Solaris 8 のインストール (上級編)

第 18 章 カスタム JumpStart インストールの準備

この章では、カスタム JumpStart インストールを使用して、各サイトのシステムに Solaris 8 ソフトウェアをインストールするために必要な準備の手順について説明します。


注 -

製品名は Solaris 8 ですが、コードと、パス名またはパッケージのパスは、Solaris_2.8 または SunOS_5.8 と示される場合があります。必ず記述どおりのコードまたはパスを使用してください。


カスタム JumpStart の概要

カスタム JumpStart インストールは、システムのグループを自動的にかつ同一的にインストールする方法です。カスタム JumpStart インストールの準備の最初の手順は、どのようにシステムをユーザーのサイトにインストールするかを決定することです。たとえば、次のような場合は、カスタム JumpStart インストールを設定および実行するのに最適です。

どのようにシステムをユーザーのサイトにインストールするかを決定した後、システムのグループごとの rules ファイルとプロファイルを作成します。rules ファイルは、自動的にインストールするシステムのグループごと (または 1 つのシステム) のルールが入ったテキストファイルです。

各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいて、システムのグループを区別して、各グループをプロファイルにリンクします。プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアがグループ中の各システムにインストールされるかを定義するテキストファイルです。rules ファイルとプロファイルは、JumpStart ディレクトリに置かれている必要があります。

サイトのシステム管理者は、2 つの異なるルールで rules ファイルを作成します。1 つはエンジニアリンググループ用のルールで、もう 1 つはマーケティンググループ用のルールです。ルールごとに、システムのプラットフォームグループを使用して、グループを区別できます。エンジニアリンググループは SPARC 搭載システムを持っていて、マーケティンググループは IA 搭載システムを持っています。

各ルールには、適切なプロファイルへのリンクも含まれています。たとえば、エンジニアリンググループ用のルールでは、eng_profile というエンジニアリンググループ用に作成したプロファイルへのリンクを追加します。マーケティンググループ用のルールでは、market_profile というマーケティンググループ用に作成したプロファイルへのリンクを追加します。

rules ファイルとプロファイルを作成した後、check スクリプトを使用して、これらの妥当性を検査する必要があります。check スクリプトが正常に動作すると、rules.ok ファイルが作成されます。JumpStart はこのファイルを使用して、Solaris ソフトウェアをインストールします。

カスタム JumpStart インストール実行時の流れ

Solaris ソフトウェアのインストール時、JumpStart は rules.ok ファイルを読み取って、定義されたシステム属性がインストール中のシステムと一致する最初のルールを見つけようとします。一致するルールが見つかった場合、インストールプログラムは、ルール内に指定されたプロファイルを使用して、自動的にシステムをインストールします。

図 18-1 はスタンドアロン型、つまりネットワークに接続されていないシステムで、システムのフロッピーディスクドライブを使用してカスタム JumpStart インストールを行う場合を示しています。

図 18-1 カスタム JumpStart インストールの動作: ネットワークに接続されていないシステムの例

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図 18-2 にネットワーク上の複数のシステムに対して、カスタム JumpStart インストールを行う場合を示します。この場合、1 つのサーバーからさまざまなプロファイルにアクセスします。

図 18-2 カスタム JumpStart インストールの動作: ネットワークに接続されているシステムの例

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図 18-1図 18-2 に示すように、設定する必要があるカスタム JumpStart ファイルは、フロッピーディスクとサーバー (それぞれ、プロファイルフロッピーディスクとプロファイルサーバーと呼びます) のどちらにあってもかまいません。

図 18-3 は、カスタム JumpStart インストール中のシステムの流れを説明して、JumpStart がカスタム JumpStart ファイルを見つけるのに使用する検索順序を示しています。

図 18-3 カスタム JumpStart インストール実行時の流れ

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作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備

表 18-1 作業マップ: カスタム JumpStart インストールの準備
  作業  説明  参照先

 

 

JumpStart ディレクトリを作成する 

 

フロッピーディスクの場合

カスタム JumpStart インストールをネットワークに接続されていないシステムで実行する場合、プロファイルフロッピーディスクを作成する必要があります。このフロッピーディスクには、カスタム JumpStart ファイルが入っています。 

 

「プロファイルフロッピーディスクの作成」

 
   

サーバーの場合

カスタム JumpStart インストールをネットワークに接続されているシステムで実行する場合、プロファイルサーバーを作成する必要があります。このサーバーには、カスタム JumpStart ファイル用の JumpStart ディレクトリが入っています。 

 

「プロファイルサーバーの作成」

 
 

 

      
 

すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする 

 

(省略可能) プロファイルサーバーを使用するとき、一度にすべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにできます。個々のシステムをプロファイルサーバー上のプロファイルにアクセスできるようにする必要はありません。 

 

「すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする」

 
 

 

      
 

ルールを rules ファイルに追加する

 

どのようにシステムのグループ (または、個々のシステム) をユーザーのサイトにインストールするかを決定した後には、インストールする特定のグループごとにルールを作成する必要があります。各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいてグループを区別して、各グループをプロファイルにリンクします。 

 

rules ファイルの作成」

 
 

 

      
 

ルールごとにプロファイルを作成する 

 

プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、ルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成しますが、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。 

 

「プロファイルの作成」

 
 

 

      
 

プロファイルをテストする 

 

(省略可能) プロファイルの作成後、実際にプロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、pfinstall(1M) コマンドを使用して、プロファイルをテストします。

 

「プロファイルのテスト」

 
 

 

      
 

rules ファイルの妥当性を検査する

 

rules.ok ファイルは、rules ファイルから生成されたファイルで、JumpStart がプロファイルを使用してインストールするシステムを一致させるために使用します。rules ファイルの妥当性を検査するには、check スクリプトを使用する必要があります。

 

rules ファイルの妥当性を検査する」

 
 

 

     

 

 

圧縮された構成ファイルを作成する 

 

(省略可能) システムをブートするときにカスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定する場合は、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを含む圧縮されたファイルを作成する必要があります。 

 

「圧縮された構成ファイルの作成」

 

 

      

 

プロファイルサーバーの作成

ネットワーク上のシステム用にカスタム JumpStart インストールを設定する際は、サーバー上にディレクトリを作成する必要があります (JumpStart ディレクトリと呼びます)。JumpStart ディレクトリのルートレベルには、すべての重要なカスタム JumpStart ファイルが入っています (たとえば、rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど)。

JumpStart ディレクトリを持つサーバーは、「プロファイルサーバー」と呼びます。プロファイルサーバーは、インストールサーバーやブートサーバーと同じシステムでも、異なるサーバーでもかまいません。

JumpStart ディレクトリの所有者は root で、アクセス権は 755 です。


注 -

プロファイルサーバーは、異なるプラットフォームのシステムにも、カスタム JumpStart ファイルを提供できます。たとえば、IA サーバーは、SPARC 搭載システムと IA 搭載システムの両方にカスタム JumpStart ファイルを提供できます。


JumpStart ディレクトリをサーバー上に作成する方法


注 -

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。フロッピーディスクや CD を管理するのにボリュームマネージャを使用していない場合、ボリュームマネージャなしで取り外し可能な媒体を管理する方法の詳細は、Solaris のシステム管理 (第 1 巻)を参照してください。


  1. JumpStart ディレクトリを作成するサーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. サーバーに JumpStart ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 jumpstart_dir_path
    

    jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリの絶対パスです。

    たとえば、次のコマンドは、ルートファイルシステムに jumpstart というディレクトリを作成し、アクセス権を 755 に設定します。


    mkdir -m 755 /jumpstart
  3. /etc/dfs/dfstab ファイルを編集します。次のエントリを追加してください。


    share -F nfs -o ro,anon=0 jumpstart_dir_path
    

    たとえば、次のエントリは /jumpstart ディレクトリを共有します。


    share -F nfs -o ro,anon=0 /jumpstart
    
  4. shareall と入力して、Return キーを押します。

  5. カスタム JumpStart ファイルの例を各自の JumpStart ディレクトリに

    • コピーしない場合は停止して、プロファイルサーバーでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。

