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Oracle® Secure Backupインストレーションおよび構成ガイド
リリース10.3
B55288-02
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2 LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのインストール

この章では、LinuxまたはUNIXの稼働するホストにOracle Secure Backupをインストールする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのインストール手順の概要

Oracle Secure BackupをLinuxまたはUNIXホストにインストールするには、次の3つの手順があります。

  1. ロード

    Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルは、管理サーバーOracle Secure Backupホームというディレクトリにステージングされています。この手順は、setupというスクリプトによって実行されます。

  2. インストール

    Oracle Secure Backup実行可能ファイルは、ホストでの使用のために正しくデプロイされています。この手順は、installobというスクリプトによって実行されます。


    注意:

    Solarisメディア・サーバーでは、installobがいくつかのテープ・デバイス構成タスク(必須デバイス・ドライバのインストールを含む)や、オプションでOracle Secure Backupがテープ・デバイスにアクセスするために必要な接続ポイントの作成も実行します。

  3. 各メディア・サーバーでの接続ポイントの作成

    この手順は、Oracle Secure Backupデバイス・ドライバがテープ・デバイスにアクセスするために必要です。この作業を実行するには、SCSIデバイス・パラメータが必要です。


注意:

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境にOracle Secure Backupをインストールする場合、クラスタのノードごとにOracle Secure Backupをインストールする必要があります。

2.2 LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのインストールの前提条件

LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムにOracle Secure Backupをインストールするには、次の前提条件があります。

2.2.1 Linuxでのインストールの前提条件

Linuxの各メディア・サーバーに、SCSI Generic(SG)ドライバがインストールされている必要があります。このドライバは、Oracle Secure Backupがテープ・デバイスとやり取りするために必要です。

/etc/modprobe.confファイルで正しく設定すれば、カーネル・モジュールは、通常そのモジュールを必要とする機能によって直接ロードされます。ただし、場合によっては起動時にモジュールのロードを明示的に強制する必要があります。

たとえば、RedHat Enterprise Linuxでは、SCSI Genericドライバのモジュールはsgという名前が付いています。Red Hat Enterprise Linuxでは、モジュールをロードするための各種コマンドが格納されている/etc/rc.modulesファイルが存在するかどうかが起動時にチェックされます。


注意:

起動プロセスではrc.modulesファイルが先に実行されるため、rc.localファイルではなく、rc.modulesファイルが必要です。

RedHat Enterprise Linuxでは、次のコマンドを使用して、起動時にrootとしてロードするように構成されたモジュールのリストにsgモジュールを追加できます。

# echo modprobe sg >> /etc/rc.modules
# chmod +x /etc/rc.modules

Oracle Secure Backupユーザーを、/dev/sgデバイスに対する読取り/書込み権限を持つLinuxまたはUNIXユーザーにマップする必要があります。1つの方法として、/dev/sgデバイスに対する権限を666に設定することにより、この目的を果すことができます。

2.2.2 LinuxおよびUNIXでの必須SCSIテープ・デバイス・パラメータ

Oracle Secure Backupでは、SCSIおよびファイバ・チャネルの両デバイスがLinuxとUNIX用にサポートされています。メディア・サーバーに接続されたテープ・デバイスと通信するようにメディア・サーバーを構成するには、各テープ・デバイスのSCSIパラメータが必要です。

表2-1に、各プラットフォームに必要なSCSIパラメータを示します。

表2-1 必要なSCSIパラメータ

プラットフォーム Linux HP-UX AIX

ホスト・バス・アダプタ

x

x


SCSIバス・アドレス脚注1 

x

x


SCSIバス名インスタンス

x

x

x

ターゲットID

x

x

x

SCSI LUN

x

x

x


脚注1 Linuxで、SCSIバス・アドレスはチャネルと呼ばれます。

各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリには、Oracle Secure Backup論理ユニット番号も割り当てる必要があります(「デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て」を参照)。


注意:

SCSI LUNをOracle Secure Backup LUNと混同しないでください。SCSI LUNはテープ・デバイスのハードウェア・アドレスの一部であり、Oracle Secure Backup論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。

2.2.2.1 デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て

各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリには、構成プロセス中にOracle Secure Backup LUNを割り当てる必要があります。この番号は、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。Windowsでは、必要に応じて自動的にOracle Secure Backup論理ユニット番号が割り当てられます。ただし、UNIXまたはLinuxのメディア・サーバーの場合、管理ドメインの計画の一環として、デバイスごとにOracle Secure Backup論理ユニット番号を選択する必要があります。

Oracle Secure Backup論理ユニット番号の割当てに必須の順序はありません。通常、テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブのいずれの場合でも、指定したタイプの各テープ・デバイスに、番号が0から順に割り当てられます。つまり、テープ・ライブラリには0、1、2の順に番号が割り当てられ、テープ・ドライブにも同様に0、1、2の順に番号が割り当てられます。Oracle Secure Backup論理ユニット番号の最大値は31です。

LinuxまたはUNIXでは、テープ・ライブラリ用のデバイス特殊ファイルの名前は/dev/obl1/dev/obl2/dev/obl3のようになり、テープ・ドライブ用の名前は/dev/obt1/dev/obt2/dev/obt3のようになります。Windowsでは、テープ・ライブラリの名前は//./obl1//./obl2//./obl3のようになり、テープ・ドライブの名前は//./obt1//./obt2//./obt3のようになります。これらの名前は、Oracle Secure BackupをWindowsにインストールする際に自動的に割り当てられます。


注意:

Oracle Secure Backup論理ユニット番号をSCSI LUNと混同しないでください。SCSI LUNはテープ・デバイスのハードウェア・アドレスの一部ですが、Oracle Secure Backup論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。

2.3 OTNダウンロードからLinuxまたはUNIXへのOracle Secure Backupの抽出

この項では、Oracle Secure Backupソフトウェアをダウンロードする方法について説明します。

Oracle Secure Backupインストール・ソフトウェアをダウンロードして解凍する手順:

