SGD Client は、クライアントデバイスにインストールされる SGD の一部です。SGD Client は、アプリケーションを実行するために必要です。
このセクションには、SGD Client をインストールして実行する方法の詳細が含まれています。
このセクションの内容は、次のとおりです。
SGD Client は、ブラウザを使用して Webtop と呼ばれる特殊な Web ページを表示することによって動作します。Webtop は、ユーザーが SGD 経由で実行できるアプリケーションを一覧表示し、アプリケーションセッションや印刷を管理するための制御を提供します。これが、SGD を使用するためのデフォルトの方法です。
Webtop についての詳細は、『オラクル Secure Global Desktop ユーザーガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。
SGD Client が実行されているときは、クライアントプラットフォームに応じて、システムトレーまたはワークスペーススイッチにアイコンが表示されます。
SGD Client は、次の機能を実行します。
オペレーティングシステム、ローカルプリンタ、クライアントドライブなど、クライアントデバイスに関する情報を取得する。
アプリケーションの表示を管理する。
AIP (Adaptive Internet Protocol) プロトコルを使用して、SGD サーバーとの通信接続を維持します。
SGD サーバーからのイベントを受信し、それに基づいて動作します。たとえば、印刷ジョブの到着があります。
SGD Client は、SGD サーバーに接続できるように構成する必要があります。SGD Client の接続設定は、クライアントプロファイルで定義されます。クライアントプロファイルは、クライアントデバイスに格納されています。
クライアントプロファイルは、SGD Client が起動時に接続する先の URL (Uniform Resource Locator) や、SGD Client の動作モードなどの事項を制御します。
SGD でのクライアントプロファイルの使用方法や、クライアントプロファイルで構成できる設定についての詳細は、「クライアントプロファイル」を参照してください。
Java テクノロジに対応したブラウザを使用している場合、SGD Client は SGD Client Helper によってサポートされます。
SGD Client Helper は、次の機能を実行する Java アプレットです。
SGD Client をダウンロードしてインストールします。これは自動インストールした場合にのみ実行可能です。「SGD Client の自動インストール」も参照してください。
ブラウザからプロキシサーバーの設定を取得し、それを SGD Client に送信します。これは、ユーザーのクライアントプロファイル内の設定によって異なります。
SGD Client を起動します。これは、ユーザーがブラウザを起動してログイン URL を開こうとしたときにのみ実行されます。
SGD Client から受信した指示に応答します。たとえば、ブラウザに画面の再描画を要求します。
SGD Client Helper の使用はオプションです。「Java テクノロジを使用しないで SGD を使用する方法」を参照してください。
SGD Client は、次の方法でインストールできます。
自動インストール。Java テクノロジに対応したブラウザを使用すると、SGD Client のダウンロードとインストールを自動的に処理できます。「SGD Client の自動インストール」を参照してください。
手動インストール。SGD Client を手動でクライアントデバイスにダウンロードしてインストールできます。「SGD Client の手動インストール」を参照してください。
Java テクノロジに対応したブラウザを使用している場合は、https://
の URL にアクセスすると、SGD Client が自動的にインストールされます。ここで、server.example.com
/sgdserver.example.com
は SGD サーバーの名前です。
SGD Client の自動インストールでは、異なるバージョンの SGD Client は個別のディレクトリにインストールされます。これは、次のことを示しています。
SGD Client をアップグレードするには、ユーザーはアップグレードされた SGD サーバーにログインするだけで済みます。
異なる SGD サーバーにログインするユーザーは常に、SGD のバージョンに対応した正しい SGD Client を実行します。
SGD Client は、次のディレクトリにインストールされます。
Microsoft Windows クライアントデバイス。ユーザーに固有の書き込み可能なディレクトリ。
Microsoft Windows XP プラットフォームでの例を次に示します。
C:\Documents and Settings\
username
\Local Settings\Temp\Oracle Secure Global Desktop\clients\version
Microsoft Windows 7 プラットフォームの場合。例:
C:\Users\
username
\AppData\Local\Temp\Oracle Secure Global Desktop\clients\version
実際の場所は、ユーザーの特権、オペレーティングシステム、および使用されている Java Plug-in ソフトウェアのバージョンによって異なります。
Microsoft Windows クライアントデバイスのユーザーは、ローミングユーザープロファイルを持つことができます。ローミングユーザープロファイルにより、ユーザーがどの Microsoft Windows コンピュータを使用する場合でも、同じ環境が提供されます。
Microsoft Windows ユーザーがローミングユーザープロファイルを持っている場合、SGD Client は、次のいずれかのディレクトリにインストールされます。
Microsoft Windows XP プラットフォームの場合
C:\Documents and Settings\
username
\Application Data\Temp\Oracle Secure Global Desktop\clients\version
