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SGD 印刷ジョブ変換の設定

SGD の印刷では、印刷ジョブがアプリケーションサーバーから SGD サーバーに送信されます。その後、印刷ジョブは、SGD サーバーからクライアントへ送信され、さらにそのデバイスからユーザーのプリンタへと送信されます。印刷ジョブによっては、SGD サーバーに届いた時点で、クライアントのプリンタに適した形式への変換が必要な場合もあります。

印刷ジョブに変換が必要かどうかを判断する際、SGD サーバーは、プリンタタイプ構成ファイルを調べ、クライアントのプリンタで必要とされる形式とアプリケーションサーバーで使用される形式が一致するかどうかを確認します。形式が一致した場合、その印刷ジョブは変換されないままクライアントデバイスのプリンタに転送されます。形式が一致しなかった場合、SGD サーバーは、tta_print_converter スクリプトを使ってその印刷ジョブを正しい形式に変換します。

Microsoft RDP Windows プロトコルを使用する Microsoft Windows 2000 または 2003 アプリケーションセッションからの印刷ジョブは、正しい形式になっていると見なされるため、変換されることはありません。

このページは、たとえば、印刷ジョブが Postscript 印刷ジョブとして作成されているが、クライアントプリンタが PCL プリンタである場合など、印刷ジョブ形式に関する問題を解決するためにのみ使用します。多くの場合は、Secure Global Desktop PDF 印刷を使用すると、印刷ジョブ形式に関する問題へのより優れた解決策が提供されます。

印刷ジョブを正しくフォーマットするために、プリンタタイプ構成ファイルおよび tta_print_converter スクリプトの編集が必要な場合があります。これについて以降のセクションで説明します。

プリンタタイプ構成ファイルの編集

SGD は、次の構成ファイルを使ってプリンタタイプを確認します。

特定のプリンタをサポートしたり、新しいタイプのプリンタを追加する場合は、これらのファイルを編集できます。

新しいプリンタタイプを追加する場合は、tta_print_converter スクリプトの編集も必要になる可能性があります。

これらのファイル内に不十分な情報や不正確なマッピングが存在していると、SGD が印刷ジョブを不必要に変換したり、まったく変換しなかったりする可能性があります。

UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイス用のプリンタ構成ファイルの編集

プリンタタイプの設定方法を含む、プリンタの設定方法の詳細については、「UNIX、Linux、および Mac OS X プラットフォームのクライアントデバイスの印刷を設定する」を参照してください。

Microsoft Windows クライアントデバイス用のプリンタ構成ファイルの編集

Microsoft Windows クライアントデバイスの場合、printertypes.txt ファイルによって、pscript.dll などのプリンタドライバが PostScript などのプリンタタイプにマッピングされます。

printertypes.txt ファイル内には、容易にカスタマイズを行えるようにコメントが記されています。このファイルにはデフォルトで、PostScript プリンタ、PCL プリンタ、およびテキスト専用プリンタに対するマッピング情報が含まれています。このファイルを編集するには、スーパーユーザー (root) としてログオンする必要があります。

Windows クライアントに対して使用される printertypes.txt ファイルにも、UNIX および Apple Macintosh 用のエントリが含まれています。これは、フォールバックとしてのみ使用されます。UNIX または Linux プラットフォームの場合、UNIX タイプがプリンタタイプにマッピングされます。Apple Macintosh の場合、プリンタ名がプリンタタイプにマッピングされます。

Microsoft Windows システム上でクライアントデバイスが使用しているプリンタドライバの名前を調べるには、テストページを印刷して「ドライバ名」フィールドを確認します。

新規のプリンタタイプをサポートするためには、同じ形式の行を追加してください。次に例を示します。

過去のコマンド構文またはプログラムコードのスキップMyNewType=mydriver.drv

Rusty Spanner のクライアントデバイス cairo で稼働しているのは Windows 2000 であり、そのデフォルトプリンタは PCL 形式です。使用しているプリンタドライバは unidrv.dll です。

printertypes.txt ファイルの Windows 2000 部分は次のようになっています。

過去のコマンド構文またはプログラムコードのスキップ[Windows2000]
PostScript=pscript5.dll;pscript.dll
PCL=rasdd.dll
PostScript=*

unidrv.dll に一致する固有の記述はないので、最後のエントリである PostScript が適用されます。これは、Rusty が印刷すると、印刷ジョブは cairo に送られる前に間違って PostScript 形式に変換されることを意味します。

この問題を解決するには、root ユーザーで printertypes.txt ファイルを編集して、unidrv.dll と一致する固有の記述を次のように追加します。

過去のコマンド構文またはプログラムコードのスキップPCL=rasdd.dll;unidrv.dll

これにより、cairo で設定されているプリンタが SGD によって正しく識別され、このクライアントデバイスの印刷ジョブが PCL 形式に変換されるようになります。

tta_print_converter スクリプトの編集

tta_print_converter スクリプトは、印刷ジョブを、アプリケーションサーバーで使用される形式からクライアントデバイスで必要とされる形式へ変換するスクリプトです。変換先の形式は、プリンタタイプによって決定されます。このスクリプトは、PostScript 形式と PostScript 以外の形式をデフォルトで認識します。このスクリプトは、別途入手可能な Ghostscript を使って PostScript から PCL への印刷ジョブ変換を行います。

tta_print_converter スクリプトを編集することで、印刷ジョブ形式の認識、別の印刷ジョブ形式への変換、および新規プリンタタイプのサポート追加を実行できます。

シェル関数 GetDataType は、印刷ジョブの最初の 128 バイトから印刷ジョブ形式を判断しますデータは URL エンコードされます。たとえば、% 文字は %25 としてエンコードされます。

クライアントのプリンタタイプは、POSTSCRIPTMYNEWTYPE のように、大文字でこのスクリプトに渡されます。

tta_print_converter スクリプトは /opt/tarantella/bin/scripts ディレクトリ内に格納されています。このスクリプトにはカスタマイズに役立つコメントが含まれています。

PCL プリンタへの印刷時に問題が発生する場合には、tta_print_converter スクリプト内でコメントアウトされたコードを参照してください。そのコードで問題が解決するか確認してみてください。

このスクリプトを編集するには、スーパーユーザー (root) としてログオンしている必要があります。

Ghostscript

tta_print_converter スクリプトは Ghostscript を使って、印刷ジョブを PCL 形式から PostScript 形式に変換します。最良の結果を得るために、追加フォントをダウンロードしてインストールしてください。

Ghostscript が次のいずれかの場所にインストールされている場合、SGD のインストール時に Secure Global Desktop セットアップ によってその Ghostscript が自動的に検出されます。

Ghostscript がこれ以外の場所にインストールされている場合は、SGD に Ghostscript --gsbindir オプションで指定して、prtinstall.en.sh スクリプトを実行する必要があります。

複数バージョンの Ghostscript がインストールされている場合は、どのバージョンを使用するかを SGD に通知する --gsbindir オプションを指定して prtinstall.en.sh スクリプトを実行する必要があります。

Ghostscript がインストールされていない場合、それをインストールしたあとで prtinstall.en.sh スクリプトを実行する必要があります。

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