  1. root権限を保持するユーザーとしてホストにログインします。

  2. ダウンロードしたインストール・ファイルを保存するのに十分な空き領域があるファイル・システムに、osbdownloadというディレクトリを作成します。

    mkdir /tmp/osbdownload
    
  3. Webブラウザを起動して、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Secure BackupのWebサイトに移動します。

    http://www.oracle.com/technology/products/secure-backup

  4. 「Free Download」をクリックします。

    「Oracle Technology Network Developer License Terms」ページが表示されます。

  5. 「Export Controls on the Programs」を読み、「Yes, I accept...」オプションを選択します。

    「Oracle Technology Network Development License Agreement」を読み、「I Accept」をクリックします。

    「Oracle Secure Backup Downloads」ページが表示されます。

  6. 「Accept License Agreement」オプションを選択し、使用するオペレーティング・システム専用のOracle Secure Backupリリース10.3のバージョンのリンクをクリックします。


    注意:

    環境に複数のオペレーティング・システムがある場合は、Oracle Secure Backupリリース10.3ソフトウェアを複数回ダウンロードする必要があります。

  7. Oracle Secure Backupリリース10.3インストール・ソフトウェアを一時ディレクトリに保存します。

  8. 圧縮されたインストール・ソフトウェアを手順2で作成したosbdownloadディレクトリに解凍します。

これでOracle Secure Backupリリース10.3のインストールに必要なすべてのファイルが揃いました。

2.4 LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupのインストールの準備

Oracle Secure Backupをインストールする前に、次の処理を行います。

2.5 Oracle Secure Backupホームの作成

Oracle Secure Backupホームを作成する必要があります。Oracle Secure Backupのsetupプログラムでは、ホスト固有のインストール・ファイルを格納するためにこのディレクトリを使用します。


注意:

Oracle Secure Backupホームには、/usr/local/oracle/backupを使用することをお薦めします。別のディレクトリを使用すると、setupプログラムにより、選択したディレクトリの確認を求めるプロンプトが表示されます。


注意:

obtoolまたはOracle Secure Backup Webツールを使用してroot以外のユーザーを有効にするには、suidメカニズムを使用できるファイル・システムにOracle Secure Backupをインストールします。そのファイル・システムの/etc/fstabファイル・エントリからnosuidオプションを削除することで、これが実行されます。


関連項目:

Oracle Secure Backupホームの詳細は、「Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリ」および『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Secure Backupホームを作成するには、次のようにします。

  1. ホストにrootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。

    # mkdir -p /usr/local/oracle/backup
    

2.6 LinuxまたはUNIXでのsetupスクリプトを使用したOracle Secure Backupソフトウェアのロード

setupスクリプトによって、ロード・プロセスが実行されます。このプロセスでは、Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルのパッケージが、インストール・メディアから抽出され、後からinstallobインストール・スクリプトで使用するためにOracle Secure Backupホームにステージングされます。

Oracle Secure BackupをOracle Secure Backupホーム・ディレクトリにロードして、1つ以上のLinuxまたはUNIXプラットフォームに後でインストールするための手順:

  1. LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムにrootとしてログインします。

  2. 「Oracle Secure Backupホームの作成」で作成したOracle Secure Backupのホーム・ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup
    
  3. インストール・メディアまたは抽出済のアーカイブ・ディレクトリからsetupスクリプトを実行します。次のコマンドを入力します。/media_dirは、CD-ROMのマウント・ポイント、またはダウンロード・アーカイブから抽出したファイルが格納されているディレクトリです。

    # /media_dir/setup
    

    たとえば、Oracle Technology Network(OTN)からアーカイブをダウンロードし、セットアップ・ソフトウェアを/tmp/osbdownload/OBディレクトリに解凍した場合は、setupを次のように実行します。

    # /tmp/osbdownload/OB/setup
    

    Oracle Secure Backupは、インストールの際に圧縮ファイルを一時ディレクトリに解凍します。解凍先ディレクトリを指定するには、setupコマンドで-tオプションを使用します。たとえば、setupで解凍にdirectory_nameを使用する場合は、次のように指定します。

    # /media_dir/setup -t directory_name
    

    setupスクリプトで、次のメッセージが表示されます。

    • Oracle Secure Backupのバージョン番号を示すようこそメッセージおよび進行状況メッセージ

    • プラットフォームを示すメッセージ

    • パッケージをロードする際の各種の進行状況メッセージ

    スクリプトが終了すると、インストールCD-ROMをアンマウントして取り出すよう求められます。


    注意:

    この時点で、ロード・プロセスは完了です。Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルは、このホストのOracle Secure Backupホームに格納されています。

  4. setupスクリプトで、installobスクリプトを起動してOracle Secure Backupをローカル・ホストにインストールするように求められます。次のいずれかのオプションを選択します。


    注意:

    setupスクリプトが中断された場合、OBnnnnまたはOBnnnn.Zという一時ファイルが/usr/tmpに残される可能性があります。これらのファイルは安全に削除できます。

2.7 obparametersファイルでのインストール・パラメータの構成

setupスクリプトにより、Oracle Secure Backupホームのインストール・サブディレクトリにobparametersというファイルが作成されます。たとえば、Oracle Secure Backupホームがデフォルトの/usr/local/oracle/backupにある場合、obparametersファイルは、/usr/local/oracle/backup/install/に保存されます。

setupスクリプトでは、インストール・プロセス中に、obparametersファイルのデフォルト設定を受け入れるか、それらの設定をカスタマイズするかを選択できます。ほとんどの場合、obparametersファイルのデフォルト設定を変更する必要はありません。ただし、インストール計画の一環として、このファイルで制御できるパラメータを確認し、それらを変更するかどうかを決定する必要があります。

obparametersファイルは、標準的なテキスト・エディタを使用して編集できるプレーン・テキストです。

obparametersファイルのパラメータを変更する理由は、次のとおりです。

2.8 LinuxまたはUNIXでのinstallobによるOracle Secure Backupのインストール

LinuxまたはUNIXでOracle Secure Backupソフトウェアをインストールするには、次のようにします。

  1. 各テープ・デバイスのSCSIパラメータが使用可能かどうかを確認します。

    最初のインストールの一部として、これらのパラメータを入力して各SCSIデバイスの接続ポイントを作成できます。Solaris 10システムには、特殊なデバイス構成手順があります。「Oracle Secure Backupの接続ポイントを提供するSolaris sgenドライバの構成」を参照してください。

