付録   E

ログインスクリプト

この付録には、Sun Secure Global Desktop (SGD) ログインスクリプトに関する参照情報が記載されています。この情報を使用して、標準の SGD ログインスクリプトをカスタマイズしたり、ユーザー独自のログインスクリプトを作成したりできます。

この付録の内容は、次のとおりです。


SGD で提供するログインスクリプト

SGD で提供するログインスクリプトはすべて /opt/tarantella/var/serverresources/expect ディレクトリに格納されています。

SGD のログインスクリプトは、Tcl (version 8.4) と Expect (version 5.43) で作成されています。Expect は Tcl を拡張し、プログラムと対話するための追加のコマンドを提供します。

Tcl の詳細については、「Tcl Developer Exchange」を参照してください。

Expect の詳細については、「The Expect Home Page」を参照してください。

ログインスクリプトは、アプリケーションの設定時に使用できるスクリプトと、共通のコードを含むスクリプトに分類できます。使用可能なスクリプトについては、次の節を参照してください。

アプリケーションの設定時に使用されるログインスクリプト

アプリケーションに使用されるログインスクリプトは、次のように設定します。

次の表に、SGD で提供されるものの中でアプリケーションオブジェクトの「ログインスクリプト」属性として設定できるログインスクリプトと、それらの使用目的を示します。


スクリプト名 説明
unix.exp 文字型アプリケーションと X アプリケーション用の標準ログインスクリプト。

「ログインスクリプト」属性が空白の場合は、このスクリプトがデフォルトで使用されます。

すべてのアプリケーションの接続方法で使用できます。

securid.exp アプリケーションサーバーの認証用 SecurID を使っている場合、unix.exp をこれで置き換えます。

RSA SecurID を使用したアプリケーション認証を参照してください。

windows.exp Windows アプリケーション用の標準ログインスクリプト。

「ログインスクリプト」属性が空白の場合は、このスクリプトがデフォルトで使用されます。

「Windows プロトコル」属性に基づいて、他のログインスクリプトを呼び出します。

3270.exp 3270 アプリケーション用の標準ログインスクリプト。

「ログインスクリプト」属性が空白の場合は、このスクリプトがデフォルトで使用されます。

すべてのアプリケーションの接続方法で使用できます。

このスクリプトは、UNIX 用の TeemTalk 端末エミュレーションソフトウェアを実行するコマンドを構築します。

5250.exp 5250 アプリケーション用の標準ログインスクリプト。

「ログインスクリプト」属性が空白の場合は、このスクリプトがデフォルトで使用されます。

すべてのアプリケーションの接続方法で使用できます。

このスクリプトは、UNIX 用の TeemTalk 端末エミュレーションソフトウェアを実行するコマンドを構築します。

vms.exp 仮想メモリーシステム (VMS) アプリケーションサーバー上で実行されている X アプリケーションまたは文字型アプリケーションで使用されます。

rexec を除くすべてのアプリケーションの接続方法で使用できます。

VMS アプリケーションの設定を参照してください。

vmsrexec.exp VMS アプリケーションサーバー上で実行されている X アプリケーションまたは文字型アプリケーションで使用されます。

アプリケーション接続方法が rexec の場合にのみ使用できます。

VMS アプリケーションの設定を参照してください。

unixclass.exp シャドウィング可能な UNIX セッションの作成に使用されるスクリプト。仮想教室の状況で使用されます。

仮想教室の作成を参照してください。

winclass.exp シャドウィング可能な Windows セッションの作成に使用されるスクリプト。仮想教室の状況で使用されます。

仮想教室の作成を参照してください。

pupil.exp 仮想教室の状況で講師をシャドウィングする際に受講者によって使用されるスクリプト。

仮想教室の作成を参照してください。


共通のコードを含むログインスクリプト

次の表に、SGD で提供されるものの中で共通のコードを含むログインスクリプトと、それらの使用目的を示します。これらのスクリプトは、アプリケーションオブジェクトの「ログインスクリプト」属性としては設定できません。


スクリプト名 説明
runsubscript.exp ほかのすべての SGD ログインスクリプトを呼び出すために使用される標準のラッパーログインスクリプト。

ログインスクリプトに使用を許可する環境変数を設定します。

procs.exp ほかのスクリプトから呼び出されます。

共通の Tcl プロシージャーを定義します。

vars.exp ほかのスクリプトから呼び出されます。

ほかのログインスクリプトで使用される変数、メッセージ、およびタイムアウト時間を定義します。

securid-vars.exp securid.exp から呼び出されます。

SecurID 認証に必要な追加の変数とメッセージを定義します。

xauth.exp procs.expclassroom.exp から呼び出されます。

X 認証プロセス (シャドウィングのための X 認証権限を含む) を処理するために使用されます。

classroom.exp unixclass.expwinclass.exp、および pupil.exp から呼び出されます。

シャドウィング対象の X ディスプレイを取得するための共通の手続きを定義します。

unixwin.exp Citrix Independent Computing Architecture (ICA) Windows プロトコルを使用するよう設定された Windows アプリケーション用に、windows.exp によって呼び出されます。

このスクリプトは、ユーザーの PATH に、Merge または ICA UNIX クライアントソフトウェアのインストール先ディレクトリが含まれていることを前提にしています。

SCO Merge プロトコルは SGD ではサポートされなくなりましたが、従来の Windows アプリケーションオブジェクトはこのプロトコルを引き続き使用できます。

wcpwts.exp Microsoft リモートデスクトッププロトコル (RDP) Windows プロトコルを使用するよう設定された Windows アプリケーション用に、windows.exp によって呼び出されます。
wincenter.exp WinCenter または Citrix UNIX Integration Services Windows プロトコルを使用するよう設定された Windows アプリケーション用に、windows.exp によって呼び出されます。

WinCenter と Citrix UNIX Integration Services プロトコルは SGD ではサポートされなくなりましたが、従来の Windows アプリケーションオブジェクトはこれらのプロトコルを引き続き使用できます。



ログインスクリプトの Tcl コマンドおよびプロシージャー

SGD に付属しているログインスクリプトは、いくつかの Tcl コマンドおよびプロシージャーを使用してアプリケーションサーバーとの通信を行います。

「Tcl コマンド」は、SGD の実行プロトコルエンジンコンポーネントで定義されるコマンドです。これらのコマンドは、アプリケーションサーバーへの接続や SGD アプリケーション認証ダイアログおよび進行状況ダイアログの表示を制御するために、ユーザー独自のログインスクリプトで使用できます。

