[EV(アーンドバリュー)]ダイアログボックスは、Ganttチャートの[アクティビティテーブル]でプロジェクトまたはWBSのレベルを右クリックして[EV(アーンドバリュー)]を選択すると表示されます。
GanttチャートでWBSレベルを選択してをクリックし、[WBS詳細]を選択してから[EV(アーンドバリュー)]をクリックして表示することもできます。
EV(アーンドバリュー)タスク
EV(アーンドバリュー)は、プロジェクトのコストとスケジュールの両方に基づいてプロジェクトパフォーマンスを測定するテクニックです。このテクニックは、作業の計画コストと実績コストを比較します。
[WBSアーンドバリュー]ダイアログボックスでEV(アーンドバリュー)分析を実行する際、現在進行中のアクティビティに基づいてパフォーマンスを測定する以下の2つの計算テクニックのどちらかを選択できます。
- アクティビティの進捗率
- アクティビティのETC(残作業見積)
EV(アーンドバリュー)の計算の詳細については、以下のトピックを参照してください。
アーンドバリューパフォーマンス進捗率の算出テクニックを適用するには
パフォーマンス進捗率の計算方法は、アクティビティのWBSで選択されているEV(アーンドバリュー)テクニックに依存します。
[EV(アーンドバリュー)]ダイアログボックスの[パフォーマンス進捗率(EV)算出テクニック]セクションでは、以下のいずれかのオプションを選択します。
- [アクティビティ進捗率] - 完了期間内で、アクティビティの進捗率としてEV(アーンドバリュー)を計算します。このチェックボックスをオンにすると、計算にリソースカーブと将来バケット期間が組み込まれます。
- [WBSマイルストン進捗率] - [WBSマイルストン]タブで定義する加重されたマイルストンに従って、EV(アーンドバリュー)を計算します。[加重]セルには、ほかのマイルストンと比較したマイルストンの重要度を表す数値を入力します。各マイルストンが完了すると、完了済マイルストンの加重と残りのマイルストンを比較してWBS要素の進捗率 が計算されます。
- [0/100] - アクティビティが完了し、100%と計算されるまでは、アクティビティのEV(アーンドバリュー)は0%と計算されます。
- [50/50] - アクティビティの開始後、終了するまでは、アクティビティのEV(アーンドバリュー)は50%と計算されます。アクティビティのEV(アーンドバリュー)は、完了時に100%と計算されます。
- [カスタム進捗率] - EV(アーンドバリュー)が指定したパーセントで計算されます。このパーセントは、アクティビティの開始から終了まで適用されます。アクティビティが完了すると、EV(アーンドバリュー)は100%と計算されます。
選択内容は自動的に保存されます。
- [EV(アーンドバリュー)]ダイアログボックスの[ETC(残作業見積)算出テクニック]セクションでは、以下のどちらかのオプションを選択します。
- [ETC = アクティビティの残コスト]
- [ETC = PF【パフォーマンスファクタ】 X (BAC - EV)]
- [ETC = PF【パフォーマンスファクタ】 X (BAC - EV)]を選択する場合、以下のいずれかのオプションを選択します。
- [PF=1]
- [PF=1/CPI(コスト効率指数)]
- [PF=1/(CPI×SPI(スケジュール効率指数))]
- [PF=<PFの値を入力>]
選択内容は自動的に保存されます。
アクティビティのETC(残作業見積)の計算に使用する基本的なEV(アーンドバリュー)パラメータは以下のとおりです。
- [EV(アーンドバリュー)コスト] - プロジェクトの計算日の時点で実際に完了しているアクティビティの総計画コスト。EV(アーンドバリュー)コスト = BAC(完成時予算)*パフォーマンス進捗率(EV)として計算されます。
- [BAC(完成時予算)] - アクティビティを完了するまでに費やした総計画コスト。BAC(完成時予算) = 計画労務コスト+計画非労務コスト+材料コスト+計画経費コストとして計算されます。BL 総コストと同じです。
- [PV(計画価値)コスト] - ベースラインに従い、プロジェクトの計算日の時点で完了予定のアクティビティの総計画コスト。PV(計画価値)コスト = 個々のリソースのBAC(完成時予算)*(現行プロジェクトの計算日-ベースライン割当開始日)/(ベースライン割当終了日-ベースライン割当開始日)として計算されます。アクティビティのPV(計画価値)コストは、アクティビティに対する各リソース割当のPV(計画価値)コストの合計です。アクティビティにリソース割当またはロール割当があり、将来のバケット値が手動で定義されている場合、PV(計画価値)コストは、手動で割り当てられた値を使用して計算されます。
- [実績コスト] - プロジェクトの計算日の時点でアクティビティに発生した実績総コスト。実績コスト = 実績労務コスト+実績非労務コスト+実績材料コスト+実績経費コストとして計算されます。
アクティビティのETC(残作業見積)およびその他のアーンドバリュー指数を上記のパラメータから算出できます。
ダイアログボックスの配置の制御
[アクティビティ]ページの[EV(アーンドバリュー)]ダイアログボックスの配置は自由に決めることができます。ダイアログボックスをドラッグアンドドロップするか、ダイアログボックスのタイトルバーのコントロールを使用して、ダイアログボックスを浮動化するか、並べて表示するか、またはGanttチャートまたはアクティビティネットワーク図の下(既定)または右側にタブ付きで表示することができます。詳細については、アクティビティ画面をカスタマイズを参照してください。
