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Sun ONE Identity Server インストールおよび設定ガイド



第 9 章   サイレントインストール


Identity Server は、GUI インストールおよびコマンド行からのインストール (CLI) に加えて、サイレントインストールを行うことができます。この章では、サイレントインストールの実行手順を説明します。この章には次のトピックがあります。



サイレントインストールについて

サイレントインストールでは、インストールスクリプトを提供することにより、Identity Server をインストールできます。サイレントインストールを実行するときに、通常は対話的な操作でセットアッププログラムに入力するすべての項目を、StateFile を使って提供することができます。こうすると、各インスタンスに同じパラメータを使用して複数の Identity Server インスタンスをインストールする場合に、時間を短縮することができ、有効です。

サイレントインストールには、簡単な 2 つの処理があります。まず、インストール処理とすべての入力項目を記録した Statefile を生成します。次に、StateFile を入力ソースとして、インストールプログラムを実行します。



Solaris 上の StateFile の生成



Solaris 上で StateFile を生成するには、次の手順に従います。

  1. インストールプログラムのあるディレクトリに移動します。

  2. 次のコマンドを入力します。

    # ./setup -saveState StateFile

    Statefile に好きな名前を指定できます。

  3. インストールプログラムを続行します。プロンプトに対する応答が StateFile に記録されます。

    インストールが完了すると、setup と同じディレクトリに StateFile が作成されます。



Statefile を使用したインストール

サイレントインストールを実行するには、次の手順に従います。

次のコマンドを入力して、サイレントインストールを実行します。

# ./setup -nodisplay -noconsole -state StateFile

ユーザからは見えない状態でインストールが実行されます。インストールが完了すると、プログラムが自動的に終了し、プロンプトが表示されます。Statefile で指定したインストールディレクトリに移動して、すべてのファイルがコピーされているかどうかを確認します。



Windows 上の StateFile の生成



Windows 2000 上で StateFile を生成するには、次の手順に従います。

  1. setup プログラムのあるディレクトリから、インストールプログラムを実行します。DOS のコマンドウィンドウを開いて、次のコマンドを入力します。

    java am -saveState StateFile

  2. インストールプログラムを続行します。プロンプトに対する応答が StateFile に記録されます。

インストールが完了すると、setup.exe と同じディレクトリに StateFile が作成されます。



Statefile を使用したインストール



  1. 次のコマンドを入力します。

    java am -nodisplay -noconsole -state StateFile

ユーザからは見えない状態でインストールが実行されます。インストールが完了すると、プログラムが自動的に終了し、プロンプトが表示されます。Statefile で指定したインストールディレクトリに移動して、すべてのファイルがコピーされているかどうかを確認します。



Statefile の変数



次の表は、Statefile で使用する変数とその簡単な説明および使用可能な値を示します。


表 9-1    Statefile 変数の説明 

変数

説明

defaultInstallDirectory  

インストールプログラムで入力の必要な、Identity Server をインストールするデフォルトディレクトリを表示する  

ディレクトリの絶対パス。たとえば、Solaris の場合 /opt、Windows の場合 c:¥SunONE¥SunONEIS  

currentInstallDirectory  

ユーザが選択した、Identity Server をインストールするディレクトリを表示する  

ディレクトリの絶対パス。たとえば、/identity60  

com.iplanet.install.panels.common.ComponentPanel.selectedcomponents  

ユーザが選択した、インストール用の Identity Server コンポーネントの名前を表示する  

コンポーネントの名前。たとえば、Sun ONE IdentityServerManagementandPolicyServices

SunONEIdentityServerCrossDomainSingleSignon  

CUSTOM_JDK  

既存の JDK を使用するか、あるいは Identity Server 6.0 に付属の JDK をインストールするよう選択したかを示す  

true または false

カスタム JDK を指定した場合 true

Identity Server に付属の JDK のインストールを選択した場合 false  

JDK_PATH  

Solaris プラットフォームでの JDK の相対パスを表示する  

java  

JDK_BASE_DIR  

Java SDK がインストールされているディレクトリを表示する  

JDK ディレクトリの絶対パス。たとえば、/identity60/SUNWam/java  

IWS_INSTALL  

Identity Server 6.0 によって配布された新しい Web Server に CDSSO コンポーネントと共通ドメインサービスをインストールしたかどうかを表示する  

true または false

新しい Web Server にこれらのコンポーネントをインストールした場合は true  

IWS_ADMIN_ID  

Sun ONE Web Server を管理する管理者としてのユーザ名を表示する  

デフォルト値は admin。変更可能  

IWS_ADMIN_PORT  

Sun ONE Web Server が使用するポート番号を表示する  

デフォルトは 58888。変更可能  

IWS_ADMIN_PASSWD  

Web Server 管理者のパスワードを表示する  

パスワードの指定には 8 文字以上必要  

SYS_USR  

Web Server を実行する UNIX ユーザアカウントを表示する  

デフォルトユーザは nobody変更可能。この変数は Windows で作成された Statefile では使用できない  

SYS_GRP  

上述のユーザが属する UNIX グループを表示する  

デフォルトグループは nobody変更可能。この変数は Windows で作成された Statefile では使用できない  

CDSSO_BASE_WSDIR  

Sun ONE Web Server がインストールされているディレクトリのパスを表示する  

 