「TCL プロシージャー」は、ログインスクリプトのみで定義されます。これらのプロシージャーは、SGD アプリケーション認証ダイアログをより細かく制御するために使用できます。

SGD アプリケーション認証ダイアログの制御

次の Tcl コマンドおよびプロシージャーは、アプリケーションが起動されたときの SGD アプリケーション認証ダイアログの表示を制御するために使用されます。

authrequest


authrequest
 [ -normal | -changed ]
   -showuser 0|1
   -title title
   -message message
   -customuserlabel 0|1
   -userlabel label
   -custompasswdlabel 0|1
   -passwdlabel label
   -showpasscache 0|1
   -showsmartcard 0|1
   -isuserdialog 0|1|2

この Tcl コマンドは、ユーザー名またはパスワードに関する問題を示すダイアログボックスを表示します。

一般に、authrequest コマンドをログインスクリプトから直接呼び出すことはありません。代わりに、定義済みの Tcl プロシージャーを使用して、このコマンドを必要な引数とともに呼び出します。

このコマンドには次の引数があります。


引数 説明
-normal パスワードが正しくないことを指定します。
-changed パスワードの有効期限が切れていることを指定します。
-showuser ユーザー名フィールドを表示することを指定します。
-showpasswd パスワードが正しくないことを指定します。
-title 認証ダイアログに使用されるタイトルを指定します。
-message 認証ダイアログに表示されるメッセージを指定します。
-customuserlabel ユーザー名フィールドにカスタマイズされたラベルを使用するかどうかを指定します。
-userlabel ユーザー名フィールドに使用するカスタマイズされたラベルを指定します。
-custompasswdlabel パスワードフィールドにカスタマイズされたラベルを使用するかどうかを指定します。
-passwdlabel パスワードフィールドに使用するカスタマイズされたラベルを指定します。
-showpasscache 「このパスワードを保存する」チェックボックスを表示するかどうかを指定します。
-showsmartcard スマートカードオプションを表示するかどうかを指定します。
-isuserdialog 0|1|2 カスタマイズされた認証ダイアログを使用するかどうかを指定します。

次のいずれかを指定します。

  • 0 - ユーザー名が変更されたかどうかを確認しません

  • 1 - ユーザー名が変更されたかどうかを確認し、必要に応じてアプリケーションサーバーに再接続します

  • 2 - ユーザー名が変更された場合に SGD のデフォルトの動作を使用します


次の例では、パスワードが正しくないことを示すダイアログボックスを表示します。


authrequest -normal

authenticate

ユーザー名とパスワードに関する問題点を示すダイアログボックスを表示します。

この Tcl プロシージャーは、次のオプションを使用して authrequest コマンドを呼び出します。


authenticate [ -normal | -changed ]

authenticate2

ユーザー名とパスワードに関する問題点を示すダイアログボックスを表示します。ダイアログにユーザー独自のタイトルを使用したり、ユーザー独自のメッセージを表示したりできます。また、ユーザー名およびパスワードフィールドを表示するかどうかを制御することもできます。

この Tcl プロシージャーは、次の引数を使用して authrequest コマンドを呼び出します。


authenticate2
 [ -normal | -changed ]
   -showuser 0|1
   -showpasswd 0|
   -title title
   -message message

customauthenticate

ユーザー名とパスワードに関する問題点を示すダイアログボックスを表示します。認証ダイアログを完全にカスタマイズできます。

このプロシージャーでは、実行プロトコルエンジンはユーザーがユーザー名フィールドに入力したテキストを確認しません。アプリケーションの接続方法として Secure Shell (SSH) が使用されており、ユーザーがユーザー名を変更した場合、実行プロトコルエンジンは接続を中断しないで、新しいユーザー名として再接続します。これにより、アプリケーションの起動が失敗する場合があります。SSH を使用しており、ユーザーがユーザー名を変更できるようにする場合は、代わりに userauthenticate プロシージャーを使用してください。

この Tcl プロシージャーは、次の引数を使用して authrequest コマンドを呼び出します。


customauthenticate
 [ -normal | -changed ]
   -showuser 0|1
   -title title
   -message message
   -customuserlabel 0|1
   -userlabel label
   -custompasswdlabel 0|1
   -passwdlabel label
   -showpasscache 0|1
   -showsmartcard 0|1

userauthenticate

ユーザー名とパスワードに関する問題点を示すダイアログボックスを表示します。認証ダイアログを完全にカスタマイズできます。

このプロシージャーは、ユーザーによってユーザー名が変更されたかどうかを確認する点を除き、customauthenticate と同じです。ユーザー名が変更されている場合、実行プロトコルエンジンはアプリケーションサーバーへの接続を中断し、変更されたユーザーとして再接続します。

この Tcl プロシージャーは、次の引数を使用して authrequest コマンドを呼び出します。


userauthenticate
 [ -normal | -changed ]
   -showuser 0|1
   -showpasswd 0|1
   -title title
   -message message
   -customuserlabel 0|1
   -userlabel label
   -custompasswdlabel 0|1
   -passwdlabel label
   -showpasscache 0|1
   -showsmartcard 0|1

SGD 進行状況ダイアログの制御

次の Tcl コマンドは、アプリケーションが起動されたときの SGD 進行状況ダイアログの表示を制御するために使用されます。

loaderror


loaderror error

この Tcl コマンドを使用すると、ログインスクリプトから返されたエラーメッセージを上書きできます。この関数を使用すると、たとえば、ログインスクリプトの標準のエラーメッセージをユーザー独自のメッセージに置き換えることができます。アプリケーションの起動に失敗した場合、エラーは進行状況ダイアログとログファイルに表示されます。ログインスクリプトのエラーメッセージを参照してください。

clienttimer


clienttimer [ time ] [ message ] [ timers ]

この Tcl コマンドは、指定された time の間、message を進行状況ダイアログボックスに表示します。進行状況バーには、合計の timers セクションがあります。例を次に示します。


clienttimer 10 "Launching the application" 4

canceltimer


canceltimer

この Tcl コマンドは、clienttimer コマンドをキャンセルします。このコマンドには引数がありません。

progress


progress [ message ]

この Tcl コマンドは、message を進行状況ダイアログボックスに表示します。例を次に示します。


progress "Initializing..."