    • コピーする場合は、次の表から次に実行する作業を判断します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    使用しているプラットフォーム用の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD 

    Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) をサーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の使用しているプラットフォーム用の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージ

    ディレクトリを、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージの場所に変更します。次に例を示します。 


    cd /export/install

  6. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルサーバーの JumpStart ディレクトリにコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルサーバーのパスを示します。

    たとえば、次のコマンドは、jumpstart_sample ディレクトリをプロファイルサーバー上の /jumpstart ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /jumpstart
  7. JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする

プロファイルサーバーを作成する際に、システムがカスタム JumpStart インストール中にプロファイルサーバーにアクセスできるようにする必要があります。このためには、次の方法があります。

すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるようにする方法

注 -

JumpStart ディレクトリを持つフロッピーディスクを使用する場合や、システムのブート時にプロファイルサーバーの場所を指定する場合には、この手順は必要ありません。


この手順は、ネットワークインストール情報が /etc/bootparams ファイルに格納されている場合だけ有効です。ネットワークインストール情報は、次の場所に格納することもできます。

  1. インストールサーバーまたはブートサーバーにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. /etc/bootparams ファイルを編集します。

  3. 次のエントリを追加します。

    * install_config=server:jumpstart_dir_path
    

    すべてのシステムにアクセスできるように指定するワイルドカード文字 

    server

    JumpStart ディレクトリがあるプロファイルサーバーのホスト名 

    jumpstart_dir_path

    JumpStart ディレクトリの絶対パス 

    たとえば、次のエントリはすべてのシステムが、sherlock というサーバーにある /jumpstart ディレクトリにアクセスできるようにします。

    * install_config=sherlock:/jumpstart

    注意 - 注意 -

    この手順を使用した場合、インストールクライアントを起動したときに次のエラーメッセージが表示されることがあります。

    WARNING: getfile: RPC failed: error 5: (RPC Timed out).

    このエラーメッセージの詳細は、「ネットワーク上のシステムのブート」を参照してください。


    これで、すべてのシステムはプロファイルサーバーにアクセスできるようになりました。この後、ネットワークインストールでシステムを追加するときに、add_install_client コマンドで -c オプションを使用する必要はありません。

プロファイルフロッピーディスクの作成

JumpStart ディレクトリを含むフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクと呼ばれます。

条件

システムがネットワークに接続されていない場合、そのシステムはプロファイルサーバーへのアクセス権を持たないため、フロッピーディスクに JumpStart ディレクトリを作成する必要があります。ただし、プロファイルフロッピーディスクを作成するシステムには、フロッピーディスクドライブが必要です。

基本的なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、およびプロファイル) は、プロファイルフロッピーディスク上のルート (/) ディレクトリに置かれている必要があります。root に JumpStart ディレクトリがあって、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認してください。

SPARC: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 -

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。フロッピーディスクや CD を管理するのにボリューム管理を使用していない場合、ボリュームマネージャなしで取り外し可能な媒体を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


  1. フロッピーディスクドライブマネージャを持つ SPARC 搭載システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. プロファイルフロッピーディスクとして使用できる空の (あるいは、上書きしても大丈夫な) フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. フロッピーディスクにすでに UFS (UNIX ファイルシステム) が入っているか確認します。

    • わからない場合は、システム上のファイル /etc/mnttab の内容を見て、次のようなエントリがないかを調べます。


      /vol/dev/diskette0/scrap  /floppy/scrap  ufs  suid,rw,largefiles,dev=1740008  927147040

      上記のエントリが

    • ある場合は、手順 7 に進みます。

    • ない場合は、次の手順に進みます。


    注意 - 注意 -

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。


  5. フロッピーディスクをフォーマットします。


    # fdformat -U
    
  6. フロッピーディスクに UFS ファイルシステムを作成します。


    # newfs /vol/dev/aliases/floppy0
    
  7. カスタム JumpStart ファイルの例を JumpStart ディレクトリに

    • コピーしない場合は停止して、プロファイルフロッピーディスクでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。

    • コピーする場合は、次の表を使用して次に実行すべき作業を判断します。

    例のコピー元 

    実行する作業 

    Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) 

    Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) をサーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD にマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージ

    ディレクトリを Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージの場所に変更します。次に例を示します。 


    cd /export/install

  8. サンプルのカスタム JumpStart インストールファイルを、プロファイルフロッピーディスクの JumpStart ディレクトリにコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルフロッピーディスクへのパスを示します。


    注 -

    すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
  9. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  10. フロッピーディスクを取り出します。


    # eject floppy
    

    これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成」に進んでください。

IA: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 -

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクと CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


  1. フロッピーディスクドライブを持つ SPARC 搭載システムか IA 搭載システムにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Solaris 8 Device Configuration Assistant フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブ (通常はドライブ A) に挿入します。このフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクとして使用します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. Solaris 8 Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージをシステムのハードディスクにコピーします。


    # dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_image
    

    ここで boot_image は Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージがコピーされるファイル名です。絶対パス名を指定できます。

    たとえば次のコマンドは、ブートフロッピーディスクを boot_save ファイルにコピーします。


    dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_save
  5. 「ファイル・マネージャ」ウィンドウの「取り出し」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  6. 「リムーバブルメディア・マネージャ」画面で「了解」をクリックします。

  7. Device Configuration Assistant フロッピーディスクを手動で取り出します。

  8. 空のフロッピーディスク (または上書き可能なディスク) をフロッピーディスクドライブに挿入します。

  9. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    

    注意 - 注意 -

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。


  10. フロッピーディスクをフォーマットします。


    # fdformat -d -U
    
  11. Device Configuration Assistant フロッピーディスクイメージを、システムのハードディスクからフォーマットしたフロッピーディスクにコピーします。


    # dd if=boot_image of=/vol/dev/aliases/floppy0
    

    ここで boot_image は、Solaris 8 Device Configuration Assistant のイメージをコピーするファイル名を示します。絶対パス名を指定できます。

  12. カスタム JumpStart ファイルの例を JumpStart ディレクトリに

    • コピーしない場合は停止して、プロファイルフロッピーディスクでの JumpStart ディレクトリの作成を終了します。

    • コピーする場合は、次の表から次に実行する作業を判断します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 

    Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) をサーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のイメージ

    ディレクトリを、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージの場所に変更します。次に例を示します。 


    cd /export/install

  13. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    ここで、media_path はローカルディスク上の CD またはイメージへのパスを示し、jumpstart_dir_path はカスタム JumpStart ファイルの例があるプロファイルフロッピーディスクへのパスを示します。


    注 -

    プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_ia/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
  14. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  15. 「ファイル・マネージャ」ウィンドウの「取り出し」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  16. 「リムーバブルメディア・マネージャ」画面で「了解」をクリックします。

  17. フロッピーディスクを手動で取り出します。

これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成」に進んでください。

rules ファイルの作成

rules ファイルとは

rules ファイルは、自動的に Solaris オペレーティング環境をインストールを実行したいシステムの各グループ (または単独のシステム) 用のルールを含むテキストファイルです。各ルールは、1 つまたは複数のシステム属性に基づいてシステムのグループを識別し、各グループを 1 つのプロファイルにリンクさせます。このプロファイルは、Solaris ソフトウェアをグループの各システムにインストールする方法を定義するテキストファイルです。

karch i86pc - basic_prof -

たとえば上記のルールでは、Solaris インストールプログラムが、basic_prof プロファイルにある情報に基づいて、i86pc プラットフォームグループを持つシステムにインストールを実行することを指定します。rules ファイルを使用して、カスタム JumpStart インストールに必要な rules.ok ファイルを作成します。


注 -

「プロファイルフロッピーディスクの作成」 または 「プロファイルサーバーの作成」 の手順にしたがって JumpStart ディレクトリを設定した場合は、JumpStart ディレクトリに rules ファイルのサンプルがあります。rules ファイルのサンプルには、説明といくつかのルール例があります。サンプルの rules ファイルを利用する場合は、使用しないルール例は必ずコメントにしておいてください。


rules ファイルの構文

rules ファイルは、次の条件を満たす必要があります。

rules ファイルには、次のものを含めることができます。

ルールの構文要素

ルールには、少なくとも次のものが含まれている必要があります。

rules ファイル内のルールは、次の構文になっている必要があります。

[[!]]rule_keyword rule_value [[&& [[!]]rule_keyword rule_value]] ... begin  profile  finish
表 18-2 ルールの構文要素

要素 

説明 

!

