4.8. アプリケーションの設定に関するヒント

このセクションでは、アプリケーションの構成に関するヒントと、SGD で使用するドキュメントについて説明します。このセクションの内容は、次のとおりです。

4.8.1. Webtop を表示せずにアプリケーションまたはデスクトップセッションを起動する

SGD では、Webtop を表示せずに、1 つのアプリケーションまたはフルスクリーンのデスクトップセッションを起動できます。これを行うには、次のいずれかの方法を使用します。

  • My Desktop の使用 – My Desktop を使用すると、ユーザーは Webtop を表示せずにログインし、アプリケーションを表示できます。通常、これはフルスクリーンのデスクトップアプリケーションで使用されます。詳細は、「My Desktop の使用」を参照してください。

  • SGD Web サービスの使用 – URL から 1 つのアプリケーションを起動するための独自のアプリケーションを開発します。この方法を使用すると、ブックマークやお気に入りからアプリケーションを起動できます。

4.8.2. 複数のモニターディスプレイのための RANDR の使用

SGD は、複数のモニターディスプレイ用の RANDR X の拡張機能をサポートしています。RANDR の使用は、複数のモニターディスプレイで動作するように SGD を構成するためのもっとも簡単な方法です。

複数のモニターで動作するように SGD を構成するには、次の構成手順を実行します。

  1. (オプション) ディスプレイの最大サイズを構成します。

  2. RANDR を使用するためのアレイを構成します。

  3. RANDR を使用するためのアプリケーションオブジェクトを構成します。

4.8.2.1. ディスプレイの最大サイズの構成

ウィンドウが切り取られる問題を回避するには、X プロトコルエンジンのディスプレイ解像度を増やすことが必要になる可能性があります。

Administration Console で、アレイ内の各 SGD サーバーの「プロトコルエンジン」 → 「X」タブに移動し、「クライアントウィンドウのサイズ」設定を変更します。「高さの最大値」および「幅の最大値」フィールドに、必要とする最高のディスプレイ解像度を入力します。

注記

「幅の最大値」および「高さの最大値」属性を増やすと、クライアントデバイスと SGD サーバーの両方でアプリケーションのメモリー要件が増加します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella config edit --array \
--xpe-cwm-maxwidth pixels \
--xpe-cwm-maxheight pixels

次の例は、ディスプレイの最大サイズを 3200 x 2048 ピクセルに設定します。

$ tarantella config edit --array \
--xpe-cwm-maxwidth 3200 \
--xpe-cwm-maxheight 2048

複数のモニターに表示するアプリケーションごとに、この設定を繰り返します。

4.8.2.2. アレイでの RANDR の有効化

デフォルトでは、RANDR 拡張機能の使用はアレイで無効になっています。

Administration Console で、「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブに移動し、「RandR 拡張機能」チェックボックスを選択します。

また、次のコマンドを使用して RANDR をアレイで有効にすることもできます。

tarantella config edit --array-xrandr-enabled 1

4.8.2.3. アプリケーションの RANDR 拡張機能の有効化

Administration Console で、アプリケーションオブジェクトの「プレゼンテーション」タブに移動し、「ウィンドウのサイズ: RandR 拡張機能」チェックボックスを選択します。

また、次のコマンドを使用してアプリケーションオブジェクトの RANDR を有効にすることもできます。

$ tarantella object edit --name app-name --xrandr 1

4.8.3. RANDR を使用しない場合の複数のモニターディスプレイの構成

「複数のモニターディスプレイのための RANDR の使用」で説明されているように、複数のモニターディスプレイで動作するように SGD を構成するためのもっとも簡単な方法は、RANDR 拡張機能の使用です。

場合によっては、RANDR の使用を希望しない、または使用できない可能性があります。ここでは、RANDR を使用しない別の構成方法について説明します。

SGD では、マルチヘッドモニターまたはデュアルヘッドモニターを使用できます。ただし、いずれかの X アプリケーションが「クライアントウィンドウ管理」または「キオスク」の「ウィンドウタイプ」(--displayusing) 設定を使用して構成されている場合は、複数のモニターを使用できるようにアプリケーションとモニターの構成を変更することが必要になる可能性があります。