アプリケーションサーバーへの接続の制御

次の Tcl コマンドは、アプリケーションサーバーへの接続を制御するために使用されます。

setbuffer


setbuffer [ -buffer num ] [ -output 0|1 ]

この Tcl コマンドは、アプリケーションサーバーから読み込むバイト数を定義します。


引数 説明
-buffer num バイト数を指定します。デフォルト値は 1 です。
-output 0|1 出力をオン (1) またはオフ (0) にします。デフォルト値は 1 です。

例を次に示します。


setbuffer -buffer 1000

locallaunch


locallaunch [ -start ] [ -abort ] [ -user launchspec -root launchspec ]

この Tcl コマンドは、アプリケーションサーバーが SGD サーバーも兼ねている場合に、アプリケーションを起動します。これは「最適化起動」と呼ばれます。


引数 説明
-start 最適化起動で起動します。
-abort 最適化起動を停止し、標準の接続方法に戻ります。
-user launchspec ユーザーが UNIX または Linux の root ユーザーでない場合に、SGD サーバー上でアプリケーションを起動するのに使う接続方法を定義します。

起動がデタッチされているアプリケーション (バックグラウンドアプリケーション) と起動がデタッチされていないアプリケーション (フォアグラウンドアプリケーション) に、別の動作を指定できます。

launchspec には、次のいずれかを指定できます。

  • 0 - すべてのアプリケーションを、アプリケーションオブジェクトに定義されている接続方法を使って起動します。

  • 1 - バックグラウンドアプリケーションは /bin/su を使用します。フォアグラウンドアプリケーションは、アプリケーションオブジェクトの接続方法を使用します。

  • 2 - バックグラウンドアプリケーションは、アプリケーションオブジェクトの接続方法を使用します。フォアグラウンドアプリケーションは /bin/su を使用します。

  • 3 - すべてのアプリケーションを /bin/su を使って起動します。

デフォルト値は 1 です。

-root launchspec ユーザーが UNIX または Linux の root ユーザーである場合に、SGD サーバー上でアプリケーションを起動するのに使う接続方法を定義します。

起動がデタッチされているアプリケーション (バックグラウンドアプリケーション) と起動がデタッチされていないアプリケーション (フォアグラウンドアプリケーション) に、別の動作を指定できます。

launchspec には、次のいずれかを指定できます。

  • 0 - すべてのアプリケーションを、アプリケーションオブジェクトに定義されている接続方法を使って起動します。

  • 1 - バックグラウンドアプリケーションは /bin/su を使用します。フォアグラウンドアプリケーションは、アプリケーションオブジェクトの接続方法を使用します。

  • 2 - バックグラウンドアプリケーションは、アプリケーションオブジェクトの接続方法を使用します。フォアグラウンドアプリケーションは /bin/su を使用します。

  • 3 - すべてのアプリケーションを /bin/su を使って起動します。

  • 4 - すべてのアプリケーションを、アプリケーションオブジェクトに定義されている接続方法を使って起動します。

デフォルト値は 3 です。


例を次に示します。


locallaunch -abort

tarantella


tarantella -nosocket -portnumber num -thirdtiershell shell

この Tcl コマンドは、アプリケーションサーバーへの接続を設定するために使用されます。sgdconnect コマンドを使用する前に、接続を設定する必要があります。


引数 説明
-nosocket アプリケーションの起動に他の方法を使用することを指定します。起動方法の実装は、スクリプト作成者が行う必要があります。たとえば、Expect の spawn コマンドを使用します。これを行なえるのは、X アプリケーションなど、永続的な接続を必要としないアプリケーションの場合だけです。このコマンドが役立つのは、特殊なアプリケーションサーバーを扱う場合や、既存のアプリケーション起動メカニズムと統合化する必要がある場合です。
-portnumber num アプリケーションサーバーへの接続に使用されるポートを上書きします。このオプションを使用する場合は、sgdconnect コマンドの前に tarantella コマンドを実行する必要があります。そうしないと、ポート番号が無視されます。
-thirdtiershell shell アプリケーションサーバーで使用するシェルを指定します (たとえば、/bin/sh)。

次の例は、TCP ポート 5999 上でアプリケーションサーバーに接続します。


tarantella -portnumber 5999

sgdconnect


sgdconnect

実行プロトコルエンジンに、アプリケーションサーバーに接続するよう指示します。このコマンドには引数がありません。

ほとんどの SGD ログインスクリプトは、sgdconnect を使用して接続を確立します。アプリケーションサーバーへの接続を自分で処理する場合は、スクリプトでこのコマンドが使用されないようにする必要があります。

wcpwts.exp 標準ログインスクリプトは、アプリケーションサーバーへの接続にこのコマンドを使用しないログインスクリプトの例です。


ログインスクリプトの変数

SGD のログインスクリプトは、多くの変数を使用します。変数は、常に使用可能な保証されている変数と、値を持つ場合にのみ使用可能なオプション変数に分類できます。

ログインスクリプトで変数を使用するには、その変数が runsubscript.exp ログインスクリプトで定義されている必要があります。

次の節では、保証されている変数とオプション変数、およびそれらの使用目的について説明します。

ログインスクリプトの保証されている変数

保証されている変数は、実行するコマンドの名前、ログイン先のアプリケーションサーバー、および使用する接続方法を格納します。

すべてのログインスクリプトは、少なくともいくつかの保証されている変数を使用します。

保証されている変数は常に存在しますが、NULL 値を持つ場合があります。


変数 説明
ALTDISPLAY ユーザーのクライアントデバイスの完全修飾 DNS (ドメインネームシステム) 名と、使用するディスプレイ番号。
DISPLAY ユーザーのクライアントデバイスの IP (Internet Protocol) アドレスと、使用するディスプレイ番号。
TTA_AGEDPASSWORD 古くなったパスワードを手動で処理するか、ダイアログで処理するかを指定します。
TTA_ALLOWTHIRDTIERDIALOG ユーザーのパスワードが古い場合、存在しない場合、または正しくない場合に、アプリケーションサーバーのダイアログボックスを表示するかどうかを指定します。この変数に指定できる値は次のとおりです。
  • user - ユーザーが Shift キーを押しながらアプリケーションのリンクをクリックした場合、またはパスワードに問題がある場合

