのサポート方法について 「プリンタドライバマッピング」を参照してください。ワイルドカードを使用して複数のプリンタドライバ名をサポートする方法も説明されています。

また、/opt/tarantella/etc/data/default.printerinfo.txt またはユーザーの $HOME/.tarantella/printerinfo.txt 内のプリンタドライバの名前が、アプリケーションサーバー上のドライバの名前に一致していることも確認することをお勧めします。

それでも問題を解決できない場合は、詳細について Microsoft サポート技術情報の記事 239088 を参照してください。

5.1.9.2.3: アプリケーションが正しいプリンタに印刷していますか。

アプリケーションは、管理者が設定したプリンタキューに印刷する必要があります。UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上で、prtinstall.en.sh スクリプトは、デフォルトでは tta_printer という名前のプリンタキューを作成します。

UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバー上では、アプリケーションは、prtinstall.en.sh によってインストールされた lp または lpr 置換スクリプトを使用して印刷する必要があります。SGD ログインスクリプトは、PATH を設定することにより、これらの置換スクリプトがシステムスクリプトよりも確実に優先されるようにします。アプリケーションがフルパス名 (たとえば、/usr/bin/lp) を使用しているか、または PATH 自体を変更した場合は、/opt/tarantella/bin/lp または /opt/tarantella/bin/lpr を使用するようにアプリケーションを再構成してください。

5.1.9.2.4: アプリケーションサーバー上でアカウントが共有されていますか。

複数のユーザーが同じユーザー名を使用して同じアプリケーションサーバーに同時にログインしている場合は、どのユーザーが印刷ジョブを所有しているかを SGD が区別できない可能性があります。SGD は印刷ジョブを破棄し、そう処理したことをログに記録します。これは、SGD プリンタキューが存在しない UNIX または Linux システムのアプリケーションサーバーで発生します。

この問題を解決するには、prtinstall.en.sh スクリプトを実行してプリンタを構成します。「SGD プリンタキューインストールスクリプト」を参照してください。

tarantella print コマンドを使用して、アプリケーションサーバーの印刷システムからの印刷ジョブが SGD 印刷待ち行列に達していることを確認します。

5.1.9.2.5: サーバーの Windows 名は DNS 名と同じですか。

naples.example.com の DNS 名と VESUVIUS の NetBIOS 名を持つ Microsoft Windows NT サーバーがある場合、このサーバーからの印刷ジョブには naples ではなく VESUVIUS のホスト識別子が含まれているため、これらの印刷ジョブは失敗します。

/opt/tarantella/etc/data ディレクトリ内のファイル hostnamemap.txt を編集することによって、この問題を回避できます。このファイルでホスト名と DNS 名を対応付けることができます。マッピングの作成方法については、ファイルに説明されています。

5.1.9.2.6: PDF 印刷を使用する場合は、すべての Microsoft Windows アプリケーションサーバーに同じ PostScript プリンタドライバがインストールされていますか。

PDF 印刷を使用するには、すべての Microsoft Windows アプリケーションサーバーに同じ PostScript プリンタドライバをインストールする必要があります。

Administration Console で、ドライバの名前が、「グローバル設定」 → 「印刷」タブ、あるいはユーザープロファイルまたは親オブジェクトの「印刷」タブにある「Postscript プリンタドライバ」フィールドで構成されている名前に一致していることを確認します。名前が一致していない場合は、アプリケーションサーバーの System イベントログにエラーが表示されます。

5.1.9.3. SGD サーバーのチェックリスト

次の SGD サーバーのトラブルシューティング手順を使用して、SGD での印刷の問題を診断します。

Questions

  • 5.1.9.3.1: アレイ全体で印刷が一時停止中または無効になっていませんか。

  • 5.1.9.3.2: Microsoft Windows クライアントデバイス上で印刷を行う場合、クライアントプリンタが無効になっていませんか。

  • 5.1.9.3.3: アレイの設定が変更されていますか。

  • 5.1.9.3.4: PDF 印刷を行う場合、Ghostscript を SGD ホスト上で使用できますか。

Questions and Answers

5.1.9.3.1: アレイ全体で印刷が一時停止中または無効になっていませんか。

tarantella print status コマンドを使用して、印刷がアレイで一時停止または無効化されているかどうかを確認します。

必要に応じて、tarantella print start または tarantella print resume を使用して印刷を有効にします。

5.1.9.3.2: Microsoft Windows クライアントデバイス上で印刷を行う場合、クライアントプリンタが無効になっていませんか。

Administration Console で、「グローバル設定」 → 「印刷」タブ、あるいはユーザープロファイルまたは親オブジェクトの「印刷」タブを確認します。ユーザーがすべてのクライアントプリンタにアクセスできるのか、デフォルトのクライアントプリンタにのみアクセスできるのか、クライアントプリンタに一切アクセスできないのかを確認します。