  2. installobスクリプトを起動します。

    Oracle Secure Backupのsetupスクリプトは、installobスクリプトを使用したインストール・プロセスを起動するかどうかを質問して終了します。この質問にyesと入力すると、setupスクリプトによって自動的にinstallobスクリプトが実行されます。

    それ以外の場合は、コマンド・プロンプトからinstallobスクリプトを起動します。rootとしてログインして、Oracle Secure Backupホームに移動し、次のコマンドを入力します。

    install/installob
    

    installobスクリプトのようこそメッセージが表示され、質問の大部分にはデフォルトの答えがあり、[Enter]を押せば選択できることが示されます。

  3. obparametersファイルの設定を確認します。

    この手順は、「obparametersファイルでのインストール・パラメータの構成」で説明されているobparametersファイルのcustomized obparametersパラメータの値によって異なります。次の2つの場合が考えられます。

    • obparametersファイルを編集し、customized obparametersyesに設定されている。

      この場合、installobスクリプトでは、ユーザーがobparametersファイルで必要な変更を行ったとみなし、インストール時にそれらのパラメータを使用します。手順4に進んでください。

    • customized obparametersパラメータがデフォルトのnoに設定されている。

      この場合、installobスクリプトによって、obparametersファイルを確認し、カスタマイズするかどうかが尋ねられます。次のいずれかのオプションを選択します。

      • obparametersファイルをカスタマイズしない場合は、yesと入力するか、[Enter]キーを押します。手順4に進んでください。

      • obparametersファイルをカスタマイズする場合は、noと入力します。installobスクリプトから、obparametersの確認後にスクリプトを再実行するよう示されます。その後、installobスクリプトは終了します。


        関連項目:

        customize obparametersパラメータの詳細は、「customized obparameters」を参照してください。

  4. ホストのロールを指定します。

    各ホストのロールは、管理ドメインの計画時に決定しました。次のいずれかのオプションを選択します。

    • 管理サーバー用のソフトウェアをインストールする場合は、aと入力します。

      このオプションを選択すると、installobはメディア・サーバーおよびクライアントのロールに必要なソフトウェアもインストールします。

    • メディア・サーバー用のソフトウェアをインストールする場合は、bと入力します。

      このオプションを選択すると、installobはクライアントのロールに必要なソフトウェアもインストールします。

    • クライアント用のソフトウェアをインストールする場合は、cと入力します。

    ロールは、obtoolchhostコマンドを使用して後から追加または削除できます。


    注意:

    • 管理サーバーまたはメディア・サーバーのインストールを選択すると、installobはメディア・サーバーのロールに必要なソフトウェアをインストールします。しかし、Oracle Secure Backupのインストール後にadminユーザーがchhostコマンドによりロールを付与するまで、ホストにはメディア・サーバーのロールはありません。

    • 初回インストール後に管理サーバーまたはクライアントにメディア・サーバーのロールを追加するには、makedevまたはinstallobを使用して接続ポイントを作成する必要があります。詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。



    関連項目:

    Oracle Secure Backupにおける管理サーバー、メディア・サーバーおよびクライアントのロールの詳細は、「インストールおよび構成の概要」を参照してください。

    この手順では、管理サーバーのインストールについて説明します。

  5. Oracle Secure Backupキーストアのパスワードを作成します。

    installobスクリプトで、キーストアのパスワードの入力およびパスワードの再入力を求められます。英数字の混在する8文字以上のパスワードを指定することをお薦めします。入力中のパスワードは、画面に表示されません。

  6. Oracle Secure Backup管理サーバーのパスワードを作成します。

    installobスクリプトで、adminユーザーのパスワードの入力を求められ、確認のための再入力を求められます。英数字の混在する8文字以上のパスワードを指定することをお薦めします。入力中のパスワードは、画面に表示されません。

    最小パスワード長は、minuserpasswordlenセキュリティ・ポリシーにより決定されています。デフォルト値は0で、これはNULLパスワードが許可されることを意味します。minuserpasswordlenの値は、obparametersファイルのminimum user password lengthパラメータの設定によって変更できます。


    関連項目:

    minuserpasswordlenセキュリティ・ポリシーの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。


    注意:

    コマンドラインまたはコマンド・スクリプトに、パスワードをクリア・テキストで入力する方法はお薦めできません。セキュリティ上の脆弱性となります。ユーザーにパスワードの入力を求めることをお薦めします。

  7. 通知の電子メール・アドレスを入力します。

    Oracle Secure Backupの通知の送信先となる電子メール・アドレスを入力するように求められます。


    注意:

    Oracle Secure Backupによって生成される電子メールのデフォルトの送信元アドレスは、root@fqdnです(fqdnは、Oracle Secure Backup管理サーバーの完全修飾ドメイン名)。このデフォルトの送信元アドレスは、インストール後に変更できます。詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。

    これでinstallobスクリプトにより、インストール先ホストでのOracle Secure Backupソフトウェアのインストールおよび構成時に、情報メッセージが表示されるようになります。このプロセスは、完了までに数分かかる場合があります。

  8. 管理サーバーまたはメディア・サーバーにOracle Secure Backupをインストールする場合、installobスクリプトでは、テープ・ドライブまたはテープ・ライブラリを構成するかどうかが尋ねられます。


    注意:

    installobでは、構成とは、Oracle Secure Backupがテープ・デバイスと通信するために必要な接続ポイントを作成することを指します。この手順を、第5章「管理ドメインの構成および管理」で説明されている、テープ・デバイスおよびメディア・サーバーに関する情報による管理ドメインの構成と混同しないでください。

    installobスクリプトには、管理サーバーのインストールで、管理サーバーとメディア・サーバーのどちらのロールにも必要なソフトウェアが含まれています。したがって、このプロンプトは、テープ・ドライブまたはテープ・ライブラリが接続されていなくても、管理サーバーでのインストール時に表示されます。