ルールキーワードの前で使用し、否定を示す記号 

rule_keyword

ホスト名 (hostname)、メモリーサイズ (memsize) などの一般的なシステム属性を記述する定義済みキーワード。ルール値とともに使用し、同じ属性を持つシステムをプロファイルに一致させる。ルールキーワードの一覧は、表 18-3 を参照

rule_value

対応するルールキーワードに特定のシステム属性を与える値。ルール値の一覧は、表 18-3 を参照

&&

ルールキーワードとルール値のペアを同じルールで結合する (論理積をとる) ときに使用する記号。カスタム JumpStart インストール時に、システムがルール内のすべてのペアに一致しなければ、ルールの一致は成立しない 

begin

インストールが開始する前に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。begin スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。begin スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 

begin スクリプトの作成方法の詳細は、「begin スクリプトの作成」を参照

profile

テキストファイル名。システムがルールに一致したとき Solaris ソフトウェアがシステムにどのようにインストールされるかを定義している。プロファイル内の情報は、プロファイルキーワードと、それらに対応するプロファイル値から構成される。すべてのプロファイルは JumpStart ディレクトリになければならない。 


注 -

プロファイルフィールドについては、別の使用方法もあります。詳細は、「サイト固有のインストールプログラムの使用」「begin スクリプトによる動的プロファイルの作成」を参照してください。


finish

インストール終了後に実行できるオプションの Bourne シェルスクリプト名。finish スクリプトがない場合、このフィールドにマイナス記号 (-) を指定する必要がある。finish スクリプトはすべて、JumpStart ディレクトリになければならない。 

finish スクリプトの作成方法の詳細は、「finish スクリプトの作成」を参照

ルールキーワードと値の説明

表 18-3 で、rules ファイルで使用できるルールキーワードとルール値について説明します。

表 18-3 ルールキーワードとルール値の説明

ルールキーワード 

ルール値 

説明 

any

マイナス記号 (-)

常に一致する 

arch

processor_type

processor_type の有効な値

  • SPARC: sparc

  • IA: i386

システムのプロセッサタイプを照合する。 

システムのプロセッサタイプは、uname -p コマンドで調べることができる

disksize

actual_disk_name size_range

actual_disk_name - cxtydz 形式 (たとえば、c0t3d0c0d0) のディスク名または rootdiskrootdisk を使用する場合、照合するディスクは次の順番で決定される。

  • SPARC: インストール済みのブートイメージを持つディスク (出荷時に JumpStart がインストールされている新しい SPARC 搭載システム)

  • c0t3d0s0 ディスク (存在する場合)

  • 最初に利用可能なディスク (カーネルのプローブ順で検索される)

size_range - ディスクのサイズ。M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある

システムのディスクの名前とサイズを照合する (M バイト単位)。 

例:

disksize c0t3d0 250-300

この例は、250〜300M バイトの c0t3d0 ディスクを備えるシステムと照合する。

例:

disksize rootdisk 750-1000

この例では、まず初めに事前にインストールされたブートイメージを含むシステムディスク、次に c0t3d0s0 ディスク、最後に 750M バイトから 1G バイトの情報を格納できるディスクを探します。


注 -

size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。


domainname

actual_domain_name

システムのドメイン名を照合する。ドメイン名でネームサービスが情報を判別する方法を制御する。 

システムがインストール済みの場合、domainname コマンドによりシステムのドメイン名を表示できる

hostaddress

actual_IP_address

システムの IP アドレスを照合する 

hostname

actual_host_name

システムのホスト名を照合する。 

システムがインストール済みの場合、uname -n コマンドによりシステムのホスト名を表示できる

installed

slice version

slice - cwtxdysz 形式 (たとえば、c0t3d0s5) のディスクスライス名、または anyrootdiskany を使用すると、システムに接続されたどのディスクも照合する (カーネルのプローブ順)。rootdisk を使用すると、照合するディスクは次の順番で決定される。

  • SPARC: インストール済みのブートイメージを持つディスク (出荷時に JumpStart がインストールされている新しい SPARC 搭載システム)

  • c0t3d0s0 ディスク (存在する場合)

  • 最初に利用可能なディスク (カーネルのプローブ順で検索される)

version - Solaris_2.x などのバージョン名、または anyupgradeany を使用すると、Solaris または SunOS リリースのどれとでも照合する。upgrade を使用すると、アップグレード可能な Solaris 2.1 以上のリリースのどれとでも照合する。

JumpStart で Solaris リリースが見つかっても、バージョンが不明な場合は、SystemV をバージョンとして返す

Solaris ソフトウェアの特定バージョンに対応するルートファイルシステムが存在するディスクを照合する。 

例:

installed c0t3d0s1 Solaris_8

この例では、c0t3d0s1 に Solaris 8 のルートファイルシステムを持つシステムを照合している

karch

actual_platform_group

有効な値は、sun4dsun4msun4ui86pcprep (各種システムとそのプラットフォームグループの詳細なリストは、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照)

システムのプラットフォームグループを照合する。 

システムがインストール済みの場合は、arch -k コマンドまたは uname -m コマンドにより、システムのプラットフォームグループを表示できる

memsize

physical_mem

値は M バイト単位の範囲 (<x-x) または 1 つの M バイト値で指定する

システムの物理メモリーサイズを照合する (M バイト単位)。 

例:

memsize 16-32

この例では、16M〜32M バイトの物理メモリーサイズを持つシステムと照合している。 

システムがインストール済みの場合は、prtconf コマンド (2 行目) によりシステムの物理メモリーサイズを表示できる

model

actual_platform_name

システムのプラットフォーム名を照合する。有効なプラットフォーム名については、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照。

インストール済みのシステムのプラットフォーム名を見つけるには、uname -i コマンドか prtconf コマンド (5 行目) の出力を使用する。


注 -

actual_platform_name にスペースが含まれている場合は、スペースを下線 (_) で置き換える必要があります (例: SUNW,Sun4_50)。


network

network_num

システムのネットワーク番号を照合する。これは JumpStart が、システムの IP アドレスとサブネットマスクの論理積をとって判別する。 

例:

network 193.144.2.8

この例では、IP アドレスが 193.144.2.8 のシステムを照合する (サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合) 

osname

Solaris_2.x

システムにすでにインストールされている Solaris のバージョンを照合する。 

例:

osname Solaris_7

この例では、Solaris 7 がすでにインストールされているシステムを照合している 

probe

probe_keyword

有効なプローブまたはカスタムプローブキーワード 

例:

probe disks

この例では、システムのディスクのサイズがカーネル検索順序 (たとえば、SPARC ベースシステムでは、c0t3d0s0c0t3d0s1c0t4d0s0) で返され、環境変数 SI_DISKLISTSI_DISKSIZESSI_NUMDISKS、 および SI_TOTALDISK が設定される。


注 -

probe キーワードは、属性を照合せず、プロファイルを実行しないという特徴があります。このキーワードは、値を返すだけです。したがって、probe ルールキーワードで、begin スクリプト、プロファイル、および finish スクリプトは指定できません。


プローブキーワードについては、第 20 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」を参照してください。

 

totaldisk

size_range

値は M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある

システムのディスク空間の全体量 (M バイト単位) を照合する。ディスク空間の全体量には、システムに接続されている使用可能なディスクがすべて含まれる。 

例:

totaldisk 300-500

この例では、全体として 300M〜500M バイトのディスク空間を持つシステムと照合している。 


注 -

size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。


サンプル rules ファイルの内容

次のサンプルファイルは、rules ファイル内のルールをいくつか示しています。各行には、ルールキーワードとそのキーワードに有効な値があります。JumpStart は、rules ファイルを上から下へ走査します。