PDF 印刷を行う場合は、SGD PDF プリンタが有効になっているかどうかを確認します。

5.1.9.3.3: アレイの設定が変更されていますか。

次のいずれかの操作を実行した場合、印刷は再設定されません。

  • アレイを作成した場合

  • 新規のセカンダリサーバーをアレイに追加したとき

  • アレイのプライマリサーバーを変更したとき

アレイを変更した場合は、印刷ジョブを正しいプリンタに送るために、印刷の再設定が必要になることがあります。

5.1.9.3.4: PDF 印刷を行う場合、Ghostscript を SGD ホスト上で使用できますか。

SGD での PDF 印刷では、Ghostscript を使用して印刷ジョブを PDF ファイルに変換します。SGD はまた、Ghostscript を使用して印刷ジョブを PostScript から PCL に変換します。

最新バージョンの Ghostscript にアップグレードしてみてください。アップグレードのあと、シンボリックリンク /opt/tarantella/var/info/gsbindir が、新しい Ghostscript バイナリがインストールされているディレクトリを指していることを確認してください。

/opt/tarantella/var/log/print.log ファイルに "Can't find ps2pdf""Consider obtaining Ghostscript from http://www.ghostscript.com" などのメッセージが含まれている場合は、Ghostscript がインストールされていないか、または標準以外の場所にインストールされているかのどちらかです。

Ghostscript のインストールに関する問題の解決方法の詳細については、「SGD ホスト上の Ghostscript インストールの確認」を参照してください。

5.1.9.4. 印刷ジョブの追跡

上のチェックリストで SGD 印刷の問題が解決されない場合は、次のトラブルシューティング手順を試してください。これらの手順を使用すると、アプリケーションサーバーから SGD サーバー、クライアントデバイスへと送信される印刷ジョブの進捗状況を追跡できます。

Questions

  • 5.1.9.4.1: 手順 1: SGD サーバーから印刷できますか。

  • 5.1.9.4.2: 手順 2: SGD サーバーに SGD プリンタキューがインストールされていますか。

  • 5.1.9.4.3: 手順 3: 印刷ジョブが UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから送信されていますか。

  • 5.1.9.4.4: 手順 4: 印刷ジョブが UNIX または Linux システムのスプールディレクトリに存在しますか。

  • 5.1.9.4.5: 手順 5: 印刷ジョブは Windows アプリケーションサーバーを離れていますか。

  • 5.1.9.4.6: 手順 6: 印刷ジョブは SGD サーバーに達していますか。

  • 5.1.9.4.7: 手順 7: 印刷ログファイルを調査しましたか。

Questions and Answers

5.1.9.4.1: 手順 1: SGD サーバーから印刷できますか。

SGD サーバー上で動作する X アプリケーションまたは文字型アプリケーションを構成します。端末ウィンドウ (xterm など) を表示し、SGD Webtop からアプリケーションを起動します。

/opt/tarantella/bin/scripts/printtestpage.en.sh スクリプトを実行することによって、テストページを印刷してみてください。

このページが印刷されない場合は、/opt/tarantella/bin/scripts/printtestpage.en.sh --direct を実行します。これにより、UNIX または Linux システムのスプーラが使用されなくなります。

次の点を確認してください。

  • 最初のテストページは印刷されましたか。

    この問題は、アプリケーションサーバーから SGD サーバーへの印刷ジョブの移動に関連しています。

    • UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーの場合は、実行手順: 手順 3 へのリンクに移動します 。

    • Windows リモートデスクトップサービスの場合は、実行手順: 手順 5 へのリンクに移動します 。

  • 2 番目のテストページは印刷されましたか。

    この問題は、SGD ホスト上の UNIX または Linux システムの印刷システムに関連しています。

    使用している UNIX または Linux システムのマニュアルを参照し、問題を調査して解決してください。その後、もう一度印刷してみます。

  • どちらのテストページも印刷されませんでしたか。

    この問題は、SGD サーバーに関連しています。

    実行手順: 手順 2 へのリンクに移動します 。

5.1.9.4.2: 手順 2: SGD サーバーに SGD プリンタキューがインストールされていますか。

SGD ホスト上のプリンタの一覧に tta_printer のエントリがあるかどうかを確認します。

プリンタのリストの表示方法については、使用している UNIX または Linux システムのマニュアルを参照してください。一部のシステムでは、lpstat -t を使用できます。システムに /etc/printcap というファイルが存在する場合は、このファイルにプリンタの一覧がプレーンテキスト形式で含まれています。