Microsoft Windows 7 プラットフォームの場合。
C:\Users\
username
\AppData\Roaming\Temp\Oracle Secure Global Desktop\clients\version
ローミングユーザープロファイルを操作するように SGD を構成する方法についての詳細は、「ローミングユーザープロファイルでの自動インストールを有効にする方法」を参照してください。
UNIX、Linux、または Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイス。ユーザーのホームディレクトリ。
$HOME/.tarantella/clients/
arch
/version
ここで、arch
はクライアントのアーキテクチャーです。
自動インストールを使用し、SGD Client がインストールされる場所をより細かく制御する場合は、SGD Client をインストールするための独自の Web アプリケーションを開発し、SGD Web サービスを使用してインストールの場所を指定できます。
SGD Client の自動インストールについての詳細は、『オラクル Secure Global Desktop インストールガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。
SGD Client を、ローミングされるディレクトリに自動的にインストールできるようにするには、アレイ内の各 SGD サーバー上で次の手順を実行します。
SGD サーバーにログインしているユーザーがいないこと、および SGD サーバー上で実行されているアプリケーションセッション (中断されているアプリケーションセッションを含む) が存在しないことを確認してください。
SGD ホスト上でスーパーユーザー (root) としてログインします。
jsp
ディレクトリに変更します。
# cd /opt/tarantella/webserver/tomcat/tomcat-version
/webapps/sgd/resources/jsp
webtopsession.jsp
ファイルを編集します。
webtopsession.jsp
内の tccRoaming
行を、次のように変更します。
String tccRoaming="true";
変更を保存します。
SGD Web サーバーを再起動します。
# tarantella restart webserver
手動インストールでは、SGD Client がインストールされる場所を完全に制御できます。
異なるバージョンの SGD Client は個別のディレクトリにインストールされます。
SGD Client は、次の方法で手動でインストールできます。
ユーザー固有のインストール。SGD Client は、ユーザー指定の場所にインストールされます。
詳細については、「ユーザー固有のインストール」を参照してください。
システム規模のインストール。SGD Client は、システム規模の場所にインストールされます。このオプションは、管理者のみが使用できます。
詳細については、「システム規模のインストール」を参照してください。
SGD Client は、SGD Web サーバーの開始画面からダウンロードしてインストールします。SGD Web サーバーの開始画面は、https://
にあります。ここで、server.example.com
server.example.com
は SGD サーバーの名前です。
開始画面にある「オラクル Secure Global Desktop Client のインストール」リンクをクリックします。オラクル Secure Global Desktop Client のダウンロードページには、SGD Client をダウンロードしてインストールするための手順が記載されています。
Microsoft Windows クライアントデバイス上では、Windows の「スタート」メニューに SGD Client のショートカットが追加されます。
ユーザー固有のインストールの場合、ユーザーは、インストールの場所に書き込むための権限を持っている必要があります。
ユーザー固有のインストールのためのデフォルトの場所は次のとおりです。
Microsoft Windows クライアントデバイス。ユーザーに固有の書き込み可能なディレクトリ。
Microsoft Windows XP プラットフォームでの例を次に示します。
C:\Documents and Settings\
username
\Local Settings\Application Data\Programs\Oracle\Secure Global Desktop Client\clients\version
Microsoft Windows 7 プラットフォームの場合。例:
C:\Users\
username
\AppData\Local\Programs\Oracle\Secure Global Desktop Client\clients\version
UNIX または Linux プラットフォームのクライアントデバイス。ユーザーのホームディレクトリ。
$HOME/Oracle Secure Global Desktop/clients/
arch
/version
ここで、arch
はクライアントのアーキテクチャーです。
システムにインストールされた SGD Client のリストを含む構成ファイルが $HOME/.tarantella/clients.conf
に作成されます。このファイルの詳細については、「デフォルト以外の場所への SGD Client のインストール」を参照してください。
Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイス。ユーザーのホームディレクトリ。
$HOME/Applications/Oracle Secure Global Desktop Client/
version
/Oracle Secure Global Desktop Client.app
このインストール方法は、共有ファイルシステム上で使用できます。
システム規模のインストールのためのデフォルトの場所は次のとおりです。
Microsoft Windows クライアントデバイス:
C:\Program Files\Oracle\Secure Global Desktop Client\clients\
version
