ここでは、Windows アプリケーションオブジェクトを設定する方法について説明します。
このセクションの内容は、次のとおりです。
ユーザーに Microsoft Windows グラフィカルアプリケーションを提供する場合は、Windows アプリケーションオブジェクトを使用します。
Administration Console では、Windows アプリケーションオブジェクトの設定が次のタブに分けられています。
「一般」タブ – これらの設定は、ユーザーのリンクを作成するときに使用される名前とアイコンを制御します。
「起動」タブ – これらの設定は、アプリケーションを起動する方法と、アプリケーションセッションを中断および再開できるかどうかを制御します。
「プレゼンテーション」タブ – これらの設定は、アプリケーションをユーザーに表示する方法を制御します
「パフォーマンス」タブ – これらの設定は、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するために使用されます
「クライアントデバイス」タブ – これらの設定は、ユーザーのクライアントデバイスがアプリケーションと対話する方法を制御します
次の表に、Windows アプリケーションオブジェクトを設定するためにもっとも一般的に使用される設定と、その使用方法を示します。
属性 | 説明 |
---|---|
名前 | ユーザーに表示される名前。 |
アイコン | ユーザーに表示されるアイコン。 |
アプリケーションコマンド | ユーザーがリンクをクリックしたときに起動されるアプリケーションへのフルパス。 アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 Windows デスクトップセッションを実行する場合は、このフィールドを空白のままにします。 |
コマンドの引数 | アプリケーションの起動時に使用するすべてのコマンド行引数。 |
SGD Remote Desktop Client | デフォルトでは、SGD Remote Desktop Client は、Microsoft Windows アプリケーションサーバー上でアプリケーションを実行するために使用されます。SGD は、Microsoft RDP プロトコルを使用してアプリケーションサーバーに接続します。「SGD で使用するための Microsoft Windows リモートデスクトップサービス の構成」を参照してください。 |
ドメイン名 | アプリケーションサーバーの認証プロセスに使用する Windows ドメイン。 このフィールドは空白のままにすることができます。このドメインはまた、アプリケーションサーバーまたはユーザープロファイルのどちらでも設定できます。「Windows ドメインとパスワードキャッシュ」も参照してください。 |
セッション数 | ユーザーが実行できるアプリケーションのインスタンスの数。デフォルト値は 3 です。 |
アプリケーションの再開機能 | アプリケーションを再開可能にする期間を指定します。次のオプションが使用できます。
|
ウィンドウタイプ | アプリケーションをユーザーに表示する方法。 フルスクリーンのデスクトップセッションにキオスクを使用します。「ウィンドウのサイズ」の「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択すると、SGD は、アプリケーションウィンドウをクライアントデバイスの表示に合わせて拡大縮小できます。 「独立ウィンドウ」の場合は、「ウィンドウのサイズ」の「高さ」と「幅」を指定するか、または「クライアントの最大サイズ」チェックボックスを選択する必要があります。 ユーザーのデスクトップ環境にかかわらず、Windows アプリケーションサーバー上に表示される場合と同じようにアプリケーションを表示するには、「シームレスウィンドウ」モードを使用します。「シームレスウィンドウ」を参照してください。 |
発色数 | アプリケーションの発色数。 詳細については、「発色数」を参照してください。 |
アプリケーションの負荷分散 | SGD がアプリケーションの実行にもっとも適したアプリケーションサーバーを選択する方法。 詳細については、「アプリケーションの負荷分散」を参照してください。 |
「ホストしているアプリケーションサーバー」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーまたはアプリケーションサーバーのグループを選択します。 アプリケーションのインストール先は、すべてのアプリケーションサーバー上で同じ場所でなければいけません。 |
「割り当て済みのユーザープロファイル」タブ | 「編集可能な割り当て」テーブルを使用して、アプリケーションを表示できるユーザーを選択します。ディレクトリオブジェクトまたはディレクトリ (軽量) オブジェクトを選択すると、多数のユーザーに一度にアプリケーションを提供できます。また、LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) ディレクトリを使用してアプリケーションを割り当てることもできます。「LDAP 割り当て」を参照してください。 |
