このセクションでは、デスクトップイメージとして使用される仮想マシンを作成する方法について説明します。
仮想マシンを作成してデスクトップオペレーティングシステムをインストールしたら、仮想マシンのデスクトップオペレーティングシステムのパフォーマンスを最適化することをお勧めします。このセクションのガイドラインは、Oracle VDI のデスクトップパフォーマンスを最大限にするデスクトップイメージの設定の概要を示したものです。これらは要件ではなく、パフォーマンス向上のための提案です。
Oracle VDI では、ユーザーが仮想マシンで実行されている自分の仮想デスクトップ (任意のデスクトップオペレーティングシステムのインスタンス) に簡単にアクセスできます。手動で仮想マシンを作成したり、テンプレートから自動的に追加の仮想マシンが作成または複製されるように Oracle VDI を設定したりできます。
Oracle VM VirtualBox をインストールすると、最初の仮想マシンを作成できるようになります。仮想マシンは Oracle VM VirtualBox のサーバーインストールまたはローカルインストール上に作成できます。仮想マシンを作成するために Oracle VM VirtualBox のローカルインストールの使用を選択した場合は、Oracle VDI Hypervisor と同じリリースを使用するようにしてください。
Oracle VM VirtualBox Web Console を起動します。
# /opt/VirtualBox/VirtualBox
「新規」をクリックして仮想マシンの新規作成ウィザードを起動します。
このウィザードの指示に従って仮想マシンを作成します。
目的の構成に適したハードディスクや RAM 空間を選択するようにしてください。
Windows Vista および Windows 7 の場合、1024 MB 以上の RAM と 5723 MB 以上のハードディスクが推奨されます。
Windows 2000 および Windows XP の場合、384 MB 以上の RAM と 4 GB 以上のハードディスクが推奨されます。
仮想マシンのシステム要件については、 Oracle VM VirtualBox のドキュメントを参照してください。
オペレーティングシステムをインストールします。
この時点では、OS がインストールされていない PC と同様に、仮想マシンは空の状態です。次の手順として、OS の起動媒体を選択してインストールします。
新規作成した仮想マシンを選択し、「設定」をクリックします。
「設定」GUI で「高度」タブを開きます。
最初の起動デバイスとして「CD/DVD-ROM」が設定されていることを確認します。
「設定」ダイアログの左側にあるパネルで「CD/DVD-ROM」オプションを選択します。
「CD/DVD ドライブのマウント」オプションを選択します。
「OK」をクリックして変更を保存すると、「設定」GUI が閉じられます。
この時点で、OS インストールを開始するために新規仮想マシンを起動します。
新規仮想マシンを選択して「起動」をクリックします。
インストールの指示に従ってください。また、インストールの詳細については、OS のメーカーに問い合わせてください。
Oracle VM VirtualBox Guest Additions をインストールします。
Oracle VM VirtualBox には、Windows XP、Windows Vista、および Windows 7 のゲストに自動ログオンするための Windows Guest Addition モジュールが用意されています。自動ログオン機能は、Guest Additions のインストール中にのみ有効にできます。従来の Guest Additions をインストールすることも自動ログオンに対応した Guest Additions をインストールすることもできます。
自動ログオンに対応していない Guest Additions をインストールするには、次の手順に従います。
仮想マシンが実行中で、完全に起動している状態で、仮想マシンコンソールの「デバイス」を選択します。
「Guest Additions のインストール」を選択します。これにより、仮想マシン内で Oracle VM VirtualBox Guest Additions が起動します。
自動ログオンに対応している Guest Additions をインストールするには、次の手順に従います。
仮想マシンコンソールで、「デバイス」、「CD/DVD デバイス」、「VBoxGuestAdditions.iso」の順に選択して、Guest Additions をロードします。
仮想マシンが実行中で、完全に起動している状態で、Windows の Run コンソールに移動します。
(Windows XP) 「スタート」メニューで「ファイル名を指定して実行」を選択します。
(Windows Vista および Windows 7) 「スタート」の検索バーで「run」を検索し、検索結果から選択します。
次のように入力し、「OK」をクリックすると、仮想マシン内で Oracle VM VirtualBox Guest Additions インストーラが起動します。
D:\VBoxWindowsAdditions.exe /with_autologon
追加のソフトウェアをすべてインストールし、デスクトップイメージを最適化します。
詳細については、次を参照してください。
Oracle VDI では、ユーザーが自分のデスクトップ (通常は仮想マシンで実行される Microsoft Windows XP のインスタンス) に簡単にアクセスできます。手動で仮想マシンを作成したり、テンプレートから自動的に追加の仮想マシンが作成または複製されるように Oracle VDI を設定したりできます。
Microsoft Windows で仮想マシンを作成します。
仮想マシンを作成するための標準的なプロセスを使用します。仮想マシンの作成については、『VMware Basic System Administration』を参照してください。
次の推奨事項に従ってください。
Microsoft Windows XP SP3 をベースラインとして使用します。ライセンスはボリュームライセンスにしてください。
ディスクを 1 つ定義します。サイズを可能なかぎり小さくします。ディクスのサイズは、システムのパフォーマンスと全体的なストレージの消費に影響します。RAM のサイズも可能なかぎり小さくします。
