次の図に、Oracle VDI の配備の一般的なハードウェア環境を示します。
本稼働用の配備は、1 つの Oracle VDI 一次ホストと、少なくとも 1 つの Oracle VDI 二次ホストで構成され、冗長性が提供されます。Oracle VDI サーバーは、Oracle VDI のデータ用に組み込みの MySQL サーバーデータベースをホストし、クライアントとデスクトップの間で情報をルーティングし、クライアントにデスクトップを配信するブローカ機能を提供します。また、リモートデータベースもサポートします。デスクトップを提供する仮想マシンは Oracle VM VirtualBox サーバーで実行されます。ストレージサーバーは仮想ディスクを提供します。これらのディスクは、仮想マシンで実行されるオペレーティングシステムからは物理ディスクと見なされます。Oracle VM VirtualBox サーバーとストレージの間のディスクデータの転送には、iSCSI プロトコルが使用されます。Oracle VDI システムの総ネットワークトラフィックの大部分は、この iSCSI データで占められます。
その他にネットワークの帯域幅を消費しているのは、Oracle VDI: Sun Ray クライアント、Oracle Secure Global Desktop、および RDC クライアントです。クライアントは Oracle VDI サーバーを通して Oracle VM VirtualBox サーバーに接続します。デスクトップグラフィックスの転送に ALP プロトコルを使用する Sun Ray クライアントの場合、Oracle VDI サーバーは Oracle VM VirtualBox サーバーが受信した RDP プロトコルを ALP プロトコルに変換します。このように、クライアント、Oracle VDI サーバー、および Oracle VM VirtualBox サーバーの間には、クライアント接続ごとに 1 つのデータストリームがあります。Sun Ray Windows コネクタ (uttsc) などの RDP クライアントは Oracle VDI サーバーに接続し、次に、Oracle VDI サーバーが RDP Redirect 機能を使用して、クライアントを Oracle VM VirtualBox サーバーに直接接続させます。これは、RDP プロトコルを翻訳する必要がないためです。この場合、クライアントと Oracle VM VirtualBox サーバーの間にデータストリームが存在します。
この章では、Oracle VDI を配備するためのサイジング、パフォーマンス、およびチューニングのガイドラインについて説明します。
サイジング情報は、VMware の『VDI Server Sizing and Scaling』ガイドに説明されている「よく働く社員」のオフィスでのワークロードのシミュレーションを行うために、1000 台の·デスクトップでスクリプトを実行したサイジングのテストから得られたものです。この情報は一般的なガイドラインとしてのみ提供されています。ワークロードはインストールごとに異なるため、比較的小さな使用パターンの変更が要件に著しく影響する場合があります。サイジングのサポートについては、Oracle の営業またはサポートにお問い合わせください。