このセクションでは、アプリケーションを SGD 経由で表示するためのサポートされるプラットフォームおよび要件について説明します。
SGD を使用すると、次に示す種類のアプリケーションにアクセスできます。
Microsoft Windows
Oracle Solaris、Linux、HP-UX、および AIX アプリケーションサーバー上で実行されている X アプリケーション
Oracle Solaris、Linux、HP-UX、および AIX アプリケーションサーバー上で実行されている文字型アプリケーション
IBM メインフレームおよび AS/400 システム上で実行されているアプリケーション
HTML と Java テクノロジを使用している Web アプリケーション
SGD では、次のプロトコルがサポートされます。
Microsoft リモートデスクトッププロトコル (RDP) version 5.2 以降
X11
HTTP
HTTPS
SSH version 2 以降
Telnet VT、American National Standards Institute (ANSI)
TN3270E
TN5250
SGD 拡張モジュールは、アプリケーションサーバーにインストールできるソフトウェアコンポーネントであり、SGD 経由で表示されるアプリケーションを使用している場合は次の追加機能を提供します。
高度な負荷分散
クライアントドライブマッピング (UNIX または Linux プラットフォームのみ)
シームレスウィンドウ (Windows プラットフォームのみ)
オーディオ (UNIX または Linux プラットフォームのみ)
次の表に、SGD 拡張モジュールでサポートされるインストールプラットフォームを示します。
オペレーティングシステム | サポートされるバージョン |
---|---|
Microsoft Windows (64 ビット) | Windows Server 2008 R2 |
Microsoft Windows (32 ビットおよび 64 ビット) | Windows Server 2008 Windows Server 2003 R2 Windows Server 2003 |
SPARC プラットフォーム上の Oracle Solaris | Solaris 8、9、10、11 Solaris Trusted Extensions 10、11 |
x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris | Solaris 10、11 Solaris Trusted Extensions 10、11 |
Oracle Linux (32 ビットおよび 64 ビット) | 5, 6 |
SUSE Linux Enterprise Server ( 32 ビットおよび 64 ビット) | 10, 11 |
Oracle Linux に準拠した Oracle 製品は、両ディストリビューション間での暗黙の互換性により、Red Hat Enterprise Linux でもサポートされます。Oracle は Red Hat Enterprise Linux 製品上で追加のテストを行なっていません。
Oracle Solaris Trusted Extensions プラットフォームでは、高度な負荷分散のみがサポートされています。オーディオや CDM はサポートされていません。
アプリケーションサーバーが SGD 拡張モジュールでサポートされないプラットフォームの場合でも、SGD ではそれらを使用することができ、サポートされるプロトコルのいずれかを使用してサポートされるアプリケーションタイプにアクセスできます。
SGD 拡張モジュールでサポートされるインストールプラットフォームは、Type 1 (ベアメタル) ハイパーバイザまたは Type 2 (ホスト) ハイパーバイザでサポートされます。たとえば、Oracle VM VirtualBox、VMWare、Oracle VM Server for SPARC (以前は Sun Logical Domains や LDoms と呼ばれた) などです。
ゾーンへのインストールは Oracle Solaris プラットフォームでサポートされています。SGD は、大域ゾーンか、1 つ以上の非大域ゾーンにインストールできます。大域ゾーンと非大域ゾーンの両方へのインストールはサポートされていません。
Oracle Solaris Trusted Extensions プラットフォームでは、SGD をラベル付きゾーンにインストールする必要があります。大域ゾーンには SGD をインストールしないでください。
次の表に、SGD 拡張モジュールでサポートされなくなったインストールプラットフォームを示します。
SGD のバージョン | サポートされなくなったプラットフォーム |
---|---|
4.71 | 4.70 からの変更はありません |
4.70 | Red Hat Enterprise Linux 5 |
SGD 拡張モジュールは、Windows 7 および Windows XP プラットフォームでサポートされる機能を提供しなくなりました。これらのプラットフォームは、アプリケーションサーバープラットフォームとして引き続きサポートされます。Microsoft Windows リモートデスクトップサービスを参照してください。
SGD には、Microsoft Windows リモートデスクトップサービスのライセンスは含まれていません。Microsoft オペレーティングシステム製品によって提供されるリモートデスクトップサービス機能にアクセスする場合は、このような製品を使用するための追加のライセンスを購入する必要があります。使用している Microsoft オペレーティングシステム製品のライセンス契約書を参照して、入手する必要のあるライセンスを確認してください。
Microsoft Windows Server 2008 R2 以前では、リモートデスクトップサービスはターミナルサービスと呼ばれていました。
SGD では、次の Microsoft Windows のバージョンへの RDP 接続がサポートされています。
Windows Server 2008 R2
Windows Server 2008
Windows Server 2003 R2
Windows Server 2003
Windows 7 SP1
Windows XP Professional SP3
Windows 7 および Windows XP プラットフォームでは、完全な Windows デスクトップセッションのみがサポートされています。個々のアプリケーションの実行はサポートされていません。シームレスウィンドウもサポートされません。
SGD によってサポートされる機能は、次の表に示すように、RDP または Oracle VM VirtualBox RDP (VRDP) のいずれを使用して接続したかによって異なります。
表2.1 RDP と VRDP を使用した場合に SGD によってサポートされる機能の比較
機能 | RDP | VRDP |
