1.3. アプリケーションの使用

アプリケーションの起動、停止、および管理を行うには、Webtop のアプリケーション領域を使用します。

1.3.1. アプリケーションの実行

アプリケーションを起動するには、図1.10「アプリケーション実行用の Webtop リンク」に示すような、Webtop 上のアプリケーションのリンクをクリックします。アプリケーションがすぐに表示され、使用できるようになります。

図1.10 アプリケーション実行用の Webtop リンク

アプリケーション実行用の Webtop リンク

アプリケーションを起動すると、ユーザー名とパスワードの入力を要求される場合があります。これは、そのアプリケーションを実行するアプリケーションサーバーに対するユーザー名とパスワードです。

別のアプリケーションを起動する前にアプリケーションを終了する必要はありません。単に別のリンクをクリックします。

SGD 管理者は、アプリケーションの表示方法を構成します。

問題が発生した場合は、SGD 管理者に連絡してください。

1.3.1.1. アプリケーションのインスタンス数

あるアプリケーションが実行中である場合、Webtop 上でそのアプリケーションの名前の前に三角形が、その後ろに括弧で囲まれた数字が、それぞれ表示されます。セッションツールバーも、アプリケーション名の下に表示されます。セッションツールバーはアプリケーションを中断、再開、または終了するために使用されます。図1.11「アプリケーション実行中の Webtop リンク」に、アプリケーションの 2 つのインスタンスが実行中の Webtop リンクを表示します。

図1.11 アプリケーション実行中の Webtop リンク

アプリケーション実行中の Webtop リンクの詳細

括弧内の数字は、ユーザーが起動したアプリケーションの独立したインスタンスの個数です。SGD 管理者は、起動できるアプリケーションのインスタンスの数を構成します。

実行可能なアプリケーションのインスタンス数を確認するには、Webtop 上のリンクにマウスポインタを移動します。表示されるポップアップに、使用可能なセッション数が表示されます。

詳細については、「アプリケーションの中断と再開」を参照してください。

1.3.1.2. アプリケーション起動時にエラーメッセージが表示されたらどうすればよいか。

アプリケーション起動用リンクをクリックしたときに、エラーメッセージが表示された場合は、次のいずれかを試してください。

  • アプリケーションサーバー用の正しいユーザー名とパスワードを入力したことを確認します。SGD からこの情報が要求されない場合は、Shift キーを押しながらリンクをクリックしてプロンプトを強制的に表示させます。

  • SGD からログアウトし、ブラウザを終了してから再起動し、SGD に再度ログインします。アプリケーションのリンクをクリックします。

  • SGD 管理者に連絡して、エラーメッセージに表示されるすべての情報を伝えます。

1.3.1.3. アプリケーションの起動時にチューザページが表示されたらどうすればよいか。

アプリケーションを起動するリンクをクリックしたときに、情報領域にチューザページが表示される場合があります。

アプリケーションの構成方法に応じて、チューザページを使用して、アプリケーションを実行するアプリケーションサーバーを選択したり、起動されるアプリケーションを選択したり、その両方を選択したりすることができます。

図1.12 チューザページ、アプリケーションサーバーの選択

チューザページ、アプリケーションサーバーの選択

チューザページは、すべてのアプリケーションで自動的に表示されるわけではありません。SGD 管理者が構成する必要があります。

1.3.2. アプリケーションの中断と再開

アプリケーションの中には、表示されていなくても実行し続けるように設定されるものもあります。それらは再開可能なアプリケーションと呼ばれます。

アプリケーションを終了しないでそのアプリケーションのウィンドウを閉じるには、アプリケーションを中断します。ウィンドウを再度表示してアプリケーションを使い始めるには、アプリケーションを再開します。

アプリケーションは表示されていなくても引き続き実行されているため、オフィスで急ぎのレポートの作成を開始し、一日の終わりに SGD からログアウトできます。アプリケーションは中断されています。帰宅したあとで SGD に再度ログインしてアプリケーションを再開し、レポートの続きを作成できます。