注 -

左の列に示された数字は挿入しないでください。これらの数字は、例の後に表示される脚注です。


JumpStart は、既知のシステムとルールキーワードおよび値を照合する場合、プロファイルフィールドにリストされたプロファイルによって指定された Solaris ソフトウェアをインストールします。

 # rule keywords and rule values       begin script       profile       finish script
 # -----------------------------       ------------       --------      -------------
   hostname eng-1                      -                  basic_prof    -  [このルールは、システムのホスト名が eng-1 の場合に一致します。basic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] 
   network 192.43.34.0 && !model ¥
   'SUNW,SPARCstation-20'              -                  net_prof      -  [このルールは、システムがサブネット 192.43.34.0 にあって、SPARCstationTM 20 (SUNW, SPARCstation-20) ではない場合に一致します。net_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このルールは、rules ファイル構文の複数行ルールの例にもなっています。] 
   model SUNW,SPARCstation-LX          -                  lx_prof       complete  [このルールは、システムが SPARCstation LX である場合に一致します。lx_prof プロファイルと complete 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] 
   network 193.144.2.0 && karch i86pc  setup              IA_prof       done  [このルールは、システムが 193.144.2.0 にあって、IA ベースのシステムである場合に一致します。setup 開始スクリプト、IA_prof プロファイル、および done 終了スクリプトは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] 
   memsize 16-32 && arch i386          -                  prog_prof     -  [このルールは、システムに 16 〜 32M バイトのメモリーがあって、IA 搭載システムである場合に一致します。prog_profプロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。] 
   any  -                              -                  generic_prof  -  [このルールは、上記のルールに一致しなかったすべてのシステムに一致します。generic_prof プロファイルは、このルールに一致するシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするために使用されます。このプロファイルを使用する場合は、any が常に rules ファイルの最後のルールである必要があります。] 

rules ファイルを作成する方法

  1. テキストエディタを使用して、作成した JumpStart ディレクトリで、テキストファイル rules を作成するか、rules サンプルファイルを開きます。

  2. カスタム JumpStart を使用した Solaris のインストール先のシステムグループごとに 1 つのルールを rules ファイルに追加します。

  3. rules ファイルを JumpStart ディレクトリに保存します。

    rootrules ファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

プロファイルの作成

プロファイルとは

プロファイルは、どのように Solaris ソフトウェアをシステムにインストールするか (たとえば、どのソフトウェアグループをインストールするか) を定義するテキストファイルです。すべてのルールはプロファイルを指定して、JumpStart インストール時にルールが一致したときにシステムがどのようにインストールされるかを定義します。通常は、ルールごとに異なるプロファイルを作成します。しかし、複数のルールで同じプロファイルを使用することも可能です。

プロファイルは、1 つまたは複数のプロファイルキーワードとそれらの値から構成されます。各プロファイルキーワードは、JumpStart がどのようにしてシステムに Solaris ソフトウェアをインストールするかを制御するコマンドです。たとえば、次のようなプロファイルキーワードとプロファイル値があります。

system_type  server

これは JumpStart に、システムをサーバーとしてインストールするよう指示します。


注 -

「プロファイルサーバーの作成」または 「プロファイルフロッピーディスクの作成」の手順を使用して JumpStart ディレクトリを作成した場合、プロファイルのサンプルが JumpStart ディレクトリにあります。


プロファイルの構文

プロファイルの条件は、次のとおりです。

プロファイルでは、次のことが許可されています。

プロファイルキーワードとプロファイル値の説明

次の節では、プロファイルで使用できるプロファイルキーワードとプロファイル値を説明します。


注 -

プロファイルキーワードとプロファイル値には、大文字と小文字の区別があります。


表 18-4 を使用すれば、どのキーワードがユーザーのインストールに適しているかを簡単に決定できます。プロファイルキーワードの説明で特に注記されていないかぎり、プロファイルキーワードは初期インストールオプションだけで使用できます。

表 18-4 プロファイルキーワード
 

インストール方法 

 

 

プロファイルキーワード 

スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されていない) 

スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されている) またはサーバー 

OS サーバー 

アップグレード 

ディスク容量の再配置を使用するアップグレード 

backup_media

    

boot_device

  

client_arch

  

  

client_root

  

  

client_swap

  

  

cluster (ソフトウェアグループを追加する場合)

  

cluster (クラスタを追加または削除する場合)

dontuse

  

fdisk (IA のみ)

  

filesys (リモートファイルシステムをマウントする場合)

 

  

filesys (ローカルファイルシステムを作成する場合)

  

geo

install_type

isa_bits

layout_constraint

    

locale

num_clients

  

  

package

partitioning

 

 

root_device

system_type

 

 

usedisk

  

backup_media プロファイルキーワード

backup_media type path

注 -

backup_media は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。


backup_media は、ディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量の再配置が必要なファイルシステムのバックアップをとるために使用する媒体を定義します。バックアップ用に複数のテープまたはフロッピーディスクが必要な場合は、アップグレード中にテープまたはフロッピーディスクの挿入を求めるプロンプトが表示されます。

有効な type

有効な path

説明 

local_tape

/dev/rmt/n

アップグレードされるシステムのローカルテープドライブを指定する。path は、テープドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はテープドライブの番号

local_diskette

/dev/rdisketten

アップグレードされるシステムのローカルフロッピーディスクドライブを指定する。path は、フロッピーディスクドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスのパスでなければならない。n はフロッピーディスクドライブの番号

local_filesystem

/dev/dsk/cwtxdysz

/file_system

アップグレードされるシステムのローカルファイルシステムを指定する。アップグレードで変更されるローカルファイルシステムは指定できない。path は、ディスクスライスのブロック型デバイスのパス (/dev/dsk/cwtxdysz 内の tx は必須ではない) か、/etc/vfstab ファイルでマウントされたファイルシステムへの絶対パスのいずれかである

remote_filesystem

host:/file_system

リモートシステムの NFS ファイルシステムを指定する。path は、リモートシステム (host) の名前または IP アドレスと、NFS ファイルシステム (file_system) への絶対パスを含まなければならない。NFS ファイルシステムは、読み取り権と書き込み権を持っている必要がある

remote_systemuser@host:/directory

リモートシェル (rsh) で到達できるリモートシステム上のディレクトリを指定する。アップグレードされるシステムは、リモートシステムの .rhosts ファイル経由で、リモートシステムにアクセスできなければならない。path は、リモートシステム (host) の名前と、そのディレクトリ (directory) への絶対パスを含まなければならない。ユーザーログイン (user) を指定しないと、スーパーユーザーとしてログインされる

例:

backup_media local_tape /dev/rmt/0

backup_media local_diskette /dev/rdiskette1

backup_media local_filesystem /dev/dsk/c0t3d0s4

backup_media local_filesystem /export

backup_media remote_filesystem system1:/export/temp

backup_media remote_system user1@system1:/export/temp

boot_device プロファイルキーワード

boot_device device eeprom

boot_device は、JumpStart がルート (/) ファイルシステムをインストールするデバイスを (つまり、システムのブートデバイスを) 指定します。

boot_device キーワードをプロファイルに指定しない場合、インストール中にデフォルトで次の boot_device キーワードが指定されます。

boot_device any update

device - ブートデバイスにするデバイスを選択します。

eeprom - システムの EEPROM を変更または保存する場合に選択します。

システムの EEPROM を、指定したブートデバイスに変更または保存する場合に選択します。

preserve 値を指定する必要があります。


SPARC のみ -

SPARC システムでは、システムの現在のブートデバイスを変更する場合、eeprom の値でもシステムの EEPROM を変更できます。これにより、システムは新しいブートデバイスから自動的にブートできます。


例:

boot_device c0t0d0s2 update

注 -

boot_device は、ルートファイルシステムを指定する filesys キーワードと (指定した場合は) root_device キーワードに一致する必要があります。


client_arch プロファイルキーワード

client_arch karch_value ...