「X アプリケーションオブジェクトの設定」も参照してください。

「ウィンドウタイプ」が「クライアントウィンドウ管理」または「キオスク」に設定されている X アプリケーションで動作するように複数のモニターを設定するには、次の設定手順を実行します。

  1. 共有リソースを無効にします。

  2. 正しいデスクトップサイズを設定します。

  3. モニターを設定します。

4.8.3.1. 共有リソースの無効化

SGD では、メモリーのオーバーヘッドを削減するために、類似したアプリケーションでリソースを共有できます。複数のモニターを使用して表示するアプリケーションがある場合は、この機能を無効にする必要があります。

Administration Console で、複数のモニターに表示するアプリケーションの「パフォーマンス」タブに移動し、「類似セッション間でリソースを共有」チェックボックスの選択を解除します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella object edit --name obj --share false

複数のモニターに表示するアプリケーションごとに、この設定を繰り返します。

4.8.3.2. 正しいデスクトップサイズの設定

SGD サーバーからクライアントデバイスに、デスクトップ上のすべてのモニターを表示するための十分な領域が確実に送信されるようにする必要があります。

注記

これにより、クライアントデバイスと SGD サーバー上で使用されるメモリーの量が増加します。

SGD を、プライマリモニターのサイズだけでなく、デスクトップ領域全体のサイズをクライアントデバイスに送信するように構成する必要があります。デスクトップ領域全体のサイズは、次の図の「仮想画面」で示されています。

マルチヘッドモニターの仮想画面のサイズ

たとえば、図の Monitor 1 のサイズが 1200 x 768、Monitor 2 のサイズが 800 x 600 の場合は、デスクトップサイズは 2000 x 768 に設定する必要があります。

4.8.3.2.1. クライアントウィンドウ管理アプリケーションのデスクトップサイズの設定

Administration Console で、SGD サーバーの「プロトコルエンジン」 → 「X」タブに移動します。「クライアントウィンドウのサイズ」の「高さの最大値」および「幅の最大値」フィールドに、仮想画面のサイズをピクセル単位で入力します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella config edit --array \
--xpe-cwm-maxwidth pixels --xpe-cwm-maxheight pixels

アレイ内の各 SGD サーバーに対して、この構成を繰り返します。

4.8.3.2.2. 「キオスク」モードのアプリケーションのデスクトップサイズの設定

X アプリケーションは、マルチヘッドモニターまたはデュアルヘッドモニター上にキオスクモードで表示できます。

クライアントデバイスのクライアントプロファイル、profile.xml<localsettings> セクションの <KioskArea> エントリで「キオスク」モードの表示機能を設定します。<localsettings> セクションがクライアントプロファイルに存在しない場合は、新しいセクションを作成します。

<KioskArea> エントリは、「キオスク」モードで使用される画面領域を定義します。使用可能な値は次のとおりです。

  • virtual - 仮想画面サイズを使用します。すべてのモニターが使用されます。

  • 0 - 主モニターのみを使用します。これはデフォルト値です。

  • 1 - 副モニターのみを使用します。

  • n – (マルチヘッドモニターのみ)。n 番目のセカンダリモニターのみを使用します。

たとえば、キオスクモードの表示をすべてのモニターに広げるには、次のようにします。

<KioskArea>virtual</KioskArea>
注記

キオスクモードのアプリケーションのデスクトップサイズは、Webtop からも構成できます。「クライアントの設定」タブで、「複数のモニターに広げる (キオスクモード)」オプションを使用します。

4.8.3.3. モニターの設定

前の図に示すように、すべての副モニターが主モニターの右側に表示されるようにモニターを設定します。

X サーバーが負の画面座標を処理できないために、この設定が必要になります。

4.8.4. Windows アプリケーションのパフォーマンスの向上

Windows リモートデスクトップサービスを使用していると、Windows アプリケーションのパフォーマンスが低下することがあります。この問題は、Windows セッションでアニメーション効果やその他の表示設定を使用しているために発生します。これらの機能では、画面の頻繁に更新する必要があり、使用される帯域幅が大幅に増加することがあるために、パフォーマンスに影響を与えます。接続速度が低いほど、問題が大きくなります。