  • system - パスワードに問題がある場合のみ

  • none - ダイアログボックスを表示しない

TTA_AUXCOMMANDS アプリケーションサーバー上で実行する予備コマンド。この変数は、アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウマネージャー」属性に対応します。
TTA_CLIENT_IPADDR ユーザーのクライアントデバイスの IP アドレス。これは SGD Client によって取得された IP アドレスです。
TTA_COMMAND アプリケーションサーバー上で実行するコマンド。この変数は、アプリケーションオブジェクトの「アプリケーションコマンド」属性に対応します。
TTA_CONNECTIONSERVICE アプリケーションサーバーへの接続に使うトランスポート。この変数は、アプリケーションオブジェクトの「接続方法」属性に対応します。
TTA_ENVIRONMENT アプリケーションサーバー上で必要なすべての環境変数の設定。この変数は、アプリケーションオブジェクトの「環境変数」属性に対応します。
TTA_HOSTNAME ログインスクリプトの接続先のアプリケーションサーバー。この変数は、アプリケーションの負荷分散機能により、アプリケーションオブジェクトの「ホストしているアプリケーションサーバー」タブに表示されている中から選択されます。
TTA_HOSTPROBE ttahostprobe バイナリへのパス。アプリケーションサーバーが使用可能かどうかを確認するために使用されます。
TTA_IPADDRESS アプリケーションサーバーの IP アドレス。
TTA_LOGFILE エラーメッセージと診断メッセージが記録されるログファイルの名前。

デフォルトでは、scriptID.log という形式です。ここで、script はログインスクリプトの名前であり、ID は SGD サーバーのプロセス ID です。

NULL を設定した場合、メッセージは保存されません。

メッセージをこのログファイルに記録するには、作成するログインスクリプトに次のコードを記載します。

log_file $env(TTA_LOGFILE)

TTA_PORT アプリケーションオブジェクトに対して設定された接続方法でアプリケーションサーバーに接続するときに使用するポート。
TTA_PRIMARY_DNSNAME プライマリ SGD サーバーの完全修飾 DNS 名。

この変数を使うと、ログインスクリプトがデフォルトプリンタの値を設定する際に、正しい SGD プリンタを選択できます。この変数は、/etc/ttaprinter.conf ファイル内の複数のエントリを区別するために使用されます。

TTA_SCRIPT runsubscript.exp のあとに実行される Expect スクリプト (たとえば、unix.exp)。
TTA_SECOND_TIER_DNSNAME アプリケーションセッションをホストしている SGD サーバーの完全修飾 DNS 名。

TTA_THIRD_TIER_DNSNAME で、アプリケーションサーバーと SGD サーバーが同じかどうかを判定し、同じ場合は最適化された起動プロセスを使用するために使用されます。

TTA_THIRD_TIER_DNSNAME アプリケーションをホストしているアプリケーションサーバーの完全修飾 DNS 名。

TTA_SECOND_TIER_DNSNAME で、アプリケーションサーバーと SGD サーバーが同じかどうかを判定し、同じ場合は最適化された起動プロセスを使用するために使用されます。

TTA_THIRD_TIER_VARS アプリケーションサーバー上の環境に対してエクスポートする変数のリスト。
TTA_STDERR 一時エラーファイル。
TTA_WILLDISCONNECT コマンドを一度実行したあとに、接続を切るかどうかを指定します。
TTA_XLAUNCH アプリケーションが X アプリケーションかどうかを指定します。この変数の値は 0 または 1 です。

次に示す保証されている変数も、runsubscript.exp で定義されます。これらの変数は、アプリケーションの起動時に SGD サーバーで使用されます。

ログインスクリプトのオプション変数

オプション変数は、アプリケーション、ユーザー、およびユーザーのセッションに関する追加情報を格納します。

オプション変数は一般に、条件をテストし、テスト結果に基づいてログインスクリプトの動作を変更します。オプション変数は、値を持っている場合にのみ存在します。たとえば、TTA_ResumeTimeOut 変数は、アプリケーションオブジェクトの「アプリケーションの再開機能」属性が値を持っている場合にのみ存在します。

ほとんどのオプション変数は、オブジェクト属性の値を格納します。起動するアプリケーションには、オプション変数として使用可能になっているアプリケーションオブジェクトの属性があります。同様に、ユーザープロファイルの属性も同じ方法で使用可能になります。ほかのオプション変数は、ユーザーのセッションに関する追加情報を格納します。


変数 説明
TTA_Appearance 文字型アプリケーションオブジェクトの「枠線のスタイル」属性に対応します。
TTA_AppletHeight アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 高さ」属性に対応します。
TTA_AppletWidth アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 幅」属性に対応します。
TTA_ApplicationName アプリケーションオブジェクトの完全修飾名。
TTA_ApplicationPlacement アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウタイプ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、multiplewindows (クライアントウィンドウ管理)、awtwindow (独立ウィンドウ)、kiosk (キオスク)、localx (ローカル X サーバー)、および seamlesswindows (シームレスウィンドウ) です。

TTA_Arguments アプリケーションオブジェクトの「コマンドの引数」属性に対応します。
TTA_AudioQuality Administration Console の「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブにある「Windows オーディオ品質」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、lowmedium、および high です。

TTA_Autowrap 文字型アプリケーションオブジェクトの「行の折り返し」属性に対応します。
TTA_BackgroundColor 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「背景色」属性に対応します。
TTA_ButtonLevels 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「表示されるソフトボタン」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、0 (ボタンなし)、1 (2 行)、2 (4 行)、3 (6 行)、および 4 (8 行) です。

TTA_CachePassword ユーザーがアプリケーションサーバーのユーザー名とパスワードの入力したときに「このパスワードを保存しますか?」ボックスを選択したかどうかを指定します。
TTA_CodePage 文字型アプリケーションオブジェクトの「コードページ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、4378508528608638658859-18859-2MultinationalMazovia、または CP852 です。

TTA_ColorMap 文字型アプリケーションオブジェクトの「カラーマップ」属性に対応します。
TTA_Columns 文字型アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: カラム」属性に対応します。
TTA_Compression アプリケーションオブジェクトの「コマンドの圧縮」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、automaticon、または off です。

TTA_ContinuousMode アプリケーションオブジェクトの「コマンドの実行」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、automaticon、または off です。

TTA_ControlCode 文字型アプリケーションオブジェクトの「エスケープシーケンス」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、7-bit または 8-bit です。

