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ログフィルタを使用した SGD サーバーの問題解決

SGD の初回インストール時に、デフォルトのログフィルタに SGD サーバーのエラーがすべて記録されます。問題解決などのため、より詳細な情報が必要な場合は、追加のログフィルタを設定できます。追加のログフィルタは次の手順で設定できます。

各フィルタの形式は次のとおりです。

過去の書式設定済みテキストのスキップcomponent/sub-component/severity:destination

フィルタの各部分のオプション、およびログ出力の表示方法については、以降のセクションを参照してください。

ログフィルタにより、大量のデータが生成される可能性があります。フィルタは可能なかぎり具体的に設定し、不要になったら削除することをお勧めします。

コンポーネントとサブコンポーネントの選択

コンポーネントおよびサブコンポーネントを選択することで、SGD サーバーから記録したい情報の分野を選択できます。次の表に、使用可能なコンポーネントとサブコンポーネントの組み合わせ、および各組み合わせで得られる情報の種類について説明します。

コンポーネントと
サブコンポーネント
提供される情報
audit/glue SGD サーバー設定またはローカルリポジトリ設定に加えた変更および変更の実行者に関する監査。
使用例:ユーザープロファイルオブジェクトを変更したユーザーを確認する。
audit/license SGD サーバーのアレイ全体にわたるライセンス使用状況。
使用例:ライセンスの使用状況が記録されない理由を確認する。
audit/session ユーザーセッションおよびアプリケーションセッションの開始と停止。
使用例:ユーザーによるアプリケーションセッションの実行期間を確認する。
cdm/audit クライアントドライブマッピング (CDM) のための SGD ユーザーの認証。
使用例:ユーザーの資格情報が原因で CDM が失敗しているかどうかを確認する。
cdm/server CDM サービスに関する情報。
使用例:クライアント接続エラーが原因で CDM が失敗しているかどうかを確認する。
common/config アレイ全体で SGD サーバー設定を格納およびコピーする方法。
使用例:グローバル設定の設定変更が SGD サーバーに適用されない理由を確認する。
metrics/glue メモリーおよびタイミング。
使用例:SGD コマンドの実行に要した時間を確認する。
metrics/soap Tomcat の SOAP プロキシの SOAP コンポーネント。
使用例:SOAP 要求が完了するまでにかかった時間を追跡する。
server/billing SGD 課金処理サービス。
使用例:課金処理データが失われた理由を調べる。
server/common SGD の一般情報。
使用例:DNS エラーの問題を解決する。
server/config SGD サーバー設定への変更。
使用例:SGD サーバー設定への変更をログに記録する、または設定が壊れているかどうかを確認する。
server/csh SGD クライアントセッションハンドラ。
使用例:ユーザーがアプリケーションセッションを再起動できない理由を確認する。
server/deviceservice アクセス可能なデバイスデータへのユーザーのマッピング。
使用例:ユーザーがクライアントデバイスにアクセスできない理由を確認する。
server/diskds ローカルリポジトリに関する情報。
使用例:破壊されているオブジェクトやローカルリポジトリ内の不一致に関する情報を取得する。
server/glue SGD サーバー間の通信に使用される Secure Global Desktop ASAD プロトコル。
使用例:SGD サーバーが通信できない理由を確認する。
server/install インストールおよびアップグレード。
使用例:インストールに関する問題を調査する。
server/kerberos Windows Kerberos 認証。
使用例:Active Directoryのユーザーがログインできない理由を確認する。
server/launch アプリケーションの起動または再開。
使用例:ユーザーがアプリケーションを起動できない理由を確認する。
server/ldap LDAP サーバーへの接続。
使用例:LDAP ユーザーがログインできない理由を確認する。
server/loadbalancing ユーザーセッションおよびアプリケーションの負荷分散。
使用例:アプリケーションセッションをホストする SGD サーバーが選択されていない理由を確認する。
server/logging ログ。
使用例:ログメッセージがファイルに書き込まれない理由を確認する。
server/login SGD にログインします。
使用例:ユーザーおよび使用するユーザープロファイルを認証した認証機構を確認する。
server/mupp SGD MUPP プロトコル。
使用例:サポートから依頼された場合にのみ、このフィルタを使用する。
server/printing SGD 印刷サービス。
使用例:印刷ジョブが失敗する理由を確認する。
server/replication アレイ内の SGD サーバー間でのデータコピー。
使用例:アレイメンバー間でデータがコピーされない理由を確認する。
server/securid SecurID RSA Authentication Manager への接続。
使用例:SecurID 認証が機能しない理由を確認する。
server/security セキュアな SSL ベースの接続。
使用例:SSL デーモンが実行されない理由を確認する。
server/server SGD JServer コンポーネント。
使用例:他の場所には記録されない Java™ 実行時例外などの、SGD サーバーが失敗する問題を解決する。
server/services 内部の SGD サーバーサービス。
使用例:サービスが失敗する理由を確認する。
server/session ユーザーセッション。
使用例:セッションが中断に失敗する理由を確認する。
server/soap SOAP Bean インタフェース
使用例:SOAP Bean の問題を診断する。
server/soapcommands SOAP 要求。
使用例:受信した SOAP 要求をログに記録する。
server/tier3loadbalancing アプリケーションサーバーの負荷分散。
使用例:アプリケーションを起動するホストが選択されていない理由を確認する。
server/tokencache 認証トークンのキャッシュ。
使用例:あるユーザーに認証トークンが作成されない理由を確認する。
server/tscal Windows 以外のクライアント用の Windows ターミナルサービス Client Access License (CAL)。
使用例:Windows 以外のクライアントが CAL を保持しない理由を確認する。
server/webtop Webtop コンテンツ。
使用例:アプリケーションがユーザーの Webtop に表示されない理由を確認する。