client_arch は、OS サーバーが使用するものとは異なるプラットフォームグループをサポートすることを定義します。client_arch を指定しない場合、OS サーバーを使用するどのディスクレスクライアントも、サーバーと同じプラットフォームグループでなくてはなりません。OS サーバーがサポートしてほしいプラットフォームグループごとに指定する必要があります。

karch_value の有効な値は、sun4dsun4msun4ui86pc です。(各システムのプラットフォーム名については、第 31 章「プラットフォーム名とグループ」 を参照してください。)


注 -

client_arch は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


client_root プロファイルキーワード

client_root root_size

client_root は、各クライアント用に割り当てるルート領域の大きさ (root_size、M バイト単位) を定義します。サーバーのプロファイルに client_root の指定がない場合は、1 クライアントあたり 15M バイトのルート領域が自動的に割り当てられます。このクライアント用のルート領域の大きさは、num_clients キーワードを組み合わせて、/export/root ファイルシステム用に確保する領域の大きさを決定するときに使用されます。


注 -

client_root は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


client_swap プロファイルキーワード

client_swap swap_size

プロファイル内の client_swap は、各ディスクレスクライアントに割り当てるスワップ領域の大きさ (swap_size、M バイト単位) を定義します。client_swap を指定しない場合、32M バイトのスワップ領域がデフォルトで割り当てられます。

例:

client_swap 64

この例は、各ディスクレスクライアントが 64M バイトのスワップ領域を持つことを定義します。


注 -

client_swap は、system_typeserver を指定したときだけ使用できます。


cluster プロファイルキーワード (ソフトウェアグループの追加)

cluster group_name

cluster は、どのソフトウェアグループをシステムに追加するかを指定します。各ソフトウェアグループの group_name 名は次のとおりです。

ソフトウェアグループ 

group_name

コアシステムサポート 

SUNWCreq

エンドユーザーシステムサポート 

SUNWCuser

開発者システムサポート 

SUNWCprog

全体ディストリビューション 

SUNWCall

全体ディストリビューションと OEM サポート 

SUNWCXall

1 つのプロファイルに 1 つのソフトウェアグループを指定できます。ソフトウェアグループは、他の cluster エントリと package エントリの前に指定する必要があります。プロファイル内の cluster でソフトウェアグループを指定しない場合、デフォルトによりエンドユーザーソフトウェアグループ (SUNWCuser) がシステムにインストールされます。

cluster プロファイルキーワード (クラスタの追加または削除)

cluster cluster_name add_delete_switch

注 -

cluster (クラスタの追加または削除) は、初期インストールオプションとアップグレードオプションの両方で使用できます。


cluster は、システムにインストールされるソフトウェアグループにクラスタを追加または削除するかを指定します。

cluster_nameSUNWCname 形式で指定します。インストールが終了したシステムで Admintool を起動し、「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択すると、クラスタの詳細情報とクラスタ名を表示できます。

add_delete_switch はオプションの add または delete を示します。これを使用すると、指定したクラスタを追加または削除できます。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトで add が使用されます。

アップグレードの場合

dontuse プロファイルキーワード

dontuse disk_name ...

dontuse は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用してはならない 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトでは、システムのすべての使用可能なディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz の形式 (たとえば、c0t0d0) で指定する必要があります。


注 -

1 つのプロファイルで、dontuse キーワードと usedisk キーワードを同時に指定することはできません。


IA: fdisk プロファイルキーワード

fdisk disk_name type size

fdisk は、IA 搭載システムで fdisk パーティションを設定する方法を定義します。fdisk は 2 回以上指定できます。次に、IA 搭載システムでの fdisk パーティションのデフォルトの動作について説明します。

disk_name - fdisk パーティションを作成または削除する場所を指定します。

type - 指定したディスク上で作成または削除する fdisk パーティションのタイプを指定します。

いくつかの fdisk タイプの整数と 16 進数での表し方を次の表に示します。

fdisk タイプ

DDD

HH

DOSOS12 

1

01

PCIXOS 

2

02

DOSOS16 

4

04

EXTDOS 

5

05

DOSHUGE 

6

06

DOSDATA 

86

56

OTHEROS 

98

62

UNIXOS 

99

63

size - 次の内から 1 つを指定します。

filesys プロファイルキーワード (リモートファイルシステムのマウント)

filesys server:path server_address mount_pt_name [[mount_options]]

この場合の filesys の例は、インストールしたシステムが起動するときに、自動的にリモートファイルシステムをマウントするよう設定します。2 回以上 filesys を指定できます。

例:

filesys sherlock:/export/home/user2 - /home

server: -リモートファイルシステムが存在するサーバー名 (後ろにコロンをつけます)

path - リモートファイルシステムのマウントポイント名。たとえば /usr または /export/home

server_address - server:path で指定するサーバーの IP アドレス。ネットワーク上で実行されているネームサービスがない場合、この値を使用して、サーバーのホスト名とIP アドレスを登録している /etc/hosts ファイルを生成できます。サーバーの IP アドレスを指定したくない場合 (ネットワーク上で実行中のネームサービスがある場合) は、マイナス記号 (-) を指定する必要があります。

mount_pt_name - リモートファイルシステムをマウントするマウントポイント名

mount_options - 指定した mount_pt_name/etc/vfstab エントリに追加する 1 つ以上のマウントオプション (mount(1M) コマンドの -o オプションと同じ)


注 -

複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションは、スペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota


filesys プロファイルキーワード (ローカルファイルシステムの作成)

filesys slice size [[file_system optional_parameters]]

この場合の filesys は、インストール中にローカルファイルシステムを作成します。filesys は 2 回以上指定できます。

slice - 次のいずれか 1 つを指定します。

size - 次のいずれか 1 つを指定します。

file_system - sliceany または cwtxdysz を指定しているときに、このオプション値を使用できます。この値を指定しないと、デフォルトによって unnamed が設定されますが、optional_parameters 値を使用できません。次のいずれか 1 つを指定してください。

optional_parameters - 次のいずれか 1 つを指定します。

geo locale プロファイルキーワード

geo locale

注 -

geo は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。


geo は、システムにインストールする (またはシステムのアップグレード時に追加する) 地域ロケールを指定します。locale に指定できる値は、次のとおりです。

値 

説明 

N_Africa

北アフリカ。エジプトを含む 

C_America

中央アメリカ。コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマを含む 

N_America

北アメリカ。カナダ、アメリカ合衆国を含む 

S_America

南アメリカ。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラを含む 

Asia

アジア。日本、韓国、中華人民共和国、台湾、タイを含む 

Ausi

オーストラリア。オーストラリア、ニュージーランドを含む 

C_Europe

中央ヨーロッパ、オーストリア、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、スイスを含む 

E_Europe

東ヨーロッパ。アルバニア、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴェニア、トルコを含む 

N_Europe

北ヨーロッパ。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを含む 

S_Europe

南ヨーロッパ。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインを含む 

W_Europe

西ヨーロッパ。ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、オランダを含む 

M_East

中近東。イスラエルを含む 

上記の各地域ロケールを構成するコンポーネントロケール値の完全なリストは、第 32 章「言語とロケールの値」 に記載されています。


注 -

システムに追加する必要がある各ロケールごとに、geo キーワードを指定します。


install_type プロファイルキーワード

install_type initial_install_upgrade_switch

install_type は、削除してシステムに新しい Solaris オペレーティング環境をインストールするか、または既存の Solaris 環境をアップグレードするかどうかを定義します。


注 -

install_type は、各プロファイル内で最初のプロファイルキーワードとして指定する必要があります。


initial_install_upgrade_switch は、オプションの initial_install または upgrade を表します。このオプションは、実行するインストールのタイプを指定するために使用します。

initial_install_upgrade_switch は必ず指定する必要があります。


注 -

一部のプロファイルキーワードは、initial_install オプションだけで使用できます。これは、upgrade オプションでも同様です。


isa_bits プロファイルキーワード

isa_bits bit_switch

isa_bits は、64 ビットまたは 32 ビットの Solaris 8 パッケージをインストールするかどうかを指定します。

bit_switch は、オプション 64 または 32 を表します。これは、64 ビットまたは 32 ビットのどちらの Solaris 8 パッケージをインストールするかを指定するために使用します。このキーワードをプロファイルに設定しないと、JumpStart によって、次のものがインストールされます。