TTA_Cursor 文字型アプリケーションオブジェクトの「カーソル」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、offblock、または underline です。

TTA_CursorKeyMode 文字型アプリケーションオブジェクトの「カーソルキーコードの変更」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、application または cursor です。

TTA_DelayedUpdate アプリケーションオブジェクトの「遅延更新」属性に対応します。
TTA_DisplayEnginePage アプリケーションオブジェクトの「エミュレータアプレットページ」属性に対応します。

注 - この属性は使用されなくなりました。

TTA_DisplayName ユーザープロファイルの「名前」属性に対応します。
TTA_Domain アプリケーションオブジェクトの「ドメイン名」属性に対応します。
TTA_EuroMapping アプリケーションオブジェクトの「ユーロ文字」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、iso8859-15 または unicode です。

TTA_FilePath アプリケーションオブジェクトの「アプリケーションコマンド」属性に対応します。
TTA_FixedFontSize 文字型アプリケーションオブジェクトの「フォントサイズ: 固定」属性に対応します。
TTA_FontFamily 文字型アプリケーションオブジェクトの「フォントファミリ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、courierhelvetica、または timesroman です。

TTA_FontSize 文字型アプリケーションオブジェクトの「フォントサイズ」属性に対応します。
TTA_ForegroundColor 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「前景色」属性に対応します。
TTA_GraphicsAcceleration アプリケーションオブジェクトの「グラフィックアクセラレーション」属性に対応します。
TTA_Height アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 高さ」属性に対応します。

この変数は、TTA_AppletHeight 変数と同じ情報を提供します。

TTA_HostLocale アプリケーションサーバーオブジェクトの「プロンプトのロケール」属性に対応します。
TTA_HostName ログインスクリプトの接続先のアプリケーションサーバー。

この変数は、アプリケーションサーバーの負荷分散機能により、アプリケーションオブジェクトの「ホストしているアプリケーションサーバー」タブに表示されている中から選択されます。

TTA_IBMHostName 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「サーバーアドレス」属性に対応します。
TTA_Icon アプリケーションオブジェクトの「アイコン」属性に対応します。
TTA_InstanceName アプリケーションセッション ID。
TTA_InterlacedImages アプリケーションオブジェクトの「インターレースイメージ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、automaticon、または off です。

TTA_KeyboardType 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「キーボードタイプ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、pcsun4sun5、および hp です。

TTA_KeymapLock アプリケーションオブジェクトの「キーボードマップ」属性に対応します。
TTA_KeypadMode 文字型アプリケーションオブジェクトの「数字パッドコードの変更」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、application または numeric です。

TTA_Lines 文字型アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 行」属性に対応します。
TTA_LocalAddr SGD ホストの IP アドレス。
TTA_LoginScript アプリケーションオブジェクトの「ログインスクリプト」属性に対応します。
TTA_Maximise 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ」属性に対応します。
TTA_MiddleMouseTimeout アプリケーションオブジェクトの「マウスの中ボタンのタイムアウト」属性に対応します。
TTA_ParentName アプリケーションオブジェクトの完全修飾名。

この変数は、TTA_ApplicationName 変数と同じ情報を提供します。

TTA_PortNumber 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「サーバーポート」属性に対応します。
TTA_ProtocolArguments Windows アプリケーションオブジェクトの「プロトコルの引数」属性に対応します。
TTA_RemoteAddr アプリケーションの実行に使用されるアプリケーションサーバーの IP アドレス。
TTA_RequiresDisplayEngine アプリケーションにディスプレイエンジンが必要かどうかを指定します。
TTA_ResumeTimeOut アプリケーションオブジクトの「アプリケーションの再開機能: タイムアウト」属性に対応します。
TTA_RootColor アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウの色: カスタム色」属性に対応します。
TTA_RootType アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウの色」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、default または color です。

TTA_ScrollStyle 文字型アプリケーションオブジェクトの「スクロールスタイル」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、normaljump、または smooth です。

TTA_SecureConnection ユーザープロファイルの「セキュリティー」タブに対応します。
TTA_SessionExit アプリケーションオブジェクトの「セッション終了」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、lastclient (最後のクライアントの終了)、windowmanager (ウィンドウマネージャーの終了)、windowmanageralone (ウィンドウマネージャーのみ残っている)、loginscript (ログインスクリプトの終了)、nowindows (表示中のウィンドウがない)、および loginscriptnowindows (「ログインスクリプトの終了」または「表示中のウィンドウがない」) です。

TTA_SettingsItem 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「ファイル」メニューと「設定」メニュー」属性に対応します。
TTA_StatusLine 文字型アプリケーションオブジェクトの「ステータス行」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、noneindicator、および host writablestandard、または extended です。

TTA_Suspend アプリケーションオブジクトの「アプリケーションの再開機能」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、neversession (ユーザーセッション)、および forever (常に) です。

TTA_TerminalClass 文字型アプリケーションオブジェクトの「エミュレーションタイプ」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、scoconsolevt420、または wyse60 です。

TTA_TerminalType 文字型アプリケーションオブジェクトの「端末タイプ」属性に対応します。
TTA_TNClose 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「接続終了アクション」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、0 (ユーザーにアクションを要求)、1 (エミュレータを終了)、2 (再接続)、および 3 (接続を閉じる) です。

TTA_TopMenuBar 3270 または 5250 アプリケーションオブジェクトの「メニューバー」属性に対応します。
TTA_Transport アプリケーションオブジェクトの「接続方法」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、rexectelnet、または ssh です。

保証されている変数 TTA_CONNECTIONSERVICE も、この情報を提供します。

TTA_UserName このアプリケーションセッションを使うユーザーの完全修飾名。
TTA_UserSecurityEquivalent ユーザープロファイルの「ユーザー名」属性に対応します。
TTA_UNIXAUDIO_QUALITY Administration Console の「グローバル設定」 → 「クライアントデバイス」タブにある「UNIX オーディオ品質」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、lowmedium、および high です。

TTA_UNIXAUDIOPRELOAD X アプリケーションオブジェクトの「オーディオリダイレクトライブラリ」属性に対応します。
TTA_ViewHostReply アプリケーションオブジェクトの「起動接続をオープンしたまま保持」属性に対応します。
TTA_WebTop 「Webtop テーマ」属性に対応します。

