このセクションでは、Oracle VDI が提供するさまざまなサービスの状態を確認する方法と、トラブルシューティングのためにログファイルを確認する方法について説明します。Oracle Solaris プラットフォームでは、一部のサービスはサービス管理機構 (SMF) の管理下でも実行されます。
Oracle VDI サービスおよび Center エージェントは、共通エージェントコンテナ (Cacao) のモジュールとして実行されます。問題が発生したら、Oracle VDI サービスのほかに、Cacao とモジュールの状態を確認します。
Oracle VDI Center の状態を確認するには、vda-center status コマンドを使用します。このコマンドは、Oracle VDI Center の個々のホストから情報を取得します。各ホストに関して、ホストの状態、ホストのデータベースロール (組み込みの MySQL データベースが使用されている場合)、および Oracle VDI Center サービスの状態が表示されます。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center status HOST NAME HOST STATUS SERVICE SERVICE STATUS primary.example.com Up VDI Database Replication Up secondary.example.com Up VDI Database Up 2 host(s) in center.
問題が発生した場合、com.sun.vda.cluster
で始まるメッセージをログファイルで確認します。「Oracle VDI ログファイルを確認する方法」を参照してください。
Oracle VDI のイベントは、次の場所の Cacao ログファイルに記録されます。
Oracle Solaris プラットフォームの場合: /var/cacao/instances/vda/logs/cacao.0
Oracle Linux プラットフォームの場合: /var/opt/sun/cacao2/instances/vda/logs/cacao.0
SEVERE または WARNING レベルのログメッセージは、syslog
デーモンにも転送されます。
デフォルトでは、Oracle VDI のすべてのイベントは Cacao ログファイルに記録されます。デフォルトの最大ログファイルサイズは 95M バイトです。上限に達すると、現在のログファイルが閉じられ、新しいログファイルが作成されます。デフォルトでは、Oracle VDI は 10 個のログファイルを保持できます。ログレベル、ログファイル数、およびログファイルサイズの上限を変更できます。
使用可能なログフィルタレベルのリストを表示します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm list-filters -l -i vda
Linux プラットフォームでは、cacaoadm コマンドは /opt/sun/cacao2/bin
にあります。
ログレベルには、最も簡略に示される SEVERE から最も詳細に示される FINEST までがあります。
ログレベルを変更します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm set-filter -p com.sun.vda.service=<log-level>
-i vda
たとえば、ログレベルを情報メッセージの記録まで下げるには、次のコマンドを実行します。
# cacaoadm set-filter -p com.sun.vda.service=INFO -i vda
たとえば、ログレベルを Oracle VDI サービスのデフォルトにリセットするには、次のコマンドを実行します。
# cacaoadm set-filter -p com.sun.vda.service=ALL -i vda
Cacao を再起動します。
ログレベルを変更したら、Cacao を再起動して変更を反映する必要があります。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm stop -f -i vda # cacaoadm start -i vda
Cacao を停止します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm stop -f -i vda
Oracle VDI が保持するログファイル数を変更します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm set-param log-file-count=<num>
-i vda
<num>
には保持するログファイル数を指定します。デフォルトは 10 です。
ログファイルサイズの上限を変更します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm set-param log-file-limit=<size>
-i vda
<size>
にはログファイルの最大サイズをバイト単位で指定します。デフォルトは 100000000 です。使用可能な最大値は 2147483647 です。
構成の変更が有効になっていることを確認します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm list-params -i vda
Cacao を再起動します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm start -i vda
Oracle VDI では、組み込みの MySQL データベースを使用するか、リモートにある独自の MySQL データベースに接続できます。いずれかのデータベースタイプの状態を確認するには、vda-db-status コマンドを使用します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-db-status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-db-status Ip/Hostname Database host Role Status ---------------------------------------------------------------------- primary.example.com Master up secondary.example.com Slave up
問題が発生した場合は、/var/svc/log/application-database-vdadb:default.log
にあるログファイルを確認します。
Oracle Solaris プラットフォームでは、サービス管理機構を使用して Oracle VDI データベースの状態を確認することもできます。サービス管理機構は、ローカルホストのデータベースの状態のみを確認します。また、組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用している場合にのみ使用できます。マスターデータベースは一次ホストで実行します。スレーブデータベースサービスは、Oracle VDI Center に追加された最初の二次ホストで実行します。
一次ホストまたは最初の二次ホストで、root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# svcs svc:/application/database/vdadb:default
次はその例です。