アプリケーションの中断と再開は、Webtop 上のセッションツールバーを使って行います。

1.3.2.1. アプリケーションを制御するためのセッションツールバー

セッションツールバーは、アプリケーションの実行中のインスタンスごとに存在します。

  • アプリケーションを中断するには、 中断ボタン  をクリックします

  • アプリケーションを再開するには、 再開ボタン  をクリックします

  • アプリケーションを終了するには、 取り消しボタン  をクリックします。

図1.13「非表示状態のセッションツールバー」に示すように、アプリケーションセッションのセッションツールバーの表示/非表示を切り替えるには、三角形をクリックします。

図1.13 非表示状態のセッションツールバー

非表示状態のセッションツールバー

アプリケーション領域の最上部にある次の各リンクを使えば、すべてのアプリケーションセッションを一度に管理できます。

  • 実行中のすべてのアプリケーションを中断するには、「すべて中断」リンクをクリックします

  • 中断されているすべてのアプリケーションを再開するには、「すべて再開」リンクをクリックします

  • 実行中のアプリケーションや中断されているアプリケーションをすべて終了するには、「すべて取消し」リンクをクリックします

図1.14 すべてのアプリケーションセッションを管理するためのリンク

アプリケーションセッション管理用のリンク

1.3.2.2. アプリケーションの再開機能の設定

アプリケーションが再開可能かどうか調べるには、Webtop 上のリンクにマウスポインタを移動して、表示されるポップアップウィンドウを確認します。

次の表では、アプリケーションで使用可能な再開機能設定について説明します。

再開機能の設定値

説明

再開不可能

ユーザーが SGD からログアウトすると、このアプリケーションは終了します。再開可能でないアプリケーションを中断または再開することはできません。

注記

再開可能でないアプリケーションでは、セッションツールバーに取り消しボタンしか表示されません。

ログアウト時まで再開可能

このアプリケーションは、ユーザーが SGD からログアウトするまで動作し続けます。ログインしている間は、これらのアプリケーションを中断および再開できます。

常に再開可能

このアプリケーションは、ユーザーが SGD からログアウトしたあとも動作し続けます。再度ログインした際に、再開ボタンをクリックすると、実行中のアプリケーションが再度表示されます。

注記

ユーザー名とパスワードを入力しないで SGD にログインした場合、再開可能なアプリケーションを再開できるのは、ログアウトするまでの期間だけです。

1.3.2.3. ブラウザを閉じた場合に、作業内容が消失するかどうか

ログアウトしないでブラウザを誤って閉じたり、ブラウザがクラッシュしたりしても、作業内容が消失することはありません。ブラウザを再起動して SGD にログインすれば、Webtop を表示できます。

ただし、SGD Client が予期せずに終了した場合やユーザーが SGD Client を閉じた場合、あるアプリケーションを再開できるかどうかは、SGD 管理者がそのアプリケーションをどのように構成したかと、ユーザーがどのような方法で SGD にログインしたかによって決まります。

  • 「再開不可能」に構成されたアプリケーションは、SGD Client が終了するか閉じられると終了します。一般に、1 回に短い時間使用するだけで、業務上重要な機能でないアプリケーションは、再開不能に構成されます。

  • 「常に再開可能」または「ログアウト時まで再開可能」に構成されたアプリケーションは、SGD Client が終了するか閉じられたあとも、ある一定期間実行し続けます。単にブラウザを再起動してから SGD にふたたびログインし、動作中のアプリケーションを再開します。

  • SGD に匿名でログインした場合、つまりユーザー名とパスワードを入力しなかった場合、あるいは共有 Webtop (複数のユーザーが同じユーザー名とパスワードを使ってログインする Webtop) を使用している場合は、SGD Client が終了するか閉じられると、アプリケーションは終了します。なぜなら、どちらの場合もユーザーが一意のユーザー名とパスワードを使用しないために、SGD に再度ログインしたユーザーが以前と同じユーザーかどうかを SGD が判断できないからです。「ユーザー名」も参照してください。