    この手順では、SCSIテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブについて説明していますが、ファイバ・チャネル・テープ・デバイスにも適用されます。

    次のいずれかのオプションを選択します。

    • 今すぐテープ・デバイス用の接続ポイントを作成しない場合、またはテープ・デバイスが接続されていない管理サーバーにインストールする場合は、noと入力します。


      注意:

      LinuxおよびSolarisシステムでは、インストール時にテープ・ライブラリまたはテープ・ドライブを構成するかどうかを尋ねられた場合、noと入力することをお薦めします。

      Linuxでは、接続ポイントに/dev/sgデバイスを使用することをお薦めします(「Linuxの接続ポイントの識別および構成」を参照)。Solarisシステムの場合は、「Oracle Secure Backupの接続ポイントを提供するSolaris sgenドライバの構成」を参照してください。


      後から接続ポイントを作成する場合、または将来メディア・サーバーにテープ・デバイスを追加する場合、この作業を完了する別の2つの方法については、「makedevによる接続ポイントの作成」を参照してください。

    • この時点でテープ・デバイスを構成する場合は、yesと入力します。

      接続ポイントを作成する場合、installobでは、このホストにテープ・ライブラリが接続されているかどうかが尋ねられます。また、接続されている場合は、各テープ・ライブラリのSCSIパラメータを求められます。テープ・ライブラリのSCSIパラメータを入力すると、入力を確認するよう求められます。

      このホストに接続されたテープ・ライブラリに関する情報を入力すると、スタンドアロンのテープ・ドライブについて同じ質問を尋ねられます。

      表2-2に、installobで各プラットフォームに必要な情報を示します。デバイス・タイプの場合、テープ・ドライブにはd、テープ・ライブラリにはlLの小文字)を入力します。

      表2-2 installobで必要な情報

      プラットフォーム Linux HP-UX Solaris AIX

      Oracle Secure Backup LUN脚注1 

      x

      x

      x

      x

      デバイス・タイプ

      x

      x

      x

      x

      ホスト・バス・アダプタ

      x

      x



      SCSIバス・アドレス脚注2 

      x

      x



      SCSIバス名インスタンス

      x

      x

      x

      x

      ターゲットID

      x

      x

      x

      x

      SCSI LUN

      x

      x

      x

      x


      脚注1 Oracle Secure Backup論理ユニット番号とSCSI LUNを混同しないでください。

      脚注2 Linuxで、SCSIバス・アドレスはチャネルと呼ばれます。

      installobスクリプトで入力を求められたら、各パラメータの値を入力します。[Enter]を押すとデフォルト値を受け入れることができますが、スクリプトで提供されるデフォルトのSCSIパラメータは正しくないことがあります。

      このホストに接続されたすべてのテープ・ライブラリとテープ・ドライブのSCSIパラメータを入力すると、デバイス・ドライバの構成とデバイス特殊ファイルの作成が開始されます。

      各テープ・デバイスに対して作成されたデバイス特殊ファイルの名前を記録します。ファイル名は、Oracle Secure Backupドメインの構成の一環として、そのテープ・デバイスの添付ファイルを構成する際に必要です。ファイル名は、テープ・ドライブの場合は/dev/obtn、テープ・ライブラリの場合は/dev/oblnとなります。nは、そのテープ・ドライブに対して入力したOracle Secure Backup LUNです。

      間違ったパラメータを入力すると、デバイス特殊ファイルの作成は失敗します。その結果発生するエラーを解決するには、installobを再実行し、正しい値を入力するか、「makedevによる接続ポイントの作成」で説明されているように、makedevスクリプトを使用します。

      installobスクリプトにより、このホストに接続されたすべてのテープ・デバイスの接続ポイントが作成されると、Oracle Secure Backup Webインタフェースを使用するか、コマンドラインでobtoolmkdevコマンドを使用して、これらのテープ・デバイスを構成する必要があると示されます。

  9. installobスクリプトは、このセッションのインストール・アクティビティのサマリーを表示して終了します。このインストール・サマリーには、installobのセッション中に実行されたデバイス特殊ファイル作成に関する情報は含まれません。

2.9 AIXでのOracle Secure Backupのインストールまたはアンインストール

AIXおよびLinux/UNIXのインストールおよびアンインストールの手順は同じです。

Oracle Secure Backupをインストールする際、Oracle Secure Backup adminユーザーは、デフォルトで、UNIXユーザーrootおよびUNIXグループrootにマップされます。Oracle Secure Backupでは、この構成で、ファイル・システムのバックアップに成功するには、ユーザーrootがグループrootのメンバーである必要があります。デフォルトでは、AIXではグループrootは定義されません。AIXシステムにグループrootが存在しない場合は、それを作成して、ユーザーrootをそのメンバーにする必要があります。


注意:

インストール後に、このOracle Secure Backup adminのマッピングを変更できます。

2.10 HP-UXでのOracle Secure Backupのインストールまたはアンインストール

HP-UXおよびLinux/UNIXのインストールおよびアンインストールの手順は同じです。

2.11 makedevによる接続ポイントの作成

Oracle Secure Backupのmakedevスクリプトは、単一のテープ・デバイスに接続ポイントを作成するために使用されます。内部では、installobスクリプトが、インストール時に指定したテープ・デバイスごとに1回makedevをコールします。または、installobの外部でmakedevを実行して、すべての必要な接続ポイントを作成することもできます。

makedevスクリプトは、新しい接続ポイントを作成するのではなく、古い接続ポイントを置き換えることもできます。テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブのOracle Secure Backup LUNを再利用すると、古いテープ・デバイスの接続ポイントは上書きされます。

複数のテープ・デバイスの接続ポイントを作成する必要がある場合は、installobスクリプトを使用すると便利な場合があります。

表2-3に、makedevで各プラットフォームに必要な情報を示します。デバイス・タイプの場合、テープ・ドライブにはd、テープ・ライブラリにはlLの小文字)を入力します。