注 - この属性は使用されなくなりました。

TTA_Width アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 幅」属性に対応します。

この変数は、TTA_AppletWidth 変数と同じ情報を提供します。

TTA_WinCursor アプリケーションオブジェクトの「Windows カーソルを使用」属性に対応します。

注 - この属性は使用されなくなりました。

TTA_WindowsApplicationServer Windows アプリケーションオブジェクトの「Windows プロトコル」属性に対応します。

この変数に指定できる値は、wincenterwincentermf (Citrix UNIX Integration Services)、merge (SCO Merge)、winframe (Citrix ICA)、wcpwts (Microsoft RDP)、または none です。Citrix ICA と Microsoft RDP のみがサポートされています。その他のプロトコルは、従来の SGD Windows アプリケーションオブジェクトでのみ使用可能です。

TTA_WindowsApplicationSupport Windows アプリケーションオブジェクトの「Windows プロトコル: 最初にクライアントからの実行を試行する」属性に対応します。


ログインスクリプトのタイムアウト時間

SGD では、アプリケーションの起動時にいくつかのタイムアウト時間が使用されます。次のタイムアウト時間が用意されています。



注 - 実行プロトコルエンジンのタイムアウト時間を除き、タイムアウト時間はどれも、Microsoft RDP プロトコルを使用するように設定された Microsoft Windows アプリケーションの起動時には適用されません。



Expect のタイムアウト時間

Expect のタイムアウト時間は vars.exp ログインスクリプトで定義されます。次の表に、使用可能な Expect のタイムアウト時間とそのデフォルト値を示します。


タイムアウト デフォルト値
timeouts(hostprobe) 30 秒
timeouts(prelogin) 40 秒
timeouts(loggedin) 20 秒

Expect スクリプトのタイムアウト時間を超過すると、スクリプトはプロンプトの推測を試みてアプリケーションの起動処理を継続します。

timeouts(hostprobe)

timeouts(hostprobe) タイムアウトは、unix.exp ログインスクリプトから呼び出されます。これは ttahostprobe バイナリからの応答を待つ時間です。ttahostprobe バイナリは、アプリケーションサーバーが使用可能かどうかを確認するために使用されます。

ttahostprobe バイナリは応答を標準出力 (stdout) に出力し、成功の場合は y を、失敗の場合は n を返します。

timeouts(prelogin)

ログインフェーズで、必要な文字列の照合のため、各 Expect コマンドに対して許可される時間。

たとえば、アプリケーションサーバーとの接続の確立後、スクリプトがログインプロンプトの照合に使用できる時間は、デフォルトで 40 秒です。これが経過するとタイムアウトとなります。照合が成功するたびに、タイマーはリセットされます。ログイン中、タイムアウト時間は通常、ログインプロンプト、パスワードプロンプト、およびシェルプロンプトの処理ごとにリセットされます。

このタイムアウト時間を増やすと、ログインの各フェーズに許可される時間も増えます。このタイムアウト時間は、ログインの最長のフェーズを完了できるように、十分に大きな値に設定する必要があります。

このタイムアウト時間を超過すると、スクリプトは「ログイン状態にあり、シェルプロンプトの照合に失敗した」と判断し、アプリケーションサーバーに "echo SYNC" を送信してプロンプト文字列を推測します。タイマー時間を超過したときにユーザーがログインしていないと、アプリケーションの起動に失敗します。そうでない場合は、"echo SYNC" の直後にアプリケーションサーバーが送信した値がシェルプロンプトに設定され、起動処理が引き続き実行されます。



注 - "echo SYNC" が表示され、シェルプロンプトが $%#、または > で正常に終了する場合は、timeouts(prelogin) 値が短すぎます。



timeouts(loggedin)

ユーザーのログイン後、必要な文字列の照合のため、各 Expect コマンドに対して許可される時間。

タイムアウト時間を超過すると、スクリプトは次のコマンドに移行します。それが原因で、プロンプトが返される前にコマンドが送信される場合があります。

このタイムアウトがよく発生するのは、スクリプトでのシェルプロンプトの設定が間違っている場合です。そのような場合、デフォルトでは各コマンドは 20 秒待ってから次のコマンドに移行し、クライアントタイマーのいずれか 1 つをトリガーすることができます。

クライアントタイマー

クライアントタイマーは、clienttimerTcl コマンドを使って設定します (clienttimerを参照)。クライアントタイマーの時間を超過すると、致命的な ErrApplicationServerTimeout エラーでアプリケーション起動が取り消されます。

クライアントタイマーは vars.exp ログインスクリプトで定義されます。

次の表に、使用可能なクライアントタイマーとそのデフォルト値を示します。


タイマー デフォルト値
timers(login) timeouts(prelogin) + 10 秒
timers(env) 40 秒
timers(runmain) 40 秒
timers(build) 25 秒
timers(total) 5 秒

timers(login)

ログインフェーズが完了するまで (接続の確立から最初のシェルプロンプトの受信まで) の総時間。

この timers(login) タイマーは、すべてのログインフェーズをカバーできるだけの十分な長さでなければなりません。ログインの各フェーズ (ログインプロンプト、パスワードプロンプト、シェルプロンプト) は、最大で、timeouts(prelogin) タイムアウトに対して定義された秒数だけ継続する可能性があります。このタイマーの値は、常に Expect のタイムアウト時間 timeouts(prelogin) より大きくなければなりません。

Expect のタイムアウト時間 timeouts(prelogin) を増やす場合は、timers(login) タイマーも増やして、その差を 10 以上に保つようにしてください。

timers(env)

最初のシェルプロンプトを受信してからアプリケーションサーバーの環境変数がすべてエクスポートされるまでの総時間。

timers(runmain)

最後の環境変数が設定されてからメインアプリケーションが起動されるまでの総時間。

timers(build)

実行対象のコマンド行の作成にかかる総時間。このタイマーは、SCO Merge プロトコルを使用している Windows アプリケーションを起動する場合にのみ使用されます。



注 - SCO Merge プロトコルのサポートは終了しており、従来の SGD Windows アプリケーションオブジェクトでのみ使用できます。



timers(total)

クライアントタイマーの総数。この設定は、クライアントタイマーを追加または削除する場合に変更します。

その他のタイムアウト時間

procs.exp ログインスクリプトには、コマンドの発行時の 3 秒のタイムアウト時間が含まれています。これは proc wait_for_prompt プロシージャーで定義されます。

