Oracle VDI および Microsoft Hyper-V デスクトッププロバイダを使用する場合、Oracle VDI で管理されるストレージが必要になります。サポートされているストレージサーバーは次のとおりです。
サポートされているすべてのストレージハードウェアにおける Oracle Solaris 10 10/09 x86 (64 ビット)
Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System 2010.Q3.x
Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System 2010.Q1.x
Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System 2009.Q2.5.1
Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System については、次の点に注意してください。
Oracle VDI では、書き込み SSD (Logzilla) がない場合に書き込みキャッシュを無効にすることはできません。
書き込みキャッシュが有効になっていて、書き込み SSD が存在する場合、書き込み SSD は使用されません。書き込みキャッシュの詳細は、「ZFS ストレージキャッシュについて」を参照してください。
Oracle VDI では、デフォルトプールのみがサポートされています。
関心領域を区分けするには、プロジェクトを使用します。
サポートされているストレージの詳細は、次のドキュメントを参照してください。
Oracle VDI では、ファームウェア 2010.Q1.0.0 以降のアクティブ/パッシブおよびアクティブ/アクティブのストレージクラスタがサポートされています。クラスタ化されたストレージは、通常のストレージと同じように Oracle VDI によって管理されます。ストレージは、ストレージの追加ウィザードによって簡単に追加できます。次の段落では、Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System 側で必要な管理について説明しています。
ストレージクラスタによって、CPU、メモリー、メインボード、ネットワークカードなどのサーバーコンポーネントに冗長性をもたらしますが、ディスクやそのコントローラの冗長性は高めません。その点については、JBODS および RAID レベルの使用によって対処します。
クラスタ内の 2 つのストレージサーバー (「ヘッド」と呼びます) は、Clustron という特別なカードによって接続されるため、ヘッド同士で状態や構成情報を交換したり、故障したヘッドを検出したりできるようになります。
リソースは、クラスタの主要な概念で、一般にはネットワークインタフェースまたはストレージプールのいずれかのことです。可用性を確保するため、ヘッドが停止した場合は、別のヘッドがリソースを引き継ぎます。
クラスタを設定するときの主な構成手順は、単独の場合と同じようにリソースを定義し (「Configuration」、「Storage」または「Configuration」、「Network」)、ヘッドをリソースの所有者として割り当てる (「Configuration」、「Cluster」) ことです。
一方のヘッドがすべてのリソースを所有している場合、そのクラスタは「アクティブ/パッシブ」と呼ばれます。両方のヘッドがリソースを所有している場合、そのクラスタは「アクティブ/アクティブ」と呼ばれます。アクティブ/パッシブのクラスタは、片方のヘッドが停止してもパフォーマンスは低下しませんが、アクティブ/アクティブのクラスタは通常動作時に活発にリクエストを処理するため、利用可能なハードウェアをより有効に利用できます。
両方のストレージで利用できる同一のハードウェアは、1 つのヘッドが所有する 1 つのリソースを作成する場合のみに使用します。たとえば、nge0 デバイスを使用して 192.168.100.100 インタフェースを構成し、ヘッド 1 をその所有者として割り当てた場合、ヘッド 2 はヘッド 1 が停止した際に nge0 デバイスを使用して 192.168.100.100 インタフェースを引き継ぎます。これを実現するためには、nge0 デバイスがヘッド 2 で使用されていない状態である必要があります。
クラスタ化されたインタフェースに関して指摘すべきもう 1 つの制限は、DHCP が使用できないという点で、戦略的に構成する必要があります。
次に、それぞれ 4 台のネットワークデバイスとアレイを備えた 2 つのストレージの一般的な設定を示します。
Head1 | Head2 | |
---|---|---|
nge0 | 所有者 | - |
nge1 | 所有者 | - |
nge2 | - | 所有者 |
nge3 | - | 所有者 |
アレイ 1 | 所有者 | - |
アレイ 2 | - | 所有者 |
一般に、nge0 と nge1 および nge2 と nge3 はトランキング/集積されています。
Sun Storage 7000 シリーズ Unified Storage System およびクラスタ化の詳細は、次の管理ガイドを参照してください。
オンラインヘルプ形式 - https://
または your storage DNS
IP
:215/wiki/index.php/Configuration:Cluster
Oracle Solaris ストレージホストは x86 システムにしてください。各仮想ディスクは、ZFS ボリュームで表されます。ボリュームは、iSCSI を介して Oracle VM VirtualBox によりアクセスされる ZFS プールに格納されます。ZFS ボリュームの管理は Oracle VDI によって行われ、ZFS ストレージサーバーへの SSH ルートアクセスおよびそのサーバー上の ZFS プールが必要です。
Oracle Solaris オペレーティングシステムをインストールします。
Oracle Solaris インストーラには、ルートファイルシステム用に UFS または ZFS を使用するオプションがあります。ストレージサーバーに複数のディスクがあり、ほかのディスクが Oracle VDI 専用になっている場合、2 つのオプションのどちらを選択しても構いません。使用可能なディスクが 1 つのみの場合は、ZFS を選択します。
ルートアクセスを有効にします。
ファイル /etc/ssh/sshd_config
を編集し、PermitRootLogin no
という行を PermitRootLogin yes
に変更します。
SSHD サービスを再起動し、sshd_config
ファイルに対して行った変更を実装します。
# svcadm restart ssh
(省略可能) ZFS プールを作成します。
インストール時に ZFS が選択された場合、Oracle Solaris OS インストーラは rpool
という名前のプールを作成します。このプールは、ルートファイルシステムを含み、Oracle VDI によっても使用可能です。専用のプールを作成して、Oracle VDI データを Oracle Solaris ファイルシステムから切り離します。
# zpool create<pool name>
<disk1>
<disk2>
<disk3>
...