表2-3 makedevで必要な情報

プラットフォーム Linux HP-UX AIX

Oracle Secure Backup LUN脚注1 

x

x

x

デバイス・タイプ

x

x

x

ホスト・バス・アダプタ

x

x


SCSIバス・アドレス

x

x


SCSIバス名インスタンス

x

x

x

ターゲットID

x

x

x

SCSI LUN

x

x

x


脚注1 Oracle Secure Backup論理ユニット番号とSCSI LUNを混同しないでください。


関連項目:

makedevの構文は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。

2.11.1 AIXデバイスの識別および構成

Oracle Secure Backupは、SCSIまたはファイバ・チャネル・テープ・デバイスにアクセスするために、デバイスとホストの接続方法に関して次の識別情報が必要です。

  • SCSIバス名

  • ターゲットID

  • LUN

標準のオペレーティング・システム・コマンドでは、接続されたすべてのデバイスに関する情報をすぐに入手できない場合があります。

2.11.1 ファイバ・チャネル切替え構成でのAIXデバイスの識別および構成

AIXの切替え環境でファイバ・チャネル・テープおよびメディア・チェンジャ・デバイスを使用する場合、スタンドアロン・ツールobscanを使用して、デバイス情報を収集できます。SCSI IDおよびLUNにより、Oracle Secure Backupで使用するためにデバイスを正しく構成する必要があります。

obscanツールは、AIX環境でデバイスを識別するオプションのツールとして提供されています。obscan実行可能ファイルは、Oracle Secure Backup CDまたはCDイメージのcdtoolsディレクトリにあります。構文は次のとおりです。dnameは、スキャンするSCSIバスまたはファイバ・チャネル・ファブリックのデバイス・ファイル名です。

obscan dname

obscanツールは、切替え環境で各テープおよびメディア・チェンジャ・デバイスのSCSI IDおよびLUNを判別します。

obscanおよびmakedevを使用してAIXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。

  1. rootとしてログインします。

    obscanを実行するには、デバイスにアクセス(多くの場合はrootアクセス)するオペレーティング・システム権限が必要です。

  2. Oracle Secure Backupによって使用されるテープ・デバイスを持つ各SCSIおよびファイバ・チャネル・アダプタに対してobscanを実行します。

    次の例では、obscanは、デバイス・ファイル/dev/scsi2によって識別されるSCSIバスに接続されたテープ・デバイスに関する情報を収集します。

    obscan /dev/scsi2
     
    obscan version 10.2.0.3 (AIX)
    Copyright (c) 2008, Oracle. All rights reserved.
     
    DEVICE information for /dev/scsi2 
     
     Target-id : 0, Lun : 0
        Vendor : ADIC  Product : FastStor 2      
     
     Target-id : 5, Lun : 0
        Vendor : HP    Product : Ultrium 2-SCSI  
     
     Total count of Media Changers and/or Tape devices found : 2
    

    この2番目の例では、obscanは、/dev/fssci0によって識別されるファイバ・チャネル・ファブリックに接続されたテープ・デバイスに関する情報を収集します。

    obscan /dev/fscsi0DEVICE information for /dev/fscsi0 
     
     Target-id : 6423827, Lun : 0 
        Vendor : ADIC  Product : Scalar 24    World Wide Name : 2001006045175222
     
     Target-id : 6423827, Lun : 1 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD2  World Wide Name : 2001006045175222
     
     Target-id : 6423827, Lun : 2 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD2  World Wide Name : 2001006045175222
     
     Target-id : 6491411, Lun : 0 
        Vendor : ADIC  Product : Scalar i500  World Wide Name : 2400005084800672
     
     Target-id : 6491411, Lun : 1 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD3  World Wide Name : 2400005084800672
     
     Target-id : 6491411, Lun : 2 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD3  World Wide Name : 2400005084800672
     
     Target-id : 6491411, Lun : 3 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD3  World Wide Name : 2400005084800672
     
     Target-id : 6491411, Lun : 4 
        Vendor : IBM   Product : ULTRIUM-TD3  World Wide Name : 2400005084800672
     
     Total count of Media Changers and/or Tape devices found : 8
    
  3. Oracle Secure Backupホームのinstallディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup/install
    
  4. シェル・プロンプトでmakedevコマンドを入力します。

    # makedev
    
  5. バックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、プロンプトで、Oracle Secure Backup内で使用される接続ポイントの作成に必要な情報を入力します。

    次の例では、ターゲットID 0およびlun 0を持つscsi2に接続されたADIC FastStor 2ライブラリの接続ポイント/dev/obl8を作成します。

    makedev 
    Enter logical unit number 0-31 [0]: 8
    Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable
        tape library [d]: l
    Enter SCSI bus name: scsi2
    Enter SCSI target id 0-16777215: 0
    Enter SCSI logica l unit number (lun) 0-7 [0]: 0
    /dev/obt8 created
    

    この2番目の例では、ターゲットID 6423827およびlun 0を持つfsci0に接続されたADIC Scalar 24ライブラリの接続ポイント/dev/obl9を作成します。

    makedev
    Enter logical unit number 0-31 [0]: 9
    Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable
        tape library [d]: l
    Enter SCSI bus name: fscsi0
    Enter SCSI target id 0-16777215: 6423827
    Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0
    /dev/obl9 created
    

    makedevスクリプトで、接続ポイントが作成され、その進行状況を示すメッセージが表示されます。

2.11.2 Point-to-PointまたはFC-AL構成でのAIXデバイスの識別および構成

Point-to-PointまたはFC-AL構成では、SCSI IDおよびLUNを判別できるツールが用意されていません。ただし、これらの構成でIBM社がサポートしているデバイスの場合、lsattrコマンドを使用できます。