次の点を確認してください。

  • SGD ホスト上に tta_printer プリンタが存在しますか。

    この問題は、SGD サーバーからクライアントデバイスへの印刷ジョブの移動に関連しています。実行手順: 手順 7 へのリンクに移動します 。

  • SGD ホストに tta_printer プリンタが存在しませんか。

    SGD サーバー上で prtinstall.en.sh スクリプトを実行します。その後、もう一度印刷してみます。

    「SGD プリンタキューインストールスクリプト」も参照してください。

5.1.9.4.3: 手順 3: 印刷ジョブが UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーから送信されていますか。

UNIX または Linux システムのアプリケーションサーバー上で端末ウィンドウを表示するように構成されたアプリケーションオブジェクトを使用して、小さいテキストファイルを SGD プリンタに印刷してみてください。たとえば、lp -d tta_printer /etc/hosts コマンドを入力します。

次の点を確認してください。

  • このコマンドからエラーメッセージが返されますか。

    UNIX または Linux プラットフォームのアプリケーションサーバーが、SGD 経由で印刷するように構成されていることを確認します。prtinstall.en.sh スクリプトを実行することが必要になる可能性があります。詳細については、「SGD プリンタキューインストールスクリプト」を参照してください。

  • このコマンドから印刷ジョブ ID が返されますか。

    これは、SGD 印刷は正しく構成されているが、UNIX または Linux の印刷システムに問題がある可能性があることを暗に示しています。実行手順: 手順 4 へのリンクに移動します 。

5.1.9.4.4: 手順 4: 印刷ジョブが UNIX または Linux システムのスプールディレクトリに存在しますか。

印刷スプールディレクトリは、UNIX または Linux システムによって異なります。詳細については、使用している UNIX または Linux システムのマニュアルを参照してください。

次の点を確認してください。

  • 印刷ジョブがスプールディレクトリに存在しますか。

    アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にネットワークの問題がある可能性があります。実行手順: 手順 6 へのリンクに移動します 。

  • 印刷ジョブがスプールディレクトリに存在しないですか。

    UNIX または Linux システムの LPD 印刷の設定を調べます。たとえば、/etc/hosts.equiv または /etc/hosts.lpd 内に適切なエントリが存在すること、および .deny ファイル (/etc/hosts.equiv.deny など) が存在しないことを確認します。

    lpd デーモンが実行中で、待機していることを確認してください。たとえば、次のコマンドを使用します。

    # ps -ef | grep lpd
    # netstat -a | grep printer

    もう一度印刷してみてください。

5.1.9.4.5: 手順 5: 印刷ジョブは Windows アプリケーションサーバーを離れていますか。

アプリケーションサーバー上の印刷キューを調べます。この方法に関するヘルプが必要な場合は、使用しているシステムのマニュアルを参照してください。

次の点を確認してください。

  • 印刷ジョブがアプリケーションサーバーから送信されていますか。

    アプリケーションサーバーと SGD サーバーの間にネットワークの問題がある可能性があります。実行手順: 手順 6 へのリンクに移動します 。

  • 印刷ジョブがアプリケーションサーバーから送信されていますか。

    SGD プリンタの構成を次のように確認してください。

    • アプリケーションサーバーから SGD サーバーに対して pingtelnet を実行できることを確認します。

    • イベントログにエラーが記録されているかどうかを調べます。

    • コマンドプロンプトから、lpr -s server -p tta_printer filename コマンドを使用して印刷します。これが機能する場合、アプリケーションサーバー上のプリンタドライバがインストールされていないか、正しく設定されていないものと考えられます。

5.1.9.4.6: 手順 6: 印刷ジョブは SGD サーバーに達していますか。

SGD サーバー上の SGD 印刷スプールディレクトリ /opt/tarantella/var/spool および /opt/tarantella/var/print/queue を確認してください。

