このセクションでは、SGD インストールに含まれているファイルについて説明します。SGD インストールのバックアップと復元についても説明します。
このセクションの内容は、次のとおりです。
SGD の標準のインストールディレクトリは、/opt/tarantella
です。
SGD のインストール中に別のインストールディレクトリを指定することもできます。
インストールディレクトリをコマンド行から調べることができます。次の手順を実行します。
Oracle Solaris プラットフォーム。次のコマンドを使用します。
$ pkgparam `pkginfo 'tta.*' | cut -d' ' -f2` INSTDIR
Linux システムプラットフォーム。次のコマンドを使用します。
$ rpm -qi tta | grep Relocations
SGD のインストールディレクトリには、次のサブディレクトリが含まれています。
bin
etc
lib
var
webserver
以降のセクションでは、これらの各サブディレクトリに含まれている内容と、それらの使用目的について説明します。
「SGD インストールのバックアップと復元」も参照してください。
etc
ディレクトリには、SGD の動作や SGD を使って表示したアプリケーションの動作を制御する構成ファイルが格納されています。次の表に示すサブディレクトリが含まれています。
サブディレクトリ | 内容 |
---|---|
| 構成ファイルは下記のとおりです。
|
| XKB 実装ファイル。 端末エミュレータ用のキーボードマップファイル。 |
| X Window System フォントと SGD とともにインストールされる追加フォント。 |
| インストールされている SGD パッケージに関する情報 (バージョンの互換性や依存関係など)。 |
|
|
lib
ディレクトリには、SGD サーバーで使用される共有ライブラリと、SGD Client を特定のプラットフォームにインストールする際に必要となる共有ライブラリが含まれています。
var
ディレクトリには、Web サーバーによって使用されるファイルと、SGD サーバーによってほかのアレイメンバーにコピーされるファイルがあります。var
ディレクトリには数多くのサブディレクトリがありますが、そのうち主要なものを次の表に示します。
サブディレクトリ | 内容 |
---|---|
| SGD Web サーバーで使用する HTML ページ。 |
| サーバーの SSL 証明書、キー、および CA 証明書。 |
| 組織階層内のオブジェクトを含むローカルリポジトリ。 |
| SGD サーバーのログファイル。 |
| 印刷待ち行列と先入れ先出し (FIFO)。 |
| SGD ログインスクリプト。 |
| 印刷待ち行列に送信される途中のファイル。 |
webserver
ディレクトリには、SGD Web サーバー、Web サービス、および Webtop の実行に必要なスクリプト、バイナリ、およびサーバー側 Java テクノロジが格納されています。重要なサブディレクトリを次の表に示します。
サブディレクトリ | 内容 |
---|---|
| SGD Web サーバーの構成と実行に必要なすべてのファイル。 |
| Tomcat JSP テクノロジおよび Java Servlet 拡張サーブレットコンテナの構成と実行に必要となるすべてのファイル。 |
| SGD Web サービスの実行に必要なファイル。Webtop は、Web サービスを使用します。 |
| SGD Client など、Webtop の実行に必要なファイル。 |
| |
|
このセクションでは、SGD インストールをバックアップして、SGD のコンポーネントまたはインストール全体が損傷した場合に修復する方法について説明します。
このページの手順を実行する前に、SGD インストールのレイアウトについて把握しておくと役立ちます。「SGD のインストールについて」を参照してください。
このセクションの内容は、次のとおりです。
SGD インストールを復元したり、一部の SGD コンポーネントを個別に修復したりするには、フルバックアップが必要になります。
バックアップを作成しているときに、コマンド行ツールを実行したり、Administration Console を使用したりしないでください。
SGD ホスト上でスーパーユーザー (root) としてログオンします。
(オプション) SGD サーバーを停止します。
バックアップを作成しているときは、SGD サーバーを停止することをお勧めします。これができない場合は、サーバーの負荷が少ないときにバックアップを実行してください。
SGD ログファイルをバックアップします。
# tarantella archive
アレイ内の各 SGD サーバーで、SGD インストールディレクトリ全体をバックアップします。
cpio コマンドを使用します。SGD で使用される一部の長いファイル名により、ほかのバックアップユーティリティー (tar など) で問題が発生する可能性があります。
SGD インストールディレクトリの詳細については、「SGD のインストールについて」を参照してください。
SGD では、次の構成ファイルも使用されます。これらのファイルについては、使用しているファイルのうち、変更を加えたものだけをバックアップするだけでかまいません。
/etc/ttaprinter.conf
ファイル – このファイルには、lpr のデフォルトが含まれています
/etc/sdace.txt
および /var/ace/data
ファイル – これらのファイルには、RSA SecurID 設定が含まれています
Web サーバーのパスワードファイル – SGD Web サーバーで使用するためにこれらのファイルを作成し、SGD インストールディレクトリの外部に保存している場合
バックアップを検証します。
アーカイブされた SGD バックアップを復元して、バックアッププロセスが正常に機能したことを検証します。これについては、「SGD インストールを完全に復元する方法」で説明されています。
損傷した SGD コンポーネントを復元できない場合、またはシステムがどの程度損傷しているかわからない場合は、SGD インストールを完全に復元する必要があります。
完全な復元を実行するには、フルバックアップが必要です。SGD インストールのバックアップ方法の詳細については、「SGD インストールのフルバックアップを作成する方法」を参照してください。
SGD サーバーにログインしているユーザーがいないこと、および SGD サーバー上で実行されているアプリケーションセッション (中断されているアプリケーションセッションを含む) が存在しないことを確認してください。
