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SGD のインストール

この章では、Sun Secure Global Desktop (SGD) のインストール方法について説明します。

アップグレードを実行する場合は、ソフトウェアをインストールするに、第 3 章のアップグレード方法に関する指示を参照してください。

SGD には、インストール可能なコンポーネントが複数用意されています。

この章の内容は次のとおりです。


インストールの実行

Solaris OS プラットフォームの場合は、pkgadd コマンドを使用して SGD をインストールします。

Linux プラットフォームの場合は、rpm コマンドを使用して SGD をインストールします。

デフォルトでは、SGD は /opt/tarantella ディレクトリにインストールされます。インストールディレクトリは、次のようにして変更できます。

SGD をインストールすると、SGD サーバーと SGD Web サーバーが稼働します。

procedure icon  SGD のインストール方法



caution icon

Caution - SGD バージョン 4.40 より前のリリースからアップグレードする場合、このリリースには SGD 組織階層に加えられる重大な変更がいくつか含まれています。アップグレードを行う前に、バージョン 4.40 以降の組織の変更をお読みください。



  1. ソフトウェアを入手します。

    ソフトウェアを http://www.sun.com/software/products/sgd からダウンロードするか、CD‐ROM からコピーします。

    ホスト上の一時ディレクトリにソフトウェアを保存します。

    パッケージファイルは次のとおりです。

    • tta-version.sol-x86.pkg (x86 プラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    • tta-version.sol-sparc.pkg (SPARC テクノロジプラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    • tta-version.i386.rpm (Linux プラットフォームの場合)

  2. ホストにスーパーユーザー (root) としてログインします。

  3. SGD をインストールします。

    パッケージファイルが圧縮されている場合、インストール前にファイルを解凍する必要があります。

    x86 プラットフォーム版 Solaris OS にインストールする場合:


    # pkgadd -d /tempdir/tta-version.sol-x86.pkg
    

    SPARC テクノロジプラットフォーム版 Solaris OS にインストールする場合:


    # pkgadd -d /tempdir/tta-version.sol-sparc.pkg
    



    注 - Solaris OS プラットフォームで、「pwd: cannot determine current directory!」というエラーメッセージが表示されてインストールが失敗した場合は、/tempdir ディレクトリに移動して、インストールを再度実行してください。



    Linux プラットフォームにインストールする場合:


    # rpm -Uvh /tempdir/tta-version.i386.rpm
    

  4. SGD パッケージがパッケージデータベースに登録されていることを確認します。

    Solaris OS プラットフォームの場合:


    # pkginfo | grep -i tta
    

    Linux プラットフォームの場合:


    # rpm -qa | grep -i tta
    

  5. SGD サーバーを起動します。


    # /opt/tarantella/bin/tarantella start
    

    SGD サーバーの初回起動時には、SGD Setup プログラムが実行されます。このプログラムは次のことを行います。

    • ソフトウェアライセンス契約書への同意をユーザーに求めます。

    • 推奨される設定の一覧を提示します。ユーザーは、それを受け入れることも変更することもできます。次の設定があります。

      • TCP ポート。Web サーバーが TCP ポート 80 で稼働中の場合は、SGD Web サーバーで使用する TCP ポートの指定をユーザーに求めます。

      • ピア DNS 名。 完全指定の DNS 名を使用する必要があります。ファイアウォールを備えたネットワークで SGD を実行する場合は、ファイアウォールの内側でホストが認識されている DNS 名を使用します。

    • ソフトウェアをインストールおよび設定します。これには、いくつかのサンプルアプリケーションで使用する組織階層の作成、および UNIX システムまたは Linux システムの root ユーザーを SGD 管理者にする処理が含まれます。

    • システム起動ディレクトリにファイルを追加して、システムの再起動時に SGD サーバーおよび SGD Web サーバーが確実に起動するようにします。たとえば、ソフトウェアを実行レベル 3 でインストールする場合、このファイルは /etc/rc3.d ディレクトリに置かれ、ファイル名は *sun.com-sgd-base になります。

    • root の crontab を変更して、SGD ログファイルを毎週アーカイブするようにします。

    • Linux プラットフォームの場合のみ、SGD PAM (Pluggable Authentication Module) 構成ファイル /etc/pam.d/tarantella を追加します。これは、既存の /etc/pam.d/passwd ファイルからコピーされます。このファイルが存在しない場合、PAM 構成ファイルは作成されません。

    • ログファイル /tmp/tta_inst.log を作成します。このファイルには、インストール中に表示されたメッセージのコピーが格納されます。


Microsoft Windows 対応 SGD 拡張モジュールのインストール

Microsoft Windows 対応 SGD 拡張モジュールには、高度な負荷分散、クライアントドライブマッピング (CDM)、およびシームレスウィンドウ用のモジュールが含まれます。拡張モジュールをインストールする際、これらのモジュールのどれをインストールするかを選択できます。

デフォルトでは、拡張モジュールは C:\Program Files\Tarantella\Enhancement Module ディレクトリにインストールされますが、インストールプログラムによってインストールディレクトリの指定が求められます。