実行プロトコルエンジンのデフォルトのタイムアウト時間は 180 秒 (3 分) です。このタイムアウト時間は、アプリケーションの起動要求を受信したときに起動され、アプリケーションの起動処理が正常終了すると削除されます。このタイムアウト時間を超過すると、アプリケーションの起動処理が取り消されます。このタイムアウト時間は、各 SGD サーバーに固有の値です。

このタイムアウト時間を変更するには、次のコマンドを使用します。


$ tarantella config edit \
  --tarantella-config-execpeconfig-maxlaunchtime secs



注 - このタイムアウト時間をアレイ内のすべての SGD サーバーについて変更するには、このコマンドで --array オプションを使用します。




ログインスクリプトのエラーメッセージ

次の表で、ログインスクリプトで発生する可能性のあるエラーコードとエラーメッセージ、およびそれに対する処置について説明します。これらの情報を使用して、ログインスクリプトが失敗する原因を診断してください。


コード エラーメッセージと説明
0 ErrOK

ログインスクリプトがアプリケーションサーバーに正常に接続し、アプリケーションを起動しました。

1 ErrApplicationServerResourceFailure

ログインスクリプトが、アプリケーションサーバー上のシステムリソース不足が原因で失敗しました。

アプリケーションサーバーがアプリケーションを確実に実行できるようにしてください。

2 ErrApplicationServerNoLicenseAvailable

アプリケーションサーバー上で使用可能なライセンスがありません。

アプリケーションサーバーの予想接続数を満たすだけのライセンスを確保してください。

3 ErrFaultInExecutionScript

ログインスクリプトに構文エラーがあります。

ログインスクリプトを確認してください。

4 ErrApplicationServerLoginFailed

ログインスクリプトが、アプリケーションサーバーへのログインに失敗しました。

ErrApplicationServerLoginFailed エラーのトラブルシューティング を参照してください。

5 ErrApplicationServerLoginIncorrect

アプリケーションサーバーに入力したユーザー名とパスワードが受け付けられませんでした。

ユーザー名とパスワードが、そのアプリケーションサーバー上で有効なものか確認してください。

6 ErrApplicationServerPasswordAged

アプリケーションサーバー上でユーザーのパスワードの有効期限が切れています。

ユーザーがアプリケーションサーバー上で有効なパスワードを持っているか確認してください。

このエラーが表示されないようにするには、期限経過パスワードを処理するように SGD を設定します。これは、Administration Console の「グローバル設定」 → 「アプリケーション認証」タブで設定します。

7 ErrCommandExecutionFailed

ログインスクリプトは、正常にアプリケーションサーバーにログインしましたが、アプリケーションを実行できませんでした。

アプリケーションオブジェクトの「アプリケーションコマンド」属性に有効なコマンドが含まれていることを確認してください。

ユーザーがアプリケーションサーバー上の /tmp ディレクトリに対する書き込み権を持っていることを確認してください。

8 ErrApplicationServerConnectionFailed

ログインスクリプトが、アプリケーションサーバーへのログインに失敗しました。

手動でアプリケーションサーバーにログインできるか確認してください。

9 ErrApplicationServerEndOfFileOnConnection

アプリケーションサーバーへの接続時に、ログインスクリプトで EOF (End of File) エラーが発生しました。

EOF エラーが返された原因を調査してください。

10 ErrApplicationServerTimeout

アプリケーションサーバーへの接続時にログインスクリプトがタイムアウトになりました。

ErrApplicationServerTimeout エラーのトラブルシューティングを参照してください。

12 ErrInvalidDesktopSize

Windows アプリケーションに定義されている幅と高さが有効ではありません。

アプリケーションオブジェクトの「ウィンドウのサイズ: 幅」および「ウィンドウのサイズ: 高さ」属性を確認してください。

14 ErrCouldNotPipe

ログインスクリプトが、実行プロトコルエンジンで、親プロセスと子プロセスとの間にパイプを作成できませんでした。

このエラーは、アプリケーションサーバーのメモリーが不足していることを示している可能性があります。サーバー上で実行されているほかのアプリケーションの数を確認し、必要に応じてメモリーのサイズを大きくしてください。

15 ErrCouldNotFork

ログインスクリプトが、実行プロトコルエンジンで子プロセスをフォークできませんでした。

このエラーは、アプリケーションサーバーのメモリーが不足していることを示している可能性があります。サーバー上で実行されているほかのアプリケーションの数を確認し、必要に応じてメモリーの容量を大きくしてください。

16 ErrScriptRead

実行プロトコルエンジンでスクリプトプロセスから情報を読み取ろうとしたときに、ログインスクリプトからエラーが生成されました。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

17 ErrScriptWrite

実行プロトコルエンジンでスクリプトプロセスに情報を書き込もうとしたときに、ログインスクリプトからエラーが生成されました。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

18 ErrThirdTierWrite

実行プロトコルエンジンでアプリケーションサーバーに情報を書き込もうとしたときに、ログインスクリプトからエラーが生成されました。

このエラーは通常、アプリケーションサーバーへの接続が失われたことを意味します。アプリケーションサーバーが使用可能かどうかを確認してから、アプリケーションを再度実行してみてください。

19 ErrThirdTierRead

実行プロトコルエンジンでアプリケーションサーバーから情報を読み取ろうとしたときに、ログインスクリプトからエラーが生成されました。

このエラーは通常、アプリケーションサーバーへの接続が失われたことを意味します。アプリケーションサーバーが使用可能かどうかを確認してから、アプリケーションを再度実行してみてください。

21 ErrTransportNotAvailable

ログインスクリプトが、要求された接続方法を使ってアプリケーションサーバーに接続できませんでした。

アプリケーションサーバーがその接続方法をサポートしているか確認してください。アプリケーションサーバーが使用可能かどうか確認してください。

22 ErrLogFileError

これはアプリケーション起動エラーではありません。SGD がプロトコルエンジンマネージャー用のログファイルを作成できませんでした。

問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

27 ErrThirdTierFailure

アプリケーションサーバーで問題が発生しました。

サーバーが使用可能であるか、およびアプリケーションを手動で実行できるかを確認してください。

30 ErrLoginPasswordNotAvailable

ログインスクリプトがアプリケーションサーバーにパスワードを提供できませんでした。

このエラーは通常、実行プロトコルエンジンのタイムアウトがトリガーされたことを意味します。実行プロトコルエンジンのタイムアウト時間を増やす方法の詳細については、 を参照してください。

