フェイルオーバーを使用すると、Oracle VDI Center は一次ホストが消失しても自動的に回復することができます。フェイルオーバーは Oracle VDI に高可用性が構成されている場合にのみ使用できます。Oracle VDI Center に 1 つ目の二次ホストを追加すると、高可用性は自動的に有効になります。Oracle VDI Center の構成と高可用性の詳細については、「Oracle VDI Center およびホストについて」を参照してください。
vda-config コマンドを使用して、Oracle VDI Center にホストを追加および削除します。詳細については、次のセクションを参照してください。
フェイルオーバーは自動的に実行され、Oracle VDI Center の一次ホストの障害によってトリガーされます。フェイルオーバーの実行中に、レプリケーションデータベースを持つ二次ホストが自動的に昇格され、Oracle VDI Center の新しい一次ホストになります。元の一次ホストへの接続が復元されると、元の一次ホストは二次ホストとして再構成され、レプリケーションデータベースをホストします。
Oracle VDI Center が持つことができるレプリケーションデータベースは 1 つのみであるため、ほかのすべての二次ホストはデータベースロールを持っていません。レプリケーションホストを変更するには、「レプリケーションデータベースホストを変更する方法」を参照してください。組み込みの MySQL サーバーデータベースではなくリモートデータベースを使用している場合、そのデータベースの高可用性は Oracle VDI 以外で構成されます。
Oracle VDI Center の一次ホストを手動で変更するには、「Oracle VDI Center の一次ホストを変更する方法」を参照してください。
Oracle VDI Center エージェントは、Oracle VDI ホスト間でのセキュリティー保護された通信を提供するコンポーネントです。このエージェントは、Oracle VDI Center に対する自動フェイルオーバーとそのほかの設定の変更を処理します。
組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用している場合、Oracle VDI Center の一次ホストが Oracle VDI データベース (マスターデータベース) を実行します。Oracle VDI Center に最初に追加された二次ホストは、レプリケーションデータベース (スレーブデータベース) をホストするように構成されます。レプリケーションデータベースホストを変更するには、次の手順に従います。マスターデータベースを実行するホストを変更するには、「Oracle VDI Center の一次ホストを変更する方法」を参照してください。
「設定」 → 「VDI Center」の順に移動します。
「データベース」タブに移動します。
VDI Center 内の Oracle VDI ホストのリストが表示されます。
Oracle VDI ホストを選択し、「VDI データベースレプリケーションの有効化」をクリックします。
新しいレプリケーションホストが有効になったことを示すメッセージが表示されます。
レプリケーションホストを変更します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p db.replication.host=<host name>
<host name>
を空のまま指定すると、レプリケーションと高可用性がオフになります。
変更が反映されていることを確認します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status
Oracle VDI の一次ホストによって Oracle VDI Center が作成されます。一次ホストを変更すると元の一次ホストは二次ホストとして再構成され、レプリケーションデータベースをホストします (組み込みの MySQL データベースを使用している場合)。レプリケーションデータベースホストを変更するには、「レプリケーションデータベースホストを変更する方法」を参照してください。一次ホストを変更するには、次の手順に従います。
一次ホストを変更します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p vda.primary.host=<host name>
変更が反映されていることを確認します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status
自動ファイルオーバーが失敗した場合など、一部の環境ではフェイルオーバーを手動でトリガーしたい場合があります。フェイルオーバーを手動でトリガーするには、Oracle VDI Center で、レプリケーションデータベースを持つ二次ホストを一次ホストに変更します。詳細については、「Oracle VDI Center の一次ホストを変更する方法」を参照してください。
通常、Oracle VDI Center に対してホストを追加および削除するには、vda-config コマンドを使用します。ただし、ホストが応答不能になった場合は、このコマンドを実行できません。このような場合は、Oracle VDI Center からそのホストを強制的に削除します。
Oracle VDI Center からホストを削除します。
Oracle VDI Center 内の残りのホストから、root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center purge <host name>
変更が反映されていることを確認します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status
プロパティーを調整して、Oracle VDI Center の自動フェイルオーバーの動作を調整できます。次の表に、使用可能なプロパティーと、そのプロパティーが制御する内容を示します。
プロパティー | 説明 |
---|---|
| データベース接続の接続タイムアウト (ミリ秒)。 Oracle VDI データベースへの接続の試行がこのタイムアウトより長くかかった場合、Oracle VDI サービスは Oracle VDI Center エージェントにデータベースエラーを報告します。 デフォルトは 1000 ミリ秒です。 |
| フェイルオーバーを開始する前に Oracle VDI Center エージェントが待機する時間 (秒)。 Oracle VDI Center エージェントは Oracle VDI サービスからのデータベースエラーレポートを監視します。この時間に連続してデータベースエラーが報告された場合、そのデータベースに障害が発生したと見なされます。組み込みの Oracle VDI データベースが使用されている場合、フェイルオーバーがトリガーされます。 デフォルトは 15 秒です。 |
| Oracle VDI Center エージェントが自動的にデータベースレプリケーションを構成するかどうか。使用できる値は true または false です。 true を設定すると、1 番目の二次ホストが追加されたとき、またはフェイルオーバーが実行されたときに、二次ホストでレプリケーションデータベースの自動構成が実行されます。 false を設定すると、レプリケーションデータベースの自動構成は実行されません。管理者が手動でレプリケーションデータベースホストを構成するまで、高可用性は無効です。「レプリケーションデータベースホストを変更する方法」を参照してください。これによりレプリケーションデータベースに使用するホストをより強力に管理できますが、高可用性を手動で構成しなければならないことを意味しています。 デフォルトは true です。 |
必要なプロパティーを構成します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p<key>
=<value>
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center setprops -p db.failover.timeout=20
変更が反映されていることを確認します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center listprops