CDSSO_HOST  

CDSSO コンポーネントをインストールしたコンピュータの FQDN を表示する  

通常、値は host.siroe.com の形式となる  

CDSSO_WSDIR  

Web Server インスタンスを格納するディレクトリのパスを表示する  

インスタンス名を含む絶対パス。たとえば、/Is_root/SUNWam/servers/https-host.siroe.com  

CDSSO_PORT  

CDSSO コンポーネントが使用する Web Server のポート番号を表示する  

デフォルト値は 80  

CDSSO_PROTOCOL  

CDSSO コンポーネントが使用するプロトコルを表示する  

http または https。デフォルト値は http  

CDSSO_DEPLOY_URI  

CDSSO にアクセスするための URI を表示する  

デフォルトは amcdsso。変更可能  

WS_INSTANCE  

Web Server インスタンスの名前を表示する  

デフォルト値は https-host.siroe.com  

DSAME_SERVER  

Sun ONE Identity Server を実行するホストマシンの FQDN を表示する  

通常、値は host.siroe.com の形式となる  

DSAME_PORT  

Identity Server サービスを実行する Web Server が使用するポート番号を表示する  

通常、デフォルトは 58080  

DSAME_PROTOCOL  

Identity Server が使用するプロトコルを表示する  

http または https。デフォルトは http  

SERVER_DEPLOY_URI  

Identity Server サービスにアクセスするための URI を表示する  

デフォルトは amserver。変更可能  

CDS_HOST  

共通ドメインサービスをインストールしたマシンの FQDN を表示する  

host.siroe.com  

CDS_WSDIR  

共通ドメインサービスが使用する Web Server インスタンスのパスを表示する  

Web Server インスタンス名を含む絶対パス。たとえば、/Is-root/SUNWam/servers/https-siroe60.siroe.com  

CDS_PORT  

共通ドメインサービスが使用するポート番号を表示する  

通常、デフォルトは 58080  

CDS_PROTOCOL  

共通ドメインサービスが使用するプロトコルを表示する  

http または https。デフォルトは http  

CDS_DEPLOY_URI  

Web Server の共通ドメインサービスにアクセスするための URI を表示する  

デフォルトは common。変更可能  

CDS_BASE_WSDIR  

共通ドメインサービスが使用する Web Server ディレクトリのパスを表示する  

IS_root/SUNWam/servers  

DSAME_HOST  

Directory Server をインストールしたホスト名を表示する。ホスト名は、通常 FQDN の最初のラベルとなる  

host  

DSAME_DEF_DOMAIN  

Directory Server をインストールしたドメインを表示する  

ドメイン名。
例: siroe.com
 

DSAME_FULL_DOMAIN  

Identity Server をインストールしたドメイン名 (ホスト名なし) を表示する  

siroe.com  

DSAME_SUB_DOMAIN  

FQDN のサブドメインラベルを表示する。サブドメインは FQDN の 2 番目のラベル。たとえば、nila.country.siroe.com の場合、country がサブドメインとなる  

サブドメインがある場合にのみ必要  

DEFAULT_ORG1  

DSAME_DEF_DOMAIN と同じ値を表示する  

ドメイン名。
例: siroe.com
 

EXIST_DIT_SCHEMA  

既存の DIT およびスキーマを使用するよう選択したかどうかを表示する  

true または false  

ADMIN_COMPONENT_SELECTED  

Identity Server コンソールを配備するよう選択したかどうかを表示する  

true または false  

CONSOLE_DEPLOY_URI  

Identity Server コンソールにアクセスするための URI を表示する  

デフォルトは amconsole。変更可能  

DSAME_CONSOLE  

Identity Server コンソールをインストールしたコンピュータの FQDN  

nila.siroe.com  

DSAME_CONSOLE_HOST  

Identity Server コンソールを管理するマシンの名前を表示する  

ホストマシンの名前  

CONSOLE_PROTO  

Identity Server コンソールが使用するプロトコルを示す  

http  

DSAME_CONSOLE_PORT  

Identity Server コンソールが使用するポート番号を示す  

58080  

DSAME_CONSOLE_DEF_DOMAIN  

Identity Server をインストールしたドメインを表示する  

siroe.com  

DSAME_CONSOLE_FULL_DOMAIN  

Identity Server コンソールをインストールしたドメインを表示する。これは、通常 FQDN の最後の 2 つのラベルで識別される  

siroe.com  

DSAME_CONSOLE_SUB_DOMAIN  

FQDN の 2 番目のラベルを表示する  

指定するサブドメインがある場合にのみ必要  

USE_DSAME_SERVICES_WEB_CONTAINER  

新しいまたは既存の Identity Server サービスとともに Identity Server コンソールをインストールしたかどうかを示す  

Identity Server サービスとともに Identity Server コンソールをインストールした場合、値は 1。Identity Server コンソールだけをインストールした場合、値は 0 (ゼロ)  