注 -

isa_bits キーワードを使用する場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 上の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリの最新の check スクリプトを使用する必要があります。


layout_constraint プロファイルキーワード

layout_constraint slice constraint [[minimum_size]]

注 -

layout_constraint は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。


layout_constraint は、ファイルシステムがディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量を再配置する必要がある場合に、制約付き自動配置がファイルシステムで行われることを示します。

layout_constraint キーワードを指定しないと、次のようになります。

1 つ以上の layout_constraint キーワードを指定すると、次のようになります。

アップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムの制約は変更できませんが (changeable とマークされなければならない)、このようなファイルシステムに layout_constraint を使用すれば、その minimum_size 値を変更できます。


注 -

自動配置がディスク容量の再配置を行う際には、より多くのファイルシステム、特にアップグレード用により多くの容量を必要とするファイルシステムと同じディスク上にあるファイルシステムを、changeable または movable であると選択します。


slice - これは、制約を指定するファイルシステムのディスクスライスです。cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。

constraint - 指定したファイルシステムに対して、次のいずれか 1 つの制約を選択します。

minimum_size - この値は、自動配置がディスク容量を再配置するときに、ファイルシステムに割り当てる最小サイズを指定します (基本的に、ファイルシステムのサイズを変更します)。ファイルシステムのサイズは、まだ割り当てられていない領域が追加される場合、最終的にはこの指定した値よりは大きくなります。このオプション値は、ファイルシステムを changeable とマークした場合のみ使用できます。最小サイズは、ファイルシステムの既存の内容に必要なサイズより小さい値には設定できません。

例:

layout_constraint c0t3d0s1 changeable 200

layout_constraint c0d0s4 movable

layout_constraint c0t3d1s3 available

layout_constraint c0t2d0s1 collapse

locale locale_name プロファイルキーワード

locale locale_name

注 -

locale は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。


locale は、指定した locale_name に対して、どのロケールパッケージをインストール (アップグレードの場合は追加) するかを指定します。locale_name 値は、$LANG 環境変数で使用されるのと同じです。有効なロケールの値については、第 32 章「言語とロケールの値」 を参照してください。


注 -

デフォルトロケールを事前設定している場合は、そのロケールは自動的にインストールされます。English 言語パッケージはデフォルトでインストールされます。



注 -

locale キーワードは、システムに追加するロケールごとに指定できます。


num_clients プロファイルキーワード

num_clients client_num

サーバーがインストールされているときには、各ディスクレスクライアントのルート (/) と swap ファイルシステムにディスク空間が割り当てられます。num_clients は、サーバーがサポートするディスクレスクライアント数 (client_num) を定義します。num_clients を指定しないと、デフォルトで 5 つのディスクレスクライアントが割り当てられます。


注 -

num_clients は、system_typeserver として指定されているときだけ使用できます。


package プロファイルキーワード

package package_name [[add_delete_switch]]

注 -

package は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。


package は、システムにインストールするソフトウェアグループにパッケージを追加または削除するかを指定します。

package_name は、SUNWname の形式で指定する必要があります。pkginfo -l コマンドまたは Admintool (「ブラウズ」メニューから「ソフトウェア」を選択) をインストールシステムに使用して、パッケージとその名前に関する詳しい情報を表示してください。

add_delete_switch は、add または delete オプションを表します。このオプションは、指定のパッケージを追加または削除するかを指定します。add_delete_switch を指定しないと、デフォルトによって add が使用されます。

アップグレードの場合

partitioning プロファイルキーワード

partitioning type

partitioning は、インストール時にファイルシステム用にディスクをスライスに分割する方法を定義します。

type - 次のオプションから 1 つを選択します。

プロファイルで partitioning を指定しないと、デフォルトで default タイプのパーティションが使用されます。

root_device プロファイルキーワード

root_device slice

注 -

root_device は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。


root_device は、システムのルートディスクを指定します。詳細は、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。

アップグレードの場合

root_device は、アップグレードされるルートファイルシステム (および、その /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステム) を指定します。システム上で複数のルートファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz 形式で指定してください。

例:

root_device c0t0d0s2

注 -

1 つだけのディスクを持つシステムで root_device を指定する場合、root_device とディスクが一致する必要があります。また、ルートファイルシステムを指定する任意の filesys キーワードは、root_device と一致する必要があります。


system_type プロファイルキーワード

system_type type_switch

system_type は、インストールするシステムのタイプを定義します。

type_switch は、オプション standalone または server を表します。このオプションは、Solaris をインストールするシステムのタイプを指定するために使用します。system_type をプロファイルに指定しないと、デフォルトによって standalone が使用されます。

usedisk プロファイルキーワード

usedisk disk_name ...

usedisk は、partitioning default を指定しているときに、JumpStart が使用する 1 つ以上のディスクを指定します (デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクを使用します)。disk_name は、cxtydz または cydz 形式 (たとえば c0t0d0c0d0s0) で指定します。

プロファイルで usedisk を指定すると、JumpStart は usedisk キーワードで指定したディスクだけを使用します。


注 -

同じプロファイルに usedisk キーワードと dontuse キーワードを同時に指定することはできません。


スワップサイズを決定する方法

プロファイルにスワップサイズが指定されていない場合、JumpStart は、システムの物理メモリーの大きさにしたがってスワップ領域のサイズを決定します。表 18-5 は、カスタム JumpStart インストール時に確保されるスワップのサイズをまとめたものです。

表 18-5 スワップのサイズの決定方法

物理メモリー (M バイト) 

スワップのサイズ (M バイト) 

16 - 64 

32 

64 - 128 

64 

128 - 512 

128 

512 を超える場合 

256 

他のファイルシステムを配置した後にディスクに十分な空き容量がない場合、JumpStart は、スワップ領域のサイズが全ディスク容量の 20% を超えないようにします。空き容量が存在する場合は、表 18-5 に示すサイズまでスワップ領域を割り当てます。


注 -

物理メモリーとスワップ領域の合計は、32M バイト以上必要です。


システムのルートディスクを決定する方法

システムのルートディスクは、ルート (/) ファイルシステムを含むシステム上のディスクです。プロファイル内では、Solaris インストールプログラムがシステムのルートディスクを設定するディスク名の代わりに、この rootdisk 変数を使用できます。表 18-6 に、インストールプログラムがインストール用にシステムのルートディスクを決定する方法を説明しています。


注 -

これは初期インストール時だけに適用されます。アップグレードの場合、システムのルートディスクは変更できません。


表 18-6 JumpStart がシステムのルートディスクを決定する方法 (初期インストールのみ)

手順 

動作 

プロファイル内で root_device キーワードが指定されている場合、インストールプログラムは rootdisk をルートデバイスに設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、boot_device キーワードが指定されている場合、インストールプログラムは rootdisk をブートデバイスに設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、filesys cwtxdysz size / エントリが指定されている場合、JumpStart は rootdisk をエントリで指定されたディスクに設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、rootdisk.sn エントリが指定されている場合、JumpStart はシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 指定したスライス上の既存のルートファイルシステムを検索します。ディスクが見つかった場合、JumpStart は見つかったディスクに rootdisk を設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、partitioning existing が指定されている場合、JumpStart はシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 既存のルートファイルシステムを検索します。ルートファイルシステムが見つからなかった場合、あるいは複数のルートファイルシステムが見つかった場合は、エラーが発生します。ルートファイルシステムが見つかった場合、JumpStart は見つかったディスクに rootdisk を設定します。

プロファイル内で rootdisk が設定されていない場合、JumpStart は、ルートファイルシステムがインストールされるディスクに rootdisk を設定します。

プロファイルを作成する方法

  1. 任意のテキストエディタを使用して、新しいテキストファイルを開いて内容を示す名前を指定するか、作成した JumpStart ディレクトリ内のサンプルプロファイルを開きます。