31 ErrRequestNotSupported

ログインスクリプトが要求された予備コマンドを実行できません。

アプリケーションオブジェクトの「コマンドの引数」属性が正しく設定されており、追加のコマンドがアプリケーションサーバー上で機能することを確認してください。

32 ErrRequestNotImplemented

要求された操作が実装されていないため、ログインスクリプトがその操作を実行できません。

問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

33 ErrUnknown

実行プロトコルエンジンでエラーが発生しました。

ログファイルを確認し、アプリケーションを再度実行してみてください。

34 ErrInternalError

プロトコルエンジンマネージャーでエラーが発生しました。

ログファイルを確認し、アプリケーションを再度実行してみてください。

37 ErrProtocolEngineDied

プロトコルエンジンのプロセスで障害が発生しました。

ログファイルでプロトコルエンジンのプロセス ID を確認し、アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

43 ErrExpectInitialisationFailed

SGD が Expect インタプリタを初期化できなかったため、スクリプトが実行されませんでした。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

44 ErrEvalFileFailed

ログインスクリプトファイルが存在しません。または、Expect インタプリタの失敗の原因となる構文エラーがこのファイルに含まれています。

ログインスクリプトが指定されたディレクトリ内に存在しているか確認してください。SGD で提供するログインスクリプトはすべて /opt/tarantella/var/serverresources/expect ディレクトリに格納されています。実行プロトコルエンジンのエラーログファイルで、このスクリプトのエラー詳細を確認してください。

45 ErrCreateInterpreterFailed

SGD が Tcl インタプリタを初期化できなかったため、スクリプトが実行されませんでした。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

46 ErrChdirFailed

ログインスクリプトが、スクリプトが格納されているディレクトリへの移動に失敗しました。

スクリプトへのパスを確認してください。

47 ErrReadError

実行プロトコルエンジンで親プロセスと子プロセスとの間のプロトコル接続から情報を読み取ろうとしたときに、ログインスクリプトからエラーが生成されました。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

49 ErrEndOfFile

ログインスクリプトが、接続時に予想外の EOF を読み取りました。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

51 ErrBadMessage

ログインスクリプトが無効なメッセージを受け取りました。データパケットの破損が原因と考えられます。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

52 ErrStaleCookie

クライアントがアプリケーションに接続しましたが、アプリケーションの起動に必要な Cookie の期限が切れています。

アプリケーションを再度実行してみてください。

これで問題が解決しない場合は、Cookie の有効期間を長くしてください。これを実行するには、次のコマンドを使用します。

$ tarantella config edit --tarantella-config-applaunch-reconnecttimeout seconds

デフォルト値は、60 (60 秒) です。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

53 ErrEatenCookie

クライアントがアプリケーションに接続しましたが、アプリケーションの起動に必要な Cookie がすでに使用されています。使用者はおそらく、複数のセッションを実行しているユーザーです。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

54 ErrDifferentCookie

クライアントがアプリケーションに接続しましたが、提供された Cookie がアプリケーションの起動に必要なものと一致しません。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

55 ErrLaunchPolicyNotFound

SGD がアプリケーションの実行に必要な詳細情報を検出できませんでした。

これは発生する可能性のないエラーです。アプリケーションを再度実行してみてください。これで問題が解決しない場合は、SGD サーバーを停止して起動し直し、その後アプリケーションを再度実行してください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

56 ErrBadLength

ログインスクリプトが受け取ったメッセージの長さが正しくありません。データパケットの破損が原因と考えられます。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

57 ErrInvalidConfigObject

SGD から提供された設定データに、必要な情報が一部含まれていませんでした。

これは発生する可能性のないエラーです。アプリケーションを再度実行してみてください。これで問題が解決しない場合は、SGD サーバーを停止して起動し直し、その後アプリケーションを実行してください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

58 ErrSessionCircuitNotFound

プロトコルエンジンとプロトコルエンジンマネージャーとの間の接続が失われました。

アプリケーションを再度実行してみてください。これで問題が解決しない場合は、SGD サーバーを停止して起動し直し、その後アプリケーションを実行してください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

59 ErrExecutionCircuitNotFound

プロトコルエンジンマネージャーと実行プロトコルエンジンとの間の接続が失われました。

アプリケーションを再度実行してみてください。これで問題が解決しない場合は、SGD サーバーを停止して起動し直し、その後アプリケーションを実行してください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

61 ErrCircuitNotFound

プロトコルエンジンマネージャーが回線 (接続) を検出できません。

アプリケーションを再度実行してみてください。これで問題が解決しない場合は、SGD サーバーを停止して起動し直し、その後アプリケーションを実行してください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

62 ErrCreateFailed

プロトコルエンジンに対する作成要求が失敗し、SGD がアプリケーションを実行できませんでした。

アプリケーションの定義にいくつかの属性が含まれていません。不足している属性の詳細をログファイルで確認し、それらのエラーを修正してから、アプリケーションを再度実行してみてください。

63 ErrComplete

これはエラーではありません。これは実行プロトコルエンジンからプロトコルエンジンマネージャーへのメッセージであり、起動プロセスが完了したことを示します。

65 ErrNonZeroConnectresult

SGD Client がプロトコルエンジンに接続したときに、エラーが発生しました。

可能な場合は、ログアウトしてください。それ以外の場合は、Web ブラウザを閉じ、クライアントデバイス上の SGD Client プロセスを終了してください。アプリケーションを再度実行してみてください。

66 ErrUserAbort

これはエラーではありません。ユーザーがアプリケーションの起動を取り消しました。

67 ErrClientEndOfFileOnConnection

SGD Client への接続が失われました。

可能な場合は、ログアウトしてください。それ以外の場合は、Web ブラウザを閉じ、クライアントデバイス上の SGD Client プロセスを終了してください。アプリケーションを再度実行してみてください。

68 ErrNothingToDo

これはエラーではありません。

このメッセージは、プロトコルエンジンマネージャーに送信された起動要求が、どのプロトコルエンジンも必要としないことを示します。

71 ErrIoError

ログインスクリプトが stderr に書き込めませんでした。

アプリケーションを再度実行してみてください。問題が解決しない場合は、Sun のサポートに連絡してください。

73 ErrTscLicenseError

Windows ターミナルサービスの使用可能なライセンスが不足しているため、アプリケーションを実行できません。

Windows ターミナルサービスのライセンスの数を増やしてください。