これらの問題の原因として、次のようなことが考えられます。

  • アニメーションマウスカーソル

  • マウスポインタのシャドウ

  • スクリーンセーバー

  • 通知領域のアニメーションアイコン

  • プログラムのアニメーション画像

  • アニメーション壁紙

  • 壁紙として使用される画像

  • フォント平滑化

デフォルトでは、SGD Remote Desktop Client ttatsc は、フォント平滑化を除くこれらのすべての機能を有効にします。

Windows アプリケーションオブジェクトの 1 つ以上の属性を設定することによって、表示機能をオフにできます。設定可能な属性を、次の表に一覧表示します。

属性

説明

カーソル設定

マウスポインタの配色とカスタマイズを無効にします。

カーソルシャドウ

マウスポインタのシャドウを無効にします。

デスクトップの壁紙

デスクトップの壁紙を無効にします。壁紙を無効にすると、デスクトップ上の項目を移動するときに更新されるデータ量を減らすことができます。

フォント平滑化

アプリケーションのテキストのフォント平滑化を有効にします。

完全なウィンドウドラッグ

ウィンドウが移動されるときにその内容を表示するオプションを無効にします。

メニューのアニメーション

メニューとヒントの切り替え効果を無効にします

テーマ設定

デスクトップテーマを無効にします。

「SGD Remote Desktop Client」も参照してください。

4.8.5. Java Desktop System デスクトップセッションまたはアプリケーションのパフォーマンスの向上

このセクションには、Java Desktop System で SGD を使用している場合に最適なユーザーエクスペリエンスを得るための方法に関するいくつかのヒントが含まれています。

次の方法で、Java Desktop System デスクトップセッションおよびアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

  • Java Desktop System のために X アプリケーションオブジェクトを設定する

  • デフォルトの Java Desktop System 設定の一部を無効にする

4.8.5.1. Java Desktop System のための X アプリケーションオブジェクトの設定

Java Desktop System デスクトップセッションまたはアプリケーションでは、X アプリケーションオブジェクトの正しいコマンドパスを指定する必要があります。「アプリケーションコマンド」(--app) 属性を /usr/dt/config/Xsession.jds に設定します。/usr/bin/gnome-session のパスを使用すると、一部の Java Desktop System 構成パラメータが失われるため、ユーザーエクスペリエンスが低下します。

アニメーション効果の表示を改善するために、X アプリケーションオブジェクトのパフォーマンス設定を設定できます。「アプリケーションのアニメーションが「とびとびに」表示される」を参照してください。

4.8.5.2. デフォルトの Java Desktop System 設定の無効化

Java Desktop System デスクトップセッションおよびアプリケーションのパフォーマンスは、アニメーション効果やその他のデフォルトのデスクトップ設定によって影響されることがあります。これらの機能では、画面の頻繁に更新する必要があり、使用される帯域幅が大幅に増加することがあるために、パフォーマンスに影響を与えます。接続速度が低いほど、問題が大きくなります。

多くの場合は、次の Java Desktop System デスクトップ機能の一部を無効にするか、または変更することによってパフォーマンスを向上させることができます。

  • アンチエイリアス処理されたフォント

  • 大きいフォント

  • ログイン画面、スプラッシュ画面、「バージョン情報」画面、およびログアウト画面

  • アニメーション

  • デスクトップアプレット

  • ドラッグしているときのウィンドウの内容の表示

  • デスクトップの壁紙

  • テーマ

4.8.6. ドキュメントと Web アプリケーション

ドキュメントオブジェクトは、任意の URL を参照できます。これは、Oracle Open Office ドキュメントや Adobe™ Acrobat ファイルを含む、Web 上のどのようなドキュメントでもかまいません。ドキュメントから Web アプリケーションを参照することもできます。

URL を実際に取得するのはユーザーのクライアントデバイスであるため、ファイアウォールやその他のセキュリティー機能のために、ユーザーがドキュメントにアクセスできない場合があります。

SGD を使用すると Web アプリケーションにアクセスできます。Web アプリケーションは実際には Web ページ、つまり URL にすぎません。ただし、アクセスするときにユーザー名とパスワードの入力が必要になります。ユーザーに Web アプリケーションへのアクセスを許可するには、Web アプリケーションの URL にリンクしたドキュメントオブジェクトを作成します。

アプリケーションサーバーのパスワードとは異なり、SGD は、Web アプリケーションにアクセスするためのユーザー名とパスワードをキャッシュできません。ただし、ユーザーがログインし直さなくても Web アプリケーションから SGD にアクセスできるように Web 認証を構成できます。詳細は、「Web 認証」を参照してください。あるいは、SGD ユーザーを Web アプリケーションに対して認証することもできます。

