9.6. 保守モード

9.6.1. Oracle VDI Hypervisor と Microsoft Hyper-V の保守
9.6.2. ストレージの保守

保守、アップグレード、および廃棄などの場合、構成済みホストまたはストレージをオフラインにする必要があります。保守モード機能により、現状使用しているホストまたはストレージから仮想マシンを削除、および別のホストまたはストレージに移動することが可能になります。このことにより、最初のホストまたはストレージが利用不可になったときでも、通常の動作を継続することが可能です。実行中の仮想マシンが停止して保守処理を継続することが可能なため、この処理は「コールド型」移行とも呼ばれます。

保守モードは、Oracle VDI および Microsoft Hyper-V のデスクトッププロバイダからのみ利用可能です。

9.6.1. Oracle VDI Hypervisor と Microsoft Hyper-V の保守

以下の 2 つの方法でホストを保守モードにすることができます。

デスクトップの移行または他ホスト上のデスクトップの停止と再起動

  • 複数の Oracle VM VirtualBox ホストが必要です。

  • デスクトップの移行 - 互換性のあるホストがほかにあると Oracle VDI が認識した場合のみ可能です。その他の場合は、「デスクトップの停止と再起動」を使用します。

  • デスクトップの移行は 1 つずつ行います。移行中のデスクトップは、最大 1 分間一時的に使用不可となります。

ホスト上のデスクトップの停止

  • 常に利用可能です。

  • 現ホスト上のデスクトップすべてを停止します。

  • 停止したデスクトップに要求が来た場合、利用可能であれば別の Oracle VM VirtualBox ホスト上で再開します。

注記

互換性のある Oracle VM VirtualBox ホストの CPU モデルは、同一のものまたは非常に近いものである必要があります。別の CPU モデル上でのデスクトップを再開しようとすると、頻繁に失敗します。Oracle VDI はホストの CPU メーカーが適切であることを確認します。管理者は、CPU モデルに互換性があることを責任をもって確認してください。

1 つの Oracle VM VirtualBox または Microsoft Hyper-V ホストを持つデスクトッププロバイダは、指定したホストに関連付けられている実行中のデスクトップをすべて中断することができます。

複数の Oracle VM VirtualBox ホストを持つデスクトッププロバイダでは、実行中のデスクトップをそのほかの有効なホストに移行することができます。ホストの互換性に応じて、次の 2 つの移行オプションのどちらかを使用できます。Oracle VDI では互換性のあるホストがほかにあると検出した場合、各デスクトップを中断し、別のホスト上で再開することにより、各デスクトップを移行しようとします。互換性のあるホストが検出されない場合、Oracle VDI ではデスクトップを停止し、ほかのホスト上で再起動しようとします。互換性のある Oracle VM VirtualBox ホストの CPU モデルは、同一のものまたは非常に近いものである必要があります。Oracle VDI はホストの CPU メーカーが適切であることを確認します。管理者は、CPU モデルに互換性があることを責任をもって確認してください。また、Oracle VDI は Oracle VM VirtualBox のリリースが有効であるかどうかも確認します。

Microsoft Hyper-V では、デスクトップをほかのホストに移行できません。デスクトップは中断され、同じホストで再起動されます。ホストの保守期間にデスクトップに関連付けられたディスク数が変更された場合 (Hyper-V ホストが再起動された場合などに発生する場合がある)、Oracle VDI はデスクトップを再起動できるようにデスクトップの電源を切ります。そのため、中断中のデータは失われます。

Oracle VDI Manager では、次の手順を実行します。

  1. デスクトッププロバイダ」カテゴリを選択し、中断するホストが含まれているデスクトッププロバイダをクリックします。

  2. ホスト」タブを選択し、移行するホストを選択し、「保守」ボタンをクリックします。

    ホストの互換性に応じた 2 つのオプションとともにポップアップウィンドウが表示されます。

    1. 保守の種類を選択します。

      • デスクトップを別のホストに移動する場合は、「デスクトップを移行する」を選択します。

      • ホスト上のすべてのデスクトップを中断する場合は、「デスクトップを中断する」を選択します。

    2. サーバーが保守モードになる時刻を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時刻を選択します。

    3. OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。

9.6.2. ストレージの保守

Oracle VDI には、1 つ以上のストレージサーバーを保守モードにするための機構があります。保守モードは、ストレージサーバーを無効にし、すべての実行中のデスクトップを停止または中断することを意味します。ストレージサーバーが再度有効になるまで、デスクトップは使用不可となります。この時点では、再起動、更新などの保守をストレージサーバーで行うことができます。指定されたストレージサーバー (デスクトップのハードディスクデータを含む) からデータが移動または削除されることはありません。ストレージサーバーが再度有効になると、保守モードに入ったために中断されていたすべてのデスクトップが再開されます。

Hyper-V ホストまたはストレージが保守モードにする場合は、すべてのデスクトップの電源を切る必要があります。

Oracle VDI では、仮想ホストおよびストレージサーバー上の実行中のデスクトップを削除または中断できます。保守モードでは、ユーザーへの影響を最小限に抑えながら、管理者がサーバー上で再起動、更新などの標準的な保守タスクを実行できます。

Oracle VDI Manager の手順

  1. Oracle VDI Manager で、「デスクトッププロバイダ」に移動します。

  2. 中断するストレージサーバーを含むデスクトッププロバイダを選択します。

  3. ストレージ」タブを選択し、ストレージサーバーを選択して、「保守」ボタンをクリックします。

  4. サーバーが保守モードに入り始める時刻を選択するか、「今すぐ」をクリックして現在の時刻を選択します。

  5. OK」をクリックして保守モードジョブを送信します。

注記

ホストまたはストレージサーバーに関連付けられているすべての実行中のデスクトップは、手動で停止するか、「ストレージ」タブまたは「ホストデスクトップ」タブに移動して中断することができます。このタブには、「ホスト」または「Storage」サーバーのハイパーリンクをクリックしてアクセスできます。