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Sun ONE Identity Server インストールおよび設定ガイド |
第 3 章 Identity Server インストールプログラム
この章では、インストールプログラムで提示されるオプションの概要、および実行する必要のあるインストール作業を決定する際のいくつかの指針を説明します。この章および以降の章で提供される手順は、Solaris および Windows プラットフォーム上での Sun ONE Identity Server のインストールを前提としています。
始める前に
インストールプログラムを開始する前に次の事項を確認してください。
インスロールプログラムを実行するには、Solaris の場合は root で、Windows 2000 の場合は管理者としてログインする必要があります。
ホストマシンのドメイン名の設定が必要です。ドメイン名が設定されていない場合は、「ドメイン名の設定」の手順に従ってください。
Identity Server またはそのコンポーネントをインストールできるのはローカルマシンだけです。ネットワーク上のリモートマシンにインストールすることはできません。
インストール方法
Identity Server の使用およびインストールの必要性に応じて、最適なインストール方法を選択します。これらの方法を使用する手順は、以降の章で説明します。
インストールプログラムのオプション
インストールプログラムを実行すると、多数のオプションが表示されます。まず自分のインストールシナリオを表 3-1 で確認し、次にそのシナリオに対応する詳細なインストール手順に従って、どのインストールオプションを選択するかを決定します。
表 3-1    特定のシナリオに対応する Identity Server のインストール手順の参照先
一般的なインストールシナリオ
詳しいインストール手順の参照先
次に、主な各インストールオプションを選択するとどのようになるかを簡単に示します。
オプション 1) Sun ONE Identity Server 管理およびポリシーサービス
このオプションを選択すると、次のコンポーネントがインストールされます。
Identity Server 管理およびポリシーサービス
Sun ONE Directory Server (オプション) 上に示したオプションのコンポーネントは、インストールの際の確認項目に対する応答に従ってインストールされます。インストールプログラムが完了すると、製品全体がインストールされ、すぐに Identity Server にログインできます。ユーザデータはディレクトリに存在しません。
オプション 2) Sun ONE Identity Server 管理コンソール
アイデンティティ、サービスおよびポリシー管理、Identity Server コンソールを統合するグラフィカルユーザインタフェース (GUI) により、ユーザ (管理者または非管理者を問わず) はLDAP に関する知識がなくても、1 つのユーザインタフェースを使用して、Directory Server のユーザアカウント、サービス属性、およびアクセスルールを作成し管理することができます。
オプション 3) 既存の Directory Server を設定する
このオプションを選択すると、既存の Directory Server のホストおよびポート番号の入力を要求されます。Directory Server のインストール先に Identity Server スキーマだけがインストールされます。スキーマファイル ds_remote_schema.ldif は、Directory Server のスキーマディレクトリにロードされます。新しい Directory Server はインストールされないので、既存のデータは上書きされません。ユーザデータがすでに存在している既存の Directory Server 5.1 インスタンスとともに Identity Server を使う場合だけ、このオプションを選択します。
オプション 4) Sun ONE Identity Server ドメイン間シングルサインオン
ドメイン間のシングルサインオン機能により、あるドメインで 1 回認証されたら、再認証なしでその他のドメインでアプリケーションを使用できます。このオプションを選択した場合、ドメイン間シングルサインオン (CDSSO) コンポーネントだけがインストールされます。このコンポーネントは、既存の Identity Server の一部として Web Server にインストールできます。また、Web Server のインストール時に自動的にインストールすることもできます。詳細は、「Identity Server コンソール」を参照してください。
共通ドメインサービスにより、共通ドメインをホスティングするマシンは、リダイレクト URL に渡されたパラメータに基づいて Cookie の読み取りと書き込みを行うことができます。IDP でユーザが認証されると、IDP はユーザがその IDP を使っていることを示すパラメータを使用して、共通ドメインにユーザのブラウザをリダイレクトします。共通ドメインのサーバは、この IDP を使用している IDP として識別する Cookie を書き込み、ユーザのブラウザを IDP にリダイレクトして戻します。
ドメイン名の設定
Identity Server をインストールする前に、Identity Server をインストールするマシンのドメイン名が設定されていることを確認します。ドメイン名が設定されていない場合は、次の手順に従って設定します。
次のコマンドを実行してホスト名の設定を確認します。
uname -n
ホスト名、たとえば nila がマシンに表示されます。
ドメイン名を確認します。/etc/resolv.conf ファイルがマシンで定義されている場合は、テキストエディタを使ってこのファイルを開き、設定エントリのドメインに対するドメイン名を入力します。たとえば、ドメインは eng.siroe.com になります。
このファイルが定義されていない場合は、プロンプトから、コマンド domainname を入力して、ドメイン名が設定されているかどうかを確認します。設定されている場合は、ドメイン名が表示されます。たとえば、eng.siroe.com が表示されます。
ドメイン名が設定されていない場合は、次のコマンドを実行してドメイン名を設定します。
domainname nila.eng.siroe.com
この場合、nila.eng.siroe.com はマシンのドメイン名です。
コマンド ping nila.eng.siroe.com を実行して、ホストが有効であるかどうか確認します。ホストが有効でない場合は、このコマンドが期待通りに動作するまで DNS またはホストエントリを変更します。
デスクトップに移動します。
「マイコンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」をクリックします。または、「コントロールパネル」に移動して、「システム」をクリックします。このいずれかの操作によって、「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます。
「システムのプロパティ」ウィンドウで、「ネットワーク ID」タブをクリックします。
「プロパティ」ボタンをクリックして、「識別の変更」ウィンドウを開きます。
マシンの名前が設定されていない場合は、「コンピュータ名」フィールドに入力します。
「詳細」をクリックします。このコンピュータフィールドの「プライマリ DNS サフィックス」で、コンピュータが属するドメイン名を入力します。コンピュータ名とプライマリ DNS サフィックスを組み合わせて、このコンピュータの FQDN が設定されます。
Windows 上のインストール手順
Identity Server のインストール手順は、Solaris の場合と Windows の場合で同じです。したがって、Windows 上でインストールする場合、Solaris 用マニュアルで提供される手順を使用することができます。プラットフォーム固有のパスの入力に関連する相違だけを念頭に置いてください。次の節では、Solaris の場合と異なるインストールプログラムを起動するまでの手順を具体的に説明します。
製品 CD から Sun ONE Identity Server をインストールする場合は、ソフトウェアをインストールするシステムのドライブに製品 CD を挿入します。製品をダウンロードした場合は、製品バイナリファイルを解凍します。
setup.exe を実行します。インストールプログラムは、CD-ROM のルートディレクトリにあります。製品バイナリをダウンロードした場合、プログラムはバイナリファイルを解凍したディレクトリにあります。
setup.exe をダブルクリックします。
インストールプログラムが起動し、開始パネルが開きます。
製品 CD から Identity Server をインストールする場合は、ソフトウェアをインストールするシステムのドライブに製品 CD を挿入します。
製品をダウンロードした場合は、製品バイナリを解凍します。
バイナリを解凍したディレクトリに移動して、プロンプトから次のコマンドを入力し Enter を押します。
java am -nodisplay
画面に表示される手順を確認します。インストーラが示すさまざまなプロンプトに対する応答方法の説明が表示されます。手順を確認したら、Enter を押してソフトウェアライセンス契約を確認します。インストールのどの段階でも、< を入力して前のプロンプトに戻ることができます。また、! を入力してインストールプログラムを終了することができます。
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