Web アプリケーションにアクセスする場合は、送信前にすべての通信が SSL を使って暗号化されるように、セキュア (HTTPS) Web サーバーを使用します。

4.8.7. 仮想教室の作成

このセクションでは、仮想教室で使用されるようにアプリケーションオブジェクトを構成する方法について説明します。

SGD シャドウイングを使用すると、仮想教室を作成できます。ここで、教室内の生徒は、先生が実演しているアプリケーションをシャドウイングします。

これを可能にするには、先生のアプリケーションオブジェクトと教室アプリケーションオブジェクトを作成する必要があります。

最初に先生がアプリケーションを起動し、次に生徒が教室アプリケーションを起動して先生をシャドウイングする必要があります。教室でシャドウイングできるアプリケーションは、Windows アプリケーションまたは X アプリケーションだけです。

先生のアプリケーションは常に、1 人の人物だけが使用できます。複数の人物が先生のアプリケーションを起動した場合は、最後に起動されたアプリケーションが教室でシャドウイングされます。このため、先生のアプリケーションは 1 人のユーザーにのみ提供してください。数人の先生がいる場合は、先生ごとに異なるアプリケーションオブジェクトを作成してください。

最適な結果を得るには、教室アプリケーションオブジェクトを次のように構成します。

  • 教室アプリケーションの発色数を少なくとも 16 ビットにする必要があります。

  • 教室アプリケーションのディスプレイのサイズは、先生のアプリケーションのサイズ以上にする必要があります。

  • 「独立ウィンドウ」の「ウィンドウタイプ」設定を使用します。アプリケーションの「ウィンドウタイプ」が「シームレスウィンドウ」または「クライアントウィンドウ管理」である場合は、ユーザーエクスペリエンスが低下することがあります。

  • アプリケーションオブジェクトの「類似セッション間でリソースを共有」属性を無効にします。

先生が自分のアプリケーションを起動すると、その教室でどのアプリケーションをシャドウイングできるかに関する情報が SGD サーバー上に格納されます。この情報は、アレイのほかのメンバーにはコピーされません。つまり、教室アプリケーションが先生のアプリケーションとは別の SGD サーバー上で起動された場合、どのアプリケーションをシャドウイングできるかに関する情報を使用できないため、その教室アプリケーションは失敗します。

負荷分散グループを使用すると、先生のアプリケーションと教室アプリケーションが確実に同じ SGD サーバー上で起動されるようにすることができます。負荷分散グループは、アプリケーションサーバーおよび SGD サーバーに対して設定する必要があります。そうしない場合は、1 台の SGD サーバーを含む SGD アレイでのみ教室シャドウイングを使用してください。

「ユーザーの問題をトラブルシューティングするためのシャドウイングの使用」も参照してください。

4.8.7.1. 先生のアプリケーションオブジェクトを作成する方法

  1. Administration Console で、新規の Windows アプリケーションオブジェクトまたは X アプリケーションオブジェクトを作成します。

  2. 「起動」タブに移動し、「ログインスクリプト」フィールドに次のいずれかを入力します。

    • unixclass.exp – アプリケーションが X アプリケーションである場合

    • winclass.exp – アプリケーションが Windows アプリケーションである場合

  3. 「保存」をクリックします。

  4. 先生のアプリケーションに対して指定するほかの設定がある場合は構成します。

  5. 「ホストしているアプリケーションサーバー」タブをクリックし、このアプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーを選択します。

  6. 「割り当て済みのユーザープロファイル」タブで、先生のユーザープロファイルをこのアプリケーションに割り当てます。

4.8.7.2. 教室アプリケーションオブジェクトを作成する方法

  1. Administration Console で、新規の X アプリケーションオブジェクトを作成します。

    注記

    先生のアプリケーションが Windows アプリケーションである場合でも、教室アプリケーションは X アプリケーションです。

    「一般」タブが表示されます。

  2. 「起動」タブに移動し、アプリケーションを次のように設定します。

    1. 「アプリケーションコマンド」フィールドに、「/opt/tarantella/bin/bin/ttashadow」と入力します。

    2. 「コマンドの引数」フィールドに、「-readonly -silent -pointer $SHADOWDISPLAY」と入力します。

    3. 「接続方法」では、telnet オプションを選択します。

      SGD サーバーで telnet が無効になっている場合でも、このオプションを選択します。

    4. 「ログインスクリプト」フィールドに、pupil.exp と入力します。

    5. 「環境変数」フィールドで、MYCLASS 変数を設定します。

      形式は MYCLASS="name_of_teacher's_application" です。たとえば、「MYCLASS=".../_ens/o=applications/ou=Finance/cn=XClaim"」とします。

