C.1. SGD Gateway の調整

SGD Gateway のインストール時に、SGD Gateway ホストで使用可能なメモリーに応じて、Adaptive Internet Protocol (AIP) および HTTP の同時接続の最大数が自動的に構成されます。SGD Gateway の Java 仮想マシン (JVM) に割り当てられるメモリーサイズも、この接続数に応じて最適化されます。

SGD Gateway のインストール後に、見込まれる SGD ユーザー数およびこれらのユーザーが実行するアプリケーションの数に応じて、デフォルトの設定を調整できます。その際は、JVM のメモリーサイズも調整する必要があります。この処理は、SGD Gateway の調整と呼ばれます。

注意

見込まれる接続数に対して JVM のメモリーサイズが不足すると、SGD Gateway が動作しなくなり、それ以降の接続をすべて拒否する場合があります。この場合は、十分な JVM メモリーが使用できるように SGD Gateway を調整する必要があります。SGD Gateway で java.lang.OutOfMemoryError のエラーメッセージが表示された場合は、調整が必要な可能性があります。

SGD Gateway を調整するには、次の作業を実行します。

C.1.1. AIP 接続の最大数の変更

AIP 接続の最大数はインストール時に構成されます。デフォルトの設定は、SGD Gateway ホストで使用可能なメモリーリソースによって異なります。

使用している配備に応じて、この設定をより適した値に変更できます。SGD Gateway で使用される AIP 接続の最大数を計算する方法の詳細については、「AIP 接続数の計算」を参照してください。

AIP 接続の最大数を変更するには、gateway config edit コマンドの --routes-aip-maxcon オプションを使用します。たとえば、AIP 接続の最大数を 3000 に変更するには、次のコマンドを実行します。

# /opt/SUNWsgdg/bin/gateway config edit --routes-aip-maxcon 3000

実行した変更を有効にするには、SGD Gateway を再起動する必要があります。

C.1.1.1. AIP 接続数の計算

SGD Gateway で使用される AIP 接続の数は、同時に接続する SGD ユーザーの数およびこれらのユーザーが実行するアプリケーションの数によって異なります。

AIP 接続数 = (アプリケーションの数 + 3) x SGD ユーザーの数

たとえば、SGD Gateway で 1000 人の SGD ユーザーがそれぞれ 4 つのアプリケーションを実行する場合、必要な AIP 同時接続の最大数は次のようになります。

(4 + 3) x 1000 = 7000 AIP 接続

C.1.2. HTTP 接続の最大数の変更

HTTP 接続の最大数はインストール時に構成されます。この設定は、同時ユーザーの最大数を定義します。デフォルト値は 100 です。

HTTP 接続の最大数を変更するには、gateway config edit コマンドの --routes-http-maxcon オプションを使用します。たとえば、HTTP 接続の最大数を 200 に変更するには、次のコマンドを実行します。

# /opt/SUNWsgdg/bin/gateway config edit --routes-http-maxcon 200

実行した変更を有効にするには、SGD Gateway を再起動する必要があります。

C.1.3. JVM のメモリーサイズの変更

HTTP 接続と AIP 接続の最大数を変更する場合は、SGD Gateway の JVM に割り当てられているメモリーサイズの変更も必要になることがあります。これを行うには、/opt/SUNWsgdg/proxy/etc/tuning_parameters ファイルで次の設定を編集します。

  • -Xms – JVM の初期メモリーサイズ (バイト単位)

  • -Xmx – JVM の最大メモリーサイズ (バイト単位)

ヒント

これらの設定では、K (キロ) および M (メガ) 修飾子を使用できます。たとえば、960K = 960K バイト、512M = 512M バイトです。

JVM メモリーサイズの値を計算する方法の詳細については、「JVM のメモリーサイズの計算」を参照してください。

注記

JVM の設定に対して十分なメモリーリソースがシステムに設定されていることを確認してください。

実行した変更を有効にするには、SGD Gateway を再起動する必要があります。

C.1.3.1. JVM のメモリーサイズの計算

SGD Gateway で使用される JVM メモリーの量は、AIP および HTTP の同時接続数によって異なります。

各 SGD Gateway 接続に約 300K バイトの JVM メモリーが必要なので、必要な JVM メモリーは次のように求められます。

(AIP 接続数 + HTTP 接続数) x 300K バイト

たとえば、SGD Gateway で 500 人の SGD ユーザーがそれぞれ 2 つのアプリケーションを実行するとします。AIP 同時接続の最大数は次のようになります。

(2 + 3) x 500 = 2500 AIP 接続

SGD Gateway では、SGD Web サーバーに対する十分な数の HTTP 同時接続も処理する必要があります。この例では、HTTP 接続の最大数は次のとおりです。

250 HTTP 接続

したがって、必要な JVM メモリーは次のようになります。

(2500 + 250) x 300K バイト = 約 806M バイト

注記

/opt/SUNWsgdg/proxy/etc/tuning_parameters ファイル内で、-Xms および -Xmx パラメータを、計算された JVM 値に設定します。-Xms および -Xmx は通常、パフォーマンス上の理由で同じ値に設定されます。