また、この設定に加えて、次の設定を行うこともできます。
印刷 – 「印刷」を参照してください。
クライアントドライブ – 「クライアントドライブマッピング」を参照してください。
オーディオ – 「オーディオ」を参照してください。
スマートカード – 「スマートカード」を参照してください。
コピー&ペースト – 「コピー&ペースト」を参照してください。
シリアルポート – 「シリアルポート」を参照してください。
コマンド行では、tarantella object new_windowsapp コマンドを使用して Windows アプリケーションオブジェクトを作成します。また、tarantella object script コマンドを使用して、複数の Windows アプリケーションオブジェクトを一度に作成することもできます。「バッチスクリプトを使用した SGD 組織階層の移植」を参照してください。
Windows アプリケーションオブジェクトは、o=applications
組織階層内でのみ作成できます。
Windows アプリケーションオブジェクトを構成すると、Microsoft Windows リモートデスクトップサービスの機能を使用できるようになります。
Windows Server 2008 R2 の前は、リモートデスクトップサービスはターミナルサービスと呼ばれていました。
SGD でサポートされる リモートデスクトップサービス機能と、それらがサポートされるアプリケーションサーバープラットフォームは、http://www.oracle.com/technetwork/jp/index.html/documentation/sgd-193668.html で参照可能な『オラクル Secure Global Desktop のプラットフォームサポートおよびリリースノート (リリース 4.7 用)』に一覧表示されています。
Microsoft Windows リモートデスクトップサービスには、可能性のある構成設定が多数存在します。リモートデスクトップサービスの構成についての詳細は、使用しているシステムのマニュアルを参照してください。SGD でリモートデスクトップサービスを使用するには、次の設定を構成することが必要になる可能性があります。
リモートデスクトップサービス構成への変更は、新しい Windows アプリケーションセッションでのみ有効になります。
ユーザーがログインしたときにパスワードの入力を要求されないように Windows リモートデスクトップサービスを構成する必要があります。
デフォルトでは、Windows Server 2003 以降ではパスワードの入力が要求されません。
Windows リモートデスクトップサービスでは、接続が失われたあともユーザーのセッションを引き続き実行できます。
セッションディレクトリを使用していない場合は、リモートデスクトップセッションホスト上のセッションの再開機能を無効にして、セッションの再開機能を SGD で処理するようにすることをお勧めします。これにより、次の潜在的な問題が回避されます。
アプリケーションサーバー上のリソースの不必要な使用
アプリケーションサーバー上のアカウントを共有しているユーザーが、互いの Windows セッションを再開する可能性があります。
ウィンドウ装飾を使用してアプリケーションを閉じたあとも、リモートデスクトップサービスセッションがアプリケーションサーバー上で引き続き実行される可能性があります。
リモートデスクトップサービスセッションの再開機能を無効にするには、「リモートデスクトップセッションホストの構成」で「セッションの限界に達したり接続が中断した場合」オプションの「セッションを終了する」を選択する必要があります。
セッションディレクトリを使用してセッションの再開機能を処理している場合は、「リモートデスクトップセッションホストの構成」で「セッションの限界に達したり接続が中断した場合」オプションの「セッションを中断する」を選択する必要があります。また、セッション ディレクトリを使用するには、Windows アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウを閉じるアクション」属性を「アプリケーションセッションを終了」に設定することも必要です。
Windows リモートデスクトップサービスセッションからクライアントプリンタへの印刷をサポートするには、Windows プリンタマッピングが有効になっている必要があります。Windows プリンタ マッピングは、デフォルトで有効になっています。
Windows リモートデスクトップサービスセッションでクライアントドライブのマッピングをサポートするには、ドライブのリダイレクトが有効になっている必要があります。ドライブのリダイレクトは、デフォルトで有効になっています。
SGD では、「低」、「クライアント互換」、または「高」暗号化レベルのみを使用できます。SGD は、FIPS (Federal Information Processing Standards) 暗号化レベルをサポートしていません。
