このセクションでは、アップグレードを実行する前に必要となる知識と作業について説明します。
SGD の Early Access Program (EAP) ソフトウェアリリースへのアップグレード、および EAP ソフトウェアリリースからのアップグレードはサポートされていません。EAP ソフトウェアリリースは、常に新規インストールを実行する必要があります。
このバージョンの SGD へのサポートされているアップグレードパスは、http://www.oracle.com/technetwork/jp/index.html/documentation/sgd-193668.html で参照可能な『オラクル Secure Global Desktop のプラットフォームサポートおよびリリースノート (リリース 4.7 用)』に一覧表示されています。
別のバージョンの SGD からアップグレードする場合は、Oracle サポートまでお問い合わせください。
サポートされていないアップグレードを実行する場合は、新しいバージョンのソフトウェアをインストールする前に、空ファイル /opt/tarantella/var/UPGRADE
を作成する必要があります。SGD インストールは正しくアップグレードされない場合があります。
SGD リリース 4.7 から、SGD はデフォルトでセキュアモードでインストールされます。セキュアモードインストールでは、SSL 証明書が SGD サーバーにインストールされます。SSL 証明書は、インストール中に生成される自己署名付き証明書とするか、独自の証明書を使用することもできます。
アップグレードの作業は、以前のバージョンの SGD でセキュア接続が使用されていたかどうかによって異なり、次のようになります。
アップグレード前のインストール環境がセキュリティー保護されていない場合、アップグレードはデフォルトでセキュアモードインストールとなります。これは SGD のクリーンインストールと同じです。
アップグレード前のインストール環境がセキュリティー保護されていて、自己署名付き証明書を使用している場合、アップグレードはデフォルトでセキュアモードインストールとなり、新しい自己署名付き証明書をインストールします。
SGD サーバーと一緒に SGD Gateway を使用している場合、Gateway に新しい証明書をインストールすることによって Gateway 配備を再構成する必要があります。SSL 証明書を Gateway にインストールする方法の詳細は、『オラクル Secure Global Desktop Gateway 管理者ガイド (リリース 4.7 用)』を参照してください。
アップグレード前のインストール環境がセキュリティー保護されていて、ユーザーが提供した証明書を使用している場合、アップグレードはデフォルトで、同じ証明書を使用したセキュアモードインストールとなります。
SGD リリース 4.7 からは、Windows 以外のクライアントデバイス向けの Client Access License (CAL) は SGD サーバー上のライセンスプールに保管されなくなりました。CAL はクライアントデバイス上の場所に保管されます。
SGD 4.7 へのアップグレード以降では、Windows 以外のクライアントデバイスは、リモートデスクトップセッションホスト によって発行された一時的な CAL を使用できます。一時的な CAL は、適切な CAL がクライアントデバイスに格納されるまで使用できます。
Oracle Solaris プラットフォームでアップグレードを実行する場合、pkgadd コマンドはパッケージをインストールする前にいくつかのチェックを行い、ユーザーに変更についての確認を求めます。pkgadd に指示を与える管理ファイルを作成して、これらのチェックを省略し、ユーザーに確認せずにパッケージをインストールすることもできます。
ユーザーの対話的操作を回避するには、管理ファイルに次の行を含める必要があります。
conflict=nocheck instance=unique
SGD をアップグレードする際に、pkgadd -a
adminfile
コマンドを使用して管理ファイルを指定します。
アップグレードを実行する際に管理ファイルを指定しないと、SGD インストールプログラムによって管理ファイルが作成されます。また、pkgadd コマンドを -a
adminfile
オプション付きで再度実行できるように、インストールを終了するオプションが提供されます。
アップグレードを実行すると、既存の設定に次の変更が適用されます。
既存のローカルリポジトリ (旧称 ENS (Enterprise Naming Scheme) データストア) は、保持されてバックアップされます。
ローカルリポジトリは SGD 組織階層のすべてのオブジェクトの記憶領域です。
/opt/tarantella/var/ens
ディレクトリが /opt/tarantella/var/ens.
ディレクトリにバックアップされます。
oldversion
このバックアップは変更されません。既存の ENS データベースが変更される可能性があるのは、それを新しいバージョンの SGD で動作できるようにするためにいくつかの変更が必要となる場合です。
SGD サーバー構成と SGD グローバル構成が保持されますが、バックアップはされません。
この構成は、/opt/tarantella/var/serverconfig
ディレクトリに格納されています。
この構成が変更されるのは、新しいプロパティーファイルを追加したり、既存のプロパティーに新しい属性を追加したりする必要がある場合だけです。
/opt/tarantella/var/serverresources
ディレクトリ内のすべてのサーバーリソースファイルが置換されます。
これらのファイルは SGD の動作を制御するので、通常は編集されません。
SGD ログインスクリプトが保持され、バックアップされます。
/opt/tarantella/var/serverresources/expect
ディレクトリが /opt/tarantella/var/serverresources/expect.
ディレクトリにバックアップされます。
oldversion
カスタマイズ済み SGD ファイルがバックアップされますが、アップグレードはされません。
標準インストールに含まれるファイル (Webtop テーマなど) を変更するか、ユーザー独自のファイル (ログインスクリプトなど) を追加する方法で、SGD をカスタマイズすることができます。
これらのファイルは手動でアップグレードする必要があります。
SGD の新しいバージョンのインストール時に、手動アップグレードが必要な可能性のあるファイルが存在する場合、インストールプログラムにより警告が表示されます。これらのファイルをアップグレードする方法については、「カスタマイズした SGD インストールのアップグレード」を参照してください。
アップグレードに従って、X アプリケーションのオーディオを使用する場合は、UNIX または Linux プラットフォームアプリケーションサーバー上の SGD 拡張モジュールもアップグレードする必要があります。アップグレードの手順については、「UNIX および Linux プラットフォーム対応 SGD 拡張モジュールをアップグレードする方法」を参照してください。
SGD と SGD 拡張モジュールのバージョンが異なる場合は、UNIX オーディオサービスが正しく動作しないことがあります。