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負荷分散の概要

このトピックの内容
  • ユーザーセッションとアプリケーションセッションの負荷分散の実現方法を理解します。
  • 管理者 が負荷分散を管理する方法を習得します。

負荷分散を使用すると、シングルポイント障害を発生させることなく、信頼性に優れた、高性能なサービスを受けることができるように、サポート対象のユーザー数を増やすことができます。SGD では、次の負荷分散メカニズムを使用できます。

メカニズム 説明
ユーザーセッション ユーザーがアレイ内のどの SGD サーバーにログインするかを決定します。
アプリケーションセッション アレイ内のどの SGD サーバーがユーザーのアプリケーションセッションを管理するかを決定します。
アプリケーション どのアプリケーションサーバーがユーザーのアプリケーションを実行するかを決定します。
負荷分散グループ 可能な場合は、高速ネットワークでリンクされた SGD サーバーとアプリケーションサーバーを選択することによって、最適なユーザー操作性の実現を試みます。

以降のセクションでは、これらの負荷分散メカニズムについて詳細に説明します。

ユーザーセッションの負荷分散

ユーザーセッションの負荷分散は、ログイン先の SGD サーバーの選択に関連しています。

ユーザーは、アレイ内の任意の SGD サーバーにログインして、同じアプリケーションにアクセスできます。

ユーザーセッションの負荷分散は、SGD に最初に接続する前に行われます。多数の機構を使って、適切な SGD サーバーを選択できます。次に例を示します。

SGD 負荷分散 JavaServer Page を使用する方法、および外部ハードウェアロードバランサで SGD を使用する方法の詳細は、「ユーザーセッションの負荷分散」を参照してください。

アプリケーションセッションの負荷分散

アプリケーションセッションの負荷分散は、アプリケーションセッションのホストとして機能する SGD サーバーの選択に関連しています。

アプリケーションセッションには、プロトコルエンジンが必要です。プロトコルエンジンは、ユーザーのクライアントデバイスとの通信や、アプリケーションを起動するアプリケーションサーバーとの通信のために使用されます。プロトコルエンジンはアレイ内の任意の SGD サーバー上で動作可能であり、このサーバーが、ユーザーセッションをホストしているサーバーと同じである必要はありません。

SGD は、アレイ内のすべての SGD サーバーにわたってアプリケーションセッションの負荷を分散できます。サーバーが多ければ多いほど、各メンバーの負荷は低くなります。SGD Administration Console では、アプリケーションセッションの負荷分散を「グローバル設定」»「パフォーマンス」タブで設定します。アプリケーションセッションをホストする SGD サーバーを選択するための方法として、次のいずれかを使用するように SGD を設定できます。

アプリケーションの負荷分散

アプリケーションの負荷分散は、次の処理に関連しています。

Secure Global Desktop 管理者 がアプリケーションの負荷分散をアレイから集中管理する際の手順は、次のとおりです。

アプリケーションの負荷を分散する方法の詳細は、「アプリケーションの負荷分散の設定」を参照してください。

Advanced Load Management の使用

Advanced Load Management 方式では、アプリケーションが起動された時点でそのアプリケーションサーバーに割り当てられている空きメモリー量または空き CPU 時間のどちらかに基づいてアプリケーションの負荷を分散できます。これらの方式を使用して負荷分散を行えるのは、X アプリケーション、Windows アプリケーション、および文字型アプリケーションに対してだけです。

Advanced Load Management を使用するには、すべてのアプリケーションサーバー上に Sun Secure Global Desktop Enhancement Module をインストールする必要があります。これにより、負荷分散サービスがインストールされます。このサービスは、アプリケーションサーバーの CPU やメモリーの負荷に関する情報を SGD にリアルタイムで提供します。また、これは、アプリケーションサーバーが使用可能かどうかを SGD が容易に検出できるようにもします。たとえば、リブートする場合などです。

負荷分散サービスの動作方法の概要を、次に示します。

  1. プライマリ SGD サーバーは、起動するたびに、負荷分散を行う必要のあるアプリケーションサーバーのリストを作成します。このリストは、ホストのアプリケーションへの割り当てまたはアプリケーションからの削除が行われるたびに更新されます。
  2. プライマリ SGD サーバーは、負荷分散対象アプリケーションサーバーのそれぞれに接続し、初期の負荷情報を要求します。そのために、各アプリケーションサーバーの TCP ポート 3579 上の負荷分散サービスに接続します。また、この接続が確立できれば、アプリケーションサーバーがアプリケーションを実行可能であることを確認できたことにもなります。
  3. プライマリ SGD サーバーは、アレイ内のセカンダリサーバーに更新を送信します。この更新には、各方式に対する容量値と、使用不可のアプリケーションサーバーに関する情報が含まれています。
  4. 負荷分散サービスは、UDP ポート 3579 上のプライマリ SGD サーバーに定期的な更新を送信します。この更新は、負荷に変化がない場合でも発生します。この定期的な更新が途絶えるかどうかによって、SGD は、各アプリケーションサーバーがアプリケーションを実行可能かどうかを判断することができます。
  5. プライマリ SGD サーバーは、アレイ内のセカンダリサーバーに定期的な更新を送信します。この更新には、各方式に対する容量値と、使用不可のアプリケーションサーバーに関する情報が含まれています。この更新は、負荷に変化がない場合でも発生します。

    負荷分散サービスは常に、プライマリ SGD サーバーに対してアプリケーションサーバーの負荷データを送信します。プライマリサーバーが使用不可の場合は Advanced Load Management も使用できないため、セカンダリサーバーは代わりに、セッションに基づくデフォルトの負荷分散に戻ります。

  6. プライマリまたはセカンダリの SGD サーバーは、更新で受け取る負荷情報に基づいてアプリケーションの起動を行います。

負荷分散グループ

SGD は、負荷分散グループを使用して、SGD サーバーとアプリケーションサーバー間で高速リンクを使って接続を確立します。

SGD のプロトコルエンジンは、アプリケーションサーバーと SGD サーバー間で使用されるネイティブプロトコル (X11 など) を SGD サーバーとクライアントデバイス間で使用される Adaptive Internet Protocol (AIP) に変換します。AIP は低帯域幅用に最適化されていますが、ネイティブプロトコルは最適化されていません。

ネットワークに低速リンクが含まれている場合は、負荷分散グループを使用して、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。負荷分散グループは、SGD サーバーとアプリケーションサーバーをまとめてグループ化するために使用します。ユーザーがアプリケーションを実行すると、SGD は、そのアプリケーションサーバーと同じグループにある Secure Global Desktop サーバー上でプロトコルエンジンを稼働させることを試みます。この処理は、グループ内のすべてのアプリケーションサーバーと SGD サーバーが高速リンクで接続されている場合に最適に機能します。

SGD Administration Console では、負荷分散グループを、SGD サーバーまたはアプリケーションサーバーの「パフォーマンス」タブで定義します。負荷分散グループ名は単に、文字列または文字列のコンマ区切りリストです。この名前は、世界の地名や建物のコードなど、どのようなものでもかまいません。

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