フィールド定義
-
- [最大化]
- ダイアログボックスを最大化して、[アクティビティ]ページ全体に表示します。
- [最大化状態の解除]
- ダイアログボックスを既定サイズに戻します。
- [フロート]
- ダイアログボックスのサイズを変更し、ブラウザの内部または外部にドラッグアンドドロップできるようにします(浮動状態)。
- [フロート状態の解除]
- ダイアログボックスを浮動状態から通常に戻し、ウィンドウ内に配置します。
注意: ダイアログボックスをドラッグしてドッキングすると、[フロート]コントロールと[フロート状態の解除]コントロールを使用した場合と同じ結果になります。
- [自動非表示]
- 画面をタブ付きにして、ダイアログボックスの内容を非表示にします。タブをクリックすると、ダイアログボックスの内容が表示されます。
- [自動非表示の切替]
- ダイアログボックスを自動非表示状態にする準備をします。この切替操作によって、ダイアログボックスはタブ付き状態と通常状態の間の状態になります。
- [終了]
- ダイアログボックスを閉じます。
- [前のWBS]
- Ganttチャート、[アクティビティテーブル]、またはアクティビティネットワーク図で前のWBS(1つ上)に移動します。
- [次のWBS]
- Ganttチャート、[アクティビティテーブル]、またはアクティビティネットワーク図で次のWBS(1つ下)に移動します。
- [パフォーマンス進捗率(EV)算出テクニック]
- パフォーマンス進捗率算出のオプションを指定します。
- [アクティビティ進捗率](ボタン)
- 現在のアクティビティ進捗率に基づいてEV(アーンドバリュー)を計算する場合に選択します。
- [リソースカーブ/将来期間バケットを使用](チェックボックス)
- このチェックボックスをオンにすると、現在のアクティビティ進捗率を使用したEV(アーンドバリュー)の計算にリソースカーブと将来バケット期間が組み込まれます。
- [WBSマイルストン進捗率]
- WBSレベルでマイルストンを定義して、各マイルストンに重要性または加重のレベルを割り当てることによってEV(アーンドバリュー)を計算する場合に選択します。進捗があり、各マイルストンを完了としてマークすると、WBS要素のパフォーマンス進捗率がマイルストンの加重に基づいて計算されます。
- 0/100
- アクティビティが終了して初めてEV(アーンドバリュー)を100%と計算する場合に選択します。
- 50/50
- アクティビティが開始してから終了するまでEV(アーンドバリュー)を50%と計算する場合に選択します。アクティビティが終了すると、アクティビティのEV(アーンドバリュー)は100%になります。
- [カスタム進捗率]
- EV(アーンドバリュー)を指定したパーセントとして計算する場合に選択します。このパーセントは、アクティビティが開始してから終了するまで適用されます。アクティビティが終了すると、アクティビティのEV(アーンドバリュー)は100%になります。
- [ETC(残作業見積)算出テクニック]
- アクティビティのETCの計算オプションを指定します。アクティビティのETCは、アクティビティのWBSで選択されているEV(アーンドバリュー)テクニックに応じて、アクティビティの総残コスト([残総コスト])またはPF*(BAC(完成時予算)-EV(アーンドバリュー)コスト)のどちらかで算出できます。
- [ETC = アクティビティの残コスト]
ETC値をアクティビティ完了に要する残コストとして計算する場合に選択します。
ETC = (アクティビティの残所要期間*適用可能なリソース単価)
- [ETC = PF【パフォーマンスファクタ】 X (BAC - EV)]
以下の式に示すように、BAC(完成時予算)とEV(アーンドバリュー)の差分をPF(performance factor:パフォーマンスファクタ)に乗じることによってETCを計算する場合に選択します。
ETC=PF * (BAC - EV)
- [PF=1]
- パフォーマンスファクタに1を設定する場合に選択します。
- [PF=1/CPI(コスト効率指数)]
1をCPI(コスト効率指数)で割った値をパフォーマンスファクタとしてETCを計算する場合に選択します。ここでCPIは、EV(アーンドバリュー)コストを実績コストで割った値です。この式は以下のように解釈できます。
PF=1/(EVC/AVC) =
PF=1/CPI
- [PF=1/(CPI×SPI(スケジュール効率指数))]
CPI(コスト効率指数)にSPI(スケジュール効率指数)を乗じた値で1を割った値をパフォーマンスファクタとしてETCを計算する場合に選択します。ここでSPIは、EV(アーンドバリュー)コストをPV(計画価値)コストで割った値です。この式は以下のように解釈できます。
PF=1/(EVC/AVC) * (EVC/PVC) =
PF=1/(CPI * SPI)
- [PF=<値>]
- BAC(完成時予算)とEV(アーンドバリュー)コストの差分をユーザ指定のパフォーマンスファクタに乗じることによってETC(残作業見積)の値を計算する場合に選択します。このオプションを選択する場合、[PF]フィールドにファクタを入力します。