デフォルトでは、Microsoft Windows Server でユーザーが開始できるリモートデスクトップサービスセッションは 1 つだけです。ユーザーが別のデスクトップセッションを開始するか、または同じ引数を使用してアプリケーションの別のインスタンスを開始すると、2 番目のリモートデスクトップサービスセッションが最初のセッションをつかみ、それを切り離します。つまり、同じ Windows Server 上で、2 つのデスクトップセッションまたは同じアプリケーションの 2 つのインスタンスを開始することはできません。
Microsoft Windows Server 2003 以降のアプリケーションサーバーでは、複数のリモートデスクトップサービスセッションのサポートを有効にすることができます。
Microsoft Windows Server 2003 以降のアプリケーションサーバーでは、ユーザーは、Remote Desktop Users グループのメンバーである場合にのみリモートデスクトップサービスを使用できます。
クライアントコンピュータは、ユーザーのデスクトップまたはアプリケーションセッションにタイムゾーンの正しい時間が表示されるように、タイムゾーンの設定をリモートデスクトップセッションホストにリダイレクトできます。リモートデスクトップサービスは、リモートデスクトップセッションホスト上のサーバーベースの時間とクライアントのタイムゾーン情報を使用して、セッション内の時間を計算します。この機能は、複数のクライアントデバイスが異なるタイムゾーンに存在する場合に有効です。デフォルトでは、この機能は使用不能になっています。
Administration Console では、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブにある「タイムゾーンマップファイル」属性によって、UNIX プラットフォームのクライアントデバイスと Windows アプリケーションサーバーのタイムゾーン名の間のマッピングを含むファイルが指定されます。
Windows リモートデスクトップサービスセッションからオーディオを再生するには、アプリケーションサーバー上でオーディオのリダイレクトが有効になっている必要があります。デフォルトでは、オーディオのリダイレクトは無効になっています。
オーディオ録音リダイレクトは、Microsoft Windows Server 2008 R2 および Microsoft Windows 7 アプリケーションサーバーでサポートされています。
Windows リモートデスクトップサービスセッションでオーディオを記録するには、アプリケーションサーバー上でオーディオ録音リダイレクトが有効になっている必要があります。デフォルトでは、オーディオ録音リダイレクトは無効になっています。
Microsoft Windows 7 Enterprise アプリケーションサーバーでオーディオの録音を有効にするには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\WinStations\RDP-Tcp
キーに次のレジストリエントリを追加することも必要です。
"fDisableAudioCapture"=dword:00000000
Windows リモートデスクトップサービスセッションからスマートカードリーダーを使用するには、アプリケーションサーバー上でスマートカードデバイスのリダイレクトが有効になっている必要があります。デフォルトでは、スマートカードデバイスのリダイレクトは有効になっています。
Windows リモートデスクトップサービスセッションからクライアントデバイス上のシリアルポートにアクセスするには、アプリケーションサーバー上で COM ポートマッピングが有効になっている必要があります。デフォルトでは、COM ポートマッピングは無効になっています。
SGD は、Windows リモートデスクトップサービスセッションで 8 ビット、16 ビット、24 ビット、および 32 ビットの発色数をサポートしています。
32 ビットカラーは、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、および Windows 7 プラットフォーム上で使用できます。32-ビットの発色数では、クライアントデバイスは 32-ビットの色を表示できる必要があります。
15 ビットの発色数はサポートされていません。この発色数がリモートデスクトップセッションホスト上で指定された場合、SGD は発色数を 8 ビットに自動的に調整します。
Microsoft Windows Server 2003 以降では、サーバー認証やリモートデスクトップセッションホスト通信の暗号化に TLS (Transport Layer Security) を使用できます。
リモートデスクトップセッションホストが CredSSP を使用したネットワークレベル認証 (NLA) をサポートしている場合は、サーバー認証に NLA を使用できます。
Windows アプリケーションでの NLA の使用についての詳細は、「Windows アプリケーション認証でのネットワークレベル認証の使用」を参照してください。