  3. 「保存」をクリックします。

  4. 「プレゼンテーション」タブに移動します。

  5. 「発色数」に「16 ビット - 数千色」を選択し、「保存」をクリックします。

  6. 教室アプリケーションのほかの設定を必要に応じて設定します。

  7. 「ホストしているアプリケーションサーバー」タブに移動し、このアプリケーションを実行できるアプリケーションサーバーを選択します。

    ttashadow アプリケーションは、SGD がインストールされているサーバー上でのみ使用できます。

  8. 「割り当て済みのユーザープロファイル」タブに移動し、クラス内のすべてのユーザーのユーザープロファイルを教室アプリケーションに割り当てます。

4.8.8. 共通デスクトップ環境アプリケーションの設定

共通デスクトップ環境 (CDE) アプリケーションに必要な設定は、デスクトップセッションまたは個別のアプリケーションのどちらを実行するかによって異なります。

ssh の「接続方法」を使用して構成された CDE デスクトップセッションでは、ユーザーが CDE セッションから終了しようとすると問題が発生する場合があります。CDE セッションがハングアップして、システムから正常にログアウトできなくなることがあります。「CDE と SSH の使用」を参照してください。

CDE アプリケーションを使用しているときのフォントの問題を回避するには、「フォントサーバーの使用」で説明されているように、フォントサーバーを使用することをお勧めします。

4.8.8.1. CDE デスクトップセッションの設定

SGD 経由で CDE デスクトップセッションを実行するには、次の表に示されている設定を使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。

属性

設定

アプリケーションコマンド

Xsession アプリケーションへのフルパス (/usr/dt/bin/Xsession など)。

コマンド行では、--app pathname を使用します。

起動接続をオープンしたまま保持

「有効」チェックボックスを選択します。

コマンド行では、--keepopen true を使用します。

セッション終了

リストから「ログインスクリプトの終了」を選択します。

コマンド行では、--endswhen loginscript を使用します。

ウィンドウタイプ

リストから「キオスク」を選択します。

コマンド行では、--displayusing kiosk を使用します。

ウィンドウのサイズ

「ウィンドウに合わせて拡大縮小する」チェックボックスを選択します。

この設定は、異なるサイズの表示に対してユーザーがアプリケーションを中断および再開する場合にだけ使用します。

コマンド行では、--scalable true を使用します。

4.8.8.2. CDE アプリケーションの設定

CDE フロントパネルからではなく、CDE アプリケーションを直接実行するには、次の表に示す設定を使用して X アプリケーションオブジェクトを作成します。

属性

設定

アプリケーションコマンド

実行するアプリケーションのフルパス

コマンド行では、--app pathname を使用します。

起動接続をオープンしたまま保持

「有効」チェックボックスを選択解除します。

コマンド行では、--keepopen false を使用します。

注記

この属性のデフォルト値になります。

セッション終了

リストから「表示中のウィンドウがない」を選択します。

コマンド行では、--endswhen nowindows を使用します。

注記

この属性のデフォルト値になります。

ウィンドウタイプ

リストから「クライアントウィンドウ管理」を選択します。

コマンド行では、--displayusing clientwm を使用します。

ウィンドウマネージャー

フィールドに次の行を入力します。

/usr/dt/bin/dtwm -xrm "Dtwm*useFrontPanel: false" -xrm "Dtwm*ws0*backdrop*image: none"

コマンド行では、--winmgr '/usr/dt/bin/dtwm -xrm "Dtwm*useFrontPanel: false" -xrm "Dtwm*ws0*backdrop*image: none"' を使用します。

注記

個々の CDE アプリケーションの実行中に問題が発生した場合は、「CDE デスクトップセッションの設定」に示すように CDE デスクトップセッションを構成し、CDE フロントパネルからアプリケーションを実行してください。

