ここでは、X アプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。
このセクションの内容は、次のとおりです。
Administration Console では、X アプリケーションオブジェクトの設定が次のタブに分けられています。
「一般」タブ – これらの設定は、ユーザーのリンクを作成するときに使用される名前とアイコンを制御します。
「起動」タブ – これらの設定は、アプリケーションを起動する方法と、アプリケーションセッションを中断および再開できるかどうかを制御します。
「プレゼンテーション」タブ – これらの設定は、アプリケーションをユーザーに表示する方法を制御します
「パフォーマンス」タブ – これらの設定は、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するために使用されます
「クライアントデバイス」タブ – これらの設定は、ユーザーのクライアントデバイスがアプリケーションと対話する方法を制御します
次の表に、X アプリケーションオブジェクトを設定するためにもっとも一般的に使用される設定と、その使用方法を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名前 | ユーザーに表示される名前。 |
アイコン | ユーザーに表示されるアイコン。 |
アプリケーションコマンド | ユーザーがリンクをクリックしたときに起動されるアプリケーションへのフルパス。 アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 デスクトップセッション用に一般的に使用されるコマンドを、次に示します。
「共通デスクトップ環境アプリケーションの設定」および「VMS アプリケーションの構成」も参照してください。 |
コマンドの引数 | アプリケーションの起動時に使用するすべてのコマンド行引数。 注記 -display 引数を指定しないでください。これは SGD によって設定されます。 |
接続方法 | SGD がアプリケーションサーバーに接続するために使用するメカニズム (ssh や telnet など)。 |
セッション数 | ユーザーが実行できるアプリケーションのインスタンスの数。デフォルト値は 3 です。 |
アプリケーションの再開機能 | アプリケーションを再開可能にする期間を指定します。次のオプションが使用できます。
|
セッション終了 | SGD サーバーがアプリケーションセッションを終了するときの環境。 |
ウィンドウタイプ | アプリケーションをユーザーに表示する方法。 フルスクリーンのデスクトップセッションにキオスクを使用します。「ウィンドウのサイズ」の「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択すると、SGD は、アプリケーションウィンドウをクライアントデバイスの表示に合わせて拡大縮小できます。 アプリケーションを、クライアントデバイス上で実行されているかのように表示するには、「クライアントウィンドウ管理」を使用します。 ほかのウィンドウタイプの場合は、「ウィンドウのサイズ」の「高さ」と「幅」を指定するか、または「クライアントの最大サイズ」チェックボックスを選択する必要があります。 |
発色数 | アプリケーションの発色数。 SGD は、複数の発色数を使用する X アプリケーションをサポートしています。したがって、たとえば 24/8 ビットを選択することによって、24 ビットのデスクトップセッション内で 8 ビットアプリケーションを実行できます。 |
アプリケーションの負荷分散 | SGD がアプリケーションの実行にもっとも適したアプリケーションサーバーを選択する方法。 詳細については、「アプリケーションの負荷分散」を参照してください。 |
「ホストしているアプリケーションサーバー」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーまたはアプリケーションサーバーのグループを選択します。 アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 |
「割り当て済みのユーザープロファイル」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを表示できるユーザーを選択します。ディレクトリオブジェクトまたはディレクトリ (軽量) オブジェクトを選択すると、多数のユーザーに一度にアプリケーションを提供できます。また、LDAP ディレクトリを使用してアプリケーションを割り当てることもできます。「LDAP 割り当て」を参照してください。 |
また、この設定に加えて、次の設定を行うこともできます。
印刷 – 「印刷」を参照してください。
クライアントドライブ – 「クライアントドライブマッピング」を参照してください。
オーディオ – 「オーディオ」を参照してください。
コピー&ペースト – 「コピー&ペースト」を参照してください。
コマンド行では、tarantella object new_xapp コマンドを使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。また、tarantella object script コマンドを使用して、複数の X アプリケーションオブジェクトを一度に作成することもできます。「バッチスクリプトを使用した SGD 組織階層の移植」を参照してください。
X アプリケーションオブジェクトは、o=applications
組織階層内でのみ作成できます。
サポートされる X の拡張機能は、http://www.oracle.com/technetwork/jp/index.html/documentation/sgd-193668.html で参照可能な『オラクル Secure Global Desktop のプラットフォームサポートおよびリリースノート (リリース 4.7 用)』に一覧表示されています。
デフォルトでは、SGD は X 認証を使用して X ディスプレイをセキュリティー保護します。この属性を設定すると、承認されていないユーザーが X ディスプレイにアクセスすることを防ぐことができます。
X アプリケーションに対する X 認証のトラブルシューティングについては、「X 認証が有効になっているときにアプリケーションの起動に失敗する」を参照してください。
SGD には、標準の X Window System フォントが、さまざまな UNIX システムに必要ないくつかの追加フォントとともに、コンパイルおよび圧縮された形式 (.pcf.gz
) で含まれています。詳細は、X11R7.6 でのフォントを参照してください。これらのフォントは、次のディレクトリにインストールされます。
/opt/tarantella/etc/fonts
。SGD によって使用される端末エミュレータのフォント。
/opt/tarantella/etc/data/share/fonts/X11
。標準の X Window System フォント。
SGD では、次の X フォントおよびフォントディレクトリを使用できます。
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