UNIX または Linux プラットフォームのクライアントデバイス:
/opt/Oracle Secure Global Desktop/clients/
arch
/version
ここで、arch
はクライアントのアーキテクチャーです。
システムにインストールされた SGD Client のリストを含むシステム規模の構成ファイルが /etc/opt/Oracle Secure Global Desktop/clients.conf
に作成されます。このファイルの詳細については、「デフォルト以外の場所への SGD Client のインストール」を参照してください。
Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイス:
/Applications/Oracle Secure Global Desktop Client/
version
/Oracle Secure Global Desktop Client.app
手動インストールでは、デフォルト以外の場所に SGD Client をインストールできます。
Java テクノロジに対応したブラウザを使用して SGD サーバーに接続している場合は、SGD Client Helper がクライアントデバイス上の SGD Client を探します。これを可能にするために、SGD には、クライアントデバイスに手動でインストールされたすべての SGD Client の場所のレコードが保持されています。
SGD Client の場所は、次のようにクライアントデバイス上に記録されます。
Microsoft Windows プラットフォーム。レジストリ内のキーであり、次のとおりです。
ユーザー固有のインストール: HKEY_CURRENT_USER\\Software\\Oracle\\Secure Global Desktop Client\\VERSION
システム規模のインストール: HKEY_LOCAL_MACHINE\\Software\\Oracle\\Secure Global Desktop Client\\VERSION
UNIX および Linux プラットフォーム。構成ファイルであり、次のとおりです。
ユーザー固有のインストール: $HOME/.tarantella/clients.conf
システム規模のインストール: /opt/Oracle Secure Global Desktop/clients.conf
Mac OS X プラットフォーム。クライアントデバイス上には、デフォルト以外のインストールの場所が記録されません。そのため、SGD Client Helper は、デフォルト以外の場所にインストールされた SGD Client を見つけることができません。
SGD サーバーから SGD Client をダウンロードしようとする前に、SGD Client Helper は上の場所をチェックして、同じバージョンの SGD Client がクライアントデバイスにすでにインストールされているかどうかを確認します。
また、SGD Client Helper が SGD Client を自動的にダウンロードしてインストールできない場合も、上の場所が検索されます。たとえば、ネットワークの問題が発生した場合などがあります。この場合、SGD Client Helper は示されている場所のいずれかを調べることによって、SGD Client の互換性のあるバージョンがクライアントデバイスにすでにインストールされているかどうかを確認します。
ユーザーは通常、ブラウザを起動し、https://
の URL にアクセスすることによって SGD にログインします。ここで、server.example.com
/sgdserver.example.com
は SGD サーバーの名前です。
この方法で SGD に接続すると、SGD Client が自動的にダウンロードされ、起動されます。ただし、コマンド行から SGD Client を起動して SGD サーバーに接続することもできます。
SGD Client は、Microsoft Windows クライアントプラットフォーム上では tcc
コマンドを使用して、UNIX、Linux、または Mac OS X クライアントプラットフォーム上では ttatcc
コマンドを使用して起動します。次に例を示します。
tcc [ -profilename
] [ -loginurlurl
] [ -prompt ] [ -preferredlanguagelang
] [ -logdirfile
] [ -use-java ] [ -version ]
次の表は、tcc および ttatcc コマンドの引数を示しています。
引数 | 説明 |
---|---|
| SGD Client を起動するときに使用するプロファイルの名前。 現在は、SGD サーバーごとに、Default と呼ばれるプロファイルが 1 つだけ存在します。
特定のサーバーのプロファイルを指定するには、 注記 プロファイル名には大文字と小文字の区別があります。 |
| ログイン URL。プロファイルで URL が定義されていてもこちらが優先します。 完全修飾ドメイン名を使用してください。 |
| 接続ダイアログを表示し、SGD Client が以前に接続した SGD サーバーのリストを示します。ユーザーは、このリストからサーバーを選択できます。 |
| SGD Client によって表示されるすべてのダイアログやメッセージで使用される言語。プロファイルに言語が定義されていても、この指定が優先します。サポートされている言語には次のようなものがあります。
|
| SGD Client ログファイルが作成されるディレクトリ。 |
| SGD Client での Java テクノロジの検出を有効にします。 |
| SGD Client のバージョン番号を表示します。 |
| ヘルプ情報を表示します。このオプションは、UNIX、Linux、または Mac OS X クライアントプラットフォームでのみ使用できます。 |
引数では大文字と小文字が区別されます。
コマンド行にユーザー名やパスワードを指定することはできません。
SGD Client のコマンド行を使用すると、独自のショートカットやシェルスクリプトを作成できます。
コマンド行から SGD Client を実行するいくつかの例を次に示します。
次の例では、SGD Client を起動し、ユーザーのプロファイルキャッシュから使用可能な Default プロファイルで定義された設定を使用します。