---|---|---|
オーディオの録音 (入力オーディオ) | ✓ | ✓ |
オーディオのリダイレクト | ✓ | ✓ |
クリップボードのリダイレクト | ✓ | ✓ |
COM ポートマッピング | ✓ | ✗ |
圧縮 | ✓ | ✗ |
ドライブのリダイレクト (クライアントドライブマッピング) | ✓ | ✗ |
マルチモニター | ✓ | ✗ |
ネットワークセキュリティー (暗号化レベル) | ✓ | ✓ |
セッションディレクトリ | ✓ | ✗ |
スマートカードデバイスのリダイレクト | ✓ | ✗ |
タイムゾーンのリダイレクト | ✓ | ✗ |
Windows プリンタマッピング (クライアント印刷) | ✓ | ✗ |
Windows Server 2008 R2 および Windows 7 では、最大 44.1kHz のオーディオビットレートがサポートされています。SGD では、デフォルトで最大 22.05kHz のビットレートがサポートされています。最大 44.1kHz のビットレートをサポートするには、Administration Console で「グローバル設定」、「クライアントデバイス」タブに移動し、「Windows オーディオ: 高品質」オプションを選択します。
オーディオ録音リダイレクトは、次のアプリケーションサーバーでサポートされています。
Windows Server 2008 R2
Windows 7 Enterprise
Windows 7 Ultimate
Windows リモートデスクトップサービスセッションでオーディオを記録するには、アプリケーションサーバー上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっている必要があります。デフォルトでは、オーディオ録音リダイレクトは無効になっています。
Microsoft Windows 7 Enterprise
アプリケーションサーバーのオーディオ録音を使用可能にするには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal
Server\WinStations\RDP-Tcp\fDisableAudioCapture
レジストリサブキーを 0
に設定する必要もあります。
SGD は、Windows リモートデスクトップサービスセッションで 8 ビット、16 ビット、24 ビット、および 32 ビットの発色数をサポートしています。
32 ビットカラーは、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、および Windows 7 プラットフォーム上で使用できます。32-ビットの色を表示するには、、クライアントデバイスは 32-ビットの色を表示できる必要があります。
15 ビットの発色数はサポートされていません。この発色数がリモートデスクトップセッションホスト上で指定された場合、SGD は発色数を 8 ビットに自動的に調整します。
SGD では、「低」、「クライアント互換」、または「高」暗号化レベルのみを使用できます。SGD は、FIPS (Federal Information Processing Standards) 暗号化レベルをサポートしていません。
Microsoft Windows Server 2003 以降、サーバーの認証および リモートデスクトップセッションホスト 通信の暗号化にトランスポート層セキュリティー (TLS) を使用できます。
X アプリケーションと文字型アプリケーションを実行するには、SGD は、アプリケーションをホストするアプリケーションサーバーに接続できる必要があります。SGD は通信方式として SSH および Telnet をサポートします。セキュリティー保護のためには SSH が最適です。
SGD は、SSH version 2 以降で動作します。SSH バージョンには互換性の問題があるため、すべての SGD ホストとアプリケーションサーバー上で同じメジャーバージョンの SSH (version 2 または version 3 のどちらか) を使用してください。
X アプリケーションへの接続に SSH を使用する場合は、X11 転送を有効にする必要があります。これは、SSH の構成を使用するか、SGD でアプリケーションを構成することによって実行できます。SGD で SSH を使用することについての詳細は、『Oracle Secure Global Desktop 管理ガイド』に記載されています。
SGD は、X セキュリティー拡張機能をサポートしています。X セキュリティー拡張機能は、-Y オプションをサポートする SSH のバージョンでのみ機能します。OpenSSH の場合、これは 3.8 以降のバージョンです。
SGD には、X.Org Foundation X サーバーリリース X11R7.6 に基づく X プロトコルエンジン (XPE) 実装が含まれています。
XPE 実装は、次の X.org foundation ソースに基づいています。
xorg-server 1.9.3
xrandr 1.3
xkeyboard-config 2.1
X.org 依存関係の次のバージョンが使用されます。
Mesa 7.9.2
pixman 0.20.2
SGD は、X アプリケーションに対する次の X の拡張機能をサポートしています。
BIG-REQUESTS
BLINK
DAMAGE
DEC-XTRAP
DOUBLE-BUFFER
Extended-Visual-Information
GLX
MIT-SCREEN-SAVER
MIT-SHM
MIT-SUNDRY-NONSTANDARD
NATIVE-WND
RDP
RECORD
RENDER
SCO-MISC
SECURITY
SGI-GLX
SHAPE
SYNC
TOG-CUP
X-Resource
XC-APPGROUP
XC-MISC
XFIXES
XFree86-Bigfont
XTEST
XTTDEV
KEYBOARD
RANDR
XINERAMA
次の X 拡張機能はサポートしていません。
XVIDEO
SGD は動的アプリケーションサーバーと呼ばれるオブジェクトのタイプを使用して、仮想サーバーブローカ (VSB) を表現します。SGD は VSB を使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーの一覧を取得します。
SGD には、Oracle Virtual Desktop Infrastructure (Oracle VDI) サーバーによって提供されるデスクトップへのアクセスをユーザーに提供するブローカが含まれています。
Oracle VDI との統合は、『Oracle Secure Global Desktop 管理ガイド』に記載されているように、Windows アプリケーションオブジェクトを構成することによってもサポートされます。
SGD のこのリリースでは、次のバージョンの Oracle VDI がサポートされています。
Oracle VDI 3.4.1
Oracle VDI 3.3.2