Windows Vista および Windows 7 の場合、1024 MB 以上の RAM と 5723 MB 以上のハードディスクが推奨されます。
Windows 2000 および Windows XP の場合、384 MB 以上の RAM と 4 GB 以上のハードディスクが推奨されます。
CPU は 1 つで十分です。
ネットワークインタフェースが 1 つ必要です。このネットワークインタフェースは DHCP 用に設定してください。電源投入後に仮想マシンが有効な IP を確実に取得できるようにます。
VMware Tools をインストールします。
Microsoft Windows XP がインストールされた仮想マシンを作成したら、VMware Tools をインストールします。VMware Tools は、仮想マシンのゲストオペレーティングシステムのパフォーマンスを向上させ、仮想マシンの管理を容易にする一連のユーティリティです。ゲストオペレーティングシステムへの VMware Tools のインストールは必須です。
インストールは、VMware Virtual Infrastructure Client (VIC) 内から簡単に実行できます。仮想マシンを右クリックし、「VMware Tools のインストール」を選択します。VMware Tools のインストールについては、『http://www.vmware.com/pdf/vi3_35/esx_3/r35u2/vi3_35_25_u2_admin_guide.pdfVMware Basic System Administration』を参照してください。
リモートデスクトップアクセスを有効にします。
RDP は、Microsoft Windows XP デスクトップへの主要なアクセス方式です。デフォルトでは、このアクセス方式は無効になっており、ファイアウォールによって拒否されます。リモートデスクトップアクセスを有効にするには、仮想マシンの電源をオンにしたままログインし、VMware の Virtual Infrastructure Client を起動して、次の手順に従います。
仮想マシンのコンソールを開き、仮想マシンの「スタート」ボタンをクリックします。
「スタート」メニューの「マイコンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「システムのプロパティ」ウィンドウで「リモート」タブを選択します。
「リモートデスクトップ」で、「このコンピュータにユーザーがリモートで接続することを許可する」ボックスを選択します。
対象のユーザーにリモートアクセス権限が付与されていることを確認します。
仮想デスクトップにリモートで接続する前に、リモートアクセスがファイアウォールによってブロックされないようにする必要があります。システム上でアクティブになる可能性があるすべてのファイアウォールでポート 3389 を有効にしてください。
Oracle VDI Tools
をインストールします。Oracle VDI
には、デスクトップが使用されているときにその旨を
Oracle VDI サービスに通知し、ゲスト OS
がスタンバイに入ったときに RDP
接続を処理するツールコンポーネントが含まれています。Oracle VDI
Tools
は、リサイクルが正常に機能するようにゲストオペレーティングシステムにインストールしてください。これにより、仮想マシンがスタンバイモードまたは中断モードに入ったときに
RDP
接続が適切に閉じるようになります。Oracle VDI
Tools には、vda-tools-x86.msi
(32
ビットプラットフォームの場合) と
vda-tools-x64.msi
(64
ビットプラットフォームの場合) の 2
つのバージョンがあります。
Oracle VDI アーカイブの解凍先のディレクトリで、適切なインストーラファイルを見つけます。
vda-tools-x86.msi
と
vda-tools-x64.msi
は、./image/vda_
サブディレクトリにあります。対象の仮想マシンにインストーラをコピーします。
<Oracle-VDI-release>
/Windows/Packages/
仮想マシンのコンソール内でインストーラをダブルクリックし、プロンプトに従ってインストールを完了します。
Windows での Oracle VDI Tools
のデフォルトのインストール先は、C:\Program
Files\Oracle\Virtual Desktop Access\Tools
です。
この時点で、Oracle VDI Tools という名前の新しいサービスが VM サービスリストに追加されて動作しているはずです。このサービスは自動的に開始するように設定されています。
追加のソフトウェアをすべてインストールし、デスクトップイメージを最適化します。
詳細については、次を参照してください。
仮想マシンをテンプレートに変換します。
追加の仮想マシンを手動で複製したり、Oracle VDI が仮想マシンをテンプレートから自動的に複製するように設定したりできます。既存の仮想マシンはすべてテンプレートに変換できます。
Virtual Infrastructure Client を開きます。
対象の仮想マシンを右クリックし、マシンの電源を切断します。
コマンド領域またはポップアップメニューで「テンプレートに変換」をクリックします。テンプレートについては、『VMware Basic System Administration』を参照してください。
カスタマイズの仕様を作成します。
テンプレートからクローンを作成したあとに、Windows XP の ID とネットワーク設定をカスタマイズする必要があります。このカスタマイズは、「カスタマイズ仕様」を使用して実行できます。
Virtual Infrastructure Client を開きます。
ツールバーの上にあるメニューから「編集」をクリックし、「カスタマイズ仕様」を選択します。
カスタマイズ仕様マネージャの「新規」アイコンをクリックしてウィザードを開始します。
ウィザードの最初の手順で、対象の仮想マシンの OS として Windows を選択し、仕様に名前を指定して説明を追加します。