# svcs svc:/application/database/vdadb:default STATE STIME FMRI online Sep_30 svc:/application/database/vdadb:default
Cacao 管理デーモンが有効であるか、または無効であるか、そのプロセス番号、および稼働時間を表示するには、vda-service status コマンドを使用します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-service status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-service status vda instance is ENABLED at system startup. Smf monitoring process: 11761 11762 Uptime: 2 day(s), 23:22
問題が発生した場合は、ログファイルを確認してください (「「Oracle VDI ログファイルを確認する方法」」を参照)。
Oracle VDI RDP ブローカおよびプロキシサービスが実行しているかどうかを確認するには、brokeradm status コマンドを使用します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda-rdpb/bin/brokeradm status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda-rdpb/bin/brokeradm status broker is running (PID 18204) proxy is running (PID 18223)
問題が発生した場合は、/var/svc/log/application-rdpb-broker:default.log
および /var/svc log/application-rdpb-proxy:default.log
のログファイルを確認します。
Oracle Solaris プラットフォームでは、RDP ブローカおよびプロキシサービスはサービス管理機構の管理下でも実行されます。root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# svcs svc:/application/rdpb-broker:default # svcs svc:/application/rdpb-proxy:default
次はその例です。
# svcs svc:/application/rdpb-broker:default svc:/application/rdpb-proxy:default STATE STIME FMRI online Sep_30 svc:/application/rdpb-broker:default online Sep_30 svc:/application/rdpb-proxy:default
Oracle VDI Center エージェントが実行されているかどうか、およびその実行時間を確認したり、そのホストの SSL 証明書の MD5 フィンガープリントを表示するには、vda-center agent-status コマンドを使用します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center agent-status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-center agent-status Agent is up for 2 day(s), 23:32. MD5 fingerprint is 07:A0:6C:4C:1D:5F:5B:20:A0:2A:FE:EA:1F:DB:B2:24.
問題が発生した場合、com.sun.vda.cluster
で始まるメッセージをログファイルで確認します。「Oracle VDI ログファイルを確認する方法」を参照してください。
Oracle VDI Manager が実行されているかどうかを確認するには、vda-webserver status コマンドを使用します。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-webserver status
次はその例です。
# /opt/SUNWvda/sbin/vda-webserver status Oracle Virtual Desktop Infrastructure Manager is running (pid 18106).
問題が発生した場合は、/var/opt/SUNWvda/log/webserver0.log
のログファイルを確認します。
cacaoadm を使用して、Cacao と個々の Oracle VDI モジュールの状態を確認できます。Oracle Solaris プラットフォームでは、Cacao はオペレーティングシステムに付属しています。Oracle Linux プラットフォームでは、Cacao は Oracle VDI の一部としてインストールされます。Oracle Linux プラットフォームでは、cacaoadm コマンドは /opt/sun cacao2/bin
にあります。
Cacao の状態を確認する場合、このコマンドでは Cacao 管理デーモンが有効であるか、または無効であるか、関連するプロセス番号、および稼働時間を表示します。
個々のモジュールの状態を確認する場合、このコマンドはモジュールに関する次の情報をレポートします。
動作状態: ENABLED
(モジュールはサービスを提供できる) または DISABLED
(モジュールはサービスを提供できない) のいずれかです。DISABLED
状態は、Cacao がそのモジュールのエラーを検出し、そのモジュールが操作できないことを示します。
管理状態: LOCKED
(モジュールはサービスを提供してはいけない) または UNLOCKED
(モジュールはサービスを提供する必要がある) のいずれかです。
利用可能状態: 動作状態が DISABLED
に設定されている場合を除き、利用可能状態は空です。動作状態が DISABLE の場合、値は DEPENDENCY
(依存しているほかのリソースが使用できない状態であるため、このモジュールは動作できない)、OFF_LINE
(このモジュールを使用状態に戻すにはルーチン処理が必要)、または FAILED
(このモジュールには内部エラーが発生しており、動作できない) のいずれかです。
問題が発生した場合は、ログファイルを確認してください (「「Oracle VDI ログファイルを確認する方法」」を参照)。
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm status -i vda
次はその例です。
# cacaoadm status -i vda vda instance is ENABLED at system startup. Smf monitoring process: 11761 11762 Uptime: 2 day(s), 23:22
vda-service status コマンドを使用すると同じ情報が表示されます。「Oracle VDI サービスの状態を確認する方法」を参照してください。
または、次の Oracle Solaris サービス管理機構を使用します。
# svcs svc:/application/management/common-agent-container-1:vda
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm status -i vda com.sun.vda.service
次はその例です。
# cacaoadm status -i vda com.sun.vda.service Operational State:ENABLED Administrative State:UNLOCKED Availability Status:[] Module is in good health.
root ユーザーで次のコマンドを実行します。
# cacaoadm status -i vda com.sun.vda.center
次はその例です。
# cacaoadm status -i vda com.sun.vda.center Operational State:ENABLED Administrative State:UNLOCKED Availability Status:[] Module is in good health.