Windows Server 2003 以降では、リモートデスクトップサービスの設定を、次のようにグループポリシーを使用して構成できます。
個々の Windows リモートデスクトップセッションホストは、ローカルグループポリシーオブジェクト (LGPO) を使用して構成できます。Windows Server 2008 R2 のグループポリシーオブジェクトエディタでは、リモートデスクトップサービスの設定はローカル コンピュータ ポリシー\コンピュータの構成\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ
にあります。
複数の Windows リモートデスクトップセッションホストは、ドメインまたは組織単位 (OU) にリンクされたグループポリシーオブジェクト (GPO) を使用して構成できます。
パフォーマンスを向上させるために、次のポリシーの一部またはすべてを設定することもできます。
キープアライブ接続。このポリシーは、リモートデスクトップサービスセッションのキープアライブ時間間隔を指定します。「Windows リモートデスクトップセッションホストのキープアライブ構成」も参照してください。
表示色の最大値を制限する。このポリシーは、クライアントデバイスの表示色を制御します。このポリシーを設定する方法の詳細については、Microsoft サポート技術情報の記事 278502 を参照してください。
SGD には、Microsoft Windows リモートデスクトップサービスのライセンスは含まれていません。Microsoft オペレーティングシステム製品によって提供されるリモートデスクトップサービス機能にアクセスする場合は、このような製品を使用するための追加のライセンスを購入する必要があります。使用している Microsoft オペレーティングシステム製品のライセンス契約書を参照して、入手する必要のあるライセンスを確認してください。
リモートデスクトップサービスのライセンス管理は、クライアントアクセスライセンス (CAL) を使用して行われます。CAL は、クライアントが Windows リモートデスクトップセッションホストにアクセスできるようにするためのライセンスです。ライセンスモードに応じて、クライアントはユーザーまたはデバイスのどちらか、あるいはその両方の組み合わせになることができます。
リモートデスクトップセッションホストに接続するクライアントデバイスの CAL は、Microsoft のポリシーに従って割り当てられます。CAL が格納されるクライアントデバイス上の場所は、クライアントプラットフォームによって異なります。
表4.1「クライアントデバイス上の CAL を格納するためのデフォルトの場所」は、各プラットフォーム上の CAL のデフォルトの保管場所を示しています。Linux、Oracle Solaris、および Mac OS X プラットフォームでは、「システム規模のインストール」で説明されているように、SGD Client をシステム規模の場所にインストールするとデフォルトの場所が自動的に作成されます。
表4.1 クライアントデバイス上の CAL を格納するためのデフォルトの場所
クライアントプラットフォーム | デフォルトの場所 |
---|---|
Windows | Windows レジストリ |
Linux |
|
Oracle Solaris |
|
Mac OS X |
|
Sun Ray | Sun Ray データストア |
Linux、Oracle Solaris、および Mac OS X プラットフォームでは、デフォルトの場所が使用できない場合、CAL はユーザーの $HOME/.tarantella
ディレクトリに格納されます。
Linux、Oracle Solaris、および Mac OS X プラットフォームの場合は、クライアントデバイス上のクライアントプロファイル profile.xml
の <localsettings>
セクションにある <calstorepath>
エントリを使用してデフォルトの場所をオーバーライドできます。クライアントプロファイル内に <localsettings>
セクションが存在しない場合は、新しいセクションを作成してください。
たとえば、ライセンスの保管場所を /opt/CAL
に設定するには、次のプロファイルエントリを使用します。
<localsettings> ... <calstorepath>/opt/cals/</calstorepath> </localsettings>
クライアントデバイスが複数のユーザーで共有されている場合は、ライセンスの保管場所がすべてのユーザーから書き込み可能であることを確認してください。デフォルトのライセンスの場所はこの要件を満たします。
SGD を使用しているときの CAL に関する問題のトラブルシューティングの方法については、「CAL に関する問題のトラブルシューティング」を参照してください。
Microsoft Windows の一部のエディションには、Microsoft RDP を使用してコンピュータにアクセスできるリモートデスクトップ接続機能が含まれています。SGD とリモートデスクトップ接続を使用すると、たとえば、ユーザーに外出中のオフィス PC へのアクセスを許可できます。