    注 -

    プロファイルには、システムへの Solaris のインストール時にどのように使用するかを示す名前を指定してください (たとえば、basic_installeng_profile、または user_profile など)。


  2. プロファイルにプロファイルキーワードと値を追加します。

  3. JumpStart ディレクトリにプロファイルを保存します。

    root がプロファイルを所有していて、そのアクセス権が 644 に設定されていることを確認します。

  4. (省略可能) プロファイルをテストします。

    プロファイルのテストに関する情報については、「プロファイルのテスト」を参照してください。

サンプルプロファイル

次のサンプルプロファイルは、さまざまなプロファイルキーワードとプロファイル値を使用して、Solaris ソフトウェアをシステムにどのようにインストールするかを指定する方法を示しています。「プロファイルキーワードとプロファイル値の説明」には、プロファイルキーワードと値の説明を示してあります。


注 -

左の列に示された数字は挿入しないでください。これらの数字は、サンプルの説明に使用している番号です。


リモートファイルシステムのマウントとパッケージの追加および削除

 
# profile keywords        profile values
# -----------------       -----------------
  install_type            initial_install  [このプロファイルキーワードは、すべてのプロファイルに必要です。] 
  system_type             standalone  [このプロファイルキーワードは、システムをスタンドアロンシステムとしてインストールするように定義します。] 
  partitioning            default  [ファイルシステムスライスは、インストールするソフトウェアによって決定します (default 値)。ただし、swap のサイズは 60M バイトに設定されて、すべてのディスク (any 値) にインストールされます。標準および OpenWindows のマニュアルページは、ネットワーク上のファイルサーバー s_ref からマウントされます。] 
  filesys                 any 60 swap   # specify size of /swap
  filesys                 s_ref:/usr/share/man - /usr/share/man ro
  filesys                 s_ref:/usr/openwin/share/man - 
                                /usr/openwin/share/man ro,quota
  cluster                 SUNWCprog  [開発者システムサポートソフトウェアグループ (SUNWCprog) がシステムにインストールされます。] 
  package                 SUNWman delete  [マニュアルページはリモートからマウントされるため、これらのパッケージはシステムにインストールされません。ただし、OPEN LOOK および X Window System のデモプログラムとイメージはシステムにインストールされます。] 
  package                 SUNWolman delete
  package                 SUNWxwman delete
  package                 SUNWoldem add
  package                 SUNWxwdem add
  package                 SUNWoldim add
  package                 SUNWxwdim add

ファイルシステムのインストール場所の指定

# profile keywords        profile values
# ----------------        -------------------
  install_type	        initial_install
  system_type             standalone
 
  partitioning            explicit  [ファイルシステムスライスは、filesys キーワード (explicit 値) によって指定します。ルート (/) のサイズは選択したソフトウェア (auto 値) に基づき、c0t0d0s0 にインストールされます。swap のサイズは 32M バイトに設定されて、c0t3d0s1 にインストールされます。usr は選択したソフトウェアに基づき、インストールプログラムがそのインストール場所を決定します (any 値)。] 
  filesys                 c0t0d0s0 auto /
  filesys                 c0t3d0s1 32 swap
  filesys                 any auto usr
  cluster                 SUNWCall  [全体ディストリビューションフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。] 

IA: fdisk キーワードの使用方法

# profile keywords      profile values
# ----------------      -------------------
  install_type          initial_install
  system_type           standalone
 
  fdisk                 c0t0d0 0x04 delete  [タイプ DOSOS16 (04 16 進) の fdisk パーティションはすべて、c0t0d0 ディスクから削除されます。] 
  fdisk	             c0t0d0 solaris maxfree  [Solaris fdisk パーティションが、c0t0d0 ディスク上の最大の連続空き領域に作成されます。] 
  cluster               SUNWCall  [全体ディストリビューションソフトウェアグループ (SUNWCall) がシステムにインストールされます。] 
  cluster               SUNWCacc delete  [システムアカウントユーティリティ (SUNWCacc) は、システムにインストールされません。] 

アップグレード用ディスク容量の再配置

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
  install_type             upgrade  [このプロファイルは、ディスク容量を再配置することによってシステムをアップグレードします。この例では、システム上のファイルシステムのいくつかにアップグレード用の容量が十分にないため、ディスク容量を再配置する必要があります。] 
 
  root_device              c0t3d0s2  [c0t3d0s2 のルートファイルシステムがアップグレードされます。] 
 
  backup_media             remote_filesystem timber:/export/scratch  [リモートシステム timber が、ディスク容量の再配置中のデータのバックアップに使用されます。] 
  layout_constraint        c0t3d0s2 changeable 100  [layout_constraint キーワードは、自動配置がスライス 2 と 4 を変更できて (スライスを別の場所に移動して、そのサイズを変更できる)、アップグレード用ディスク容量の再配置時にスライス 5 を移動できる (スライスを別の場所に移動できるが、サイズはそのままになる) ように指定します。] 
  layout_constraint        c0t3d0s4 changeable
  layout_constraint        c0t3d0s5 movable
 
  package                  SUNWbcp delete  [バイナリ互換パッケージ (SUNWbcp) は、アップグレード後、システムにインストールされません。] 
  package                  SUNWolman add  [このコードは、OPEN LOOK と X Window System のマニュアルページと汎用マルチプレクサソフトウェアがまだシステムにインストールされていない場合に、インストールされるようにするものです。(すでにシステム上にあるパッケージはすべて、自動的にアップグレードされます。)] 
  package                  SUNWxwman add
  cluster                  SUNWCumux add
 
  locale                   de  [ドイツ語ローカライズパッケージがシステムにインストールされます。] 

プロファイルのテスト

プロファイルの作成後、pfinstall(1M) コマンドを使用すれば、実際にプロファイルを使用してシステムをインストールまたはアップグレードする前に、プロファイルをテストできます。プロファイルのテストは、特にディスク容量を割り当て直すアップグレードプロファイルを作成するときに便利です。

pfinstall が生成するインストール出力を調べることによって、プロファイルが期待どおりのことを実行しようとしているかを簡単に調べることができます。たとえば、実際にシステムでアップグレードを行う前に、そのシステムが Solaris の新しいリリースにアップグレードするための十分なディスク容量を持っているかどうかをプロファイルで調べることができます。

プロファイルのテスト方法

pfinstall を使用すると、次の内容についてプロファイルをテストできます。

プロファイルのテストの概要

特定の Solaris リリースでプロファイルを正常かつ正確にテストするには、同じリリースの Solaris 環境内にあるプロファイルをテストする必要があります。たとえば、Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストする場合は、Solaris 8 を実行するシステムに対して pfinstall コマンドを実行する必要があります。

ただし、以前のバージョンの Solaris を実行するシステムで Solaris 8 アップグレードプロファイルをテストする場合、または Solaris 8 初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 システムをまだインストールしていない場合は、次のように一時インストール環境を作成する必要があります。

pfinstall の構文

次に、プロファイルのテストに使用する pfinstall コマンドの構文を示します。


# /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile

表 18-7 pfinstall コマンド引数の説明

引数 

説明 

disk_configuration

-D または -d disk_config_file オプションを表します。これは、pfinstall に対して、現在のシステムのディスク構成を使用してプロファイルをテストするか (-D)、またはディスク構成ファイル disk_config_file を使用してプロファイルをテストするかを指示するものです。

disk_configpfinstall の実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

アップグレードプロファイル (install_type upgrade) で -d disk_config_file オプションを使用することはできません。常に、システムのディスク構成に対してアップグレードプロファイルをテストする必要があります (つまり、-D オプションを使用する必要があります)。

-c path

Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスです。このオプションは、たとえば、システムでボリュームマネージャを使用して Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) を各自のプラットフォームにマウントする場合に使用します。 

 