1.3.3. アプリケーションの表示方法の変更

SGD 管理者が、アプリケーションのデスクトップ上での表示方法を定義します。たとえば、アプリケーションがフルスクリーン表示されるかそれともデスクトップウィンドウ内に表示されるか、などです。

デスクトップウィンドウ内に表示されるグラフィカルアプリケーションは、ウィンドウのサイズに合わせて拡大縮小することができます。ウィンドウのサイズを変更すると、SGD によって新しいウィンドウのサイズに合わせてアプリケーションが再度拡大縮小され、スクロールバーは表示されません。

Scroll Lock キーを押すことで、アプリケーションの拡大縮小の有効化/無効化を切り替えることができます。

アプリケーションがスケーラブルウィンドウに表示されているかどうかを調べるには、Webtop 上のリンクにマウスポインタを移動して、表示されるポップアップを確認します。あるいは、ウィンドウ下部のステータスバーを確認します。

1.3.4. アプリケーション間での情報のコピー

Windows アプリケーションおよび X アプリケーションでは、コピー元のアプリケーションで通常の方法でコピーしてから、コピー先のアプリケーションで通常の方法でペーストします。アプリケーションによっては、情報のコピー&ペーストが許可されない場合があります。この動作は、SGD 管理者により構成されます。アプリケーション間のコピー&ペーストが許可されない場合、コピーした情報の代わりに次のメッセージがペーストされます。

Oracle Secure Global Desktop Software: Copied data not available to this application

文字型アプリケーションの場合、マウスの右ボタンでクリックしてから、「コピー」または「ペースト」を適切にクリックします。テキストのカラムを選択するには、Shift キーを押しながらテキストを選択します。

タイプの異なるアプリケーション間で情報をコピーできます。たとえば、アプリケーションサーバー上で実行している xterm から、コンピュータ上で実行しているテキストエディタにコピーできます。

グラフィックスのコピー&ペーストは、Windows のアプリケーションでのみ可能です。

1.3.5. 異なるユーザー名とパスワードによるアプリケーションの実行

あるアプリケーションを起動する際にユーザー名とパスワードの入力を SGD に要求させるには、Shift キーを押しながら、Webtop 上のそのアプリケーションのリンクをクリックします。

このようにユーザー名とパスワードの入力を SGD に要求させることは、SGD ではアプリケーションサーバー用にすでに保存されているユーザー名およびパスワードが使用されないということを意味します。別のユーザーとしてアプリケーションを起動したい場合に役立ちます。

「このパスワードを保存」チェックボックスが選択された場合、新しいユーザー名とパスワードが保存され、このアプリケーションサーバー上にそれまで保存されていたユーザー名とパスワードは置き換えられます。このユーザー名とパスワードは、このアプリケーションサーバー上で起動する他のすべてのアプリケーションに使用されます。

Shift キーを押すことは、SGD に匿名ユーザーまたは共有ユーザーとしてログインしている場合は効果がありません。

1.3.6. 1 つボタンの Apple Macintosh マウスの使用

多くの Microsoft Windows アプリケーションおよび X アプリケーションは、マウスの中ボタンやマウスの右ボタンを使用します。このようなアプリケーションを 1 つボタンの Apple Macintosh マウスで使用するには、キーボード上の次のいずれかのキーを押しながらボタンをクリックします。

  • マウスのボタンをクリックする代わりに、Alt キーを押しながらマウスのボタンをクリックします

  • マウスのボタンをクリックする代わりに、Command キーを押しながらマウスのボタンをクリックします

ヒント

コンピュータの X11 の環境設定で 3 ボタンマウスのエミュレーションが有効になっていることを確認してください。