lsattrおよびmakedevを使用してAIXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。

  1. rootとしてログインします。

    lsattrを実行するには、デバイスにアクセス(多くの場合はrootアクセス)するオペレーティング・システム権限が必要です。

  2. Oracle Secure Backupによって使用されるテープ・デバイスを持つ各SCSIおよびファイバ・チャネル・アダプタに対してlsattrを実行します。

    次のlsattrの例では、rmt0デバイスの属性名、現在の値、説明およびユーザー設定可能フラグの値が表示されます。

    user: lsattr -El rmt0
    block_size     512                BLOCK size (0=variable length)           True
    delay          45                 Set delay after a FAILED command         True
    density_set_1  0                  DENSITY setting #1                       True
    density_set_2  0                  DENSITY setting #2                       True
    extfm          yes                Use EXTENDED file marks                  True
    location                          Location Label                           True
    lun_id         0x1000000000000    Logical Unit Number ID                  False
    mode           yes                Use DEVICE BUFFERS during writes         True
    node_name      0x1000006045175222 FC Node Name                            False
    res_support    no                 RESERVE/RELEASE support                  True
    ret_error      no                 RETURN error on tape change or reset     True
    rwtimeout      144                Set timeout for the READ or WRITE commandTrue
    scsi_id        0x2                SCSI ID                                 False
    var_block_size 0                  BLOCK SIZE for variable length support   True
    ww_name        0x2001006045175222 FC World Wide Name                      False
    
    
    

    Oracle Secure Backupのmakdevコマンドで使用できるように、lun_idおよびscsi_idの16進値(太字で表示)を10進値に変換できます。変換後は、SCSI LUN IDは281474976710656で、SCSI IDは2です。

  3. Oracle Secure Backupホームのinstallディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup/install
    
  4. シェル・プロンプトでmakedevコマンドを入力します。

    # makedev
    
  5. バックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、プロンプトで、Oracle Secure Backup内で使用される接続ポイントの作成に必要な情報を入力します。

    makedevスクリプトで、接続ポイントが作成され、その進行状況を示すメッセージが表示されます。

2.11.2 HP-UXデバイスの識別および構成

makedevスクリプトを使用してHP-UXのSCSIまたはファイバ・チャネル・テープ・デバイスにアクセスするには、デバイスとホストの接続方法に関して次の識別情報が必要です。

  • SCSIバス番号インスタンス

  • ターゲットID

  • LUN

HP-UXのデバイス情報を収集するには、HP-UXオペレーティング・システムの/usr/sbinにあるioscanユーティリティを使用できます。ioscanコマンドはシステムを検索して、検出したすべてのデバイスを示します。ioscanを実行するには、rootアクセス権限が必要です。


注意:

ioscanツールは、HP-UX環境でデバイスを識別するオプションのツールとして提供されています。ioscanツールは、Oracle Secure Backupインストールの一部として含まれるものではありません。

HP-UXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。 

  1. rootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを実行します。

    /usr/sbin/ioscan -f
    

    -fオプションを指定してコマンドを実行すると、デバイス・クラス、インスタンス番号、デバイスまたはインタフェース・ドライバ、ソフトウェアの状態、ハードウェア・タイプなどのシステム構成に関する完全な情報が表示されます。

    例2-1は、ioscan -fのサンプル出力を示しています。各デバイスのバス番号インスタンス、ターゲットID、SCSI LUNおよびデバイスの説明が太字で示されています。

    例2-1 ioscan -f

    $ /usr/sbin/ioscan -f
     
    Class      I  H/W Path                 Driver   S/W State  H/W Type   Description
    ...
    ext_bus    3  0/1/1/1                  mpt      CLAIMED    INTERFACE  SCSI Ultra320
    target    11  0/1/1/1.1                tgt      CLAIMED    DEVICE
    autoch     4  0/1/1/1.1.0              schgr    CLAIMED    DEVICE     ADIC FastStor 2
    target    10  0/1/1/1.2                tgt      CLAIMED    DEVICE
    tape       8  0/1/1/1.2.0              stape    CLAIMED    DEVICE     HP  Ultrium 2-SCSI
    ...
    fcp        2  0/2/1/0.99               fcp      CLAIMED    INTERFACE  FCP Domain
    ext_bus    9  0/2/1/0.99.15.255.1      fcpdev   CLAIMED    INTERFACE  FCP Device Interface
    target     1  0/2/1/0.99.15.255.1.3    tgt      CLAIMED    DEVICE
    autoch     8  0/2/1/0.99.15.255.1.3.0  schgr    CLAIMED    DEVICE     ADIC Scalar 24
    tape      19  0/2/1/0.99.15.255.1.3.1  stape    CLAIMED    DEVICE     IBM ULTRIUM-TD3
    tape      20  0/2/1/0.99.15.255.1.3.2  stape    CLAIMED    DEVICE     IBM ULTRIUM-TD3
    
  3. ioscanの出力を使用して、テープ・デバイスのバス番号、ターゲットIDおよびSCSI LUNをメモしておきます。

    表2-4に、例2-1から関連情報を示します。

    表2-4 makedevで必要な情報

    デバイス タイプ 名前 バス番号インスタンス ターゲットID SCSI LUN

    テープ・ライプラリ(autoch)

    SCSI

    ADIC FastStor 2

    3

    1

    0

    テープ・ドライブ(tape)

    SCSI

    HP Ultrium 2

    3

    2

    0

    テープ・ライプラリ(autoch)

    FC

    ADIC Scalar 24

    9

    3

    0

    テープ・ドライブ(tape)

    FC

    IBM ULTRIUM-TD3

    9

    3

    1

    テープ・ドライブ(tape)

    FC

    IBM ULTRIUM-TD3

    9

    3

    2


  4. Oracle Secure Backupでバックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、makedevを使用して接続ポイントを作成します。

    次の例では、表2-4の情報を使用してmakedevを実行します。次の例では、ターゲットID 1およびSCSI LUN 0を持つSCSIバス・インスタンス3のADIC FastStor 2ライブラリの接続ポイント/dev/obl8を作成します。

    % makedev 
    Enter logical unit number 0-31 [0]: 8
    Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable
        tape library [d]: l
    Enter SCSI bus instance: 3
    Enter SCSI target id 0-16777215: 1
    Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0
    /dev/obl/8 created
    

    次の例では、表2-4の情報を使用してmakedevを実行します。次の例では、ターゲットID 2およびSCSI LUN 0を持つSCSIバス・インスタンス3のHP Ultrium 2テープ・ドライブの接続ポイント/dev/obt/9mを作成します。