インストール後、負荷分散サービスが稼働します。負荷分散サービスは、Windows ホストがリブートされるたびに自動的に開始されます。

procedure icon  Microsoft Windows 対応 SGD 拡張モジュールをインストールする方法

  1. 管理者特権を持つユーザーで Windows ホストにログインします。

  2. ホスト上の一時ディレクトリに、拡張モジュールインストールプログラムを保存します。

    CD-ROM からインストールする場合、インストールプログラムは EnhancementModules ディレクトリにあります。

    あるいは、http://server.example.com の SGD Web サーバーからインストールプログラムをダウンロードします。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。SGD Web サーバーの開始画面が表示されたら、「Sun Secure Global Desktop 拡張モジュールのインストール」をクリックします。

    SGD 拡張モジュールインストールプログラムは temwin32.exe です。

  3. SGD 拡張モジュールをインストールします。

    temwin32.exe をダブルクリックし、画面に表示される指示に従います。


UNIX および Linux プラットフォーム対応 SGD 拡張モジュールのインストール

UNIX および Linux プラットフォーム対応 SGD 拡張モジュールには、高度な負荷分散、CDM、および UNIX オーディオ用のモジュールが含まれます。

拡張モジュールの UNIX オーディオモジュールはオプションであり、デフォルトではインストールされません。UNIX オーディオモジュールのインストールを選択する場合は、SGD オーディオドライバがオペレーティングシステムのカーネルにインストールされます。

Solaris OS プラットフォームの場合、UNIX オーディオモジュールは大域ゾーンにのみインストールできます。

Linux プラットフォームの場合、UNIX オーディオモジュールはカーネルのバージョンが 2.4.20 以降の場合のみインストールできます。SGD オーディオドライバは、カーネルにインストールされる前にコンパイルされます。オーディオドライバをコンパイルするために、ホストで次のものが使用可能になっている必要があります。

Solaris OS プラットフォームの場合は、pkgadd コマンドを使用して拡張モジュールをインストールします。

Linux プラットフォームの場合は、rpm コマンドを使用して拡張モジュールをインストールします。

Solaris OS および Linux の各プラットフォームでは、拡張モジュールはデフォルトで /opt/tta_tem ディレクトリにインストールされます。Solaris OS プラットフォームの場合は、ソフトウェアのインストール時にインストールプログラムによって、インストールディレクトリの指定が求められます。Linux プラットフォームの場合は、ソフトウェアのインストール時に rpm コマンドに ‐‐prefix オプションを使用することで、別のインストールディレクトリを選択できます。

インストール後、高度な負荷分散モジュールおよび UNIX オーディオモジュール (選択した場合) が稼働します。CDM モジュールは追加の設定を必要とするため、稼働しません。必要な追加の設定については、『Sun Secure Global Desktop 4.41 管理者ガイド』を参照してください。

拡張モジュールインストールプログラムは、システム起動ディレクトリにファイルを追加して、システムの再起動時に拡張モジュールが確実に起動するようにします。たとえば、ソフトウェアを実行レベル 3 でインストールする場合、このファイルは /etc/rc3.d ディレクトリに置かれ、ファイル名は *sun.com-sgd-em になります。

procedure icon  Solaris プラットフォームに SGD 拡張モジュールをインストールする方法

  1. ホスト上の一時ディレクトリに SGD 拡張モジュールを保存します。

    CD-ROM からインストールする場合、パッケージは EnhancementModules ディレクトリにあります。

    あるいは、http://server.example.com の SGD Web サーバーからインストールプログラムをダウンロードします。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。SGD Web サーバーの開始画面が表示されたら、「Sun Secure Global Desktop 拡張モジュールのインストール」をクリックします。

    パッケージファイルは次のとおりです。

    • tem-version.sol-x86.pkg (x86 プラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    • tem-version.sol-sparc.pkg (SPARC テクノロジプラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    ここで、version は SGD バージョン番号です。

  2. ホストにスーパーユーザー (root) としてログインします。

  3. SGD 拡張モジュールをインストールします。

    パッケージファイルが圧縮されている場合、インストール前にファイルを解凍する必要があります。

    x86 プラットフォーム版 Solaris OS にインストールする場合:


    # pkgadd -d /tempdir/tem-version.sol-x86.pkg
    

    SPARC テクノロジプラットフォーム版 Solaris OS にインストールする場合:


    # pkgadd -d /tempdir/tem-version.sol-sparc.pkg
    

    インストール時に、拡張モジュールインストールプログラムは次の設定を提示します。ユーザーは、それを受け入れることも変更することもできます。

    • インストールディレクトリ。

    • ホストが持っている仮想メモリーの容量。これは負荷分散に使用されます。

    • UNIX オーディオモジュールをインストールするかどうか。

  4. 拡張モジュールパッケージがパッケージデータベースに登録されていることを確認します。


    # pkginfo | grep -i tem
    

procedure icon  Linux プラットフォームに SGD 拡張モジュールをインストールする方法

  1. ホスト上の一時ディレクトリに SGD 拡張モジュールを保存します。

    CD-ROM からインストールする場合、パッケージは EnhancementModules ディレクトリにあります。

    あるいは、http://server.example.com の SGD Web サーバーからインストールプログラムをダウンロードします。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。SGD Web サーバーの開始画面が表示されたら、「Sun Secure Global Desktop 拡張モジュールのインストール」をクリックします。

