3.1. Oracle VDI Center およびホストについて

3.1.1. 単体の Oracle VDI ホスト構成
3.1.2. 組み込みの MySQL サーバーを使用した高可用性構成
3.1.3. リモート MySQL データベースを使用した高可用性構成

Oracle VDI Center は、Oracle VDI ソフトウェアがインストールされている 1 つ以上のホストで構成されます。

ホストにソフトウェアをインストールしたら、そのソフトウェアを構成する必要があります。最初に構成されたホストが Oracle VDI Center を作成します。このホストは一次ホストと呼ばれます。その他のホストは二次ホストとして構成され、Oracle VDI Center に追加されます。Oracle VDI Center に複数のホストがあると、Oracle VDI Center に自動的に高可用性が構成されます。1 つのサーバーに障害が発生しても別のサーバーによりデスクトップセッションのホストが継続され、ユーザーの作業の中断が最小限に抑えられるように、高可用性によって信頼性が提供されます。1 つのホストのみを含む Oracle VDI Center の構成もサポートされています。

高可用性以外の構成時の主な選択には、組み込みの Oracle VDI MySQL データベースを使用するのか、独自のリモートデータベースに接続するのかという選択があります。

Oracle VDI で使用可能な構成は複数あります。次のセクションでは、主な構成モデルについて説明します。

3.1.1. 単体の Oracle VDI ホスト構成

単体の Oracle VDI ホスト構成は、高可用性よりもコスト削減を優先する配備のための構成です。Oracle VDI ホストを単体で使用すると、フェイルオーバーは実行されず、必要なすべてのコンポーネントが 1 つのホストにインストールされます。この構成は Oracle VDI Solaris プラットフォームのみで使用できます。また、バンドル版の Oracle VDI Hypervisor を使用する必要があります。

図3.1 単体の Oracle VDI ホスト構成

単体の Oracle VDI ホスト構成を示す図。

単体の Oracle VDI ホスト構成は、前のリリースの Oracle VDI の単体ホスト構成とは異なります。このリリースの構成では、組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用します。前のリリースでは、データベースが Oracle VDI と同じホスト上にある場合でも、データベースはリモートデータベースとして構成されていました。

データベース、仮想化プラットフォーム、およびストレージには個別のホストを使用できますが、可用性を高めなければ配備にかかるコストが増加します。

3.1.2. 組み込みの MySQL サーバーを使用した高可用性構成

組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用した高可用性構成では、少なくとも 2 つのホストが必要です。一次ホストが Oracle VDI Center を構成し、二次ホストが追加されるとすぐに自動的に高可用性が構成されます。容量を増やすには、Oracle VDI Center に二次ホストを追加できます。

図3.2 組み込みの MySQL サーバーを使用した高可用性構成

この図は、2 つのホスト (一次ホストと二次ホスト) で構成され、組み込みの MySQL サーバーデータベースを使用する、高可用性対応の Oracle VDI Center を示しています。

この構成では、データベースレベルとデスクトップアクセスレベルの両方に高可用性が提供されています。

データベースレベルでは、一次ホストが Oracle VDI Center 全体用のマスターデータベースを実行します。Oracle VDI Center に最初に追加された二次ホストがスレーブデータベースを実行します。スレーブデータベースは動作せず、単にマスターからの非同期のレプリケーションを受け取ります。一次ホストが使用できなくなると、スレーブデータベースを持つ二次ホストが自動的に昇格され、新しい一次ホストになります。その他の二次ホストはデータベースロールを持っていません。

デスクトップアクセスレベルでは、一次ホストが Sun Ray 一次サーバーとして構成され、二次ホストは Sun Ray 二次サーバーとして構成されます。これらを組み合わせてフェイルオーバーグループが作成されます。1 つのホストに障害が発生しても別のホストによりデスクトップセッションのホストが継続され、ユーザーの作業の中断が最小限に抑えられます。一次ホストが使用できなくとると二次ホストが自動的に昇格され、新しい一次ホストになります。

仮想化プラットフォーム、ストレージ、およびユーザーディレクトリの高可用性は、個別に構成する必要があります。

3.1.3. リモート MySQL データベースを使用した高可用性構成

リモート MySQL データベースを使用した高可用性構成には、少なくとも 2 つのホストが必要です。一次ホストが Oracle VDI Center を構成し、二次ホストが追加されるとすぐに自動的に高可用性が構成されます。容量を増やすには、Oracle VDI Center に二次ホストを追加できます。

図3.3 リモート MySQL データベースを使用した高可用性構成

の図は、2 つのホスト (一次ホストと二次ホスト) で構成され、リモート MySQL データベースを使用する、高可用性対応の Oracle VDI Center を示しています。

この構成は、デスクトップアクセスレベルでの高可用性を提供します。一次ホストは Sun Ray 一次サーバーとして構成され、二次ホストは Sun Ray 二次サーバーとして構成されます。これらを組み合わせてフェイルオーバーグループが作成されます。1 つのホストに障害が発生しても別のホストによりデスクトップセッションのホストが継続され、ユーザーの作業の中断が最小限に抑えられます。一次ホストが使用できなくとると二次ホストが自動的に昇格され、新しい一次ホストになります。

リモートデータベースに対してデータベースレベルでの高可用性を構成できますが、これは Oracle VDI 外で構成します。

仮想化プラットフォーム、ストレージ、およびユーザーディレクトリの高可用性は、個別に構成する必要があります。