次の点を確認してください。

  • SGD サーバー上に印刷ジョブが存在しますか。

    アプリケーションオブジェクト内で完全修飾 DNS 名を使用しており、名前解決が正確に機能しているかどうかを調べます。

    詳細については、印刷ログファイルを調べます。実行手順: 手順 7 へのリンクに移動します 。

  • SGD サーバーに印刷ジョブが存在しませんか。

    SGD サーバーの構成を次のように確認してください。

    • UNIX または Linux システムの LPD 印刷の設定を調べます。

      たとえば、/etc/hosts.equiv または /etc/hosts.lpd 内に適切なエントリが存在すること、および .deny ファイル (/etc/hosts.equiv.deny など) が存在しないことを確認します。

      lpd デーモンが実行中で、待機していることを確認してください。たとえば、次のコマンドを使用します。

      # ps -ef | grep lpd
      # netstat -a | grep printer
    • アプリケーションサーバーから SGD サーバーに対して pingtelnet を実行できることを確認します。

    • Windows リモートデスクトップサービスを使用している場合は、コマンドプロンプトを表示し、lpr -s server -p tta_printer filename コマンドを使用して印刷します。これが機能する場合、アプリケーションサーバー上のプリンタドライバがインストールされていないか、正しく設定されていないものと考えられます。

5.1.9.4.7: 手順 7: 印刷ログファイルを調査しましたか。

tarantella query コマンドを使用すると、アレイ全体にわたるログを検査できます。ログファイルは、アレイ内の各 SGD サーバー上の /opt/tarantella/var/log に格納されます。

印刷ログファイルが空の場合、「ログフィルタ」を編集して、印刷メッセージのログを出力します。Administration Console で、「グローバル設定」 → 「監視」タブに移動し、次のログフィルタを追加します。

server/printing/*:print%%PID%%.log
server/printing/*:print%%PID%%.jsl

ログにユーザー名マッピングに関する問題を示すメッセージが含まれている場合、アプリケーションサーバー上で共有アカウントを使用している可能性があります。「実行手順: アプリケーションサーバーの共有アカウントへのリンク」を参照してください 。

5.1.10. その他の印刷の問題のトラブルシューティング

このセクションでは、SGD 経由で印刷しているときのいくつかの一般的な問題について説明します。ここで説明する内容は次のとおりです。

5.1.10.1. プリンタの設定に関するトラブルシューティング

ユーザーは、Windows アプリケーションから印刷するときに、使用するプリンタの設定を変更できます。プリンタの設定に関する一般的な問題を次に示します。

5.1.10.1.1. クライアントプリンタの現在の設定が無視される

ユーザーに対してクライアントプリンタがはじめて定義されたときのプリンタ設定 (用紙サイズや方向など) は、プリンタドライバに対するアプリケーションサーバーのデフォルトであり、クライアントプリンタの現在の設定ではありません。

ユーザーはアプリケーションサーバー上のプリンタ設定を変更でき、変更した設定はクライアントデバイスを使ってそのプリンタに次回に接続すると使用されます。

5.1.10.1.2. プリンタ設定に加えた変更が適用されない

デフォルトの用紙サイズなどのプリンタ設定を変更しても、次回の Windows アプリケーション実行時にその変更が適用されないことがあります。

設定を変更しても、その新しい設定はすぐにクライアントに送信されるわけではありません。プリンタ設定を変更したときには、数分経ってから Windows アプリケーションからログアウトすることをお勧めします。

5.1.10.1.3. プリンタ設定が壊れている

多数のクライアントプリンタが存在している場合、プリンタ設定が壊れることがあります。

Windows アプリケーションでのプリンタ設定の格納を無効にするには、次のように「プリンタ設定のキャッシュ」(--noprintprefs) 属性を使用します。

$ tarantella object edit --name appname --noprintprefs 1

ここで、appname は Windows アプリケーションの名前です。

5.1.10.1.4. プリンタを変更するとプリンタ設定が失われる

プリンタ設定はドライバ名に直接関連付けられます。つまり、使用するプリンタを変更するときに、新しいプリンタで別のドライバ名を使用する場合には、プリンタ設定を再設定する必要があります。

5.1.10.1.5. ローカルプリンタ設定がリモート Windows アプリケーションセッションで設定されない

SGD を使用する場合、ローカルプリンタのプリンタ設定は、リモート Windows アプリケーションセッション内のプリンタには設定されません。ただし、Microsoft リモートデスクトップ接続クライアントを使用する場合は設定されます。