$ ttatcc
プロファイルが存在しない場合や、プロファイルにログイン URL が含まれていない場合、SGD Client は起動しますが、SGD サーバーには接続できません。
ユーザーが以前に複数の SGD サーバーに接続している場合、SGD Client はユーザーが接続した最後の SGD サーバーに、そのサーバーのプロファイルを使用して接続します。
このコマンドは、ユーザーが常に同じ SGD サーバーに接続する場合に SGD Client を起動するために使用します。
次の例では、SGD Client を起動し、ユーザーのプロファイルキャッシュから使用可能な server.example.com
のプロファイルで定義された設定を使用します。
$ ttatcc -profile server.example.com
::Default
キャッシュ内に使用可能な server.example.com
のプロファイルが存在しない場合、SGD Client は接続設定の入力を求めます。
このコマンドは、ユーザーが異なる SGD サーバーに接続する可能性がある場合に SGD Client を起動するために使用します。
次の例では、SGD Client を起動し、ユーザーのプロファイルキャッシュから使用可能な Default プロファイルで定義された設定を使用しますが、指定された URL に接続します。
$ tcc -loginurl url
ここで、url
は SGD サーバー上のログインページの URL (たとえば、http://server.example.com/sgd
) です。
URL の書き方により、アプリケーションを起動するためにもこの方法が使えます。
このコマンドは、SGD Client を起動し、1 台の SGD サーバーに接続するが、そのサーバー上の異なる Web アプリケーションに接続するために使用します。
SGD Client はまた、次のコマンド行引数もサポートしています。これらの引数は、SGD Web サービスを使用したアプリケーションを開発している場合にのみ有効です。
引数 | 説明 |
---|---|
| SGD Client が SGD サーバーに接続するときに使用するポート。これは通常、ユーザーが SGD にセキュアに接続できる場合は TCP ポート 5307 です。 |
| SGD Client が SOCKS プロキシサーバーをたどるために使用するベースネットワークルート。 |
| SGD サーバーがファイアウォール越えを使用していることを示します。SGD サーバーと Webtop への接続は、どちらも同じポート (通常は TCP ポート 443) を使用します。 |
| SGD Client が使用されている対象のユーザーセッションを識別するために SGD サーバーによって使用される cookie を指定します。 |
| SGD Client が待機ポート番号を書き込むファイルの名前。 |
| Mac OS X クライアントデバイスでのみ使用されます。X サーバーが稼働していることを確認します。 |
| SGD サーバーの完全修飾ドメインネームシステム (DNS) 名。 |
| SGD Client を起動するときにブラウザを起動しません。 |
引数では大文字と小文字が区別されます。
組織で Java テクノロジを使用したくない場合でも、引き続き SGD を使用できますが、次の制限事項があります。
SGD Client は、手動でダウンロードしてインストールする必要があります。
SGD にログインするには、ユーザーはまずコマンド行から、またはデスクトップの「スタート」メニューにあるショートカットから SGD Client を起動する必要があります。最初にブラウザを起動してログインすることはできません。
プロキシサーバーの設定は、ユーザーのクライアントプロファイルで構成されている必要があります。この設定をブラウザから自動的に取得することはできません。
現在の状態を表示するには、Webtop を手動でリロードする必要があります。
Java を使用しないで SGD を使用するために必要な手順を次に示します。
SGD Client をダウンロードしてインストールします。
SGD Client は、SGD Web サーバーの開始画面 (たとえば、https://
) からダウンロードします。ここで、server.example.com
server.example.com
は SGD サーバーの名前です。
「オラクル Secure Global Desktop Client のインストール」へのリンクをクリックします。
ダウンロードページおよび『オラクル Secure Global Desktop ユーザーガイド (リリース 4.7 用)』には、SGD Client をインストールする方法の詳細が記載されています。
SGD Client を起動し、SGD に接続します。
次のいずれかの方法を使用します。
デスクトップの「スタート」メニューにあるショートカットから SGD Client を起動します。
SGD Client をはじめて起動すると、接続先の URL を入力するよう求められます。これは通常、https://
です。ここで、server.example.com
/sgdserver.example.com
は SGD サーバーの名前です。SGD Client はまた、使用するプロキシサーバー設定の入力も求めます。
SGD Client は接続すると、デフォルトブラウザを起動し、SGD ログインページを表示します。
コマンド行から SGD Client を起動します。
詳細については、「コマンド行からの SGD Client の実行」を参照してください。
SGD にログインします。
SGD Webtop が表示されます。
クライアントデバイスのプロファイルを編集する。
Webtop のアプリケーション領域にある「編集」ボタンをクリックします。「クライアントの設定」タブに移動し、クライアントプロファイルを編集します。
「クライアントプロファイルの設定」も参照してください。
プロキシサーバーの設定を行います。
ブラウザ側のプロキシサーバー設定を使用することはできないので、プロファイルに定義する必要があります。「クライアントプロキシ設定の設定」を参照してください。
「保存」をクリックします。
SGD 管理者は、組織または組織単位のプロファイルを編集することによって、ユーザーに関するこれらの設定の多くを事前に構成できます。
SGD からログアウトします。