注 -

このオプションは、各自のプラットフォーム用の Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC または Intel) イメージから起動した場合には不要です。これは、この CD イメージが、起動プロセスの一部として /cdrom にマウントされているためです。


profile

テストするプロファイル名。profilepfinstall が実行されているディレクトリにない場合は、パスを指定する必要があります。

プロファイルをテストする方法

  1. プロファイルを作成したシステムと同じプラットフォームタイプ (SPARC または IA) のシステムであることを確認します。

    アップグレードプロファイルをテストする場合、アップグレードしようとしているシステムを使用してください。

  2. 次の表に基づいて、次に進む手順を決定します。

    状態 

    手順 

    初期インストールプロファイルをテストする必要があり、Solaris 8 が動作しているシステムがある場合 

    そのシステムでスーパーユーザーになって、手順 9 に進みます。

    アップグレードプロファイルをテストする必要があるか、初期インストールプロファイルをテストするための Solaris 8 が動作しているシステムがない場合 

    手順 3 に進みます。

  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) からシステムをブートします。このイメージは、システムのローカル CD-ROM またはインストールサーバーにあります。

    システムのブートの詳細は、第 11 章「Solaris 8 対話式インストールプログラムの使用」を参照してください。


    注 -

    アップグレードプロファイルをテストする場合は、アップグレードしようとしているシステムをブートします。


  4. プロンプトが表示された場合は、システムを識別する質問に答えます。

  5. インストールオプションで、「Solaris 対話式インストールプログラム (Solaris Interactive Installation program)」を選択します。

  6. Solaris 8 対話式インストールプログラムの最初の画面で終了します。

    Solaris 8 対話式インストールプログラムが終了すると、シェルプロンプトが表示されます。

  7. 一時マウントポイントを作成します。


    # mkdir /tmp/mnt
    
  8. テストするプロファイルが入っているディレクトリをマウントします。

    マウントするディレクトリ 

    コマンド 

    リモート NFS ファイルシステムをマウントする (ネットワーク上のシステムの場合) 


    mount -F nfs server_name:path /tmp/mnt
    

    UFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F ufs /dev/diskette /tmp/mnt
    

    PCFS フォーマットのフロッピーディスクをマウントする 


    mount -F pcfs /dev/diskette /tmp/mnt
    

  9. システムのメモリーサイズを指定してプロファイルをテストするには、SYS_MEMSIZE に使用するメモリーサイズを M バイトで設定します。


    # SYS_MEMSIZE=memory_size
    # export SYS_MEMSIZE
    

  10. 手順 8 でディレクトリを

    • マウントした場合は、/tmp/mnt にディレクトリを変更します。


      # cd /tmp/mnt
      

    • マウントしなかった場合は、プロファイルのある場所にディレクトリを変更します。通常は、JumpStart ディレクトリです。


      # cd jumpstart_dir_path
      


    注意 - 注意 -

    -d オプションまたは -D オプションを指定しないと、pfinstall は指定したプロファイルを使用して、実際に Solaris ソフトウェアをシステムにインストールします。この結果、そのシステム上のデータは上書きされます。


  11. pfinstall(1M) コマンドによってプロファイルをテストします。


    # /usr/sbin/install.d/pfinstall disk_configuration [[-c path]] profile
    

例-プロファイルをテストする

次の例は、basic_prof プロファイルを、pfinstall を実行している Solaris 8 システム上のディスク構成に対してテストしています。basic_prof プロファイルは、/jumpstart ディレクトリにあります。ボリュームマネージャを使用しているので、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージへのパスが指定されています。


# cd /jumpstart
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c /cdrom/pathname basic_prof

次の例は、basic_prof プロファイルを、ディスク構成ファイル 535_test と 64M バイトのシステムメモリーに対してテストしています。この例は、/export/install ディレクトリに存在する Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージを使用しています。また、pfinstall は、Solaris 8 システムで実行しています。


# SYS_MEMSIZE=64
# export SYS_MEMSIZE
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -d 535_test -c /export/install basic_prof

rules ファイルの妥当性を検査する

rules ファイルとプロファイルは、check スクリプトを実行して、これらのファイルが正しく設定されていることを確認してからでないと使用できません。すべてのルールとプロファイルが有効な場合は、rules.ok ファイルが作成されます。このファイルは、カスタム JumpStart インストールソフトウェアがシステムをプロファイルと照合するために必要です。

表 18-8 に check スクリプトの動作を示します。

表 18-8 check スクリプトの流れ

手順 

説明 

rules ファイルの構文検査を行う。

 

check スクリプトは、ルールキーワードが正当かどうかと、各ルールに対して、begin フィールド、class フィールド、および finish フィールドが指定されているかどうかを確認する。(begin フィールドと finish フィールドは、ファイル名でなくマイナス記号 [-] のこともある。)

rules ファイルにエラーがなければ、ルールに指定された各プロファイルの構文検査が行われる。

エラーがなければ、check スクリプトは rules ファイルから rules.ok ファイルを作成する。コメントと空白行をすべて削除し、すべてのルールを保持し、終わりに次のコメント行を追加する。

# version=2 checksum=num


注 -

rules.ok ファイルの所有者は root で、アクセス権は 644 です。


check の構文

次に、rules ファイルのテストに使用する check スクリプトの構文を示します。


$ ./check [[-p path]] [[-r file_name]]

表 18-9 check スクリプト引数の説明

引数 

説明 

-p path

使用しているシステムの check スクリプトではなく、指定した Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージの check スクリプトを使用することによって、rules ファイルの妥当性を検査します。path は、ローカルディスクまたはマウント済み Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 上にある Solaris インストールイメージです。

Solaris の旧バージョンが動作しているシステムでは、最新バージョンの check スクリプトを実行するために、このオプションを使用します。 

-r file_name

名前が rules 以外の rules ファイル名を指定します。このオプションを使用すると、rules ファイルに組み込む前にルールの妥当性を検査できます。

rules ファイルの妥当性を検査する方法

  1. check スクリプトが JumpStart ディレクトリにあることを確認します。


    注 -

    check スクリプトは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の Solaris_8/Misc/jumpstart_sample ディレクトリにあります。


  2. JumpStart ディレクトリへ移動します。

  3. check スクリプトを実行して rules ファイルの妥当性を検査します。


    $ ./check [[-p path -r file_name]]

    check スクリプトを実行すると、rules ファイルの有効性と各プロファイルの有効性の検査結果を表示します。エラーが検出されなければ、check スクリプトは「The custom JumpStart configuration is ok」と表示します。

rules ファイルの妥当性検査を終えたら、第 19 章「カスタム JumpStart オプション機能の使用」の任意のカスタム JumpStart 機能と、第 21 章「カスタム JumpStart インストールの実行」のカスタム JumpStart インストールの実行方法について参照してください。

圧縮された構成ファイルの作成

add_install_client コマンドを使用してカスタム JumpStart 構成ファイルの場所を指定する代わりに、システムのブート時に構成ファイルの場所を指定することができます。ただし、boot コマンドに指定できるファイル名は 1 つだけです。したがって、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮する必要があります。圧縮された構成ファイルの形式は、次のいずれかにしてください。

圧縮された構成ファイルを作成する方法

  1. プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリに移動します。


    # cd jumpstart_dir_path
    
  2. 圧縮ツールを使って、すべてのカスタム JumpStart 構成ファイルを 1 つのファイルに圧縮します。


    注 -

    圧縮構成ファイルに相対パスを含めないでください。カスタム JumpStart 構成ファイルは、圧縮されたファイルと同じディレクトリに置かれている必要があります。


    圧縮された構成ファイルには、次のファイルを含まれている必要があります。

    • プロファイル

    • rules

    • rules.ok

    圧縮された構成ファイルに、さらに sysidcfg ファイルを入れることもできます。

  3. 圧縮された構成ファイルを NFS サーバーか HTTP サーバー、またはインストールされるシステムからローカルでアクセスできる媒体に保存します。

例 - 圧縮された構成ファイルの作成

次の例は、tar コマンドを使って、圧縮された構成ファイルを config.tar という名前で作成する例です。カスタム JumpStart 構成ファイルはすべて /jumpstart ディレクトリにあります。


# cd /jumpstart
# tar -cvf config.tar *
a profile 1K
a rules 1K
a rules.ok 1K
a sysidcfg 1K