SGD ホスト上でスーパーユーザー (root) としてログオンします。
SGD サーバーを停止します。
SGD をアンインストールします。
# tarantella uninstall --purge
これに失敗した場合、手動で SGD パッケージを削除しなければならないかもしれません。Linux プラットフォームでは rpm -e tta コマンド、Solaris OS プラットフォームでは pkgrm tta コマンドを使用してください。
SGD インストールディレクトリを削除します。
# rm -rf /opt/tarantella
SGD とパッチ (適用されていた場合) を再インストールします。
これにより、プリンタキュー、rc スクリプト、およびパッケージデータベースがインストールされます。
SGD サーバーを停止します。
SGD インストールディレクトリを削除します。
# rm -rf /opt/tarantella
バックアップから SGD インストールを復元します。
必ずサーバーのバックアップから復元してください。また、ホストの DNS 名が変更されていないことを確認してください。
SGD サーバーを再起動します。
損傷したインストールを復元するために、SGD を次のコンポーネントに分けることができます。
バイナリファイル、スクリプトファイル、およびテンプレートファイル
ログインスクリプト
サーバー構成
グローバル構成
ローカルリポジトリ
自動ログアーカイブ
SGD 印刷
SGD Web サーバー、Web サービス、および Webtop
続くセクションでは、これらの各コンポーネントをバックアップする方法について説明します。
バイナリファイル、スクリプトファイル、およびテンプレートファイルが変更されるのは、インストール、パッチ、またはカスタマイズ作業のときだけです。これらのファイルが変更されることはあまりありません。
これらのファイルは、バックアップまたは再インストールによって次のように復元できます。
バイナリは、/opt/tarantella/bin/bin
ディレクトリにあります
スクリプトは、/opt/tarantella/bin/scripts
ディレクトリにあります
テンプレートファイルは、/opt/tarantella/etc/templates
ディレクトリにあります
ログインスクリプトは、SGD とアプリケーションサーバーの間の対話 (たとえば、ユーザーのログイン) を制御するファイルです。
ログインスクリプトの復元方法は、カスタマイズしたログインスクリプトを使用しているかどうかに応じて異なります。
カスタマイズしたログインスクリプトを使用していない場合は、再インストール、バックアップ、または /opt/tarantella/etc/templates
ディレクトリから復元できます。
カスタマイズしたログインスクリプトを使用している場合は、バックアップを使用して復元する必要があります。
ログインスクリプトは、/opt/tarantella/var/serverresources/expect
ディレクトリにあります。
サーバー構成とは、サーバー DNS 名やサーバー調整など、SGD サーバーのプロパティーのうち、アレイ内のほかの SGD サーバーと共有されないすべてのプロパティーのことです。
この構成は特定の SGD ホストに固有なので、そのホストから作成したバックアップから復元する必要があります。
サーバー固有の構成は、/opt/tarantella/var/serverconfig/local
ディレクトリにあります。
SGD セキュリティーサービスを使用している場合は、次の内容も復元する必要があります。
/opt/tarantella/var/tsp
/opt/tarantella/var/info/certs
/opt/tarantella/var/info/key
グローバル構成とは、ほかのアレイメンバーの名前など、アレイ内のすべての SGD サーバーに共通のプロパティーすべてのことです。
SGD サーバーのグローバル構成を復元するには、プライマリ SGD サーバーのバックアップから復元する必要があります。
グローバル構成は、/opt/tarantella/var/serverconfig/global
ディレクトリにあります。
ローカルリポジトリ (旧称 ENS (Enterprise Naming Scheme) データストア) は、アレイ内のすべての SGD サーバーで共有されます。ローカルリポジトリは、ユーザー、アプリケーション、およびアプリケーションサーバーに関するすべての情報を含む組織階層になります。これらの情報は、非常に頻繁に変更されます。
ローカルリポジトリは、プライマリ SGD サーバーのバックアップから復元します。
ローカルリポジトリは、/opt/tarantella/var/ens
ディレクトリにあります。
SGD のデフォルトでは、毎週日曜日の午前 4 時に cron ジョブを使用して、ログファイルのアーカイブが作成されます。
root ユーザーの crontab
が破壊したり、アーカイブが実行されなかったりした場合は、tarantella setup コマンドを使用してデフォルト設定を復元するか、アーカイブの実行日時を変更します。
ログファイルは、/opt/tarantella/var/log
ディレクトリにアーカイブされます。
SGD をインストールすると、SGD プリンタキューが構成されます。
プリンタキューが存在しない場合、次のいずれかの方法で復元できます。
SGD プリンタキューのインストールスクリプト prtinstall.en.sh
を使用します。「SGD プリンタキューインストールスクリプト」を参照してください。
tarantella setup コマンドを使用します。
プリンタキューは、/opt/tarantella/var/print
ディレクトリにあります。
SGD Web サーバー、SGD Web サービス、および Webtop の構成は、特定の SGD ホストに固有なので、そのホストから作成したバックアップから復元する必要があります。
SGD Web サーバーの構成は、/opt/tarantella/webserver/apache/
ディレクトリにあります。Web サーバーのパスワードファイルがある場合は、他の場所に格納されていることがあります。
apache-version
SGD Web サービスの構成は、/opt/tarantella/webserver/tomcat/
ディレクトリにあります。
tomcat-version
Webtop で使用するファイルは、/opt/tarantella/webserver/tomcat/
ディレクトリにあります。
tomcat-version
/webapps/sgd