サポートされるプラットフォームとリモートデスクトップ接続の機能は、http://www.oracle.com/technetwork/jp/index.html/documentation/sgd-193668.html で参照可能な『オラクル Secure Global Desktop のプラットフォームサポートおよびリリースノート (リリース 4.7 用)』に一覧表示されています。
SGD を導入する前に、Microsoft Windows コンピュータへのリモートデスクトップ接続のリンクが機能していることを確認してください。
リモートデスクトップ接続で使用するための SGD の構成は次のとおりです。
Microsoft Windows コンピュータごとにアプリケーションサーバーオブジェクトを作成します。
Windows デスクトップアプリケーションの Windows アプリケーションオブジェクトを作成します。
ユーザーが各自のコンピュータに確実にアクセスできるようにするには、Microsoft Windows コンピュータごとに個別の Windows デスクトップアプリケーションオブジェクトを作成する必要があります。
SGD Webtop を表示せずにフルスクリーンのデスクトップセッションを実行する方法についての詳細は、「My Desktop の使用」を参照してください。
シームレスウィンドウを使用する場合、Microsoft Windows アプリケーションサーバーがアプリケーションの表示を管理します。つまり、ユーザーのデスクトップ環境にかかわらず、アプリケーションのウィンドウは、アプリケーションがアプリケーションサーバー上に表示される場合と同じように動作します。ウィンドウは、サイズ変更、重ねて表示、最大化、および最小化することができます。シームレスウィンドウを使用しているときは、Windows の「スタート」メニューとタスクバーは表示されません。
シームレスウィンドウは、Windows デスクトップセッションの表示には適していません。代わりに、キオスクウィンドウまたは独立ウィンドウを使用してください。
シームレスウィンドウを使用するための条件を、次に示します。
アプリケーションサーバーに Windows 用の SGD 拡張モジュールがインストールされている必要があります。
Windows アプリケーションオブジェクトは、「シームレスウィンドウ」の「ウィンドウタイプ」を使用して構成されている必要があります。
上の条件のいずれかが満たされていない場合、SGD は、代わりにその Windows アプリケーションを独立ウィンドウ内に表示します。
アプリケーションをシームレスウィンドウに表示する場合の注意事項とヒントをいくつか次に示します。
アプリケーションがシームレスウィンドウに表示されている場合は、Scroll Lock キーを押すことによって、シームレスウィンドウと independent ウィンドウを切り替えることができます。
スキンがカスタマイズされたメディアプレイヤーなど、四角形以外のウィンドウを持つアプリケーションは、四角形のウィンドウに表示されます。
アプリケーションで一部の表示モードを使用できない可能性があります。たとえば、メディアプレイヤはタスクバーに最小化できません。Windows Media Player では、これは Windows Media Player のミニモードと呼ばれます。
Windows クライアントデバイスでは、「重ねて表示」、「上下に並べて表示」、または「左右に並べて表示」ウィンドウコマンドを実行しても、シームレスウィンドウには効果はありません。
スクリーンセーバーまたは「Windows セキュリティー」ダイアログボックスが表示されると、ウィンドウは自動的に独立ウィンドウに切り替わります。アプリケーションをロック解除すると、ウィンドウは自動的にシームレスウィンドウに戻ります。
シームレスウィンドウアプリケーションが、元のセッションより大きいサイズまたは小さいサイズのディスプレイで再開される場合、アプリケーションは independent ウィンドウに表示されます。
シームレスウィンドウに表示されるアプリケーションには、それぞれ個別の RDP 接続が割り当てられます。
Windows リモートデスクトップサービスセッションでは、クライアントデバイスでキーボードが押された場合の SGD での処理方法を次のように構成できます。
SGD は、Windows リモートデスクトップサービスセッションのために次のキーボードショートカットをサポートしています。
キーボードショートカット | 説明 |
---|---|
Ctrl+Alt+End | 「Windows セキュリティー」ダイアログを表示します。 |
Alt+Page Up | ウィンドウを左から右に切り替えます。 |
Alt+Page Down | ウィンドウを右から左に切り替えます。 |
Alt+Insert | ウィンドウを開かれた順番で繰り返し表示します。 |
Alt+End | Windows の「スタート」メニューを表示します。 |
Alt+Delete | 現在のウィンドウのポップアップメニューを表示します。 |