    % makedev 
    Enter logical unit number 0-31 [0]: 9
    Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable
        tape library [d]: d
    Enter SCSI bus instance: 3
    Enter SCSI target id 0-16777215: 2
    Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0
    /dev/obt/9m created
    

2.11.3 Linuxの接続ポイントの識別および構成

Linuxでは、Oracle Secure Backupとの接続ポイントとして/dev/sgデバイスを使用することをお薦めします。Oracle Secure Backup /dev/obデバイスの使用には、一部の環境では受け入れられない、いくつかの制限があります。たとえば、LUNには7より大きい値、SCSIバス番号には1より大きい値を指定できません。/dev/ob*デバイスを使用する従来の方法は、制限カテゴリに該当しないテープ・デバイスには引き続き有効です。

目的のテープ・デバイスに対応する/dev/sgを識別するには、sg_mapコマンドを使用します。

Linuxの接続ポイントを構成するには、次のようにします。 

  1. 次のLinuxコマンドを実行します。

    sg_map -i -x
    

    例2-2は、サンプル出力を示しています。

    例2-2 sg_map -i -x

    sg_map -i -x
    /dev/sg0   0 0 0 0  0  /dev/sda  DELL      PERC Stripe       V1.0
    /dev/sg1   0 0 1 0  0  /dev/sdb  DELL      PERC Stripe       V1.0
    /dev/sg2   0 0 2 0  0  /dev/sdc  DELL      PERC Volume       V1.0
    /dev/sg3   1 0 1 0  8  ADIC      FastStor 2        G12r
    /dev/sg4   1 0 2 0  1  /dev/nst0  HP        Ultrium 2-SCSI    F53A
    /dev/sg5   2 0 0 0  1  /dev/nst1  IBM       ULTRIUM-TD2       5AT0
    /dev/sg6   2 0 0 1  8  ADIC      Scalar 24         310A
    /dev/sg7   2 0 1 0  1  /dev/nst2  IBM       ULTRIUM-TD2       5AT0
    /dev/sg8   2 0 1 1  8  ADIC      Scalar 24         310A
    /dev/sg9   2 0 2 0  1  /dev/nst3  IBM       ULTRIUM-TD3       54K1
    /dev/sg10  2 0 3 0  1  /dev/nst4  IBM       ULTRIUM-TD3       54K1
    /dev/sg11  2 0 3 1  8  ADIC      Scalar 24         310A
    
  2. sg_mapの出力を使用して、構成する各テープ・デバイスの接続ポイントをメモしておきます。

    表2-5に、例2-2からテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブを示します。

    表2-5 mkdevで必要な情報

    デバイス・タイプ 名前 パス

    テープ・ライブラリ

    ADIC FastStor 2

    /dev/sg3

    テープ・ドライブ

    HP Ultrium 2

    /dev/sg4


  3. Oracle Secure Backupでバックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、obtoolmkdevコマンドを使用して接続ポイントを作成します。

    次の例では、表2-5に示されているテープ・ドライブおよびテープ・ライブラリの接続ポイントを作成します。

    ob> mkdev -t library -o -a node1:/dev/sg3 lib1
    ob> mkdev -t tape -o -a node1:/dev/sg4 -l lib1 -d 1 tape1
    

2.11.4 Oracle Secure Backupの接続ポイントを提供するSolaris sgenドライバの構成

Oracle Secure Backup 10.3.0.3より前では、ライブラリ(チェンジャ)およびテープ(順次)デバイスを制御するために、ロード可能なカーネル・ドライバが提供されていました。Oracle Secure Backup 10.3.0.3以降では、このカーネル・ドライバは削除されています。Solarisに付属の標準のsgenドライバで、カーネル・ドライバで提供されていた機能が提供されるようになりました。

2.11.4.1 チェンジャおよび順次デバイス用のSolaris sgenドライバの有効化

Oracle Secure Backupをインストールする前に、チェンジャおよび順次デバイス用のSolaris sgenドライバを有効にする必要があります。

順次およびチェンジャ・デバイス用のSolaris sgenドライバを有効にするには、次の手順を使用します。

  1. 1. Oracle Secure Backupの既存のインストールがない場合は、手順2に進んでください。

    Oracle Secure BackupがすでにインストールされているホストでSolaris sgenドライバが有効になっている場合、接続ポイントおよびデバイス構成は失われます。「LinuxまたはUUNIXでのOracle Secure Backupのアンインストール」で説明されている手順を使用して、まず、Oracle Secure Backupをアンインストールする必要があります。

    アンインストール中に、backupディレクトリを削除することをお薦めします。adminディレクトリは保持してもかまいません。

  2. 順次(01)およびチェンジャ(01)デバイスを有効にするには、/kernel/drv/sgen.confファイルに次の行を追加します。

    device-type-config-list="sequential","changer";
    

    注意:

    すでに、他のデバイス用のdevice-type-config-listが定義されている場合は、sgen.confファイルの既存のリストに"sequential"と"changer"を追加します。

  3. /etc/minor_permにsgenドライバのエントリがあることを確認します。

    このファイルのエントリ例は次のとおりです。

    "sgen * 0600 root sys"
    
  4. /etc/name_to_majorにsgenドライバのエントリがあることを確認します。

    このファイルのエントリ例は次のとおりです。

    "sgen 151"
    