iSCSI アクセスを有効にします。
Oracle Solaris OS ストレージサーバーの root ユーザーとして次の CLI コマンドを入力します。
# svcadm enable svc:/system/iscsitgt:default
サポートされている Sun Storage 7000 Unified Storage System の最新リストについては、「サポートされているストレージサーバープラットフォーム」を参照してください。
システムを設定します。
Sun Unified Storage System の「Quick Setup」マニュアルに記載されている手順に従ってください。
(省略可能) Sun Unified Storage System ソフトウェアをアップデートします。
Sun Storage 7000 ソフトウェアをアップデートして、重要なパフォーマンスの機能拡張を入手します。「サポートされているストレージサーバープラットフォーム」を参照して、Sun Unified Storage System Software のリリースがユーザーの構成でサポートされていることを確認します。
プロジェクトを作成します。
プロジェクト名は一意にする必要があります。Sun Storage 7000 クラスタの両方のヘッドに存在するプロジェクト名を使用すると、クラスタのフェイルオーバー時にアプリケーション障害が発生します。
ストレージのレプリケーションは、低コストで Oracle VDI をインストールする場合にストレージサーバーの可用性を高めるための有効な手法です。Sun Storage 7000 Unified Storage System がレプリケートされたあと、Oracle VDI のストレージ置き換え機能によって、何らかの理由でストレージサーバーで障害が発生した場合に、レプリケートしたストレージサーバーを Oracle VDI Manager から容易に有効にすることができます。
Sun Storage 7000 Unified Storage System をレプリケーション用に構成し、置き換えます。レプリケーションは、組み込まれている機能で、Sun Unified Storage System UI から設定できます。次の手順は、2010.Q1 ファームウェア以上に対して有効です。
レプリケーションのターゲットストレージを「リモートレプリケーション」サービスに追加します。「構成」、「サービス」の順に選択します。
プロジェクトにレプリケーションアクションを追加します。「共有」、「プロジェクト」、<project>、「レプリケーション」の順に選択します。「スナップショットを含める」オプションを選択する必要があります。
ZFS 構造がレプリケーションパッケージとしてターゲットストレージにレプリケートされます。
ストレージサーバーでの障害発生時には、ストレージサーバーを置き換え、再度有効にするために以下に示す手順を行います。
障害の発生したストレージサーバーを無効にします。
Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。
障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。
「ストレージ」タブに移動し、ストレージサーバーを選択して、「保守」をクリックします。
サーバーが保守モードに入り始める時刻を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時刻を選択します。
「OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。
Unified Storage System UI で、レプリケーションパッケージをローカルプロジェクトに変換します。
レプリケーションターゲットのレプリケーション接続を切断します。「共有」、「プロジェクト」、「レプリカ」、<replication package>
、「レプリケーション」の順に選択します。
新しいストレージサーバーを有効にします。
Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。
障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。
「ストレージ」タブに移動します。
置き換えるストレージサーバーを選択し、「置換」をクリックしてストレージの置換ウィザードを起動します。新しいストレージ (レプリケーションターゲット) に関する情報を入力します。
新しいストレージを選択し、「編集」をクリックしてストレージの編集ウィザードを起動します。
新しいストレージに関する追加情報を入力します。
新しいストレージを選択し、「有効」をクリックします。
ストレージのレプリケーションは、低コストで Oracle VDI をインストールする場合にストレージサーバーの可用性を高めるための有効な手法です。Oracle Solaris ストレージシステムをレプリケートしたあと、Oracle VDI Manager を使用して、障害の発生したストレージサーバーをレプリケート済みストレージに置き換えることができます。
Oracle Solaris ストレージを別のホストにレプリケートします。
ストレージプール全体の ZFS スナップショットを取得します。
# zfs snapshot <pool>
@rep
ストレージプールの各ボリュームの ZFS スナップショットを取得します。
各ボリュームに対して次のコマンドを使用します。
# zfs snapshot<pool>
/<volume>
@rep
ZFS ファイルシステムを新しいストレージホストにエクスポートします。
# zfs send -R<pool>
@rep | ssh root@<host>
zfs receive -dF<newpool>
元のストレージサーバーおよび新しいストレージサーバーですべての ZFS スナップショットを削除します。
ストレージプール全体に対して次のコマンドを使用します。
# zfs destroy <pool>
@rep
各ボリュームに対して次のコマンドを使用します。
# zfs destroy<pool>
/<volume>
@rep
ストレージサーバーでの障害発生時には、この手順を使用してストレージサーバーを置き換えます。
障害の発生したストレージサーバーを無効にします。
Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。
障害の発生したストレージサーバーを使用しているデスクトッププロバイダを選択します。
「ストレージ」タブに移動します。
ストレージサーバーを選択し、「保守」をクリックします。
サーバーが保守モードに入り始める時刻を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時刻を選択します。
「OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。
新しいストレージサーバーを有効にします。
「ストレージ」タブに移動します。
置き換えるストレージサーバーを選択し、「置換」をクリックしてストレージの置換ウィザードを起動します。
新しいストレージに関する情報を入力します。
新しいストレージを選択し、「編集」をクリックしてストレージの編集ウィザードを起動します。
新しいストレージに関する追加情報を入力します。
新しいストレージを選択し、「有効」をクリックします。