Ctrl+Alt+Minus | テンキーパッドのマイナス (-) キーを使用します。 アクティブなクライアントウィンドウのスナップショットを Windows リモートデスクトップセッションホストのクリップボードに格納します。 ローカルコンピュータ上で Alt+PrintScrn を押すのと同じ機能を提供します。 |
Ctrl+Alt+Plus | テンキーパッドのプラス (+) キーを使用します。 クライアントウィンドウ領域全体のスナップショットを Windows リモートデスクトップセッションホストのクリップボードに格納します。 ローカルコンピュータ上で PrintScrn を押した場合と同じ機能を提供します。 |
Alt+Ctrl+Shift+スペース | アクティブウィンドウを最小化します。「キオスク」モードにのみ適用されます。 |
SGD Windows リモートデスクトップサービスセッションでは、Windows キーと、ウィンドウを管理するためのキーボードショートカットは、リモートセッションに送信することも、ローカルに機能させることもどちらも可能です。デフォルトでは、ローカルで実行されます。
キオスクモードで表示するように構成されている Windows アプリケーションオブジェクトの場合は、「ウィンドウ管理キー」(--remotewindowkeys
) 属性によってキーボードショートカットの動作が制御されます。Windows キーとウィンドウ管理キーをリモートセッションに送信するには、次のどちらかを実行します。
Administration Console で、Windows アプリケーションオブジェクトの「クライアントデバイス」タブに移動し、「ウィンドウ管理キー」チェックボックスを選択します。
次のコマンドを使用します。
$ tarantella object edit --name obj
--remotewindowkeys 1
Windows キーとウィンドウ管理キーがリモートセッションに送信される場合は、キーシーケンス Alt+Ctrl+Shift+スペースを使用してキオスクモードを終了します。これにより、ローカルデスクトップ上でキオスクセッションがアイコン化されます。あるいは、キオスクモードを終了するために、「キオスクモードのエスケープ」(--allowkioskescape
) 属性を使用してアプリケーションウィンドウのプルダウンヘッダーを有効にすることもできます。プルダウンヘッダーには、キオスクセッションの最小化と終了のアイコンが含まれています。
キオスクモードで表示するように構成されていない Windows アプリケーションオブジェクトの場合は、SGD Remote Desktop Client の -windowskey
オプションを使用して、Windows キーが強制的にリモートセッションに送信されるようにすることができます。Windows キーをリモートセッションに送信するには、次のどちらかを実行します。
Administration Console で、Windows アプリケーションオブジェクトの「起動」タブに移動し、「引数」フィールドに「-windowskey on
」と入力します。
次のコマンドを使用します。
$ tarantella object edit --name obj
--protoargs "-windowskey on"
デフォルトでは、Microsoft RDP プロトコルを使用して SGD 経由で Windows アプリケーションを実行すると、クライアントデバイスのホスト名が Windows リモートデスクトップサービスセッションの %CLIENTNAME%
環境変数で返されます。Sun Ray クライアントデバイスを使用している場合は、DTU ID が %CLIENTNAME%
環境変数で返されます。DTU ID は、Sun Ray クライアントのハードウェアアドレスです。
DTU ID を使用すると、wcpwts.exp
ログインスクリプトでクライアントデバイスの名前を指定できます。SGD は、Microsoft RDP プロトコルを使用して接続するすべての Windows アプリケーションに対してこのログインスクリプトを使用します。
SGD Remote Desktop Client (ttatsc とも呼ばれる) は、SGD サーバーと Windows リモートデスクトップセッションホストの間の接続を処理するクライアントプログラムです。
コマンド行から ttatsc を実行するための構文は次のとおりです。
ttatsc [-options
..] server.example.com
ここで、server.example.com
は Windows リモートデスクトップセッションホストの名前です。
ttatsc を使用すると、Windows リモートデスクトップサービスセッションを次の方法で構成できます。
Windows アプリケーションオブジェクトの属性を設定します。一部の ttatsc コマンドオプションは、Windows アプリケーションオブジェクトの属性として使用できます。これらは次の表に示します。
Windows アプリケーションオブジェクトの「引数」(--protoargs
) 属性を構成します。この属性を使用すると、Windows アプリケーションオブジェクトのために使用される ttatsc コマンドオプションを指定できます。