それ以降の手順では、Windows のインストールに関する標準的な質問が行われますので、自身の要件に合わせて回答してください。ただし、次の項目は除きます。
コンピュータ名: 「仮想マシン名を使用する」を選択してください。選択しなかった場合、ホスト名が重複する可能性があります。
Windows ライセンス: Windows XP のシリアル番号を入力します。「サーバーのライセンス情報を含める」はオフのままにしてください。
ネットワーキング: インタフェースを DHCP 用に設定してください。設定されていないと、複製された仮想マシンは一意の IP アドレスを持たないので、Oracle VDI と連動しません。
ウィザードを完了し、カスタマイズの仕様を保存したら、Customization Specification Manager を閉じます。
カスタム仕様については、『VMware Basic System Administration; see: http://www.vmware.com/pdf/vi3_35/esx_3/r35u2/vi3_35_25_u2_admin_guide.pdf』を参照してください。
Oracle VDI では、ユーザーが自分の仮想デスクトップ (通常は仮想マシンで実行される Microsoft Windows XP のインスタンス) に簡単にアクセスできます。手動で仮想マシンを作成したり、テンプレートから自動的に追加の仮想マシンが作成または複製されるように Oracle VDI を設定したりできます。
Microsoft Windows で仮想マシンを作成します。
仮想マシンを作成するための標準的なプロセスを使用します。Microsoft Hyper-V で仮想マシンを作成する方法については、Microsoft の資料『http://www.windowsreference.com/hyper-v/hyper-v-how-to-create-a-new-virtual-machine/』を参照してください。
次の推奨事項に従ってください。
ライセンスはボリュームライセンスにしてください。
ディスクを 1 つ定義します。サイズを可能なかぎり小さくします。ディクスのサイズは、システムのパフォーマンスと全体的なストレージの消費に影響します。RAM のサイズも可能なかぎり小さくします。
Windows Vista および Windows 7 の場合、1024 MB 以上の RAM と 5723 MB 以上のハードディスクが推奨されます。
Windows 2000 および Windows XP の場合、384 MB 以上の RAM と 4 GB 以上のハードディスクが推奨されます。
Microsoft Hyper-V 統合コンポーネントをインストールします。
Microsoft Windows XP がインストールされた仮想マシンを作成したら、Hyper-V 統合コンポーネントをインストールします。統合コンポーネントを利用すると、Microsoft Hyper-V と Oracle VDI を仮想マシンと一緒に使用できるようになります。そのためには、統合コンポーネントをゲストオペレーティングシステムにインストールする必要があります。
インストールは、Hyper-V 管理コンソール内から簡単に開始することができます。コンソールから仮想マシンに接続して、「操作」メニューの「統合サービスセットアップディスクの挿入」オプションを選択します。
リモートデスクトップアクセスを有効にします。
RDP は、Microsoft Windows XP デスクトップへの主要なアクセス方式です。デフォルトでは、このアクセス方式は無効になっており、ファイアウォールによって拒否されます。リモートデスクトップアクセスを有効にするには、仮想マシンに Hyper-V 管理コンソールから接続し、次の手順を実行します。
コンソールで仮想マシンの「スタート」ボタンをクリックします。
「スタート」メニューの「マイコンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
「システムのプロパティ」ウィンドウで、「リモート」タブを選択します。
「リモート デスクトップ」で、「このコンピュータにユーザーがリモートで接続することを許可する」が選択されるように、チェックボックスにチェックを付けます。
対象のユーザーにリモートアクセス権限が付与されていることを確認します。
「OK」をクリックして、設定を保存し、ダイアログを閉じます。
仮想デスクトップにリモートで接続する前に、リモートアクセスがファイアウォールによってブロックされないようにする必要があります。
システム上でアクティブになる可能性があるすべてのファイアウォールでポート 3389 を有効にしてください。
Oracle VDI Tools をインストールします。Oracle VDI には、デスクトップが使用されているときにその旨を Oracle VDI サービスに通知し、ゲスト OS がスタンバイに入ったときに RDP 接続を処理するツールコンポーネントが含まれています。Oracle VDI Tools は、リサイクルが正常に機能するようにゲストオペレーティングシステムにインストールしてください。これにより、仮想マシンがスタンバイモードまたは中断モードに入ったときに RDP 接続が適切に閉じるようになります。
Oracle VDI
アーカイブの解凍先のディレクトリで、インストーラファイル
(64 ビットプラットフォームでは
vda-tools-x86.msi
、64
ビットプラットフォームでは
vda-tools-x64.msi
)
を見つけます。
インストーラは
vda_
サブディレクトリにあります。インストーラを対象の
VM にコピーします。
<Oracle-VDI-release>
/Windows/Packages
VM のコンソールでインストーラをダブルクリックし、プロンプトに従ってインストールを完了します。
Windows での Oracle VDI Tools
のデフォルトのインストール先は、C:\Program
Files\Oracle\Virtual Desktop Access\Tools
です。
この時点で、Oracle VDI Tools という名前の新しいサービスが VM サービスリストに追加されて動作しているはずです。このサービスは自動的に開始するように設定されています。
追加のソフトウェアをすべてインストールし、デスクトップイメージを最適化します。
詳細については、次を参照してください。