4.8.8.3. CDE と SSH の使用

ssh の接続方法を使用して設定されている CDE デスクトップセッションでは、CDE デスクトップユーザーが CDE セッションから終了しようとすると問題が発生する場合があります。CDE セッションがハングアップして、システムから正常にログアウトできなくなることがあります。

CDE セッションには、TT_ERR_NO_MATCH のエラーメッセージが表示されます。

この問題の回避方法は次のとおりです。

  • スーパーユーザー (root) で CDE ホストにログインし、次のコマンドを入力します。

    # mkdir /etc/dt
    # mkdir /etc/dt/config
    # cp /usr/dt/config/sessionetc /etc/dt/config
    # cp /usr/dt/config/sessionexit /etc/dt/config
    # cp /usr/dt/config/sys.dtprofile /etc/dt/config
    # chgrp bin /etc/dt/config
    # chmod 555 /etc/dt/config/*
    # chown bin:bin /etc/dt/config/*
  • /etc/dt/config/sessionetc ファイルに次の行を追加します。

    if [ "$SSH_TTY" !="" ]
    then
    SSHPTTY=`echo $SSH_TTY | cut -c6-15`
    ps -ef | grep -v grep | grep $SSHPTTY | grep Xsession | awk '{print $3}' >
    /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid
    fi
  • /etc/dt/config/sessionexit ファイルに次の行を追加します。

    if [ -f /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid ]
    then
    /bin/kill -HUP ‘/bin/cat /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid‘
    /bin/rm /var/dt/tmp/$DTUSERSESSION/sshd_pid
    fi
  • /etc/dt/config/sys.dtprofile ファイルに次の行を追加します。

    dtstart_session[0]="/usr/local/bin/ssh-agent /usr/dt/bin/dtsession"

4.8.9. VMS アプリケーションの構成

SGD を使用すると、VMS アプリケーションサーバー上の X アプリケーションや文字型アプリケーションにアクセスできます。

VMS サーバー上のアプリケーションにアクセスするように SGD を構成するには、次の構成手順を実行する必要があります。

  1. アプリケーションで使用されるログインスクリプトを設定します。

  2. ログインスクリプト内でトランスポート変数を設定します。

  3. X セキュリティーを無効にします。

4.8.9.1. アプリケーションで使用されるログインスクリプトの設定

X アプリケーションまたは文字型アプリケーションで使用されるログインスクリプトを設定する必要があります。

Administration Console で、構成するアプリケーションオブジェクトの「アプリケーション」 → 「起動」タブに移動します。「ログインスクリプト」ボックスに、「vms.exp」と入力します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella object edit --name obj --login vms.exp

4.8.9.2. ログインスクリプト内でのトランスポート変数の設定

デフォルトでは、vms.exp ログインスクリプトはトランスポート変数を TCPIP に設定します。これは、UCX (Ultrix Communications Extensions) などの Digital TCP/IP スタックに対して正しい設定です。

この変数を変更する必要がある場合は、ログインスクリプト内でトランスポート変数の設定を編集します。トランスポート変数は、ログインスクリプト内の次のエントリによって設定されます。

set transport "TCPIP"

ログインスクリプトは、/opt/tarantella/var/serverresources/expect ディレクトリ内にあります。

4.8.9.3. X セキュリティーの無効化

VMS X アプリケーションを使用するには、SGD で X セキュリティーを無効にする必要があります。これは、SGD が VMS X アプリケーションに対して X 認証をサポートしていないためです。

Administration Console で、「グローバル設定」 → 「セキュリティー」タブに移動し、「X ディスプレイの X 認証」チェックボックスの選択を解除します。

または、次のコマンドを実行します。

$ tarantella config edit --security-xsecurity 0

4.8.10. 3270 および 5250 アプリケーション

SGD は、3270 および 5250 アプリケーションのために、サードパーティー製のエミュレータアプリケーションである Unix 用 TeemTalk を使用します。詳細は、SGD に付属の『TeemTalk for Unix User's Guide』を参照してください。

ユーザーがはじめて 3270 または 5250 エミュレータを実行すると、SGD サーバー上のそのユーザーのホームディレクトリ内に tta3270.nv 構成ファイルが作成されます。