75dpi | 可変ピッチの 75dpi フォント |
100dpi | 可変ピッチの 100dpi フォント |
cyrillic | キリル文字のフォント |
encodings | Type1 および TrueType フォントハンドラで使用されるエンコーディングファイルのセット。 |
misc | 固定ピッチフォント、カーソルフォント、および旧バージョンの X との互換性のためのフォント |
OTF | OpenType フォント |
TTF | TrueType フォント |
Type1 | PostScript™ Type 1 フォント |
util | ISO から Unicode へのマッピング |
SGD では、さまざまな X フォントを次の方法で使用できます。
独自の X フォントを SGD で使用できるようにします。
フォントディレクトリを使用します。「フォントディレクトリの使用」を参照してください。
フォントサーバーを使用します。「フォントサーバーの使用」を参照してください。
X フォントを使用可能にしたあと、そのフォントを使用するようにアレイ内の各 SGD サーバーを構成する必要があります。「独自の X フォントを使用するように SGD を構成する方法」を参照してください。
フォント別名を使用して、インストール済みのフォントにマップします。「フォント別名の使用」を参照してください。
フォントディレクトリを使用するには、.pcf
形式のフォントをアレイ内の各 SGD サーバー上のディレクトリにコピーし、ファイル名を X 論理フォント記述にマップする fonts.dir
ファイルを含めます。
これらのフォントを gzip 形式 (.pcf.gz
) で圧縮できますが、compress コマンド (.pcf.Z
) を使用して圧縮されたフォントはサポートされていません。フォントが .Z
ファイルに圧縮されている場合は、まずそのファイルを圧縮解除してから SGD サーバーにコピーしてください。
fonts.dir
ファイルには、次の例のような行が記載されています。
COURBO10.pcf -Adobe-Courier-Bold-0-Normal-10-100-75-75-M-60-ISO8859-1
フォントディレクトリに fonts.dir
ファイルが含まれていない場合は、ほとんどの UNIX システムで使用可能な mkfontdir などのプログラムを使用してそのファイルを作成できます。
また、ディレクトリ内のフォントの別名を指定する fonts.alias
ファイルを含めることもできます。fonts.alias ファイルは、1 つの別名を 1 つの X 論理フォント記述にマッピングします。次に例を示します。
variable *-helvetica-bold-r-normal-*-*-140-*
フォント別名の使用についての詳細は、「フォント別名の使用」を参照してください。
フォントサーバーは、ホスト上のフォントをネットワークで使用できるようにするプログラムです。フォントサーバーを使うと、フォントを集中管理して重複作業を減らすことにより、フォント管理が容易になります。
フォントサーバーをフォントパスに指定するには、フォントサーバーの名前と、サービスに使うポートについて知っている必要があります。たとえば、フォントサーバー boston が TCP ポート 7100 を使用している場合は、フォントパスのエントリ tcp/boston:7100
を追加します。
特定のフォントをインストールする代わりに、fonts.alias
ファイルを使用して類似のフォントにマップできます。
たとえば、X アプリケーションが、SGD には含まれていない LucidaSans-TypewriterBold-14
フォントを使用している場合は、次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。
Unable to load font-name defaulting font to variable
これらのエラーメッセージを回避するには、lucidasanstypewriter-bold-14
などの、類似のフォントにマップするための別名を作成します。
アレイ内の各 SGD サーバー上の /opt/tarantella/etc/data/share/fonts/X11/100dpi
ディレクトリ内の fonts.alias
ファイルに次のエントリを追加します。
LucidaSans-TypewriterBold-14 \ -b&h-lucidatypewriter-bold-r-normal-sans-20-140-100-100-m-120-iso8859-1
変更を行なったあと、SGD サーバーを再起動します。
SGD サーバーにログインしているユーザーがいないこと、および SGD サーバー上で実行されているアプリケーションセッション (中断されているアプリケーションセッションを含む) が存在しないことを確認してください。
Administration Console で、「Secure Global Desktop サーバー」タブに移動し、SGD サーバーを選択します。
「プロトコルエンジン」 → 「X」タブに移動します。
「フォントパス」フィールドに、X フォントを含むディレクトリへのパス、またはフォントサーバーの場所を入力します。
アレイ内の各 SGD サーバーは、異なるフォントパスを使用できます。ただし、アプリケーションの一貫性のない表示を回避するために、すべての SGD サーバーで同じフォントを、同じ順序で使用できることを確認してください。
「保存」をクリックします。
SGD サーバーを再起動します。
フォントパスの有効性を検査します。
xset コマンドを使用して、フォントパスが設定されているかどうかを確認します。
$ xset q
SGD は、XKB (X キーボード) の X の拡張機能を使用して、X アプリケーションのキーボード入力を処理します。
SGD は、規則ファイルを使用して、X アプリケーションのキーボード入力を処理します。規則ファイルには、キーボード上のキーを、これらのキーを押したときに生成される対応する文字にマップするために必要な構成が含まれています。
SGD によって使用される XKB 実装のためのファイルは、/opt/tarantella/etc/data/share/X11/xkb
ディレクトリ内にあります。
XKB の構成と使用についての詳細は、XKB のドキュメントを参照してください。
SGD に用意されている XKB 実装には、多くの一般的なキー配列とロケールのサポートが含まれています。
デフォルトでは、SGD は、クライアントデバイスによって使用されるロケールとキーボードタイプに基づいてキー配列を自動的に選択します。選択されたキー配列がクライアントデバイスに適していない場合、ユーザーは、「クライアントキーボード配列の一致を試行」のクライアントプロファイルの設定を使用してキー配列を構成できます。「クライアントプロファイルの設定」を参照してください。
デフォルトでは、「クライアントキーボード配列の一致を試行」の設定が有効になっており、ほとんどのキーボードで適切に動作します。デフォルト設定を使用しているときに問題が発生する場合は、Oracle サポートまでお問い合わせください。