重要度の選択

各ログフィルタについて、次の重要度レベルのいずれかを選択できます。

重要度 説明
fatalerror 致命的エラーに関する情報をログに記録します。
致命的エラーが発生すると、SGD サーバーは実行を停止します。SGD の初回インストール時には、すべての致命的エラーがデフォルトでログに記録されます。
error 発生したすべてのエラー情報をログに記録します。
SGD の初回インストール時には、すべてのエラーがデフォルトでログに記録されます。
warningerror システムリソースの減少などの、発生したすべての警告に関する情報をログに記録します。
SGD の初回インストール時には、すべての警告がデフォルトでログに記録されます。
info 情報ログ。
バグの解決や識別に役立ちます。
moreinfo 詳細な情報ログ。
auditinfo SGD サーバー設定の変更など、選択したイベントのログを監査目的で記録します。詳細については、「ログフィルタを使用した監査」を参照してください。

重要度 fatalerror の場合に生成される情報がもっとも少なくなり、重要度 moreinfo の場合に生成される情報量がもっとも多くなります。

重要度レベルの選択は、累積的ではありません。たとえば、info を選択しても、warningerror、または fatalerror ログメッセージは表示されません。複数の重要度レベルをログに記録する場合は、次に示すようにワイルドカードを使用します。

ワイルドカードの使用

ワイルドカード (*) を使用して、複数のコンポーネント、サブコンポーネント、および重要度に一致させることができます。たとえば、すべての警告、エラー、および致命的エラーメッセージを印刷用としてログに記録する場合、server/printing/*error を使用できます。

コマンド行でワイルドカードを使用する場合は、フィルタを引用符で囲んで、シェルにより展開されないようにする必要があります。

出力先の選択

ログの出力先として、以下を指定できます。

これらの出力先について以降のセクションで説明します。

ログファイルの使用

ログファイルに出力する場合、次の 2 種類のファイルに出力が可能です。

ファイルの形式は、出力先ファイルのファイル拡張子により制御されます。

ファイル名に %%PID%% プレースホルダーを含めることで、プロセス ID ごとに別個のログファイルを作成することもできます。

ログファイルは、/opt/tarantella/var/log ディレクトリに出力されます。ログファイルの位置を変更することはできませんが、symlink を使用してログを別の場所にリダイレクトできます。また、syslog ログハンドラを使用することもできます。詳細は、以下を参照してください。

ログハンドラの使用

ログハンドラは、ログメッセージの出力先として使用される JavaBeans コンポーネントです。ログハンドラを指定する場合は、TFN 名を使用する必要があります。SGD では、次の 2 つのログハンドラが提供されます。

ConsoleSink は、ログメッセージを読みやすい書式で標準エラーに書き出します。このログハンドラは、デフォルトで有効で、すべてのエラーをログに記録します。このログハンドラの TFN 名を、次に示します。

過去の書式設定済みテキストのスキップ.../_beans/com.sco.tta.server.log.ConsoleSink

SyslogSink は、ログメッセージを UNIX または Linux プラットフォームの syslog 機能に書き出します。このログハンドラの TFN 名を、次に示します。

過去の書式設定済みテキストのスキップ.../_beans/com.sco.tta.server.log.SyslogSink

ログフィルタの例

次に、一般的に使用されるログフィルタの例を示します。

ログ出力の表示

ログ出力を表示するには、次のいずれかを実行します。

tarantella query コマンドを使用する場合は、次のコマンドオプションを使用します。

これらのコマンドを使用してログ出力を表示できるのは、ログがアーカイブされるまでです。アーカイブの設定は SGD のインストール時に行いますが、tarantella setup コマンドを実行することでいつでも設定を変更できます。

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