  5. 次のコマンドを使用して、/dev/scsi/changerおよび/dev/scsi/sequential内のリンクを削除します。

    rm -r /dev/scsi/changer
    rm -r /dev/scsi/sequential
    
  6. 次のコマンドを使用して、タイプ01のデバイスに対するstドライバの構成を解除します。

    update_drv /usr/sbin/update_drv -d '"scsiclass,01"' st 
    
  7. 次のコマンドを使用して、タイプ01およびタイプ08のsgenドライバを構成します。

    add_drv -m '*0666 bin bin' -i '"scsiclass,01" "scsiclass,08" "scsa,01.bmpt" "scsa,0.8.bmpt"' sgen
    

sgenドライバを有効にする手順が完了した後、/etc/scsi/changerにすべてのライブラリのエントリがあり、/etc/scsi/sequentialにすべてのテープ・デバイスのエントリがある必要があります。Oracle Secure Backupの接続ポイントまたは/dev/obのターゲットとしてこれらのエントリを使用できます。これらのエントリが見つからない場合は、次のコマンドを使用してホスト・システムを再起動します。

touch /reconfigure
reboot

2.11.4.2 Solaris sgenドライバの無効化

Solaris sgenドライバを無効にするには、次の手順を使用します。

  1. /kernel/drv/sgen.confファイルを開いて、次の行を削除します。

    device-type-config-list="sequential","changer"
    

    device-type-config-listエントリに他のデバイス用のエントリがある場合は、sequentialとchangerのエントリのみ削除します。

  2. 次のコマンドを実行します。

    rem_drv sgen
    

2.11.4.3 sgenの接続ポイントの使用

Solaris sgenドライバを有効にする際に、/dev/scsi/changerファイルおよび/dev/scsi/sequentialファイルに指定されているエントリは、Oracle Secure Backupの接続ポイントまたは/dev/obリンクのターゲットとして使用できます。これらのエントリはSolarisのバージョンによって異なります。Solaris 9の場合、エントリの形式は、cbus_numberttarget_iddlogical_unitです。Solaris 10の場合、エントリの形式は、ccontroller_numbertWorld_Wide_Namedlogical_unitです。

/dev/oblnおよび/dev/obtnの形式で、/dev/scsi/changerまたは/dev/scsi/sequential内のエントリを指すリンクを/devに作成することをお薦めします。Oracle Secure Backupが使用するデバイスごとに、一意の/dev/oblnエントリまたは/dev/obtnエントリである必要があります。/dev内のこれらのエントリは、Oracle Secure Backupのデバイス構成中にobtoolのmkdevコマンドに使用されます。

2.12 LinuxまたはUNIXでのアップグレード・インストールの実行

アップグレードの準備として、次の手順を実行することをお薦めします。

  1. $OSB_HOME/adminディレクトリを容易にアクセスできる安全な場所にコピーします。

  2. obparametersファイルをカスタマイズした場合は、そのコピーを保存します。

  3. アクティブなジョブおよび保留中のジョブをすべて取り消します。

  4. すべてのOracle Secure Backupデーモンを停止します。

  5. 新しいCD-ROMからsetupスクリプトを実行します。

  6. アップグレード処理の実行中に、次のプロンプトが表示されます。

    Oracle Secure Backup is already installed on this machine (myhostname).
    Would you like to re-install it preserving current configuration data[no]?
    

    以前の構成を保持してアップグレード・インストールを実行するにはyesを入力します。

2.13 LinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupのアンインストール

この項では、LinuxまたはUNIXのホストからOracle Secure Backupをアンインストールする方法について説明します。次の手順では、管理サーバーからOracle Secure Backupをアンインストールします。管理サーバーを使用して他のホストからOracle Secure Backupをアンインストールする場合にも同じ手順が適用されます。

  1. 管理サーバーにrootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを使用して、Oracle Secure Backup関連のプロセスを識別します。

    # /bin/ps -ef |grep ob
    
  3. Oracle Secure Backup Webツールのhttpプロセスなど、Oracle Secure Backup関連のプロセスを停止します。

    『Oracle Secure Backupリファレンス』の付録「Oracle Secure Backupサービスの起動と停止」に、LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupプロセスの停止と起動のためのオペレーティング・システム固有のコマンドが記載されています。

    または、observicedを終了することで、すべてのプロセスを停止することもできます。次のコマンドを使用して、リストに示されたOracle Secure Backupに関連した各プロセスを終了します。ここで、pidobservicedのプロセスIDです。

    kill pid
    
  4. Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリにディレクトリを変更します。たとえば、次のようになります。

    # cd /usr/local/oracle/backup
    

    注意:

    管理サーバーからOracle Secure Backupをアンインストールする場合、uninstallobスクリプトにより、アンインストール・プロセスの最後にOracle Secure Backupホーム・ディレクトリが削除されます。

  5. uninstallobスクリプトを実行します。

    # ./install/uninstallob
    

    uninstallobスクリプトのようこそメッセージが表示され、Oracle Secure Backupから削除するホストの名前を尋ねられます。

  6. Oracle Secure Backupをアンインストールするホストの名前を入力します。

  7. インストールで使用したobparametersファイルの名前を尋ねられます。

    デフォルト以外の場所にobparametersファイルを作成した場合は、正しいパス情報を入力します。それ以外の場合は、[Enter]キーを押して、デフォルトの値install/obparametersを受け入れます。

  8. uninstallobスクリプトにより、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除するかどうかを尋ねられます。次のオプションのいずれかを選択します。

    • no

      Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除しない場合は、このオプションを選択します。

    • yes

      Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除する場合は、このオプションを選択します。ホーム・ディレクトリのすべてのファイルが削除されます。ただし、adminディレクトリのみは例外で、このディレクトリは、次のプロンプトでyesと回答することで維持できます。

    この手順では、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを保存すると想定します。

  9. Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリ全体を保存しないように選択した場合でも、Oracle Secure Backup adminディレクトリを保存するかどうか尋ねられます。次のいずれかのオプションを選択します。

    • no

      adminディレクトリを削除するには、このオプションを選択します。

    • yes

      adminディレクトリを保存するには、このオプションを選択します。adminディレクトリを保存すると、Oracle Secure Backupソフトウェアを後で再インストールしたときに管理ドメインを維持できます。

    この手順では、Oracle Secure Backup adminディレクトリを保存すると想定します。

  10. 選択したオプションが表示され、このホストでのアンインストールを継続するかどうか尋ねられます。次のオプションのいずれかを選択します。

    • yes

      このオプションを選択すると、Oracle Secure Backupをアンインストールする際の進捗メッセージが表示されます。終了すると、次のメッセージが表示されます。

      Oracle Secure Backup has been successfully removed from host_name.
      
    • no

      このオプションを選択すると、このホストからOracle Secure Backupはアンインストールされません。