このマニュアルでは、Solstice PPP 3.0.1 をインストールする方法につい て説明します。このマニュアルでは、SolarisTM 環境のマシンへソフトウェアをインストールする方法についての知識があるユーザーが、ローカルマシンの CD-ROM ドライブか らインストールを行うことを前提にしています。
Solstice PPP クライアントは、1 つのモデムリンクを使用して公衆電話回線網と私設電話 回線網における接続を開設します。Solstice PPP クライアントをインストールして使用す ることができるマシンの数に制限はありません。
Solstice PPP サーバーは、同期接続、最大 512 個のモデムのサポート、IP ルーティングのサポート、着信接続の受け付けをはじめとする、PPP サーバーのすべての機能を提供します。
インストール時に問題が発生した場合には、製品のご購入先に連絡してください。その際、以下の情報が必要となります。
マシンのモデル番号
マシンのシリアル番号
SunOS オペレーティングシステムのリリース番号
製品のリリース番号 (3.0.1)
SunOS オペレーティングシステムのリリース番号とホスト ID を調べるには、showrev コマンドを使用します。
prompt% showrev Hostname: host_a Hostid: 3489b71a Release: 5.4 Kernel architecture: sun4d Application architecture: sparc Hardware provider: Sun_Microsystems Domain: XYZ.Div.Company.COM Kernel version: SunOS 5.4 Generic. July 1994 |
Solstice PPP パッケージをインストールする場所を決定し、インストー ルに必要なシステム環境が用意されていることを確認します。「インストールの計画」を参照してください。
Solstice PPP をインストールします。「Solstice PPP 3.0.1 のインストール」 を参照してください。
Solstice PPP を設定して起動します。「Solstice PPP の使用について」 を参照してください。
Solstice PPP の設定および使用の方法については、『Solstice PPP 3.0.1 ユーザーズガイド』および『Solstice PPP 3.0.1 管理者ガイド』を参照してください。
まず、Solstice PPP ソフトウェアパッケージをインストールするマシンを決定する必要があります。
各パッケージ中のファイルについての情報を参照するには、pkgchk(1M) コマンドを使用してください。
Solstice PPP クライアントまたは Solstice PPP サーバーを実装するすべてのマシンに、 以下のソフトウェアパッケージをインストールしてください。
パッケージ名 |
パッケーの内容 |
---|---|
SUNWpppk Solstice PPP Device Drivers |
PPP カーネルモジュール、ドライバ、デバイス、ppp モジュール |
SUNWpppr Solstice PPP Configuration Files |
構成ファイルと起動スクリプト |
SUNWpppu Solstice PPP Daemon & User Programs |
pppconn や pppdisc などのユーザーユーティリティとリンクマネージャ |
64 ビット Solaris オペレーティング環境の場合は、Solstice PPP クライアントまたは Solstice PPP サーバーを実装するすべてのマシンに、以下のソフトウェアをインストールする必要があります。
パッケージ名 |
パッケージの内容 |
---|---|
SUNWpppkx Solstice PPP 64-bit device drivers |
64 ビットの PPP カーネルモジュール、ドライバ、デバイス、PPP モジュール |
Solstice PPP サーバーを実装するすべてのマシンに、以下のソフトウェアパッケージをインストールしてください。
パッケージ名 |
パッケーの内容 |
---|---|
SUNWppps Solstice PPP Login Service |
着信接続を可能にする PPP ログインサービス |
複数のマシンで共有するサーバーには、以下のソフトウェアパッケージをインストールすることができます。
パッケージ名 |
パッケーの内容 |
---|---|
SUNWpppm Solstice PPP Man Pages |
Solstice PPP のマニュアルページ |
SUNWpppab Solstice PPP AnswerBook |
Solstice PPP のオンラインマニュアル |
Solstice PPP は、標準構成の SPARCTM および Solaris x86 のプラットフォーム上で動作し ます。
Solaris 2.3 およびその互換バージョンのオペレーティング環境
グラフィカルユーザーインタフェース。Solstice PPP (ppptool) のグラフィカルユーザーインタフェースを使用するには、X Window SystemTM ウィンドウマネージャにアクセスできる必要があります。ppptool には、コマンド行ユーザーインタフェースもあります。
PPP をインストールするには、/usr に 300 K バイトの空き領域が必要です。64 ビットの PPP をインストールするには、/usr に 600 K バイトの空き領域が必要です。