    パッケージファイルは、tem-version.i386.rpm です。ここで、version は SGD バージョン番号です。

  2. ホストにスーパーユーザー (root) としてログインします。

  3. SGD 拡張モジュールをインストールします。


    # rpm -Uvh tem-version.i386.rpm
    

  4. 拡張モジュールパッケージがパッケージデータベースに登録されていることを確認します。


    # rpm -qa | grep -i tem
    

  5. 拡張モジュールインストールプログラムを起動します。


    # /opt/tta_tem/bin/tem start
    

  6. 拡張モジュールの設定を行います。

    拡張モジュールインストールプログラムは次の設定を提示します。ユーザーは、それを受け入れることも変更することもできます。

    • ホストが持っている仮想メモリーの容量。これは負荷分散に使用されます。

    • UNIX オーディオモジュールをインストールするかどうか。

Linux プラットフォームへの UNIX オーディオモジュールのインストールに関するトラブルシューティング

Linux プラットフォームでは、UNIX オーディオモジュールがインストールされない場合、SGD 拡張モジュールインストールプログラムはユーザーにインストールを取り消すか、UNIX オーディオモジュールをインストールせずにインストールを続行するかを尋ねます。UNIX プラットフォームのモジュールがインストールされない場合は、次のことを確認してください。


SGD Client の手動インストール

SGD Client は通常、Java テクノロジを有効にしたブラウザを使ってユーザーが SGD サーバーに接続すると、自動的にインストールされます。SGD Client を手動でインストールする場合にだけ、ここで説明する手順に従ってください。

SGD Client のインストールには、スーパーユーザー (root) や管理者の特権は必要ありません。

Microsoft Windows プラットフォームの場合、SGD Client はデフォルトでは C:\Program Files\Sun\Secure Global Desktop Client ディレクトリにインストールされますが、ソフトウェアのインストール時に別のインストールディレクトリを選択できます。SGD Client のショートカットが Windows 「スタート」メニューに追加されます。

UNIX プラットフォームと Linux プラットフォームの場合、SGD Client はデフォルトでは $HOME/bin ディレクトリにインストールされますが、ソフトウェアのインストール時に別のインストールディレクトリを選択できます。

procedure icon  Microsoft Windows プラットフォームに SGD Client を手動でインストールする方法

  1. ブラウザで、SGD Web サーバーにアクセスします。

    たとえば、http://server.example.com です。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。

    SGD Web サーバーの開始画面が表示されます。

  2. (省略可能) 使用する言語を選択します。

    開始画面の上部にある旗のいずれかをクリックします。

    開始画面が選択した言語で表示されます。

  3. 「Sun Secure Global Desktop Client のインストール」をクリックします。

    「Sun Secure Global Desktop Client」ページが表示されます。

  4. SGD Client インストールプログラムをダウンロードします。

    「Secure Global Desktop Client for Microsoft Windows のダウンロード」をクリックします。

    PC 上の一時ディレクトリにインストールプログラムを保存します。

    SGD Client インストールプログラムは sgdcwin-lang.exe です。

  5. 一時ディレクトリに移動し、SGD Client をインストールします。

    sgdcwin-lang.exe をダブルクリックし、画面に表示される指示に従います。

procedure icon  Solaris OS プラットフォームおよび Linux プラットフォームに SGD Client を手動でインストールする方法

  1. ブラウザで、SGD Web サーバーにアクセスします。

    たとえば、http://server.example.com です。ここで、server.example.com は SGD サーバーの名前です。

    SGD Web サーバーの開始画面が表示されます。

  2. (省略可能) 使用する言語を選択します。

    開始画面の上部にある旗のいずれかをクリックします。

    開始画面が選択した言語で表示されます。

  3. 「Sun Secure Global Desktop Client のインストール」をクリックします。

    「Sun Secure Global Desktop Client」ページが表示されます。

  4. SGD Client の tar ファイルをダウンロードします。

    platform 版の Secure Global Desktop Client」をクリックします。

    ホスト上の一時ディレクトリに tar ファイルを保存します。

    tar ファイルの名前は、次のようにプラットフォームを示しています。

    • sgdci3so.tar (x86 プラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    • sgdcspso.tar (SPARC テクノロジプラットフォーム版 Solaris OS の場合)

    • sgdci3li.tar (Linux プラットフォームの場合)

  5. 一時ディレクトリに移動し、tar ファイルを展開します。


    $ cd /tempdir
    $ tar xvf tarfile
    

  6. SGD Client をインストールします。


    $ sh sgdc/install
    

    画面に表示される指示に従ってください。

SGD Client を使用したログイン

SGD Client の初回起動時に、次の情報を入力するよう求められます。