wcpwts.exp
ログインスクリプトを編集し、ttatsc コマンドオプションを指定します。このファイルに加えた変更はすべて、Microsoft RDP プロトコルを使用して接続するすべての Windows アプリケーションのために使用されます。
ttatsc コマンドでは、次のオプションがサポートされています。
オプション | 説明 |
---|---|
| リモートデスクトップサービスセッションで実行するアプリケーション。 |
| オーディオのリダイレクトの品質を設定します。 |
| 接続のデータ圧縮を有効または無効にします。 |
| 通常のリモートデスクトップサービスセッションを開始する代わりに、コンソールセッションに接続します。
このオプションは、Windows アプリケーションの「コンソールモード」( |
|
接続の暗号化を設定します。デフォルト設定 |
| リモートデスクトップセッションホストで X セッションのデフォルトの発色数が設定されるようにするかどうか。 |
| フルスクリーンのデスクトップセッションを表示するかどうかを指定します。 |
| リモートデスクトップサービスセッションの作業用ディレクトリ。これはアプリケーションで上書きできます。
このオプションは、Windows アプリケーションの「作業用ディレクトリ」( |
| 接続先の X ディスプレイ。 |
| 認証の対象となるリモートデスクトップセッションホスト上のドメイン。 |
| 入力ロケール。RFC1766 言語タグを指定します。 |
| クライアントデバイスの名前。 |
| クライアントデバイスの NetBIOS 名。これは、リモートデスクトップセッションホスト上のリダイレクトされたプリンタ名のために使用されます。 |
| リモートデスクトップセッションホストに接続するときに高いセキュリティーを有効にします。
このオプションは、Windows アプリケーションの「拡張ネットワークセキュリティー」( |
| オーディオのリダイレクトを無効にします。 |
| オーディオ録音リダイレクトを無効にします。 |
| ttatsc をバックグラウンドプロセスとして実行しません。 |
| プリンタの設定をキャッシュしません。
このオプションは、Windows アプリケーションの「プリンタ設定のキャッシュ」( |
| ファイルからの読み取りコマンドオプション。詳細は、「設定ファイルの使用」を参照してください。 |
| リモートデスクトップサービスユーザーのパスワード。 |
| パフォーマンスを向上させるために表示オプションを無効にします。使用可能な設定は次のとおりです。
複数の表示オプションを無効にするには、複数の |
| デスクトップのテキストのフォント平滑化を有効にします。
このオプションは、Windows アプリケーションの「フォント平滑化」( |
| リモートデスクトップセッションホスト上の接続先の RDP ポート。デフォルト設定は 3389 です。 |
| このオプションは推奨されていません。 |
| オーディオをリモートデスクトップセッションホストに残します。
このオプションは、Windows アプリケーションの「リモートオーディオ」( |
| 個人用のカラーマップを使用しません。 |
| リモートデスクトップサービスセッションの表示幅と表示高 (ピクセル単位)。 |
| このオプションは推奨されていません。 |
| 標準入力からの読み取りコマンドオプション。ttatsc にコマンドオプションを渡すためにログインスクリプトによって使用されます。 |
| このオプションは推奨されていません。 |
| シームレスウィンドウを使用するアプリケーションのローカルウィンドウ階層を有効にします。一部の Borland アプリケーションに必要です。 |
| リモートデスクトップセッションホストに接続するためのタイムアウト (秒単位)。 |
| RDP 接続の確立のタイムアウト (秒単位)。 |
| このオプションは推奨されていません。 |
| リモートデスクトップサービスユーザーのユーザー名。 |
|
リモートデスクトップサービスセッションの Windows キーを有効または無効のどちらにするか。デフォルト設定は |
構成ファイルは、接続に使用される ttatsc コマンド行オプションを含むテキストファイルです。オプションは、先頭にダッシュ (-
) を付けず、1 行に 1 つずつ記述する必要があります。引数とその値は空白で区切ります。リテラルな空白を含める場合は、単一引用符または二重引用符で囲みます。
エスケープ文字は \
です。次のエスケープシーケンスがサポートされています。
\n
は改行文字 (0xA
)
\r
はキャリッジリターン (0xD
)
\t
はタブ (0x9
)
\\
はリテラル \
\"
は、引用符で囲まれた引数の区切りに使用されないリテラル二重引用符
\'
は、引用符で囲まれた引数の区切りに使用されないリテラル単一引用符
設定ファイルの例を、次に示します。
u "Indigo Jones" p "Wh1teh4ll" a "C:\\program files\\notepad.exe" naples.example.com