Oracle VDI Sun Ray キオスクセッションプロバイダを使用すると、標準の Oracle VDI デスクトップの代わりに、既存の Sun Ray キオスクモードセッションタイプを使用できるようになります。Sun Ray キオスクセッションプロバイダのプールでは、キオスクセッションの引数を指定できます。ユーザー、グループ、またはトークンをキオスクプールに割り当てると、標準の Oracle VDI デスクトップのほか、ユーザーのデスクトップ選択画面にもキオスクセッションが表示されます。キオスクセッションが終了すると、ログイン画面に戻ります。
Sun Ray キオスクセッションプロバイダを使用すると、Oracle VDI 自体には用意されていないセッションタイプへのアクセスを提供できます。たとえば、Sun Ray VMware View コネクタなどの別のブローカを使用してリモートデスクトップに接続したり、ロックダウンされた Web ブラウザで Web ベースのアプリケーションにアクセスできるようにすることができます。
各 Sun Ray キオスクセッションプロバイダは、Oracle VDI Center で使用可能な 1 つのキオスクセッションタイプに対応しています。Sun Ray キオスクセッションプロバイダに接続された各プールには、キオスクセッションに関してそれぞれ固有の設定を指定できます。「キオスクモードの設定を構成する方法 (Sun Ray キオスクプロバイダ)」を参照してください。
Sun Ray キオスクセッションプロバイダによって提供される一部の情報をキオスクセッションスクリプトで使用して、キオスクセッションが Oracle VDI で実行されているかどうかを検出できます。このような情報は、さまざまな用途で Oracle VDI に各種キオスクセッションを統合するのに役立ちます。たとえば、シングルサインオン機能を提供したり、ユーザーが複数のデスクトップを使用できるように複数の異なるセッションを統合デスクトップとして動作させたりすることができます。次の情報を使用できます。
ログインしている Oracle VDI ユーザーのユーザー名は、VDA_USER
環境変数で使用できます。
Oracle VDI ユーザーのパスワードは、キオスクセッションプロセスによって標準入力から読み取られます。
ログインしている Oracle VDI ユーザーのドメインは、VDA_DOMAIN
環境変数で使用できます。
キオスクセッションに使用する X11 ディスプレイは、VDA_DISPLAY
環境変数で使用できます。
これが設定されていない場合は、現在のディスプレイの全画面表示と見なされます。
キオスクセッションが表示される画面位置 (X11 ジオメトリ形式) は、VDA_GEOMETRY
環境変数で使用できます。
これが設定されている場合は、VDA_DISPLAY
で指定されたディスプレイのウィンドウでセッションが実行されます。ジオメトリが設定されていない場合は、指定されたディスプレイの全画面表示でセッションが実行されます。
次の例は、このような情報をキオスクセッションスクリプトでどのように使用するかを簡単に示しています。
theUser="$VDA_USER" thePassword= theDomain="$VDA_DOMAIN" theDisplay="$VDA_DISPLAY" theGeometry="$VDA_GEOMETRY" read thePassword
Sun Ray キオスクセッションプロバイダで使用できるキオスクセッションタイプには、いくつかの制限があります。これらの制限のほとんどは、Oracle VDI 自体が Sun Ray キオスクモードで実行されることによるものです。Sun Ray キオスクセッションプロバイダで実行されるキオスクセッションは、メイン Oracle VDI キオスクセッションのサブプロセスです。次の点に注意してください。
Sun Java Desktop System 3 および共通デスクトップ環境のキオスクタイプ (Oracle Solaris プラットフォームでのみ使用可能) は、Sun Ray キオスクセッションプロバイダ用に選択することはできますが、Oracle VDI では使用できません。
Oracle VDI セッションの検出に VDA_DISPLAY
や VDA_GEOMETRY
環境変数を使用しないキオスクセッションタイプは、ユーザーが複数のデスクトップにアクセスできる場合、正しく機能しない可能性があります。
root ユーザーで実行する必要のあるキオスクセッション前スクリプトやキオスクセッション後スクリプトはサポートされていません。
KIOSK_SESSION_PRE
または KIOSK_SESSION_POST
キーを設定したキオスクセッションタイプは、Oracle VDI で使用できません。
キオスクセッションが終了しても、キオスクユーザーのホームディレクトリにある一時ファイルや一時フォルダは消去されません。一時ファイルや一時フォルダが作成されるキオスクセッションタイプは使用しないでください。一時ファイルや一時フォルダは、同タイプまたは別タイプを問わず、ほかのキオスクセッションに影響を及ぼす可能性があります。
キオスクセッションでバックグラウンドプロセスとして開始されるプロセスは、Oracle VDI セッションが終了するまで継続して実行されます。
キオスクセッションで動作するキオスクコマンドやキオスク関数は、その中の Oracle VDI セッションに対して次のように動作します。
kioskrestart(1) コマンドを使用して、キオスクセッションを終了することはできません。このコマンドを使用すると、Oracle VDI セッション全体が終了します。
kioskparam(1) や kioskstatus(1) などのコマンドを使用して、キオスクセッションの構成やステータスを問い合わせることはできません。これらのコマンドを使用しても、Oracle VDI キオスクセッションのパラメータしか報告されません。
キオスクセッションによってプロセスが重要なプロセスとして開始された場合、その重要なプロセスが終了したときに、Oracle VDI セッション全体が終了します。キオスクセッション自体は、重要なプロセスとして実行されません。
キオスクアプリケーションリストは、Sun Ray キオスクセッションプロバイダによって実行されるキオスクセッションと正しく連携しません。構成可能なアプリケーションリストをサポートしている「デスクトップスタイル」セッションは使用しないでください。