Oracle VDI では、ユーザーは 1 つまたは複数の仮想デスクトップに割り当てられ、どこからでも、従来のパーソナルコンピュータで実行しているかのようにこれらのデスクトップを使用できます。Oracle VDI は、何千台ものデスクトップを効果的に管理できる高度な管理機能とライフサイクル機能を提供します。デスクトップは、Oracle VDI の設定によって定義された状態の間を遷移します。
仮想マシンを使用して、デスクトップを表示するオペレーティングシステムを実行します。仮想マシンは、Oracle VDI Hypervisor、Microsoft Hyper-V、VMware Infrastructure などのハイパーバイザによって制御されます。仮想マシンは、電源切断や実行などの従来のマシンの状態を周期的に繰り返します。
仮想マシンの状態は仮想プラットフォームによって定義されます。
実行中
実行中のデスクトップは、単一のハイパーバイザホストで登録および起動されています。仮想マシンが実行中のホストは、Oracle VDI Manager の「デスクトップの概要」ページを使用して判定できます。実行中の仮想マシンは直接ストレージに接続されています。
電源切断
電源切断された仮想マシンは、Oracle VDI 環境の 2 つの場所 (データベースとストレージ) に存在します。Oracle VDI データベースには、ハイパーバイザにデスクトップを登録するためのデスクトップ構成情報が含まれています。ストレージサーバーには、デスクトップのハードディスクのデータが含まれています。
電源切断された仮想マシンは、通常どのハイパーバイザホストにも関連付けまたは登録されていません。この方針により、仮想マシンが起動されるたびに、Oracle VDI が最適なホストを選択できます。この設定では、使用可能な Oracle VM VirtualBox または Microsoft Hyper-V ホストに仮想マシンを分散できるため、各ホストでのリソースの使用を最小限に抑えることができます。
中断
中断中の仮想マシンは、ハイパーバイザによって中断されています。
一時停止中、中止、スタック中
これらのマシンの状態は Oracle VM VirtualBox に固有の状態です。
不明
この状態は通常、VMware vCenter サーバーにアクセスして状態情報を取得できないか、Oracle VM VirtualBox が null を返すことを示しています。
アクティブまたは切断
これらのマシンの状態は、Microsoft リモートデスクトップにのみ適用されます。Oracle VDI は、デスクトップに接続するだけで、マシンの状態は制御しません。
デスクトップの状態を使用して、次のことを実行できます。
デスクトップのライフサイクルの実装
Oracle VDI ホストと仮想プラットフォームの同期
システムの状態を監視および解析するツールとしての使用
次の図は、柔軟に割り当てられたデスクトップのライフサイクルを簡略化して表したものです。
発生する可能性のあるデスクトップの状態は次のとおりです。
使用可能 - 最初の状態
デスクトップがデータベースに追加され、テンプレートから複製されたあとに、使用可能状態に設定されます。使用可能になったあと、デスクトップはユーザーに割り当て可能になります。リサイクルポリシーが「デスクトップの再開」、または「スナップショットにリセット」に設定された場合、デスクトップはこの状態に戻ります。
アイドル - 中間の状態
デスクトップが割り当てられ、ユーザーがデスクトップを使用していないときは常に、デスクトップはこの状態です。たとえば、デスクトップが割り当てられ、ユーザーがまだログインしていない場合や、デスクトップが割り当てられ、ユーザーがちょうどログアウトした場合などです。構成可能な時間を経過してもデスクトップがこの状態のままの場合、デスクトップはリサイクルされます。
VMware vCenter デスクトッププロバイダにはその他に 2 つのアイドル状態があります。デスクトップが割り当てられたときに仮想マシンが中断される場合と、デスクトップが割り当てられたときにゲスト OS が vCenter オプションの「ゲスト OS で実行中の VM の待機状態を維持」によって待機状態になる場合です。
使用中 - アクティブな状態
ユーザーがデスクトップにログインすると、デスクトップは直ちに「使用中」状態になります。ユーザーがログインし、デスクトップを使用して、ログアウトするまでは、デスクトップはこの状態のままです。
予約済み - 保守状態
デスクトップが Oracle VDI によって使用中の場合は、デスクトップは予約済みになります。デスクトップが手動コピー操作のソースとなるか、またはデスクトップがリサイクルされる場合に、デスクトップはこの状態になります。予約済み状態の終了後、デスクトップは使用可能状態になります。
応答不能 - 隔離状態
Oracle VDI がデスクトップについて重大な問題を検出したときは、デスクトップは必ず応答不能状態になります。応答不能なデスクトップは、デスクトップのライフサイクル外になるため、管理者は注意する必要があります。管理者はこの問題を修正して、デスクトップをライフサイクルに戻すための「有効にする」アクションをデスクトップに適用することができます。また、デスクトップを削除することもできます。