PPP ソフトウェア用に、以下のディレクトリに十分な空き領域を確保する必要があります。
/usr
/usr/kernel/drv
/usr/kernel/strmod
/usr/sbin
64 ビット PPP ソフトウェア用には、以下のディレクトリに十分な空き領域を確保する必要があります。
/usr/kernel/drv/sparcv9
/usr/kernel/strmod/sparcv9
PPP は、/usr に約 243 K バイト、/ (ルート) に約 4 K バイトを必要とします。
64 ビットの PPP は、32 ビットの PPP と同じサイズのディスク容量を必要とします。/usr/kernel/drv/sparcv9 に 64 ビットドライバ、 /usr/kernel/strmod/sparcv9 に 64 ビットモジュールがあります。
以下の表をもとにして、各マシンに必要な最小ディスク容量 (メガバイト単位) を確定してください。
パッケージ名 |
/opt |
/var |
/etc |
/usr |
---|---|---|---|---|
SUNWpppk |
0 |
0 |
0 |
0.3 |
SUNWpppkx |
0 |
0 |
0 |
0.3 |
SUNWpppr |
0 |
0 |
0.03 |
0 |
SUNWpppu |
0 |
0 |
0 |
1.0 |
SUNWppps |
0 |
0 |
0 |
0.2 |
pkgadd を使用して Solstice PPP をインストールする方法について説明します。pkgadd の使用方法とリモートマシンの CD-ROM ドライブからのインストール方法についての詳細は、『Software and AnswerBook Installation Guide』を参照してください。
ソフトウェアをインストールする手順は、次のとおりです。
root としてログインするか、またはスーパーユーザーになります。
Solstice PPP がすでにインストールされている場合には、pkgrm(1M) を使用してパッケージ SUNWpppk、SUNWpppr、SUNWpppu を削除します。
prompt# pkgrm SUNWpppk SUNWpppr SUNWpppu |
ローカルディレクトリに CD-ROM をマウントします。
ローカルマシンでボリュームマネージャ (vold) が動作している場合には (デフォルト)、CD-ROM ドライブに読み込まれた CD-ROM は /cdrom/ppp_3_0_1 ディレクトリ に自動的にマウントされます。
ローカルマシンでボリュームマネージャ (vold) が動作していない場合には、手動で /cdrom/ppp_3_0_1 というディレクトリを作成し、このディレクトリに CD-ROM をマウントします。
prompt# mkdir /cdrom/ppp_3_0_1 prompt# mount -rF hsfs /dev/dsk/c0t6d0s0 /cdrom/ppp_3_0_1 |
この例では、CD-ROM ドライブに設定されているターゲット番号は 6 (c0t6d0s0) であると仮定しています。
pkgadd を起動します。
prompt# /usr/sbin/pkgadd -d /cdrom/ppp_3_0_1/cpu |
cpu には、ご使用のマシンに応じて sparc または x86 のいずれかを指定してください。
インストールするパッケージの番号を入力します。すべてのパッケージをインストールするには、Return キーを押します。
コマンド行に表示されるすべてのプロンプトに応答してください。 オンラインマニュアルをインストールするには、AnswerBook のインストールオプションと して 'heavy' を選択します。AnswerBook のインストール先ディレクトリ名を入力するかまたは、Return キーを押してデフォルトディレクトリにインストールします。AnswerBook のインストールオプションとして 'nil' を選択した場合、AnswerBook を参照するには CD-ROM にアクセスする必要があります。
インストールが完了したら、q を入力して pkgadd を終了します。
利用できるパッケージのリストが、インストールの完了時に再び表示されます。
CD-ROM ドライブから CD-ROM を取り出します。
ローカルマシンでボリュームマネージャ (vold) が動作している場合は、CD-ROM を取り出すと CD-ROM が自動的にマウント解除されます。
prompt# eject cdrom |
ローカルマシンでボリュームマネージャ (vold) が動作していない場合は、以下のようにして手動で CD-ROM をマウント解除してから、CD-ROM を取り出します。
prompt# umount /cdrom/ppp_3_0_1 prompt# eject cdrom prompt# rmdir /cdrom/ppp_3_0_1 |
Solstice PPP を実装する各マシンについて、以上の手順を繰り返します 。
以上で、Solstice PPP を構成および使用するための準備が完了しました。Solstice PPP の設定には、初期化スクリプト pppinit を使用します。
Solstice PPP を構成および使用する方法についての詳細は、『Solstice PPP 3.0.1 ユーザーズガイド』および『Solstice PPP 3.0.1 管理者ガイド』を参照してください。