DIT_COMPLIANCE  

既存の Identity Server 準拠 DIT があるかどうかを示す  

false

 

DS_ALREADY_EXISTS  

既存の Directory Server を使用するよう指定したかどうかを示す  

true または false  

LOAD_DIT  

Identity Server 準拠 DIT を読み込むように選択したかどうかを示す  

yes または no  

AUTO_LOAD  

インストール時に、Identity Server 6.0 準拠 DIT またはスキーマを読み込むように選択したかどうかを示す  

DIT またはスキーマを読み込むように選択した場合は true、それ以外の場合は false  

CUSTOM_DIRECTORY  

既存の Directory Server を格納するカスタムディレクトリを指定したかどうかを示す  

true または false  

DS_ROOT_SUFFIX  

ディレクトリツリーで定義したルート接尾辞を表示する  

dc=siroe dc=com, o=siroe.com  

DC_TREE  

DIT で定義したルート接尾辞を表示する  

dc=siroe, dc=com, o=siroe.com  

ORG_BASE  

DS_ROOT_SUFFIX と同じ値を表示する  

 

DS_SERVER  

Directory Server をインストールしたコンピュータの FQDN を表示する  

host.siroe.com  

DS_HOST  

Directory Server をインストールしたコンピュータの名前を表示する  

コンピュータの名前  

DS_PORT  

Directory Server が使用するポートを表示する  

デフォルトは 389。1〜65535 の任意の番号に変更可能  

DS_INSTALL_DIR  

Directory Server をインストールしたディレクトリのパスを表示する  

デフォルトは /usr/iplanet/servers  

DS_ROOT_DN  

DIT で定義した DN を表示する  

cn=Directory manager  

DS_ROOT_PASSWD  

Directory Server の管理者ユーザとして設定したパスワードを表示する  

8 文字以上の長さのパスワード  

LOCAL_IDS  

既存の Directory Server が、ローカルにインストールされているか、リモートホストにインストールされているかを示す  

Directory Server がローカルホストにインストールされている場合は true、リモートホストにインストールされている場合は false  

ORG_OBJECT_CLASS  

既存の DIT の組織用に定義されたマーカーオブジェクトクラスを表示する

この変数は、既存の Directory Server に対して Identity Server をインストールする場合にのみ設定が必要  

デフォルトは organization  

ORG_NAMING_ATTR  

既存の DIT の組織を定義するために使用するネーミング属性を表示する

この変数は、既存の Directory Server に対して Identity Server をインストールする場合にのみ設定が必要  

o, dc  

USER_OBJECT_CLASS  

既存の DIT のユーザ用に定義されたオブジェクトクラスを表示する

この変数は、既存の Directory Server に対して Identity Server をインストールする場合にのみ設定が必要  

デフォルトは inetorgperson  

USER_NAMING_ATTR  

既存の DIT のユーザを定義するために使用するネーミング属性を表示する

この変数は、既存の Directory Server に対して Identity Server をインストールする場合にのみ設定が必要  

uid  

DS_ADMIN_ID  

Directory Server を管理する Administration Server の管理者として定義されたユーザ名を表示する  

デフォルトは admin  

DS_ADMIN_PORT  

Administration Server が使用するポート番号を表示する  

デフォルトは 58900  

DS_ADMIN_PASSWD  

Administration Server の管理者として定義されたパスワードを表示する  

デフォルトは admin123  

LDAPUSER  

ユーザ ID amldapuser を表示する  

これは、amldapuser として事前定義され、変更できない  

LDAPUSERPASSWD  

amldapuser に設定したパスワードを表示する  

このパスワードは、amadmin ユーザと異なっている必要がある  

SUPERADMIN  

最上位管理者に割り当てられたユーザ名を表示する。これは Identity Server によって割り当てられ、変更できない  

デフォルトは amAdmin。変更不可能  

SUPERADMINPASSWD  

最上位管理者に割り当てたパスワードを表示する  

このパスワードは、amldap ユーザに設定したパスワードと異なっている必要がある  

START_SERVER  

インストール処理の終了後、Identity Server を自動的に起動するように選択したかどうかを示す  

true または false  

COOKIE_DOMAIN_LIST  

 

.siroe.com  

DOMAINURLS  

 

 

FRESH_DS_WITH_SERVICES  

Identity Server に付属する Directory Server をインストールしたかどうかを示す  

yes または no  

STATE_BEGIN  

Statefile の開始タグ。このタグは、製品名とウィザード ID が付加され、製品のビルドに対して一意に決められている  

   

STATE_DONE  

Statefile の終了タグ。このタグは、製品名とウィザード ID が付加され、製品のビルドに対して一意に決められている  

   


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