SGD は、この機能をサポートしていません。

5.1.10.1.6. PDF 印刷を使用するときにプリンタ設定が無視される

Microsoft Windows クライアントデバイスで PDF 印刷を使用するときに、一部のプリンタ設定が Adobe Reader で無視されることがあります。

この問題は、PDF 印刷に使用するプリンタドライバに、クライアントプリンタで利用できない設定が含まれている場合に発生する可能性があります。

印刷方向などの一部の設定は、Windows アプリケーションセッションのプリンタだけでなく、Adobe Reader の印刷ダイアログボックスでも設定する必要があります。Adobe Reader を設定すれば、設定が記憶されます。

5.1.10.2. SGD 印刷が無効になっていても印刷ジョブがキューに入れられる場合がある

tarantella print stop を実行して SGD 印刷システムを無効にしたあとも、引き続きアプリケーションサーバー上の印刷ジョブがスプールされる場合があります。これらのジョブは、SGD 印刷が再起動されるまで、キューに入れられたままになります。

印刷ジョブが送信されないようにするには、アプリケーションサーバー上で SGD 印刷待ち行列を手動で無効にします。

5.1.10.3. PDF 印刷でフォントが正しく印刷されない場合

PDF 印刷を使用するときに、印刷されるフォントが予期したフォントでないことがあります。

PDF 印刷は、Windows プリンタドライバ (Windows アプリケーションから印刷する場合)、Ghostscript、および PDF ビューアの機能を利用して出力されます。このため、これらのコンポーネントのフォント設定をそれぞれ試みて、結果が改善されるかどうかを確認することをお勧めします。

5.1.10.3.1. TrueType フォントと Windows アプリケーション

Windows アプリケーションから印刷するときにドキュメントに TrueType フォントが含まれている場合、ユーザーは、プリンタが TrueType フォントの代わりに、デバイスフォントと呼ばれる独自のフォントを使用していることに気付く場合があります。これにより、一部の文字が「空のボックス」([]) として印刷されることがあります。

この問題を解決するには、TrueType フォントをダウンロードして印刷するようにプリンタを設定します。

Windows アプリケーションで「印刷」ダイアログを表示し、「プロパティー」 → 「拡張機能」を選択します。「グラフィック」セクションで、「TrueType フォント」オプションを「ソフト フォントとしてダウンロード」に変更します。

5.1.10.4. Windows アプリケーションセッションのプリンタ名を変更する

Windows リモートデスクトップサービスセッションで作成されるプリンタの名前は、クライアントデバイスのプラットフォームによって異なります。

UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスの場合、名前はそのクライアントデバイスで使用されているプリンタ構成ファイルに基づいて決められます。詳細については、「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。

Windows クライアントデバイスの場合、名前はプリンタドライバに基づいて決められます。

PDF 印刷を使用している場合は、PDF プリンタの名前を修正できます。「SGD PDF プリンタの名前の変更」を参照してください。

5.1.10.5. SGD PDF プリンタの名前の変更

SGD PDF プリンタの名前は構成可能です。これらの名前は次のように修正できます。

すべてのユーザーの PDF プリンタ名を変更するには、次のコマンドを使用します。

$ tarantella config edit \
--printing-pdfprinter name --printing-pdfviewer name

組織、組織単位、またはユーザープロファイルオブジェクトの PDF プリンタ名を変更するには、そのオブジェクトも、親オブジェクトの印刷設定をオーバーライドするように構成されている必要があります。次のコマンドを使用します。

$ tarantella object edit --name object \
--userprintingconfig true --pdfprinter name --pdfviewer name

5.1.10.6. Windows アプリケーションセッションでユーザーに「_Default」という名前のプリンタが表示される

UNIX、Linux、または Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスから Windows アプリケーションにアクセスしているユーザーには、Windows アプリケーションセッションで「_Default」という名前のプリンタが表示されることがあります。クライアントプリンタの名前が異なっていたり、クライアントプリンタが存在しない場合、これはユーザーにとって紛らわしいものです。

Windows アプリケーションから印刷するときは、プリンタドライバ名と印刷ジョブを関連付けるために printerinfo.txt ファイルが使用されますが、そのデフォルト設定が原因でこのような状態になります。

プリンタ名を修正するには、printerinfo.txt ファイルを編集します。

「_Default」のプリンタ名を削除するには、printerinfo.txt ファイルから _Default エントリを削除します。

printerinfo.txt ファイルの詳細については、「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスへの印刷の設定」を参照してください。